リプレイスメント

　シーズンの残り試合が４という時点で、NFLの選手たちが年俸の上限撤廃を求めてストに突入する事態となる。残り４試合のうち３勝すれば７年ぶりにプレーオフ進出というワシントン・センティネルズのオーナーは、すでに引退している訳ありの、優勝経験のある名コーチ、ジミー・マクギンティをチームに招聘し、代理選手（リプレイスメント）によるチームの再編成を一任する。マクギンティは、元プロやら、フットボールに縁のなかった一芸に秀でた選手たちやら、収監されていた者まで、何とか寄せ集めて、チームの体裁を整える（これも、アメリカンフットボールがポジションごとに分業化されていて、それぞれ必要とされる特別な能力が異なるからこそできるわざ）。それでも１週間やそこらで複雑なプレーコールを覚えられるのかしら。

　最も重要なオフェンスの司令塔、クオーターバックには、船の掃除や修理をしながら、まるで世捨て人のようにひっそりと暮らしているシェイン・ファルコに声を掛ける。彼は、オハイオ大学の優秀なクオーターバックだったのだが、98年のシュガーボウルで信じがたい大敗を喫し、そのショックから完全にフットボールを退いていたのだ。マクギンティは、頑張れば道は開ける、何が大事かよく考えろと、ファルコを説得する。こうして、ファルコ率いる代理選手たちの寄せ集めチームで、残り４試合を戦うことになるのだが…。定番のよくありそうな設定で、その後のストーリーはだいたい予想がつきます。

　そして、こてこてのコメディタッチで、まさに予想通りにストーリーが展開します。ロマンテックシーンもあって、とてもいいお話なのですが、全体に落ち着きがなく、始終騒々しいのが玉に瑕かな。試合の方は、65ヤード（ふつう50ヤードでも相当難しい）のフィールドゴールが奇跡的に成功したり、残り時間なしで２点コンバージョンに成功して１点差で勝ったりと、かなりレアな勝ち方。キアヌ・リーヴスが、挫折して陰のあるクオーターバック役を爽やかに演じています。コーチ役のジーン・ハックマンも適役だと思うのですが、落ち着きのない演出が彼の演技を十分に活かせていないような気がします。もっとじっくり台詞を聞かせて欲しかったかな。グロリア・ゲイナーの「恋のサバイバル」のディスコサウンドでダンスをするシーンがすごく楽しそうで、とても懐かしく感じました。セカンドチャンスがあれば、果敢に挑戦すべし、きっと何かを得られるだろう、という映画です。

　この作品、意外(失礼!)と当たりなんです。
　見終わった後、素直に面白いじゃん。と思えるお話しです。

　内容としては本当にありきたりで、寄せ集めメンバーが最期には一致団結して最高のプレーヤーになり、本選手以上に観衆から声援を受ける。そして、最期にはファルコもフットボールプレーヤーとして復活し、同時に彼女も手に入れる。

　こんなに単純でありきたりなんだけど、最期の盛り上がりの部分は見てて気持ちいいです。
　フットボールのこと全然知らないんだけど、すかっとするといいましょうか。

　私としては、あんまりこの人がいいから・・・というのはなかったのですが、総合的にみんなが良かったんでしょうねぇ。
　似たような作品でも、「まあ、普通だった」という印象が多い中、上手く作ってあるように思います。

スポ根モノにしては、お決まりの試練がなかったし、
全体的に軽いタッチで気楽に見れた。

ストの選手たちに代わりに即席で作ったチーム。
同時にチアリーディングも即席チーム。

両方ともクセのアル人たちだらけで
ちょっとコメディっぽい。

ですが、キアヌだけは超爽やかです。
彼の爽やかスポーツマン役を見たい人にはおススメ。

そうじゃない人には暇つぶし程度。

ありがちなストーリー。

ありがちなキャラの仲間たち。

ありがちな結末。

スポーツ映画、もうちょっとどうにかならんもんか。

まさに皆さんが想像している通りの映画でございます。
そんなに長く感じられませんので、暇な時でもどうぞ。