セルロイド・クローゼット / トム・ハンクス
セルロイド・クローゼット
/ロバート・エプスタイン
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(12)
解説・ストーリー
ハリウッド映画の中に隠された同性愛を、百本以上の作品と、映画関係者のインタヴューから紹介するドキュメンタリー作品。
ハリウッド映画の中に隠された同性愛を、百本以上の作品と、映画関係者のインタヴューから紹介するドキュメンタリー作品。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「セルロイド・クローゼット」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ハリウッド映画の中に隠された同性愛を、百本以上の作品と、映画関係者のインタヴューから紹介するドキュメンタリー作品。
「セルロイド・クローゼット」 の作品情報
「セルロイド・クローゼット」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
セルロイド・クローゼットの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
101分 |
日本語 |
英:ドルビーステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
ULD037 |
2002年10月01日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
4枚
|
2人
|
0人
|
セルロイド・クローゼットの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
101分 |
日本語 |
英:ドルビーステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
ULD037 |
2002年10月01日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
4枚
|
2人
|
0人
|
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:12件
クィアーカタログ
投稿日:2007/06/19
レビュアー:武蔵野婦人
ハリウッド映画の中に潜む、ゲイやレズビアンの要素を、多くの映画の場面を引き合いに出しながら考察したドキュメンタリーフィルム。
現在、ただ楽しみながら自由に見ていると思っていた映画が、実は厳しい検閲下にあったことを知るのは、かなりの衝撃であるとともに、私にとっては、なんともいえぬアメリカという文化への違和感を残す結果ともなりました。
過去の名作の中に、同性愛をはらむ内容が含まれていたこと。
それが、検閲によってことごとく削除されて、映画としての本来を意味を失ったものになってしまった作品もあること。
その中で、あえて同性愛のシーンを盛り込んで作ったことで、上映禁止運動まで起きた映画があったこと。
確かに「同性愛」という切り口でハリウッド映画をスライスしてみると、かなりの面白いエピソードが見え隠れしていて、非常に興味があります。
さて。
では、そうした「映画の中の同性愛」のシーンを切り取って考察することで、何が見えてくるんでしょうか。
私としては、そこまでの敷衍を期待してしまうのですが、(たとえば、そこには人種に関係なく、ヒトが無意識におこなってしまう”正常”と”異常”のカテゴライズの変遷があるだろうし、一方で自由と平等の国アメリカという場所の持つ、非常にゆがんだ道徳観、倫理観も存在している。
あえて「ハリウッド」の視点からゲイの問題を切り取るならば、この場所に潜む精神構造とともに、大掛かりな規制をかける組織の存在と、その存在を生み出す国民性みたいなものに、もう少し迫ってほしかった。
というのが、非常に個人的な私の希望。
こんなにあるよ! という部分が先行したため、かなり急ぎ足の、ボリュームたっぷりのカタログ状態になってしまった感があり、各映画とも、この短い時間のフラッシュ的な見せ方では、映画そのものを楽しむこともできず、かといって、その背景にある興味深い事象を探り出すところにまでは及ばず。
マーティン・スコセッシのイタリア映画のDVDでは、各作品がかなり鮮明に心に残った上で、イタリアの映画史の全容を心に刻むことができたのですが、今回は「いっぱいあったらしいねえ」という感想のみで終わってしまった。
一歩踏み込むには、ちょっと各映画への切込みが足りず、ハリウッドの歴史的クィアーカタログとなってしまったのがちょい残念。
まあ、しかしハリウッドって不思議なところですね。ここで出てきた映画、じっくり見たいものが結構多かったのですが、DISCASでほとんど扱っていない(DVD化もされてない)ものが多くて残念でした。映画の知識がもっとあれば、もっと楽しく見れたかもしれましぇんです。
このレビューは気に入りましたか?
