すべての美しい馬

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てっきり退屈な作品だろうという先入観念をもって臨んだのだが、とんでもない、たいへん面白かった。
原作は知らないが、本来大河ドラマ的なものなのだと思う。それを二時間少々にまとめているのだから、駆け足的な部分もあるのではないかと思うのだが、それが気にならない。起こる事件も、当事者になってみれば大変だが、映画鑑賞者の目で見るとそうたいしたものではないかも知れない。しかしそれがいちいち身に迫ってくる。
マット・デイモンはぱっと見すばらしい美男子というわけでも派手な外見でもないので、顔を覚えるまでに時間がかかったが、一度覚えてしまうとしみじみといい俳優だ。冷静な役が多く、おおげさな身振りや台詞回しをしているのを見たことがないが、その分内面で雄弁に語るタイプに思える。
そして、意外なことにといおうか、日本語吹き替え版が出色の出来なので、字幕版しか見ていない方もぜひ一度試してみてください。

なんか有名な小説が原作らしいんだけど、正直？って感じかなぁ。
ラストあたりで刑務所に入れられてしまった主人公（マット・ディモン）を牧場の娘（ペネロペ・クルス）がもう逢わないことを条件に助け出してもらいます。でも、どうしても逢いたい主人公と娘は一度だけ逢う。そこで男は求婚するけど娘は約束を守るために、愛してるのに結婚を拒否するんだけどそのとき「私は自分の誇りをかけて約束したからその約束を破る事はできない。それをしてしまったらアタシに何が残るの？」といいます。
「ハーーーーッ！」です。「お前の愛する男が残るだろ！」って思います。「なんやねんそのちっぽけなプライドはよーーー」です。この娘の優先順位がちょっと疑問でした。
それにしてもカウボーイってやつはカッコイイねぇ。馬ってのがまずイイ。そしてハット。
それに僕は南部訛りがとても好き。あとメキシコって怖い。あの国は貪欲だね。

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メキシコに向かう途中に出会った少年。
彼に終始翻弄され続けたジョンとレイシー。
ストーリーがすごく残念。

この少年、しゃべり方が馬鹿っぽい（汗;）
いい馬乗ってて、銃の腕前もいいのだが・・・
この子のせいで、命狙われるは、刑務所入れられるは。
えらい事になってしまいます。

そんなに引っ張らなくても、と思ってしまうのですが、
タイトルや、ジャケットから想像できるような
もっと、こう、なんというか、
一人の大人としてのカウボーイに成長していく主人公が
見たかった・・・。

紅一点のペネロペちゃんも無理やりねじ込んだ感が否めません。

終盤、失うものが何もない主人公ジョン。
何かを決意したかのように動き出す。
「おっ！ペネロペちゃんを迎えに行くのか！！」
とちょっと背筋が伸びたのですが、
盗まれた自分の馬を取り返しに行くって・・・
そっちかい！馬って！！

カウボーイにとっての馬ってどのようなものか分かりませんが
武士にとっての刀のようなものなのでしょうか。

何もかも捨てて愛する女性を迎えに行く。
ストーリー的にはそっちじゃないの？
とずっこけてしまった。

映画の方は何ごとかを思い入れたっぷりに語っているのだが…。我慢強く見続けていても歯車がかみ合ってこない。

こちらが「あ？何？」となっている間にずるずると話が進んでいく。

メインのメッセージがはっきり見えてこないのでピリッとしない。

映り込んでいる風景がとてもきれい映画だな〜。ただそれだけ。

アメリカで知らない人はいないというほどの青春小説が題材、ということで見てみたのですが、とても地味な印象でした。途中に様々な事件が起きるのですが、それすらも淡々と過ぎてしまいます。
マット・デイモン、ペネロペ・クルスといったスターが出ているにもかかわらず話題にならなかった理由がよくわかりました。
メキシコの広大な風景や、美しい馬たちは見ごたえがあったのですが。アメリカ人はこういう「青春」に憧れるのでしょうか…？
私はマット・デイモンのファンなので彼の顔を見ていれば満足でしたが、そうでない人には印象が残らない映画かも知れません。