虹をつかむ男 / 西田敏行
虹をつかむ男
/山田洋次
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全体の平均評価点: (5点満点)
(12 )
解説・ストーリー
渥美清の急逝により惜しまれつつも終了した「男はつらいよ」に変わって松竹が新たな看板シリーズを期して製作した作品。情熱的な映画館主とその仲間の姿を、山田洋次監督が描く人情ドラマ。主演は「釣りバカ日誌」の西田敏行。職もなく、親とケンカして家を出た平山亮は、旅の末、徳島の小さな町に辿り着く。亮はそこで無類の映画好き白銀活男が経営する古ぼけたオデオン座という映画館でアルバイトとして働き始める。活男は幼馴染みの未亡人・八重子に惚れていたが、それを口にすることはなかった。そんな活男を亮は叱咤するのだったが……。
渥美清の急逝により惜しまれつつも終了した「男はつらいよ」に変わって松竹が新たな看板シリーズを期して製作した作品。情熱的な映画館主とその仲間の姿を、山田洋次監督が描く人情ドラマ。主演は「釣りバカ日誌」の西田敏行。職もなく、親とケンカして家を出た平山亮は、旅の末、徳島の小さな町に辿り着く。亮はそこで無類の映画好き白銀活男が経営する古ぼけたオデオン座という映画館でアルバイトとして働き始める。活男は幼馴染みの未亡人・八重子に惚れていたが、それを口にすることはなかった。そんな活男を亮は叱咤するのだったが……。
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「虹をつかむ男」 の解説・あらすじ・ストーリー
作品詳細
解説・ストーリー
渥美清の急逝により惜しまれつつも終了した「男はつらいよ」に変わって松竹が新たな看板シリーズを期して製作した作品。情熱的な映画館主とその仲間の姿を、山田洋次監督が描く人情ドラマ。主演は「釣りバカ日誌」の西田敏行。職もなく、親とケンカして家を出た平山亮は、旅の末、徳島の小さな町に辿り着く。亮はそこで無類の映画好き白銀活男が経営する古ぼけたオデオン座という映画館でアルバイトとして働き始める。活男は幼馴染みの未亡人・八重子に惚れていたが、それを口にすることはなかった。そんな活男を亮は叱咤するのだったが……。
「虹をつかむ男」 の作品情報
「虹をつかむ男」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
「虹をつかむ男」 のシリーズ作品
虹をつかむ男の詳細
収録時間:
字幕:
音声:
120分
日本語
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
DA9746
2005年09月28日
在庫枚数
1位登録者:
2位登録者:
8枚
0人
0人
虹をつかむ男の詳細
収録時間:
字幕:
音声:
120分
日本語
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
レイティング:
記番:
レンタル開始日:
DA9746
2005年09月28日
在庫枚数
1位登録者:
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ユーザーレビュー:12件
渥美清さんに捧げられた作品
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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本作は山田洋次監督から渥美清さんへのTributeでした。「男はつらいよ」シリーズに出演されている役者さん達の顔が多く出てきますので、映画が好きで、「男はつらいよ」シリーズも好きという方にはぜひ鑑賞をお薦めしたい作品です。「虹をつかむ男」というタイトルはダニー・ケイ主演の「虹を掴む男(1947)The Secret Life of Walter Mitty」から貰ったものと推察されますが、あちらが白日夢癖のある主人公の喜劇活劇なのに対して、本作は商売そっちのけで「名作映画を多くの人に提供し、鑑賞して喜んで貰うこと」を一番の生きがいにしている映画館主(オデオン座社長)を西田敏行さんが熱演しています。脱線しますが、2006年第29回日本アカデミー賞において、本作にも出ている吉岡秀隆さんが最優秀主演男優賞を獲得され、その舞台で「ホントに嬉しいです。この映画に関わるすべての人と、そしてそのご家族の方に感謝したいと思います。そして、いつも「もう芝居なんか嫌だなぁ」とか、「今日は撮影現場に行きたくないなぁ」っていうふうに思う時、必ず僕の胸に笑顔で現れてくれる、天国に居る渥美清さんにホントに御礼を言いたいです」と受賞スピーチされたのですが、本作終盤で西田さんと吉岡さんがその渥美清さん演じる寅さんをみて笑うシーン、そして失恋した西田さんが泣くシーンはホント胸に沁みました。