15人の会員が気に入ったと投稿しています
「ゲイ」という切り口で見直すハリウッド映画
投稿日:2007/04/21
レビュアー:吟遊旅人
日本文学をジェンダーの視点から読み直すという試みが上野千鶴子ほか著『男流文学論』だったように、これまでフェミニストによって文学テキストについては女の視点からの読み直し作業が行われている。これは、今まで何気なく読んでいた作品に底流する女性差別・女性蔑視の視点を抉り出してまったく異なる読みを提供するという画期的なものではあったが、読んでいてしまいには辟易するような仕事だった。同じようなことがエドワード・サイードの『オリエンタリズム』にも言える。
フェミニストによるテクスト読み直しと同じく、この映画はハリウッド映画をゲイの視点から見直すというドキュメンタリーだ。これまで観客が見逃していたゲイ表現をあぶりだすという趣向。よくこれだけたくさんの「ゲイ映画」を見つけてみたものだと感動する。
あの映画のここも実はゲイのことを言ってるんだ、ここもそういうニュアンスがある、これはこういう場面がカットされてしまった云々という証言が製作者や俳優の口から語られる。
わたしが驚いたのは、ヒチコックの「ロープ」と「ベンハー」がゲイ映画だという指摘だ。「ロープ」の犯人達がゲイだなんて、全然気付かなかった。「ベンハー」もそうと指摘されて例示の場面を見ればなるほどと思うが、指摘されなければまったく気付かなかっただろう。というか、ベンハーは大昔に見たからそんなことに思い至るほどわたしも大人ではなかったのだ。
観客がゲイ映画であることに気付かないのは当然で、1960年代までハリウッドには検閲がしっかり生きていて、同性愛をにおわせる場面はすべてカットされていたのだ。中にはずたずたにされてわけが分からなくなってしまった作品もあるというから、これはもう由々しき事態だ。
自身がゲイである映画業界人やゲイ映画に出演したストレートの人々の証言は率直で驚きに満ちていて、興味深い。映画の場面場面とそれを解説する証言というパターンで繋いだ映画であり、それほど工夫があるとも思えないが、新鮮味があるため、見ていて飽きなかった。
ハリウッドの「自主検閲」については加藤幹郎著『映画 視線のポリティクス』を参照されたい。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
作ってくれた映画を、そのまま観られる幸せ
「セルロイド・クローゼット」は、いつか観たいと思っていたんですが、僕自身のセクシュアリティーのこともあり、なかなか手が出せずにいました。
世の中には、男と女がいるんだから、組み合わせは3パターンあるでしょ?
男と男。女と女。そして、男と女。それくらい、子供だってわかる。
なのに、どうして男と女の組み合わせだけが、正当な扱いを受けられるんだろ?
…っていうのは、僕が小学校の低学年のときに、抱いてた疑問。
幸い、僕の周りには、同性愛にあからさまな偏見の目を向ける人はいなかったけど、それでも、
僕が女の人に触れないことや、男の人にドキドキしちゃうことに、背徳感のようなものは、ありました。
ま、僕にとっては、その“背徳感”が、気持ち良かったりもしたんですけどね。
さて、本題。
「セルロイド・クローゼット」。セルロイドは、映画のフィルム、クローゼットはそれをしまう所。
映画の中に描かれたゲイの世界を閉じ込めて、世間から遮断しようとしたってことを表してるんでしょうね。
今回、僕がオネダリをして、先輩に一緒に観ていただいたんですが、映画関係者としてよりも、
ご自分が好きだった作品の中に、ゲイを描写しようとする、こんなシーンがあったのか!
