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アル・パチーノ、ラッセル・クロウ共演の社会派ドラマ。実話を基に、ある大企業の隠蔽工作を告発する人間たちの葛藤を描く。報道局員役のパチーノと、告発者となるクロウの演技合戦が見もの。マイケル・マン監督。人気報道番組のプロデューサー、バーグマンのもとに匿名の書類が届けられる。それは、あるタバコメーカーの極秘ファイルだった。彼はその書類の意味を探るうち、ワイガンドという人物に行き当たるが・・・。
製作年: |
1999年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
THE INSIDER |
受賞記録: |
1999年 LA批評家協会賞 作品賞 |
監督: |
マイケル・マン |
---|---|
製作: |
ピーター・ジャン・ブレッジ 、 マイケル・マン 、 ピーター・ジャン・ブルージ |
出演: |
アル・パチーノ 、 ラッセル・クロウ 、 クリストファー・プラマー 、 ダイアン・ヴェノーラ 、 フィリップ・ベイカー・ホール 、 リンゼイ・クローズ 、 デビ・メイザー 、 ジーナ・ガーション 、 ブルース・マッギル |
脚本: |
エリック・ロス 、 マイケル・マン |
撮影: |
ダンテ・スピノッティ |
音楽: |
ピーター・バーク 、 リサ・ジェラード |
アル・パチーノ、ラッセル・クロウ共演の社会派ドラマ。実話を基に、ある大企業の隠蔽工作を告発する人間たちの葛藤を描く。報道局員役のパチーノと、告発者となるクロウの演技合戦が見もの。マイケル・マン監督。人気報道番組のプロデューサー、バーグマンのもとに匿名の書類が届けられる。それは、あるタバコメーカーの極秘ファイルだった。彼はその書類の意味を探るうち、ワイガンドという人物に行き当たるが・・・。
製作年: |
1999年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
THE INSIDER |
受賞記録: |
1999年 LA批評家協会賞 作品賞 |
監督: |
マイケル・マン |
---|---|
製作: |
ピーター・ジャン・ブレッジ 、 マイケル・マン 、 ピーター・ジャン・ブルージ |
出演: |
アル・パチーノ 、 ラッセル・クロウ 、 クリストファー・プラマー 、 ダイアン・ヴェノーラ 、 フィリップ・ベイカー・ホール 、 リンゼイ・クローズ 、 デビ・メイザー 、 ジーナ・ガーション 、 ブルース・マッギル |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
158分 | 日本語・日本語吹替え用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/2chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PCBP71056 | 2003年06月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
3枚 | 2人 | 2人 |
収録時間:
158分
字幕:
日本語・日本語吹替え用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/2chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
PCBP71056
レンタル開始日:
2003年06月19日
在庫枚数
3枚
1位登録者:
2人
2位登録者:
2人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
158分 | 日本語・日本語吹替え用字幕 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 2:ドルビーデジタル/2chサラウンド/日本語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
PCBP71056 | 2003年06月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
3枚 | 2人 | 2人 |
収録時間:
158分
字幕:
日本語・日本語吹替え用字幕
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
2:ドルビーデジタル/2chサラウンド/日本語
レイティング:
記番:
PCBP71056
レンタル開始日:
2003年06月19日
在庫枚数
3枚
1位登録者:
2人
2位登録者:
2人
約35,500