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映画のチカラ
とても楽しみにしていた作品がレンタル開始になりました。 少し前に、ディスカスさんに“リクエスト”をお願いしていた作品だったので、「願いが届いた?」なんて、一人で喜んでしまいました。 今作の中で紹介される数々の名作のワン・シーンを観ていて、「懐かしいなぁ」とまた感動できたり、「今度、借りて観なくっちゃ!」と思ったり、映画好きには嬉しい作品でした。 この作品には映画に魅せられた人間ばかりが出てきて、その人その人の映画の楽しみ方を垣間見れた気になれました。 映画って観ている人の心に、多かれ少なかれ、何かを残していきますよね。 それがいい映画に当たった時なんて、映し出される作品以上の何かを映画館から持ち帰れた気分になったりしませんか? そんな“映画ならでは”の魅力や影響力を今一度、教えてくる作品です。
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映画への讃歌、寅さんへの献辞
本作品は、『男はつらいよ』シリーズで、第49作となるはずだった『寅次郎花へんろ』の代わりに製作された作品。 ――“代わり”と言っては語弊があるか。“間に合わせ”みたいな言い方だが、決して、そんなことはない。珍妙な出来映えではあるが、慟哭の1本である。 父親と喧嘩して家を飛び出した亮は、四国は徳島に流れ着く。そこで、寂れた映画館“オデオン座”の館主、白銀と知り合う。成り行きでオデオン座に就職した亮は、マイペースな白銀に振り回されながらも、映画に寄せる愛情と思いに次第に心を動かされて行く。 ……というお話し。 映画人たちが作り上げた作品が、どのように観客に届けられるかを描いた本作品は、東京から外れた田舎に育った私には、ちょっと切なかった。(照笑) 子供の頃は、場末の映画館によく通ったし、学校に来た移動映画館で名作も観た。公民館の映画会にも足繁く通った。 映画という文化が日常と密着していたし、繁栄から斜陽への道を歩きはじめていた時期でもあった。ニューシネマがハリウッドをダメにしたとか、これからはテレビの時代だとか、映画スズメたちは声高に映画の行く末を案じていた。 だから、西田敏行さんが演じる館主の奮闘ぶりや矜持は、ダニー・ケイが空想好きな男を演じた作品よりもナマ臭い現実におかされている。主人公はヒーローになれない。 ピザのチェーン店を受け入れて映画館の存続を図り、居候のような亮を東京に返すくだりは、現実を受け入れて、生き残りの道を選んだように見える。賢い選択だ。 けれど、実際には「映画館はもう独立して運営することが出来ないンだ」とシロハタを上げたようなものだ。それは、本作品に先立つ十数年前のTVドラマ『港町純情シネマ』よりも厳しい現実を内包している。奇しくも、あのドラマの主人公も西田敏行さんが演じており、D.ケイの『虹を掴む男』に近かった。 現在、都市部はほとんどシネコンと化し、いわゆる映画館は姿を消してしまった。白銀さんの願いも虚しく、映画は大規模商業施設の一画でしか観られなくなってしまった。 ライナーノーツには「寅さんに代わるシリーズものを」と山田洋次監督は語っているが、構造的にもキャラクタ的にも、本作品のシリーズ化を目論んでいたようには見えない。松竹映画としては、そんな意向を持っていたかも知れないが、山田監督にそういう気持ちはなかったように思う。 そうでなければ、これほど盛大に『男はつらいよ』へのオマージュを盛り込んだりはしないだろう。 そもそも、『男はつらいよ』の主要なキャストがこぞって出演したりしない。(契約のせい?) クライマックスではシリーズに別れを告げるように1作目が劇中で上映される。ラスト近く、CGの“寅さん”も登場する。 そうして観客は思うのだ、本作品こそが『男はつらいよ』へのオマージュなのだ、と……。 映画を上映し続けて来た人たちへの讃歌に始まり、寅さんへの献辞に終わる本作品は、1本の娯楽映画としてのアイデンティティに欠けている。 けれど、この時、ほかにどんな作品を作り得ただろうか。 西田敏行さんや田中裕子さんらの好演に支えられた本作品を、私は、存外好きだ。 オススメ!