と、しきりに感心してらっしゃいました。そして、もっと早く観てれば、僕を長く待たせずに済んだのかもしれないと、ボソッと。も〜、やだなぁ、先輩!泣かせないでくださいよぉ〜。
全体的には、ゲイの表現に視点を置いた、ハリウッドの映画史&作品カタログって雰囲気です。
ダイジェスト映像の合間には、インタビューに答える、俳優さんたちの姿が…。
僕は、リリー・トムリン(ナレーション)、トニー・カーティス、ウーピー・ゴールドバーグ、スーザン・サランドン、トム・ハンクス、アントニオ・ファーガスの出演が、嬉しかったです。
ハリウッド映画の歴史において、ゲイを描写した作品が、検閲され、禁止されていく中、その網をかいくぐり、どうにか暗示しようと、あらゆる工夫をしてきた製作サイド。その甲斐あって、今は、ゲイが主人公の、元気な映画が、日の目を見られるようになりました。
僕が好きな映画や、衝撃を受けた作品も、幾つか出てきました。
「明日に向って撃て!」「お熱いのがお好き」「ティーン・ウルフ」「理由なき反抗」「クルージング」「紳士は金髪がお好き」「真夜中のパーティー 」「ロングタイム・コンパニオン」…
中には、え?これがそうなの?…って、超有名な映画もありましたけど、言われてみれば、なるほど、です。
kissをしたり、肌に触れたり、視線を絡ませたりするだけで、フィルムをざっくり切られちゃった、残念な時代のこと。一般映画で、セックス描写さえ出来るようになったのは、皆さんが頑張ってきてくれたお陰なんだと、しみじみ感謝!!
アメリカの社会が、ゲイを恐れるのは、アメリカは常に戦ってきた国で、強くなきゃいけなかったから?
でも、もうそろそろ、優しい国になっても、いいんじゃないかな。例えば、お母さんなら、愛する我が子を戦場に送りたいなんて、思わないでしょ?女性の皆さんに、政治や経済の舵を握ってもらえば、世の中は、もっと、平和になると思う。性別なんか、ちっとも気にならない時代が、来るといいのにね。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
同性愛映画大図鑑
同性愛をテーマにした映画の変遷とそれを取り巻く当時の社会状況を、さまざまな映画関係者のインタヴューからよ〜く理解できる。作品中に同性愛の存在を訴えようとして、さまざまな表現方法を用いる映画制作者の意図が、謎解きのようでもあり面白い。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
同性愛者も異性愛者もみんな幸せになって欲しい! 良い映画です。
投稿日:2016/08/09
レビュアー:hiro
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
大学時代に同性愛のおじさんにキスを迫られて、ほうほうの体で逃げ出した経験がある私は、同性愛といえば嫌悪感が先に立ってしまう。憎しみとかはないけど、出来ればお近づきになりたくないと思っていた。
一方で、セックスアンドザシティーの主人公キャリーの同性愛友達のスタンフォード・ブラッチや中村うさぎ女史の著作に出てくる同性愛の友達との交流を読むととても木目の細かな心情を持つ愛すべき人達という印象も浮かび上がってくる。
映画で同性愛がどのように扱われたかを概観した本作は、私に同性愛に関する新たな視点を与えてくれた。
これは、お勧め! 観るべき映画だと思う。少し重たいけど。
少なくとも私は映画を通じて人生を学んでいます。
ハリウッドは、同性愛をどう見るのか映画を通じて人々に教え込んできました。その影響力は絶大でした。
個人のアイデンティティーを規定するのは文化であり、特に映画の影響力は強く、男とは、女とは、性とはまで万人に教えると言うよりも無言の強制力でハリウッドの価値観を刷り込んでしまいます。
社会が同性愛をどのように観ていたか、映画を見ればその変遷がわかります。
具体的には本作を見てほしいのだけど、大きな変化だけを掻い摘んで書きます。
初めのころ(1920年前後)は同性愛は無理解ゆえの物笑い、哀れみ、恐怖の対象でした。