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
特に期待もせずにレンタルしたのですが、なかなか楽しめました。2時間半以上もある作品ですけど、飽きることなく一気に観れちゃいました。
旅行先にポータブルDVDプレイヤーを持っていき、ホテルのTVに接続して観ました。
だいたい旅行に行くと、夜時間を持て余してしまうんですよね。普段、12時過ぎに自室に入り、PCの前でしばらく過ごして、寝るのは2時、3時なのに、旅行に行くと食事をして9時くらいには、もうやることが無くなってしまうんですよね。
で、今回はDVDも数枚持っていった中に、これがあったんですけど、TVドラマを観て11時から観始めました。2時間近くが過ぎ、かみさんがギブアップして寝てしまったのですが、私は途中でやめられず、結局最後まで一気に観たのです。
翌日、かみさんが、
「面白かったし、もうちょっとだと思って我慢して観てたんだけど、そんなに 長いのなら、はじめから諦めれば良かった・・・」
と・・・。今日の昼間観ていたようです(笑)
マイケル・マンですから硬派な作品であろうことは想像できましたし、アル・パチーノとラッセル・クロウが出ていたので(最初、ラッセル・クロウがわからんかった・・・)それなりの作品であろうとは思ったのですが、想像以上でした。
「ヒート」のアクション・シーンはペキンパーの「ワイルド・バンチ」にも匹敵するようなものだと思っているんですけど、その後こんな作品を作っていたとは知りませんでした(恥)
これ、若干の脚色はあるにしてもほぼ実話らしいですし、中心人物の二人は今でも元気だと言うことですから驚きです。
愛煙家としては、コメントしづらい問題ではありますが、今では誰もが知っている(と言っても、完全に関係性は解明されていないと私は思ってますが)煙草の有害性が明らかにされるにあたり、こんなことが有ったんですねえ。
で、おそらくは目の玉の飛び出るような賠償金を支払ったと思われるタバコ会社ですけど、倒産することもなく未だに儲け続けてるんですね。いったい、どれだけの利益があるんだか・・・(笑)
最近日本では、税収を増やすために、
「タバコを1000円にしよう」
なんてばかげたことを言ってるようですけど(アンケートによると、1000円になったら80%が禁煙するらしいので、税収はほとんど変わらんでしょ)それならば喫煙者は高額納税者になるのですから、もっと優遇しろと言う話ですよね。
別に、あえて人に迷惑をかけたいわけではないし、タバコの煙が嫌だという方たちの気持ちも充分わかります(自分で吸っている私でも、昔のパチンコ屋等のタバコモクモクは嫌でしたし・・・)から、嫌がられてまで吸いたい訳ではないのです。しっかりと分煙してくれればいいのです。ファミレスなんかで、喫煙席と案内されても、禁煙席と低いしきりで分けてあるだけで、そこに子供さんでもいれば、そりゃあ吸えませんって・・・。吸う人間は、それは覚悟で吸ってるわけですから、密閉空間で煙モクモクでもいいんです(嫌なら、そこでは吸わない)
内容としては、今にして考えれば大したことではないのですが(タバコのニコチンは有害で、習慣性があるってことを暴露しただけですから)それをここまでサスペンスタッチでまとめあげたマイケル・マンと、アル・パチーノ、ラッセル・クロウの演技力を観るべき作品ですよね。ラッセル・クロウは、この後「グラディエーター」でオスカーを獲りましたけど、こっちの方が良いでしょ。
ドキュメンタリータッチを意識してだか、手持ちカメラでのブレブレ映像とか、余計な演出もありますけど、それを補って余りあるくらい引き込まれます。
ワイガンドのかみさんなんか、反吐が出るくらい嫌な女なんですけど、編集されたVTRを観た時の娘達の表情が救いですかね。
ちなみに私が関わっている「薬物乱用防止教育」では、タバコも酒も麻薬や覚醒剤と同じく、習慣性のある「薬物」として扱っています。ただし、小中学生に講義する場合、父兄に酒・煙草を販売している人がいる可能性も考え、「未成年者は、脳の発育が未成熟なので酒や煙草はダメ」と言う表現にしています。
まあ、それでも私は煙草を吸うんですけどね・・・(笑)
このレビューは気に入りましたか? 16人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
90年代、“受動喫煙の害”が騒がれ、あらゆる労働環境に喫煙所が設けられるようになりました。そのころまで、『紫煙もうもうたるあまり、3m先が見えない』ような事業所が、笑い話になり、困難をものともせず仕事に打ち込む様として、語り継がれる場合すらあったのです。
喫煙所が設けられた当初の職場の様子、想像つくでしょうか。最悪のヘビースモーカーたちは、喫煙所使用が通達されるたび、かえって依怙地になってデスクに吸殻を積み上げ、『20cmになった、もっと高くなった、』と、鼻からも口からも激しく煙を噴出しながら、顔を背けるOLの腕をわざわざひきよせて、自慢したものです。