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活ちゃんはbPレビュアーになれそう
投稿日:2014/02/06
レビュアー:港のマリー
舞台は四国の小さな町に一つだけある古い小規模映画館。スクリーン一つ、座席は180席、2階は畳敷きで頑張れば総数700から800人ぐらい入るとか。でも当然今は見る影もない閑古鳥。主人公かっちゃん(西田敏行)は父親から受け継いだこの映画館「オデオン座」のオーナーであり、映写技師田中邦衛とともに、大赤字経営にもひるまず、地方の映画文化の灯を消すなと奮闘している。映写機とスクリーンをワゴン車に積んで出張上映もする。 シチュエーション的にはまったくジュゼッペ・トルナトーレの「ニューシネマパラダイス」で、実際「オデオン座」企画の「土曜名画劇場」ではニューシネマパラダイスが上映される。 このとき就職試験に失敗して父(前田吟、ちなみに母役は倍賞智恵子)と口論、東京葛飾柴又の家を飛び出して諸国放浪の旅に出た吉岡秀隆が、アルバイトとして雇われるのがお話の始まり。 土曜名画劇場で上演する映画は町の映画好き住民有志による“委員会”の話し合いによって決められる。 この場での西田敏行の候補映画の紹介ぶり、メンバーとの映画談義がめっぽう面白い。『かくも長き不在』を予約しようと思ったほど。『警察日記』もそんなにいいんなら見てみようか。活ちゃんの語りみたいな生き生きとしたレビューが書けたらいいなぁ。とにかく活ちゃんの映画への想いが熱くて濃い。 いい映画とは「身につまされる映画」との定義にもうんうんとうなずいた。私にとっては断然『道』だ。 ほかにも『雨に唄えば』『東京物語』『野菊の如き君なりき』『鞍馬天狗』…と次々名画が登場する。 と、損得抜きで上映を引き受け映画文化の土台を支えようとする男を描く映画愛の映画と思いつつ、あれ、だんだん様相が違ってくる。『ニューシネマパラダイス』はいつしか消えて、立ち現れたのは『男はつらいよ』の世界。 活ちゃんが映画館を閉めないでいたのは幼なじみで未亡人の八重子(田中裕子)のためだった。八重子に見せたいがため映画の上映を続けていたことがわかる。 活ちゃんは寅さんで八重子はマドンナ、当然活ちゃんは振られる。田中裕子の潤い120%とでも言いたいしっとり感とロケ地の徳島県脇町の奥ゆかしい美しさもあって、笑わせて泣かせる二人の心のふれあいがとてもいい。『東京物語』の原節子のセリフを田中裕子が言うと、またちょっと趣が違ってくる。 諭されて東京に帰る吉岡秀隆に活ちゃんは今度の「土曜名画劇場」にかける映画を見せる。俺の身につまされる映画だと。 なんとオデオン座のスクリーンに映し出されたのは『男はつらいよ』。光本幸子が出ていたから第一作か。 おいおい、自分の映画を名画だと、自分で言うのか、なんて突っ込んではいけない。 49作目になるはずだった『男はつらいよ』に出演かなわず、帰ることのない旅に出てしまった渥美清に捧げられた映画だから。
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はい
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虹をみて つかめる男に なりたいね
投稿日:2009/11/01
レビュアー:Yの3乗