同性愛と明示されたわけではありませんが、見る人は誰もが同性愛を連想したなよなよした男性(シシー)が登場したのは30年代。
20年から30年代にかけては好色な表現が増えて、業界の有力者が立ち上がり検閲を外部に任せることになりました。
検閲が動き出すとセリフや人物設定、筋の変更まで行わざるを得ないことになり、場合によっては全く別の映画になってしまうこともあったようです。表現の自由の侵害だとは思うけど当時はそういう制度になっていた。
作る側はカムフラージュで生き残ろうと奮闘し、テクニックがあれば言葉を使わずに裏のテーマを語ることを覚えた。
つまり、ハリウッドは行間の使い方を覚え、観客は行間の読み方を覚えたのです。
1961年にイギリスから同性愛を正面から扱った映画が発表されるに至り、ハリウッドの検閲も和らいで行きます。
一方、米国の精神医学界においては同性愛者は精神病であると長い間考えてきましたが、1973年12月に同性愛は精神病、異常、倒錯とみなさず治療の対象から外された。ただ、同性愛と言う言葉が精神疾患リストから完全に消えるには1990年の「DSM-W」を待たねばならなかったのは驚くべきことだと私は思う。
ただ、映画の作り手も観客も大部分は異性愛者であるからか、偏見は残り、同性愛者は悪であり、死ぬ、破滅すると言う図式は根強い。
本作を通覧してみて、多くの関係者の語りを聞くと
同性愛の人達は、愛した相手が同性であったという人達であるらしい。
私はストレートだから、気が付かずに笑いものや非難の対象にしたりして、彼らを無闇に傷つけることにならないように心がけようと思った。気が付かない場合に配慮が出来るか少し自信がないけど、自分には判らない感覚があると自覚することが出来たのは得がたいと思っている。
ベンハーにも同性愛の要素があると判ったけど、私の目は、全くの節穴で本当に、全く気が付かなかった。
噂の二人も。
私には全く見えないものがあり、知覚できないのだから下手な発言をして誰かを傷つける(傷つけた)可能性がある事に慄然とした。
同性愛者をエイズと結びつけモンスターであるかのような描き方をした作品は見たことがあるけれど、それは違うのだろう。彼らは多分、他人の心の痛みがわかる心優しい人なのだろうと思う。
同性愛者はなかなか現れない自分のベターハーフを探し求め、それでも見つからなくて、自分は多分孤独のまま死んで行くのだろうと覚悟を決める人も居るのかもしれない。それを思うと心が痛む。
同性愛者も愛し愛される人に出合って幸せになって欲しい。
同性愛者と異性愛者が互いの違いを認め合い、お互いに尊重する社会になったら良いなと思った。
そして本作はその一助になるだろう。
原作を書いた故ヴィト・ルッソに深甚の感謝
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
クィアーカタログ
投稿日
2007/06/19
レビュアー
武蔵野婦人
ハリウッド映画の中に潜む、ゲイやレズビアンの要素を、多くの映画の場面を引き合いに出しながら考察したドキュメンタリーフィルム。
現在、ただ楽しみながら自由に見ていると思っていた映画が、実は厳しい検閲下にあったことを知るのは、かなりの衝撃であるとともに、私にとっては、なんともいえぬアメリカという文化への違和感を残す結果ともなりました。
過去の名作の中に、同性愛をはらむ内容が含まれていたこと。
それが、検閲によってことごとく削除されて、映画としての本来を意味を失ったものになってしまった作品もあること。
その中で、あえて同性愛のシーンを盛り込んで作ったことで、上映禁止運動まで起きた映画があったこと。
確かに「同性愛」という切り口でハリウッド映画をスライスしてみると、かなりの面白いエピソードが見え隠れしていて、非常に興味があります。
さて。
では、そうした「映画の中の同性愛」のシーンを切り取って考察することで、何が見えてくるんでしょうか。
私としては、そこまでの敷衍を期待してしまうのですが、(たとえば、そこには人種に関係なく、ヒトが無意識におこなってしまう”正常”と”異常”のカテゴライズの変遷があるだろうし、一方で自由と平等の国アメリカという場所の持つ、非常にゆがんだ道徳観、倫理観も存在している。