“害がある”、言葉としては、知っていたでしょう。しかし呑みに行くたび、後輩は聞かされました。『俺の爺さんは80になるが、毎日2箱吸ってピンピンしてる』『体に悪い、悪いと言うが、そりゃ単なる一説だ、実際はストレスが軽減されて、身体に好影響を及ぼすって報告もある』。
“ちょっと想像すればわかる”のは、科学的に実証され、法的に拘束され、社会のあらゆる場所で啓蒙が進んだからです。きっちりと既定されないことは、喫煙者に逃避と抵抗の余地を与えていました。彼らはしぶとい。禁煙が徹底されると、仕事上の重要な根回しを、喫煙所の仲間だけで進めることがありました。部下に喫煙を強要し、断られると、スキルの伝達を拒否することもありました。
「インサイダー」はスタイリッシュな作品です。美しく枯れ風情を身につけたアル・パチーノ、疲労感を後半に向かって積み重ねたラッセル・クロウの両雄も、お見事。しかしこの作品ではそんなことより、登場人物の精神の葛藤を捉える視点の深さに、凄みを感じます。
健康食品業界で、化学への愛と責任感、創る喜びを高めてきたのであろうワイガントの、タバコ業界における“ちっぽけな問題”への苦悩。交わされる言葉の端々から、絵で見るように苦悩の中身が描き出されます。鼻をひくひくさせる何百ものマウスに、日に何度も、ニコチンを投与してきたのでしょう。毒を求めるようなってしまった小さな生き物を手に取り、心臓や脳の血管が萎縮し、老化をはやめながら死に行く様を、その目でみとってきたのでしょう。会社が譲れないスパイシーな香料を何度も小さなからだに投薬し、異様な癌の盛り上がりを、自らのメスで摘出した日もあったでしょう。運悪く考える力に恵まれてしまった彼にとって、どれほど地獄に近い日々だったことか。
この作品からは行き交う言葉の裏に、登場人物それぞれの苦悩を、垣間見せられます。同時に悲しく気がついてしまいます、物事をあたりまえに考えられる人の、なんと少ないことか。TVショーに『こちらは○、こちらは×』とされるまで人々が判断してくれないのでは、勇気を振り絞り、犠牲を払って義心を貫く人がむくわれません。
私たちの身の回りには正しくない取り組みが、山ほどあります。そのようなことに従事するのは、ほとんどがちゃんと考える力のない、オシアワセな方々です。『一事が万事』という言葉があります。自分が儲かればいいや、と考える事業主は、一見めんどうみがよさそうでも、思いやりなく仲間を傷つけ、真っ先に部下に責任をなすりつけます。その下で働く者も、おのずと似通ってきます。結果、互いに利益を奪い合うことに汲々とするあさましい集団の出来上がりです。
悲しいことに、そんなグループのなかにあっても、ちゃんとした思考力に目覚めてしまう人間がいます。子どもたち、想像する未来、周りのゆがんだ笑いに想いをめぐらせ、自分なりに考える力を身につけてしまう人間は悲惨です。心に副わないルーティンに従事する毎日のつらさは、想像を絶するでしょう。
わずかな勇気に頼って告発をするなんて、とんでもない。告発は聞き逃され、書類はどこかに紛れてしまうかもしれない。雲の上の存在に、社会から抹殺されるかもしれない。命だって危ういかも。それでも、考え抜いた、道を正しくする一歩を踏み出したとき、すべてが変わるかもしれません。
末尾のクレジットで、博士が96年、最優秀教師に選ばれたことが告げられます。コミュニケーションが上手でない彼が、子どもを相手に、教師として成功。博士が化学への愛を取り戻し、魂も軽やかに仕事に情熱を燃やせたことを想像させるに十分な一行です。
7月25日ディズニーが、今後製作する全作品に、喫煙シーンを用いないと発表しました。傘下の製作会社にも同様の考えを順次うながしていくそうです。この動きは他の大手製作会社にも広がっていくでしょう。またひとつ、喫煙者の拠り所が、消えていくわけです。“たかがタバコの問題”が、博士の想いを受け継ぎ、今も動いています。
今、社会にはびこる諸問題も、内部の人間の勇気と知恵で、動く日が来るかもしれません。
このレビューは気に入りましたか? 14人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ヒート」(1995年)でもそうだったのですが、
プロフェッショナルな男達の秘術を尽くした攻防が
見事でありました。
自分の信条のため、妥協することなく戦い続ける男の輝き。
後半のバーグマン(A・パチーノ)の姿に、惚れ惚れします。
最後になって<インサイダー>のタイトルが重く響いてきます。
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:64件
投稿日
2008/08/27
レビュアー