会社の慰安旅行のバスの中で偶然鑑賞してしまいました。 何でこんな映画がバスにあったのか。 選んだ人、結構、通の人かも。 全く予備知識がなかったのですが、「男はつらいよ」シリーズの後継シリーズとして山田洋次監督で作られた作品とのこと。 なかなか 山田監督らしい味わいがありました。 大学を卒業しても自分のやりたいことがわからない主人公の亮。 昔アルバイトで世話になった映画館オデオン座の社長をたよって徳島まで行ったのだが、オデオン座は閉館してしまっていた。 今では旅から旅の巡業映画をやっているらしい。 亮は社長を追って巡業中の南の島へ向かうのだ。 オデオン座の社長は西田敏行!役者です。 娯楽の少ない離島をめぐり、映画を上演している。 会場は浜辺であったり、学校の講堂であったり。 上演する映画は「雪国」(南の島の人たちは雪国を知らないから?)だったり「風の谷のナウシカ」(島では環境を破壊する公共事業をしているから?)だったり。 少し辛い思い出の昔の恋の話をからませたり、なかなか味わいがありました。 タイトルの「虹をつかむ男」 虹は雨のあとに出来ます。 雨のような涙を流したあとに虹が出る。 前向きにその虹をつかもうよ!という意味なのかなと思いました。 なかなか良かったです。 お勧めします。
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はい
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ユーザーレビュー
渥美清さんに捧げられた作品
投稿日
2006/03/06
レビュアー
KUBOCHIN
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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本作は山田洋次監督から渥美清さんへのTributeでした。「男はつらいよ」シリーズに出演されている役者さん達の顔が多く出てきますので、映画が好きで、「男はつらいよ」シリーズも好きという方にはぜひ鑑賞をお薦めしたい作品です。「虹をつかむ男」というタイトルはダニー・ケイ主演の「虹を掴む男(1947)The Secret Life of Walter Mitty」から貰ったものと推察されますが、あちらが白日夢癖のある主人公の喜劇活劇なのに対して、本作は商売そっちのけで「名作映画を多くの人に提供し、鑑賞して喜んで貰うこと」を一番の生きがいにしている映画館主(オデオン座社長)を西田敏行さんが熱演しています。脱線しますが、2006年第29回日本アカデミー賞において、本作にも出ている吉岡秀隆さんが最優秀主演男優賞を獲得され、その舞台で「ホントに嬉しいです。この映画に関わるすべての人と、そしてそのご家族の方に感謝したいと思います。そして、いつも「もう芝居なんか嫌だなぁ」とか、「今日は撮影現場に行きたくないなぁ」っていうふうに思う時、必ず僕の胸に笑顔で現れてくれる、天国に居る渥美清さんにホントに御礼を言いたいです」と受賞スピーチされたのですが、本作終盤で西田さんと吉岡さんがその渥美清さん演じる寅さんをみて笑うシーン、そして失恋した西田さんが泣くシーンはホント胸に沁みました。
映画のチカラ
投稿日
2005/10/05
レビュアー
京
とても楽しみにしていた作品がレンタル開始になりました。 少し前に、ディスカスさんに“リクエスト”をお願いしていた作品だったので、「願いが届いた?」なんて、一人で喜んでしまいました。 今作の中で紹介される数々の名作のワン・シーンを観ていて、「懐かしいなぁ」とまた感動できたり、「今度、借りて観なくっちゃ!」と思ったり、映画好きには嬉しい作品でした。 この作品には映画に魅せられた人間ばかりが出てきて、その人その人の映画の楽しみ方を垣間見れた気になれました。 映画って観ている人の心に、多かれ少なかれ、何かを残していきますよね。 それがいい映画に当たった時なんて、映し出される作品以上の何かを映画館から持ち帰れた気分になったりしませんか? そんな“映画ならでは”の魅力や影響力を今一度、教えてくる作品です。