あえて「ハリウッド」の視点からゲイの問題を切り取るならば、この場所に潜む精神構造とともに、大掛かりな規制をかける組織の存在と、その存在を生み出す国民性みたいなものに、もう少し迫ってほしかった。
というのが、非常に個人的な私の希望。
こんなにあるよ! という部分が先行したため、かなり急ぎ足の、ボリュームたっぷりのカタログ状態になってしまった感があり、各映画とも、この短い時間のフラッシュ的な見せ方では、映画そのものを楽しむこともできず、かといって、その背景にある興味深い事象を探り出すところにまでは及ばず。
マーティン・スコセッシのイタリア映画のDVDでは、各作品がかなり鮮明に心に残った上で、イタリアの映画史の全容を心に刻むことができたのですが、今回は「いっぱいあったらしいねえ」という感想のみで終わってしまった。
一歩踏み込むには、ちょっと各映画への切込みが足りず、ハリウッドの歴史的クィアーカタログとなってしまったのがちょい残念。
まあ、しかしハリウッドって不思議なところですね。ここで出てきた映画、じっくり見たいものが結構多かったのですが、DISCASでほとんど扱っていない(DVD化もされてない)ものが多くて残念でした。映画の知識がもっとあれば、もっと楽しく見れたかもしれましぇんです。
「ゲイ」という切り口で見直すハリウッド映画
投稿日
2007/04/21
レビュアー
吟遊旅人
日本文学をジェンダーの視点から読み直すという試みが上野千鶴子ほか著『男流文学論』だったように、これまでフェミニストによって文学テキストについては女の視点からの読み直し作業が行われている。これは、今まで何気なく読んでいた作品に底流する女性差別・女性蔑視の視点を抉り出してまったく異なる読みを提供するという画期的なものではあったが、読んでいてしまいには辟易するような仕事だった。同じようなことがエドワード・サイードの『オリエンタリズム』にも言える。
フェミニストによるテクスト読み直しと同じく、この映画はハリウッド映画をゲイの視点から見直すというドキュメンタリーだ。これまで観客が見逃していたゲイ表現をあぶりだすという趣向。よくこれだけたくさんの「ゲイ映画」を見つけてみたものだと感動する。
あの映画のここも実はゲイのことを言ってるんだ、ここもそういうニュアンスがある、これはこういう場面がカットされてしまった云々という証言が製作者や俳優の口から語られる。
わたしが驚いたのは、ヒチコックの「ロープ」と「ベンハー」がゲイ映画だという指摘だ。「ロープ」の犯人達がゲイだなんて、全然気付かなかった。「ベンハー」もそうと指摘されて例示の場面を見ればなるほどと思うが、指摘されなければまったく気付かなかっただろう。というか、ベンハーは大昔に見たからそんなことに思い至るほどわたしも大人ではなかったのだ。
観客がゲイ映画であることに気付かないのは当然で、1960年代までハリウッドには検閲がしっかり生きていて、同性愛をにおわせる場面はすべてカットされていたのだ。中にはずたずたにされてわけが分からなくなってしまった作品もあるというから、これはもう由々しき事態だ。
自身がゲイである映画業界人やゲイ映画に出演したストレートの人々の証言は率直で驚きに満ちていて、興味深い。映画の場面場面とそれを解説する証言というパターンで繋いだ映画であり、それほど工夫があるとも思えないが、新鮮味があるため、見ていて飽きなかった。
ハリウッドの「自主検閲」については加藤幹郎著『映画 視線のポリティクス』を参照されたい。
作ってくれた映画を、そのまま観られる幸せ
投稿日
2008/12/29
レビュアー
素敵な声で抱きしめて
「セルロイド・クローゼット」は、いつか観たいと思っていたんですが、僕自身のセクシュアリティーのこともあり、なかなか手が出せずにいました。
世の中には、男と女がいるんだから、組み合わせは3パターンあるでしょ?
男と男。女と女。そして、男と女。それくらい、子供だってわかる。
なのに、どうして男と女の組み合わせだけが、正当な扱いを受けられるんだろ?
