トレーニング・デイ

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これは、私はネタバレなしにレビューを書けません。
そして、なるべくイントロ以外は読まずに観たほうがいいと思う作品です。

他のかたも書かれているように、
若手刑事が、先輩刑事の破天荒な行動に戸惑い、時には反抗しながらも、
鍛えられ、成長し、「先輩の真意（＝もちろん自分と同じ正義）」を知る、
気持ちのいいアクションものだと思っていたのです。
表はグレー、裏は白だと。

まさか、裏は真っ黒だったなんて。

マフィアのほうが裏表ない分、まだマシなんじゃないかとさえ思ってしまいました。

正義を、市民を、護ろうと志して刑事になったのではないのでしょうか？
アロンゾも、他の先輩たちも。
いつ、どうして、地獄へ行く決意をしたのか。

この作品の怖いところは、
アロンゾたちも自分たちの行為を正義と思っているかのように見えてしまうところだと思います。
ジェイクをまるめ込むための詭弁だったのかもしれませんが、
本気で言っているように見えなくもないのです。

正義の定義は人それぞれで、
多数派が必ず正しいとは限らないのかもしれません。
でもたとえ小悪人でも、表情も変えずに軽く撃つことができるなら、もう警察官どころかヒトじゃない。
大義名分という皮を被ったケモノ。
獣ではなく化物。そう感じました。

予測を裏切られたと言う意味では、楽しめたと表現してもいいのかもしれませんが、
やはりその言葉を使うことには抵抗を感じてしまいます。

【この作品は完璧なフィクションです。】
と、強調してほしかったような、強調されたら却って不安になるような、
現実味がありすぎて、ホラーのように無心では楽しめなかったものの、
身近ではないけれど、異次元でもない恐怖を味わわせてくれた作品でした。

まったくなんの予備知識もなく、デンゼル・ワシントンがこれでアカデミー主演男優賞をとったということも知らず、タイトルとイントロダクションから、
「清濁併せ呑むすべを心得たベテランの捜査官に新人のイーサン・ホークが鍛えられて一人前になる話なのだな」
と勝手に思い込んだところ、全然違ってびっくりした。
なんの予備知識もなくふらっと借りてみようと思った方は、レビューを読むのは映画のあとにしたほうがいいかも。

なにしろ勝手にいろいろ思い込んでいたので、脳内イメージと実際の映画をすり合わせる作業に忙しく、あまりこの映画のもつ重さとかメッセージを正面からとらえきれないままにばたばたと見終えて返却してしまった。
今になって、もう一回見ておけばよかったと後悔している。またいつか、すこし時間をあけてから借りて見てみることにしよう。

収録時間163分とあるがこれは特典映像も含めての時間。本編は２時間くらい。

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何気にすごい映画だった。
役者がみんな演技派で、子役出身のＥｔｈａｎ Ｈａｗｋを、新人に持ってくるあたりがすばらしい。
Ｄａｎｚｅｌの圧倒的なカリスマ制を受け止められるのは、彼のような役者じゃないとだめなのか、といった感じ。
彼は、本当に上手かった。

私が思わず笑ってしまったのが、Ｈｉｐ−Ｈｏｐ界の皆さんの出演。
Ｓｎｏｏｐ、Ｄｒｅ，Ｍａｃｙ Ｇｒａｙが出ていた。
しかも、みんな上手い。
特にＭａｃｙ Ｇｒａｙ、圧倒的な迫力でした。
彼女、歌も天才的だけど、演技もいけます。

私の好きな、Ｓｃｏｔｔ Ｇｌｅｎｎは、かわいそうな役どころだけど、渋かった。
久々にみた。

内容は、といえば、アメリカでは、実際良くある話しだと思う。
警察の不正、汚職は、映画に描かれてるだけではなく、日本では考えられないほど、日常茶飯事です。
私の身近でも、いろんな話があります。
権力や名声を手にした人間が、自分を見失わないでいくことは、この国では、大変な事なのかもしれません。
劇中、Ａｌｏｎｚｏのいう、「新聞にかかれている９０％が嘘だ。」
という言葉は、まさに、そのとおり。
アメリカの現実です。

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私の中のイメージではマジメな役ばかりのデンゼルが、悪役やってる。

なんとなーくそれは知っていたのですが、
想像では最初はイイ刑事で化けの皮が剥がれるのかと思っていた。

ところが、しょっぱなから悪いカンジがプンプン。
今までのデンゼルとは一味違う。

一方、デンゼルに弟子入りの、新人君イーサンホーク。
デンゼルの「悪を捕まえるには悪も必要」的な
なんでもありのやり方にビビッたり、ウンザリしたり。

多少の伏線を織り込み前半は淡々と進みます。

終盤
いよいよ、新人君がキレる。
このあたりからイーサンホークが俄然たくましく見えてきます。
形勢逆転し、仲間も加勢してくれなくなってしまったデンゼル。

最後はあっけなかったです。

気になったのは、新人君はこの訓練日の後は正義感に満ちて
仕事をしていくのか、デンゼル路線を踏襲するのか。

私は、ラストシーンの新人君の表情はとても「悪」寄りに見えました。

新人君、こんな刺激の多いデビュー戦、キツイよね。

これまた、社会の裏側を描いたハードボイルド系・・・
苦手ジャンルだったのに、デンゼル・ワシントンと
イーサン・ホークにつられて見てしまいました。

苦手ジャンルの作品としては、かなり面白いと思います。
でも、やっぱりこんな実態が現実とは思いたくない
自分がいるので、ちょっと受け入れがたいです。

たった一日の出来事を描いているのに
長い長い一日でしたね。
配属が変わって一日目に大変な目に遭っちゃって
イーサン・ホークもお疲れ様って感じです。

オスカー獲っただけあって、デンゼル・ワシントンは
珍しく悪役を上手く演じています。
でも、悪役だからか、いつもほどカッコよく思えません。

イーサン・ホークもまぁまぁカッコいいんですが
「いまを生きる」のイメージが強いせいか
もっとカッコいいのを期待しちゃいます。
久々に「いまを生きる」が見たくなっちゃいました。