映画への讃歌、寅さんへの献辞
投稿日
2014/04/14
レビュアー
みなさん(退会)
本作品は、『男はつらいよ』シリーズで、第49作となるはずだった『寅次郎花へんろ』の代わりに製作された作品。 ――“代わり”と言っては語弊があるか。“間に合わせ”みたいな言い方だが、決して、そんなことはない。珍妙な出来映えではあるが、慟哭の1本である。 父親と喧嘩して家を飛び出した亮は、四国は徳島に流れ着く。そこで、寂れた映画館“オデオン座”の館主、白銀と知り合う。成り行きでオデオン座に就職した亮は、マイペースな白銀に振り回されながらも、映画に寄せる愛情と思いに次第に心を動かされて行く。 ……というお話し。 映画人たちが作り上げた作品が、どのように観客に届けられるかを描いた本作品は、東京から外れた田舎に育った私には、ちょっと切なかった。(照笑) 子供の頃は、場末の映画館によく通ったし、学校に来た移動映画館で名作も観た。公民館の映画会にも足繁く通った。 映画という文化が日常と密着していたし、繁栄から斜陽への道を歩きはじめていた時期でもあった。ニューシネマがハリウッドをダメにしたとか、これからはテレビの時代だとか、映画スズメたちは声高に映画の行く末を案じていた。 だから、西田敏行さんが演じる館主の奮闘ぶりや矜持は、ダニー・ケイが空想好きな男を演じた作品よりもナマ臭い現実におかされている。主人公はヒーローになれない。 ピザのチェーン店を受け入れて映画館の存続を図り、居候のような亮を東京に返すくだりは、現実を受け入れて、生き残りの道を選んだように見える。賢い選択だ。 けれど、実際には「映画館はもう独立して運営することが出来ないンだ」とシロハタを上げたようなものだ。それは、本作品に先立つ十数年前のTVドラマ『港町純情シネマ』よりも厳しい現実を内包している。奇しくも、あのドラマの主人公も西田敏行さんが演じており、D.ケイの『虹を掴む男』に近かった。 現在、都市部はほとんどシネコンと化し、いわゆる映画館は姿を消してしまった。白銀さんの願いも虚しく、映画は大規模商業施設の一画でしか観られなくなってしまった。 ライナーノーツには「寅さんに代わるシリーズものを」と山田洋次監督は語っているが、構造的にもキャラクタ的にも、本作品のシリーズ化を目論んでいたようには見えない。松竹映画としては、そんな意向を持っていたかも知れないが、山田監督にそういう気持ちはなかったように思う。 そうでなければ、これほど盛大に『男はつらいよ』へのオマージュを盛り込んだりはしないだろう。 そもそも、『男はつらいよ』の主要なキャストがこぞって出演したりしない。(契約のせい?) クライマックスではシリーズに別れを告げるように1作目が劇中で上映される。ラスト近く、CGの“寅さん”も登場する。 そうして観客は思うのだ、本作品こそが『男はつらいよ』へのオマージュなのだ、と……。 映画を上映し続けて来た人たちへの讃歌に始まり、寅さんへの献辞に終わる本作品は、1本の娯楽映画としてのアイデンティティに欠けている。 けれど、この時、ほかにどんな作品を作り得ただろうか。 西田敏行さんや田中裕子さんらの好演に支えられた本作品を、私は、存外好きだ。 オススメ!