…っていうのは、僕が小学校の低学年のときに、抱いてた疑問。
幸い、僕の周りには、同性愛にあからさまな偏見の目を向ける人はいなかったけど、それでも、
僕が女の人に触れないことや、男の人にドキドキしちゃうことに、背徳感のようなものは、ありました。
ま、僕にとっては、その“背徳感”が、気持ち良かったりもしたんですけどね。
さて、本題。
「セルロイド・クローゼット」。セルロイドは、映画のフィルム、クローゼットはそれをしまう所。
映画の中に描かれたゲイの世界を閉じ込めて、世間から遮断しようとしたってことを表してるんでしょうね。
今回、僕がオネダリをして、先輩に一緒に観ていただいたんですが、映画関係者としてよりも、
ご自分が好きだった作品の中に、ゲイを描写しようとする、こんなシーンがあったのか!
と、しきりに感心してらっしゃいました。そして、もっと早く観てれば、僕を長く待たせずに済んだのかもしれないと、ボソッと。も〜、やだなぁ、先輩!泣かせないでくださいよぉ〜。
全体的には、ゲイの表現に視点を置いた、ハリウッドの映画史&作品カタログって雰囲気です。
ダイジェスト映像の合間には、インタビューに答える、俳優さんたちの姿が…。
僕は、リリー・トムリン(ナレーション)、トニー・カーティス、ウーピー・ゴールドバーグ、スーザン・サランドン、トム・ハンクス、アントニオ・ファーガスの出演が、嬉しかったです。
ハリウッド映画の歴史において、ゲイを描写した作品が、検閲され、禁止されていく中、その網をかいくぐり、どうにか暗示しようと、あらゆる工夫をしてきた製作サイド。その甲斐あって、今は、ゲイが主人公の、元気な映画が、日の目を見られるようになりました。
僕が好きな映画や、衝撃を受けた作品も、幾つか出てきました。
「明日に向って撃て!」「お熱いのがお好き」「ティーン・ウルフ」「理由なき反抗」「クルージング」「紳士は金髪がお好き」「真夜中のパーティー 」「ロングタイム・コンパニオン」…
中には、え?これがそうなの?…って、超有名な映画もありましたけど、言われてみれば、なるほど、です。
kissをしたり、肌に触れたり、視線を絡ませたりするだけで、フィルムをざっくり切られちゃった、残念な時代のこと。一般映画で、セックス描写さえ出来るようになったのは、皆さんが頑張ってきてくれたお陰なんだと、しみじみ感謝!!
アメリカの社会が、ゲイを恐れるのは、アメリカは常に戦ってきた国で、強くなきゃいけなかったから?
でも、もうそろそろ、優しい国になっても、いいんじゃないかな。例えば、お母さんなら、愛する我が子を戦場に送りたいなんて、思わないでしょ?女性の皆さんに、政治や経済の舵を握ってもらえば、世の中は、もっと、平和になると思う。性別なんか、ちっとも気にならない時代が、来るといいのにね。
同性愛映画大図鑑
投稿日
2005/11/23
レビュアー
Cosmopolitan
同性愛をテーマにした映画の変遷とそれを取り巻く当時の社会状況を、さまざまな映画関係者のインタヴューからよ〜く理解できる。作品中に同性愛の存在を訴えようとして、さまざまな表現方法を用いる映画制作者の意図が、謎解きのようでもあり面白い。
同性愛者も異性愛者もみんな幸せになって欲しい! 良い映画です。
投稿日
2016/08/09
レビュアー
hiro
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
大学時代に同性愛のおじさんにキスを迫られて、ほうほうの体で逃げ出した経験がある私は、同性愛といえば嫌悪感が先に立ってしまう。憎しみとかはないけど、出来ればお近づきになりたくないと思っていた。
一方で、セックスアンドザシティーの主人公キャリーの同性愛友達のスタンフォード・ブラッチや中村うさぎ女史の著作に出てくる同性愛の友達との交流を読むととても木目の細かな心情を持つ愛すべき人達という印象も浮かび上がってくる。
映画で同性愛がどのように扱われたかを概観した本作は、私に同性愛に関する新たな視点を与えてくれた。