こんちゃん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
特に期待もせずにレンタルしたのですが、なかなか楽しめました。2時間半以上もある作品ですけど、飽きることなく一気に観れちゃいました。
旅行先にポータブルDVDプレイヤーを持っていき、ホテルのTVに接続して観ました。
だいたい旅行に行くと、夜時間を持て余してしまうんですよね。普段、12時過ぎに自室に入り、PCの前でしばらく過ごして、寝るのは2時、3時なのに、旅行に行くと食事をして9時くらいには、もうやることが無くなってしまうんですよね。
で、今回はDVDも数枚持っていった中に、これがあったんですけど、TVドラマを観て11時から観始めました。2時間近くが過ぎ、かみさんがギブアップして寝てしまったのですが、私は途中でやめられず、結局最後まで一気に観たのです。
翌日、かみさんが、
「面白かったし、もうちょっとだと思って我慢して観てたんだけど、そんなに 長いのなら、はじめから諦めれば良かった・・・」
と・・・。今日の昼間観ていたようです(笑)
マイケル・マンですから硬派な作品であろうことは想像できましたし、アル・パチーノとラッセル・クロウが出ていたので(最初、ラッセル・クロウがわからんかった・・・)それなりの作品であろうとは思ったのですが、想像以上でした。
「ヒート」のアクション・シーンはペキンパーの「ワイルド・バンチ」にも匹敵するようなものだと思っているんですけど、その後こんな作品を作っていたとは知りませんでした(恥)
これ、若干の脚色はあるにしてもほぼ実話らしいですし、中心人物の二人は今でも元気だと言うことですから驚きです。
愛煙家としては、コメントしづらい問題ではありますが、今では誰もが知っている(と言っても、完全に関係性は解明されていないと私は思ってますが)煙草の有害性が明らかにされるにあたり、こんなことが有ったんですねえ。
で、おそらくは目の玉の飛び出るような賠償金を支払ったと思われるタバコ会社ですけど、倒産することもなく未だに儲け続けてるんですね。いったい、どれだけの利益があるんだか・・・(笑)
最近日本では、税収を増やすために、
「タバコを1000円にしよう」
なんてばかげたことを言ってるようですけど(アンケートによると、1000円になったら80%が禁煙するらしいので、税収はほとんど変わらんでしょ)それならば喫煙者は高額納税者になるのですから、もっと優遇しろと言う話ですよね。
別に、あえて人に迷惑をかけたいわけではないし、タバコの煙が嫌だという方たちの気持ちも充分わかります(自分で吸っている私でも、昔のパチンコ屋等のタバコモクモクは嫌でしたし・・・)から、嫌がられてまで吸いたい訳ではないのです。しっかりと分煙してくれればいいのです。ファミレスなんかで、喫煙席と案内されても、禁煙席と低いしきりで分けてあるだけで、そこに子供さんでもいれば、そりゃあ吸えませんって・・・。吸う人間は、それは覚悟で吸ってるわけですから、密閉空間で煙モクモクでもいいんです(嫌なら、そこでは吸わない)
内容としては、今にして考えれば大したことではないのですが(タバコのニコチンは有害で、習慣性があるってことを暴露しただけですから)それをここまでサスペンスタッチでまとめあげたマイケル・マンと、アル・パチーノ、ラッセル・クロウの演技力を観るべき作品ですよね。ラッセル・クロウは、この後「グラディエーター」でオスカーを獲りましたけど、こっちの方が良いでしょ。
ドキュメンタリータッチを意識してだか、手持ちカメラでのブレブレ映像とか、余計な演出もありますけど、それを補って余りあるくらい引き込まれます。
ワイガンドのかみさんなんか、反吐が出るくらい嫌な女なんですけど、編集されたVTRを観た時の娘達の表情が救いですかね。
ちなみに私が関わっている「薬物乱用防止教育」では、タバコも酒も麻薬や覚醒剤と同じく、習慣性のある「薬物」として扱っています。ただし、小中学生に講義する場合、父兄に酒・煙草を販売している人がいる可能性も考え、「未成年者は、脳の発育が未成熟なので酒や煙草はダメ」と言う表現にしています。
まあ、それでも私は煙草を吸うんですけどね・・・(笑)
投稿日
2007/07/29
レビュアー
干し草※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
90年代、“受動喫煙の害”が騒がれ、あらゆる労働環境に喫煙所が設けられるようになりました。そのころまで、『紫煙もうもうたるあまり、3m先が見えない』ような事業所が、笑い話になり、困難をものともせず仕事に打ち込む様として、語り継がれる場合すらあったのです。