活ちゃんはbPレビュアーになれそう
投稿日
2014/02/06
レビュアー
港のマリー
舞台は四国の小さな町に一つだけある古い小規模映画館。スクリーン一つ、座席は180席、2階は畳敷きで頑張れば総数700から800人ぐらい入るとか。でも当然今は見る影もない閑古鳥。主人公かっちゃん(西田敏行)は父親から受け継いだこの映画館「オデオン座」のオーナーであり、映写技師田中邦衛とともに、大赤字経営にもひるまず、地方の映画文化の灯を消すなと奮闘している。映写機とスクリーンをワゴン車に積んで出張上映もする。 シチュエーション的にはまったくジュゼッペ・トルナトーレの「ニューシネマパラダイス」で、実際「オデオン座」企画の「土曜名画劇場」ではニューシネマパラダイスが上映される。 このとき就職試験に失敗して父(前田吟、ちなみに母役は倍賞智恵子)と口論、東京葛飾柴又の家を飛び出して諸国放浪の旅に出た吉岡秀隆が、アルバイトとして雇われるのがお話の始まり。 土曜名画劇場で上演する映画は町の映画好き住民有志による“委員会”の話し合いによって決められる。 この場での西田敏行の候補映画の紹介ぶり、メンバーとの映画談義がめっぽう面白い。『かくも長き不在』を予約しようと思ったほど。『警察日記』もそんなにいいんなら見てみようか。活ちゃんの語りみたいな生き生きとしたレビューが書けたらいいなぁ。とにかく活ちゃんの映画への想いが熱くて濃い。 いい映画とは「身につまされる映画」との定義にもうんうんとうなずいた。私にとっては断然『道』だ。 ほかにも『雨に唄えば』『東京物語』『野菊の如き君なりき』『鞍馬天狗』…と次々名画が登場する。 と、損得抜きで上映を引き受け映画文化の土台を支えようとする男を描く映画愛の映画と思いつつ、あれ、だんだん様相が違ってくる。『ニューシネマパラダイス』はいつしか消えて、立ち現れたのは『男はつらいよ』の世界。 活ちゃんが映画館を閉めないでいたのは幼なじみで未亡人の八重子(田中裕子)のためだった。八重子に見せたいがため映画の上映を続けていたことがわかる。 活ちゃんは寅さんで八重子はマドンナ、当然活ちゃんは振られる。田中裕子の潤い120%とでも言いたいしっとり感とロケ地の徳島県脇町の奥ゆかしい美しさもあって、笑わせて泣かせる二人の心のふれあいがとてもいい。『東京物語』の原節子のセリフを田中裕子が言うと、またちょっと趣が違ってくる。 諭されて東京に帰る吉岡秀隆に活ちゃんは今度の「土曜名画劇場」にかける映画を見せる。俺の身につまされる映画だと。 なんとオデオン座のスクリーンに映し出されたのは『男はつらいよ』。光本幸子が出ていたから第一作か。 おいおい、自分の映画を名画だと、自分で言うのか、なんて突っ込んではいけない。 49作目になるはずだった『男はつらいよ』に出演かなわず、帰ることのない旅に出てしまった渥美清に捧げられた映画だから。
虹をみて つかめる男に なりたいね
投稿日
2009/11/01
レビュアー
Yの3乗
会社の慰安旅行のバスの中で偶然鑑賞してしまいました。 何でこんな映画がバスにあったのか。 選んだ人、結構、通の人かも。 全く予備知識がなかったのですが、「男はつらいよ」シリーズの後継シリーズとして山田洋次監督で作られた作品とのこと。 なかなか 山田監督らしい味わいがありました。 大学を卒業しても自分のやりたいことがわからない主人公の亮。 昔アルバイトで世話になった映画館オデオン座の社長をたよって徳島まで行ったのだが、オデオン座は閉館してしまっていた。 今では旅から旅の巡業映画をやっているらしい。 亮は社長を追って巡業中の南の島へ向かうのだ。 オデオン座の社長は西田敏行!役者です。 娯楽の少ない離島をめぐり、映画を上演している。 会場は浜辺であったり、学校の講堂であったり。 上演する映画は「雪国」(南の島の人たちは雪国を知らないから?)だったり「風の谷のナウシカ」(島では環境を破壊する公共事業をしているから?)だったり。 少し辛い思い出の昔の恋の話をからませたり、なかなか味わいがありました。 タイトルの「虹をつかむ男」 虹は雨のあとに出来ます。 雨のような涙を流したあとに虹が出る。 前向きにその虹をつかもうよ!という意味なのかなと思いました。 なかなか良かったです。 お勧めします。
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