ビッグムービー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　
コメディーを人に薦めるのは、本当に難しい。人によっては、ほんの少しツボをはずしただけでクスリとも笑えなくなるどころか、サムサに震え続けさせる可能性だってあるから。なので軽はずみな事は、口が裂けても言えないのだ。

ゴンドリーの『僕らのミライへ逆回転 』を観た時に、この映画の事をまず思い出した。パリソットの『ギャラクシー・クエスト』を彷彿とさせる様なＢ級映画愛にも満ち、なおかつパロディーに走らない生真面目さもあり、もちろんドタバタのまま終わる「潔さ」もある。（瞬間的にホロッとはさせるが）。これは監督フランク・オズ＆脚本スティーブ・マーティンの傑作コメディーだと思うのだが、なぜかあんまり評価はされていない。（まあ確かに、爆笑ポイントは無いけどね）

弱小映画プロダクションの社長、ボウフィンガー（スティーブ・マーティン）はヒット作に恵まれず、失意の日々を送っていた。ところが会社の経理士が書いた脚本を読んで「これは傑作になる！」と確信。早速、製作にかかるが、スポンサーは「人気アクションスターのキット・ラムジー（エディ・マーフィー）が出演するなら、資金を出そう」という条件を出す。もちろん一流スターのキットにはすげなく出演を断られ、途方に暮れるボウフィンガー。だがそれならばと一計を案じ、かくして製作費「たった2000ドル」のＳＦアクション大作がクランク・インする。

「どうやって主演俳優に知られずに、映画を（しかもアクション映画を）撮るか」そんなあり得ない難テーマに、ゲリラ的策略を用いて挑戦する面白さ。この短い尺にコマゴマとしたアイディアが盛り込まれている脚本に感心してしまう。
　大スターのキットが、ノイローゼから少しパラノイア気味になっていて、その妄想とゲリラ撮影が妙に合致してしまう…なんて、絶妙なコントネタだ。

　スティーブ・マーティンはある意味ハズシの天才だが、本作では抑制が効いていて、「珍しく」ハズシていない。またエディ・マーフィーも（今やギミックに頼り過ぎていて元々の面白さが分からなくなっているが）そんな彼の本来のトーク能力とコメディアンとしての細かい演技が見られる。そう、エディって、こんなに巧いコメディアンだったんだよ。

キットが頼る団体「心頭会」（サイエン○ロジー？）の教祖をなんとテレンス・スタンプが演じていて、さすがの存在感を見せたり、ただの田舎娘のヘザー・グラハムが、あからさまな枕営業でのしあがってゆく様が笑えたりと、キャラ描写もツボを押さえている。いやなかなか、いいんだってば。


真面目な話、映画・演劇・アート…今も昔も、それのみで食えていけている人間はわずかだ。実力はもちろん、時の運や人脈に恵まれなくては、それを生業だと胸を張れるようにはなれない。強力なピラミッド社会の底辺で喘いでいる人達が、無数に存在しているのだ。そういう人々の報われぬ苦しみを、私は知っている。だからこそ、そんな彼達彼女達に愛を注ぐ作品を、断然支持したいのだ。


というわけで最後に一言だけ。「こいつは、お薦めコメディーだ！」（あ、言っちゃった）

スティーブ・マーティンとエディ・マーフィーと言えば、アメリカを代表する二大コメディ俳優です。
（最近では、ジャック・ブラックとベン・スティラーに第一線を譲った感もあるけど）
特に、１０年前までは、エディ・マーフィーが大好きでした。
（ビバリーヒルズコップシリーズはＤＶＤも持っています・・・がナイティプロフェッサーや
　ドクター・ドリトルくらいから、愛を失ってしまいました）。

１９９９年のころはまだ好きだった時代だけど、この映画は知りませんでした。
（１９９９年は就職氷河期の中就職活動中で、映画を見逃していることも多く、
最近こんないい映画があったのか！！と　よく発見します）