喫煙所が設けられた当初の職場の様子、想像つくでしょうか。最悪のヘビースモーカーたちは、喫煙所使用が通達されるたび、かえって依怙地になってデスクに吸殻を積み上げ、『20cmになった、もっと高くなった、』と、鼻からも口からも激しく煙を噴出しながら、顔を背けるOLの腕をわざわざひきよせて、自慢したものです。
“害がある”、言葉としては、知っていたでしょう。しかし呑みに行くたび、後輩は聞かされました。『俺の爺さんは80になるが、毎日2箱吸ってピンピンしてる』『体に悪い、悪いと言うが、そりゃ単なる一説だ、実際はストレスが軽減されて、身体に好影響を及ぼすって報告もある』。
“ちょっと想像すればわかる”のは、科学的に実証され、法的に拘束され、社会のあらゆる場所で啓蒙が進んだからです。きっちりと既定されないことは、喫煙者に逃避と抵抗の余地を与えていました。彼らはしぶとい。禁煙が徹底されると、仕事上の重要な根回しを、喫煙所の仲間だけで進めることがありました。部下に喫煙を強要し、断られると、スキルの伝達を拒否することもありました。
「インサイダー」はスタイリッシュな作品です。美しく枯れ風情を身につけたアル・パチーノ、疲労感を後半に向かって積み重ねたラッセル・クロウの両雄も、お見事。しかしこの作品ではそんなことより、登場人物の精神の葛藤を捉える視点の深さに、凄みを感じます。
健康食品業界で、化学への愛と責任感、創る喜びを高めてきたのであろうワイガントの、タバコ業界における“ちっぽけな問題”への苦悩。交わされる言葉の端々から、絵で見るように苦悩の中身が描き出されます。鼻をひくひくさせる何百ものマウスに、日に何度も、ニコチンを投与してきたのでしょう。毒を求めるようなってしまった小さな生き物を手に取り、心臓や脳の血管が萎縮し、老化をはやめながら死に行く様を、その目でみとってきたのでしょう。会社が譲れないスパイシーな香料を何度も小さなからだに投薬し、異様な癌の盛り上がりを、自らのメスで摘出した日もあったでしょう。運悪く考える力に恵まれてしまった彼にとって、どれほど地獄に近い日々だったことか。
この作品からは行き交う言葉の裏に、登場人物それぞれの苦悩を、垣間見せられます。同時に悲しく気がついてしまいます、物事をあたりまえに考えられる人の、なんと少ないことか。TVショーに『こちらは○、こちらは×』とされるまで人々が判断してくれないのでは、勇気を振り絞り、犠牲を払って義心を貫く人がむくわれません。
私たちの身の回りには正しくない取り組みが、山ほどあります。そのようなことに従事するのは、ほとんどがちゃんと考える力のない、オシアワセな方々です。『一事が万事』という言葉があります。自分が儲かればいいや、と考える事業主は、一見めんどうみがよさそうでも、思いやりなく仲間を傷つけ、真っ先に部下に責任をなすりつけます。その下で働く者も、おのずと似通ってきます。結果、互いに利益を奪い合うことに汲々とするあさましい集団の出来上がりです。
悲しいことに、そんなグループのなかにあっても、ちゃんとした思考力に目覚めてしまう人間がいます。子どもたち、想像する未来、周りのゆがんだ笑いに想いをめぐらせ、自分なりに考える力を身につけてしまう人間は悲惨です。心に副わないルーティンに従事する毎日のつらさは、想像を絶するでしょう。
わずかな勇気に頼って告発をするなんて、とんでもない。告発は聞き逃され、書類はどこかに紛れてしまうかもしれない。雲の上の存在に、社会から抹殺されるかもしれない。命だって危ういかも。それでも、考え抜いた、道を正しくする一歩を踏み出したとき、すべてが変わるかもしれません。
末尾のクレジットで、博士が96年、最優秀教師に選ばれたことが告げられます。コミュニケーションが上手でない彼が、子どもを相手に、教師として成功。博士が化学への愛を取り戻し、魂も軽やかに仕事に情熱を燃やせたことを想像させるに十分な一行です。
7月25日ディズニーが、今後製作する全作品に、喫煙シーンを用いないと発表しました。傘下の製作会社にも同様の考えを順次うながしていくそうです。この動きは他の大手製作会社にも広がっていくでしょう。またひとつ、喫煙者の拠り所が、消えていくわけです。“たかがタバコの問題”が、博士の想いを受け継ぎ、今も動いています。
今、社会にはびこる諸問題も、内部の人間の勇気と知恵で、動く日が来るかもしれません。
投稿日
2004/12/23
レビュアー
スターダスト※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
「ヒート」(1995年)でもそうだったのですが、
プロフェッショナルな男達の秘術を尽くした攻防が
見事でありました。
自分の信条のため、妥協することなく戦い続ける男の輝き。
後半のバーグマン(A・パチーノ)の姿に、惚れ惚れします。
最後になって<インサイダー>のタイトルが重く響いてきます。
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