ゴールデンボーイ

すごい地味なんですけど、
なんだかぞわーっとする映画でした。

授業でホロコーストを学び、
異様に興味がわいた主人公の少年が、
ふとしたことから有名戦犯で元ナチ将校のじいさんを見つけてしまう。

で、警察等には言わないから、
その代わりホロコーストでしたことを教えてほしい、
人を殺すのはどんな感じなのか教えてほしい、
と迫る・・・・

さらに、フェイクのナチス制服をじいさんにプレゼントし
行進しろ！歩け！と命令して支配欲を満たしたり・・・。

じいさんはじいさんで、制服着て行進させられたことで
昔を思い出してスイッチが入ってしまったのか、
その後こちらも危ない行動に走り・・・・

少年役、じいさん役ともに
背筋がぞっとする人間の演技はなかなかでした。

よーく考えると、
偶然が重なったり都合よすぎる感があって
観る人によってはそこが引っかかっちゃうかもしれませんが
私はこれはこれでよかったと思います。

『クライアント／依頼人』で子役として、すばらしい演戯を披露し
夭逝したブラッド・レンフロの青年の姿が観たくて、の旅　第２弾です。

『ブリー』があまりにもエロシーンが多かったことと、
内容的にも満足できなかったので、私は旅に出るハメになりました。

この作品は『ブリー』を５年遡ってるので、
まだ１５歳くらいで、年齢的には青年というより少年です。
でも、容貌は『クライアント』より『ブリー』に近いです。
少年から青年への移行期というところでしょうか。
容貌もほとんど青年だけど、すこ―し少年が残ってる。そんな感じです。
『クライアント』からの４年で、大人っぽく成長したんですね。
役柄は高校生です。

少年の無邪気さと、青年の狡猾さを併せ持つ微妙な存在を
魅力的に演じ上げていると感じました。
とにかく眼が、素晴らしくいいです。

私、好きな俳優さんが悪役をするのが嬉しい志向なので
悪役というイントロダクションで、期待から始まったんですが、
初めのうちは思っていたほどの悪ではないです。
成績優秀な高校生の遊び半分程度でしょうか。
もちろん、それだけでは終わりませんけれど。

元収容所長の老人役の人もよかったです。
自業自得で受けるべき罰を受けただけと言えばそうなんですけど、
そんな冷たく割り切りきれませんでした。

少年の好奇心が、巡り巡ってえぐりだした戦争の瑕。
罪がないという罪。

見方によっては完全犯罪。でもこれからのことを考えると危うい話です。
よくできていると思いました。
私的感情が入ってしまっているかどうか、自分では判断できませんが、
この役を違う俳優さんが演じていたとしても
ストーリーに関しては同じ感想だったと思います。
そして、この役をブラッド・レンフロが演じていたことが
嬉しかったです。彼だから、ここまで表現できたような気がします。

彼の作品はこれで３作しか観てないですが、
もしかしたらこの作品が彼の最高なのではないかと思いました。
だとすれば私、家に帰れるんですけど。
でももうちょっと、旅を続けたいような気にもさせられました。

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スティーヴンキングの短編小説を映画化。そんな事よりナチス系の映画らしいので有り難き幸せ。見逃すものかとすかさずレンタルッ！

成績優秀で運動神経抜群で男前の１６才の少年が、老人になったナチス戦犯を(偶然過ぎるが)見つける。その家を訪ねナチス時代に犯した話を聞き出す。要は教科書に載ってない事実を知りたいがため。言わないと警察に正体をバラすと(子供のくせに)脅迫するので、老人は仕方なく悲惨な事実を少年に毎日話すのだが、段々(ヨレヨレの)老人の中に潜めていた残忍な心が・・？

戦犯が普通の町に潜んでいた設定が実に素晴らしい！少年の持つ好奇心は私にとっても大の魅力だし皆様も事実は聞いてみたいはずだ。その肝心な事実をもっと掘り下げと欲しかったのだが・・それに和題名ゴールデンボーイって意味も分からぬ・・テーマは「人を殺す気分は？」のようだ。まあ、私は北斗ナチス拳で経絡秘孔を突かれ目が画面から離れなくなってしまったぁ。め 目ぐぁ勝手にぃ・・

先の展開がまっったく読めなかった！一度も早送りボタンを押す事も無かった。おっと、一応言うときますがぁ悪まで「ドラマ」ですのでホラーとか残酷描画とかの期待をしてはいけません。ですが、私のようにザ・ナチスの末路にご興味のある方は必見ですかねぇ！

　一見ホロコーストを遡って描く社会派ドラマかと思わせてくれるが、スティーヴン・キングらしい残酷な心理戦を展開して行くサスペンスドラマ。オカルトは一切無いから、ミザリータイプのキングだね。主従の入れ替わりの見事さ。追い込まれる人の迫真の心理描写。主人公の少年も巧いし、老人役のイアン・マッケランが最高。スイッチ入った時は怖かったぜ（笑）
　とにかく火遊びすると火傷どころか全身オオヤケドするかもね。



※レーティングは、A+,A,A-＞B+,B,B-＞C+,C,C- の9段階。

特に事件は起きなくても変な緊張感と怖さのある映画です。

一件だけ事件が起きますが何であの事件が起きたのかわかりません。
少年と老人のやり取りの間で、老人と少年お互いに心理的に眠っていた何かが覚醒してしまったような気がします。

他人を支配する心理戦。
地味ながら異様な緊張感と怖さで目が離せない映画でした。