はずさないコメディだと薦められてみたのですが、これは、かなりのいい作品です。

スティーブ・マーティン演じるボウフィンガーは、小さな映画制作会社をやっていて、製作費用を捻出するのにも
苦労しています。華やかな映画界のアウトサイダーといった感じ。
最高の脚本と思えるものに出会って（本当はびっくりするくらいひどいストーリーだけど笑）
エディ・マーフィー演じるキットという映画スターを起用すれば、
大きな映画会社から資金を調達できることになります。
ただ、出演交渉すらできないため、隠し撮りで撮影しようと奮闘するところが見所。

この映画、脚本もスティーブ・マーティンが書いているようですが、
コメディ俳優の得意芸がわざとらしくないように按配されているんです。
エディ・マーフィーはノイローゼ気味の映画スターのキットと
いけていない頭の弱い彼の弟ジフを一人二役演じていています。
エディお得意の一人で二人芸ですが、それが映画のストーリー上無理なくあるので、
とってもいい感じなのです。キャラクターはどちらもおもしろいし。

アメリカのコメディには、コメディアンの得意芸に頼って笑いを出そうとして、
話の筋に無理が出てきたり、いらないシーンがたくさんあったりして、
結局おサムイストーリーになっちゃうことが多いのですが、
さすがに演じる側のマーティンは、得意芸をからませつつも、そのために映画が無理していません。

脇を固める俳優も、ヘザー・グラハム、薬物多用する前のロバート・ダウニーＪｒ、
イギリスの名優テレンス・スタンプと豪華共演。
『イン＆アウト』など良質コメディを作っているフランク・オズ。

アメリカのコメディは、おサムイギャクの連発で、下ネタ満載のお下品ばかりと、
がっかりしている人にも是非観て欲しい一作です。観終わると元気も出ます。

最初の入りがしゃれている。歌手とか題名とか知らないが
素敵な音楽が流れるなか、レトロ？な感じの室内をスローに移動しながら
撮影し、電話のベルがなる。電話代が滞納になってる話が聞こえやがて主人公が脚本
を読んでるアップになる。
これで一気に映画に集中。

スティーブ・マーティンとエディ・マーフィーがいいです。
特にエディー・マーフィーは白人にはない独特な存在感。一人二役はちょっと無理があるかなとは思うが
アイデアとしてはいいんじゃないですか。
スティーブ・マーティンも水を得た魚の様。観てて楽しくなる。
セリフの間もいいと思う。

タッチの良さ、ワクワク感とどんな風にストーリーが進むのかと言う期待感。
徹底した娯楽映画。こういう徹底した娯楽映画好きですね。

駐車場で犬に靴を履かせて撮るシーン。お利口な犬ですね。ギャラはただなのにやるよね。よくあんなアイデアを考えるよね。

エディ・マーフィーがカルト教団「心頭会」の信者という設定も面白いし教祖とエディーとの対話最高に面白い。
あの教祖も役者の名前知らないがいい線いってると思う。

高速道路を横断するシーンがあったが個人的にはあの場面は必要ないと思うんだが。

三流映画製作会社に、素晴らしい脚本が手に入る（全然、そんなことはないのに。だからこそ笑える。）。社長は、間違いなく映画をヒットさせるために、人気スターに出演交渉に行くが、あっさり断られる。そこで、思いついたのは、人気スターに気がつかれないように、隠れて撮影することだった。その極秘撮影が、現実と妙にシンクロして、えらいことになっていく。ともかく、何も考えずに観て、大笑いできる作品。スティーブ・マーティンのおとぼけに、エディ・マーフィの2役がナイス！そして、天然のお色気ボケのヘザー・グレアムちゃんも笑えます。

本当によかった。
彼って、昔から、白髪だったせいか、あまりかわらないよね。
Ｅｄｄｉｅ Ｍｕｒｐｈｙは、等身大の役と、また全然違うタイプの役を2役やってて、まじよかったね。
Ｓｔｅｖｅの芸風って、なんか、関根勤みたいで、非常にすき。
かっこいい！！！
最初から、最後まで、笑いっぱなしでした。
これは、絶対おすすめ。