ロビンソン・クルーソー

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じんわりと涙ぐむなんていうものではなく、わんわん泣けた。こんな映画は久しぶり。
ピアース・ブロスナンが好きなので見ようと思ったがまったく期待していなかった。
原作を読んだことはないが、原作とはだいぶ違うようだ。しかしその違いがなければここまで泣かされることはなかった。相違点はたくさんあるが、まず原作の漂流期間は28年である。

予告編のコピーは「サバイバルの原点」となっているが、これは友情物語である。そしてクルーソーではなく、フライデーの生き様を描いた物語として私の心に残る。
フライデーと知り合ったクルーソーは「友達、友達」といいながら、自分を「マスター（主人）」と名乗る。フライデーという名を与えたのも彼を尊重していないからできることで、初めから未開人と見下していた。ここらへん18世紀白人の自動的傲慢さが見られて興味深い。
原作も宗教色が強いというが、クルーソーは頭からフライデーに英国国教を押し付ける。２人しか人間がいなくても宗教対立が起こるのである。地上から戦争はなくならないなと暗澹たる気持ちになる。自然の厳しさを知悉する者の信仰心は深く強い。それを紙の束（聖書）で覆すのはほぼ不可能であろう。
フライデーには自分が奴隷（や家来）であるという意識など毛頭なかった。しかし英語を覚え、「ニマ族」「パキア」といった言葉を教えながらもフライデーは最後まで自分の名を名乗らない。自ら「フライデー」と称している。「自分はすでに死んだ人間」と強く自覚していたからであろうか。
この映画の名台詞はほとんどフライデーのものである。「死ぬのは問題ない。どう死ぬかだ」　ほかにもフライデーの言葉がいくつか心に残っている。

特典は、予告編、キャスト／スタッフ。

有名な漂流系アドベンチャー小説の映画化。

主役が007の俳優だったので、無人島に閉じ込められても、「どうせ華麗に脱出してしまうんだろ？」という先入観が、主人公の失望感、危機感をおなざりにしてしまう。
役者のイメージって怖いな、と思いしらされた一本。

ありきたりな漂流映画の冒険ものかと思いましたが。。。
孤独過酷で最後は帰還ってところの大筋はそうなんだけどねぇ〜
ちょっと違うところが人間ドラマがあるところ
人種を超えた人間対人間の暖かで切ないドラマが加わっている。
ちょっとそこは感動しますよぉ！！
そしてちょっと考えさせれらる映画です。
ただのアドベンチャーで終わってないところがよかった。
不意をつかれた気がして私は好印象！！

一人だけの生活も悪くないと思うが,６年はいくら

何でも長すぎる。退屈と孤独で死んでしまうだろな。

犬が死に，Fridayも死んでしまったが,最後に

彼女と幸せになれて,まずはHappy Endだ。

僕も一度はそんな生活が，してみたい。

子供の頃、『十五少年漂流記』や『宝島』に憧れた。冒険モノなら何でも読んだ。何度も読んだ。千葉の片田舎に住む自分が、どうやったら冒険の旅に出られるか、真剣に考えていた。
いまでも、無人島で暮らしたいと思っている。勿論、コンビニ付き。(笑)

貧しい貴族のロビンソン・クルーソーは、愛するメアリーが裕福な男と結婚させられるのを阻止するため、決闘を申し込む。ところが、相手もメアリーに惚れており、本気の決闘になる。彼は焦った。勿論、殺す気などなかったが、弾みで相手を殺してしまう。
ロビンソンは、メアリーに別れを告げて船に乗り込む。罪を逃れ、トラブルを避けるためだったが、船は嵐にあって遭難してしまう。
嵐の一夜が明け、ロビンソンが目を覚ますと、そこは絶海の孤島だった。
……というお話し。
記憶と違うストーリーだったので焦ったが、子供向けの簡易版とオリジナルの小説は違うし、小説と映画も違うから、まぁ、こんなもんかも知れない。私たちは、多くの小説で簡易版を読まされて育つから、大人になってオリジナルを読んでビックリすることがある。それもまた、追加儀礼の一つなのだろう。でも、「最初からオリジナルを読ませろよ」と個人的には思っている。

また、本作品は、作家のダニエル・デュフォーがロビンソン・クルーソーの手記を渡され、「これをもとに本を書いたらどうだ」と編集者に勧められる構造になっている。だから、私たちが知っているデュフォーの小説とは異なり、映画は元ネタなんだよと暗に諭している。ちょっと小賢しい。(笑)

原作を忠実に映像化する度量がないなら、取り組むべきではない、と私は思っている。現代社会にそぐわないからと言って、それを今の価値観に置き換えて改竄する行為は、作者に対する冒涜ではないかと思うのだ。

奴隷制に言及する脚本だったが、果たして友情にまで昇華させる必要があったのか、はなはだ疑問だ。孤独から心が揺らぐくらいの描写は容認できても、それがテーマにされては「違うでしょ」と言わざるを得ない。
もしかしたら、ウォルフガング・ペーターゼン監督の『第５惑星』やジョン・ブアマン監督の『太平洋の地獄』に影響されているのかも知れない。（ストーリー展開は『第５惑星』に近いような気がする）

おかげで、本作品は冒険モノとしてのワクワク感は皆無だった。失望も絶望もなく、サバイバル描写もない。まったくの拍子抜けだった。
主演のピアース・ブロスナンは、ジェームズ・ボンドそのままだった。『ダイ・アナザー・デイ』で北朝鮮での２年間の虜囚生活から解放されたばかりのボンドと寸分の違いもない。(笑)　彼は、やはり役者ではなく、スターなのだな、と改めて実感した。
無人島での生活が１ヶ月も続いたら、あんなにつぶらな瞳でいられないだろう。

監督にジョージ・ミラーの名前が連なっているが、理由は不明。ピンチヒッターで起用されたか……。最初から彼が監督していたとは思えないから、何か理由があるのだろう。

ちゃんとした孤島のサバイバル映画が観たいなぁ。
オススメ致しません！