これは、お勧め! 観るべき映画だと思う。少し重たいけど。
少なくとも私は映画を通じて人生を学んでいます。
ハリウッドは、同性愛をどう見るのか映画を通じて人々に教え込んできました。その影響力は絶大でした。
個人のアイデンティティーを規定するのは文化であり、特に映画の影響力は強く、男とは、女とは、性とはまで万人に教えると言うよりも無言の強制力でハリウッドの価値観を刷り込んでしまいます。
社会が同性愛をどのように観ていたか、映画を見ればその変遷がわかります。
具体的には本作を見てほしいのだけど、大きな変化だけを掻い摘んで書きます。
初めのころ(1920年前後)は同性愛は無理解ゆえの物笑い、哀れみ、恐怖の対象でした。
同性愛と明示されたわけではありませんが、見る人は誰もが同性愛を連想したなよなよした男性(シシー)が登場したのは30年代。
20年から30年代にかけては好色な表現が増えて、業界の有力者が立ち上がり検閲を外部に任せることになりました。
検閲が動き出すとセリフや人物設定、筋の変更まで行わざるを得ないことになり、場合によっては全く別の映画になってしまうこともあったようです。表現の自由の侵害だとは思うけど当時はそういう制度になっていた。
作る側はカムフラージュで生き残ろうと奮闘し、テクニックがあれば言葉を使わずに裏のテーマを語ることを覚えた。
つまり、ハリウッドは行間の使い方を覚え、観客は行間の読み方を覚えたのです。
1961年にイギリスから同性愛を正面から扱った映画が発表されるに至り、ハリウッドの検閲も和らいで行きます。
一方、米国の精神医学界においては同性愛者は精神病であると長い間考えてきましたが、1973年12月に同性愛は精神病、異常、倒錯とみなさず治療の対象から外された。ただ、同性愛と言う言葉が精神疾患リストから完全に消えるには1990年の「DSM-W」を待たねばならなかったのは驚くべきことだと私は思う。
ただ、映画の作り手も観客も大部分は異性愛者であるからか、偏見は残り、同性愛者は悪であり、死ぬ、破滅すると言う図式は根強い。
本作を通覧してみて、多くの関係者の語りを聞くと
同性愛の人達は、愛した相手が同性であったという人達であるらしい。
私はストレートだから、気が付かずに笑いものや非難の対象にしたりして、彼らを無闇に傷つけることにならないように心がけようと思った。気が付かない場合に配慮が出来るか少し自信がないけど、自分には判らない感覚があると自覚することが出来たのは得がたいと思っている。
ベンハーにも同性愛の要素があると判ったけど、私の目は、全くの節穴で本当に、全く気が付かなかった。
噂の二人も。
私には全く見えないものがあり、知覚できないのだから下手な発言をして誰かを傷つける(傷つけた)可能性がある事に慄然とした。
同性愛者をエイズと結びつけモンスターであるかのような描き方をした作品は見たことがあるけれど、それは違うのだろう。彼らは多分、他人の心の痛みがわかる心優しい人なのだろうと思う。
同性愛者はなかなか現れない自分のベターハーフを探し求め、それでも見つからなくて、自分は多分孤独のまま死んで行くのだろうと覚悟を決める人も居るのかもしれない。それを思うと心が痛む。
同性愛者も愛し愛される人に出合って幸せになって欲しい。
同性愛者と異性愛者が互いの違いを認め合い、お互いに尊重する社会になったら良いなと思った。
そして本作はその一助になるだろう。
原作を書いた故ヴィト・ルッソに深甚の感謝
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
-
- 宅配レンタル 定額8プラン

-
- 「新作・準新作」が定額で月8枚レンタルできる!※1借り放題付き※2
- 新規登録する
-
- 宅配レンタル 定額4プラン

-
- 新規登録する
-
- 都度課金 プラン

-
- 新規登録する
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
セルロイド・クローゼット