レッド・バイオリン

屈折した愛を込めた一本のバイオリン
その因縁は人から人へと渡り
海を　時代を渡る
名器は人を選び
人を魅了して捕らえる
憑りつかれたものの奏でる音色は　人をゆさぶる
そして　かのバイオリンは決して持ち主を幸せにすることはない


ある意味捕らえどころのない映画です
人の手を渡り歩くバイオリンの物語
タロットカードをめくりながら語るバイオリン職人の妻のいる時代
バイオリン自体が渡り歩いていく流動的な時
レッドバイオリンがオークションにかけられる現在が
入り乱れ同じリズムで紡がれる
人の死も時代の混乱も同じようにのっぺりと
これが面白くもあり　物足りないようであり
このあたりが好き嫌いの分かれ道でしょうか

名演奏には技術以上の何かが宿る
だからこそ人の死を吸いこむように生きながらえるバイオリンがあっても
不思議はない気がしますね。
秋の夜長に　音楽を聴く感覚で観てもらいたい作品です。

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時間軸の交差や、サスペンス風の味付けは、２時間を越える物語に起伏を与えていて好感持てました。
過去と現在を行き来する構成が、作品に深みを与えます。
レッドバイオリンを作った職人のお腹の大きな妻が、使用人に未来を占わせ、そのタロットカードに出た未来予想図が、一枚めくるごとに後々のバイオリンの持ち主の運命にシンクロしていくという、とても不思議なお話。

‘何故、赤なのか’
その秘密を知った時は、ぞくっとしました。
翻弄されるそれぞれの運命にも、５カ国を渡る壮大な物語にも惹かれるものがあります。
ただ題材とスケールのわりには、残るものが少ない感じ。
バイオリンの音色は文句なしに美しいです!
フランソワ・ジラール監督に次回作がないのが残念。

これは、すごい映画。
うわさには聞いていたけど、そうとう完成度が高かった。
無駄がない。
音楽も、カメラも、キャストも脚本もさすがといった感じ。

やはり、アメリカでは字幕付きの映画はあまり好んでみないようで、いろんな賞のノミネート以外、一般には、話題にのぼった記憶もない。

昨日、友人にこの映画観たか？？ときいたら、きいたこともないといっていた。

ヨーロッパ テイストあり、中国はでてくるし、現代のドラマもあるし、ラストはかなりハラハラします。
最初は、samuel.L.Jacksonの存在がかなり浮いてるように思えたけど、最後、納得。
彼、いいです。
とにかく、音楽。
Ｖｉｏｌｉｎ、全く持って素晴らしい。
サントラ買おうとおもいました。

曰く付きのバイオリンが持ち主を変え、過去から現在におよぶ話ですが、感想としては、バイオリンが持ち主を試し、選んでいるような気がします。しかし、どの持ち主も意に添わないのかして死に至らしめます、といってホラー映画ではありません。
実際、名器と言われる楽器には、大なり小なり、職人や奏者の想いがこもっていると思います。この映画は、その神秘さを描いています。
演出としては、単に過去から現在に進むのではなく、過去と現在を交差させながらストーリーを展開させていますので、このバイオリンが何故、こんなに人を魅了するのか、どのような「いわく」があるのかという興味を鑑賞者に抱かせ、映画に引き込まれます。
また、バイオリンの曲も、クラシック音楽に興味がなかっても、きれいな曲だと思うでしょう。
気になるのは、この映画の最後の持ち主となる人の運命です。
初冬の夜長には必見です！

あまりにも強すぎる思いは、死後も残るのだろうか−？
妖しく人を魅了する素晴らしい音色、不思議な赤みを帯びた美しい姿、レッド・バイオリンに魅せられない人はいない。
けれど、ひとたびこの楽器に夢中になれば、その人は破滅への道を堕ちていく…。
美しいけれどどこか心をざわつかせるバイオリンの音色は、名声と権力、愛憎、自由への渇望といった、「人間の欲望」を映し出す鏡のようです。

しかし、高名なバイオリン製作者の最高傑作とはいえ、
−何故、人々はここまでレッド・バイオリンに魅了されるのか？
−誰かの魂が乗り移っているのか？
−だとしたら、何故、手にした人々は呪われた運命に見舞われるのか？
様々な疑問が心に浮かびます。
それらの疑問は、最後の最後で明らかになりますが…。
うっわ〜、びっくりした！！そういう訳でしたか…。
バイオリン製作者の使用人の占いおばあさんの言葉の意味がやっとつながりました。
ラストシーンも含めて、すごく深いバイオリン伝説でした。
本当の芸術って、素人の理解の粋を超えた凄みがありますね。
観終わった後の重−い余韻がたまりません。