飾窓の女 / エドワード・G.ロビンソン
飾窓の女
/フリッツ・ラング
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(16)
解説・ストーリー
この日、犯罪心理学の大学教授はバカンス旅行に先立つ妻子を見送った帰り道、美しい女の肖像画を見つけ、しばし見とれていた。そして、旧友らとクラブで一杯引っかけた彼は、帰宅途中にまた例の肖像画を覗き込んでいると、偶然その絵のモデルとなった女性が現われる。教授は、その女に誘われるまま彼女の部屋へ。だが、2人がくつろいでいるところへ、突然怒り狂った男が襲いかかって来る。その結果、逆に男を殺してしまい、何とかその死体を隠す教授。だが、やがて発見され、さらに殺された男の関係者が女に口止め料をゆすりにやって来る…。
この日、犯罪心理学の大学教授はバカンス旅行に先立つ妻子を見送った帰り道、美しい女の肖像画を見つけ、しばし見とれていた。そして、旧友らとクラブで一杯引っかけた彼は、帰宅途中にまた例の肖像画を覗き込んでいると、偶然その絵のモデルとなった女性が現われる。教授は、その女に誘われるまま彼女の部屋へ。だが、2人がくつろいでいるところへ、突然怒り狂った男が襲いかかって来る。その結果、逆に男を殺してしまい、何とかその死体を隠す教授。だが、やがて発見され、さらに殺された男の関係者が女に口止め料をゆすりにやって来る…。
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「飾窓の女」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
この日、犯罪心理学の大学教授はバカンス旅行に先立つ妻子を見送った帰り道、美しい女の肖像画を見つけ、しばし見とれていた。そして、旧友らとクラブで一杯引っかけた彼は、帰宅途中にまた例の肖像画を覗き込んでいると、偶然その絵のモデルとなった女性が現われる。教授は、その女に誘われるまま彼女の部屋へ。だが、2人がくつろいでいるところへ、突然怒り狂った男が襲いかかって来る。その結果、逆に男を殺してしまい、何とかその死体を隠す教授。だが、やがて発見され、さらに殺された男の関係者が女に口止め料をゆすりにやって来る…。
「飾窓の女」 の作品情報
「飾窓の女」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
飾窓の女の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
99分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
JVD3140 |
2008年05月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
0人
|
0人
|
飾窓の女の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
99分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
JVD3140 |
2008年05月26日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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6枚
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ユーザーレビュー:16件
あれも女、そしてこれも女・・・
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
(映画のストーリーに関する重要なネタバレがあります)
それでも、プラトニックなんですね。男子は・・・。それがいちばん印象に残りました。
浮気の願望があるとは言っても、実際にそれを行うということには、深くて長い河が横たわるんでしょう。
エドワード・G・ロビンソン演じるリチャード教授の哀愁漂う雰囲気は、「しょうがないわね・・・」とついつい面倒を見ているうちに、
女心をぐっとつかませるタイプのようです。
アリスと名乗るジョーン・ベネットがついついお部屋に誘ってしまう気持ちもわかる気がします。ま、危険な香りがしないからつい誘ってもらえるタイプに見えます。
でも、まだお話をしているだけですよ。
まだまだ序盤なのに、先にパトロンが来ちゃって・・・。それであんなことになって・・・その代償があまりにも大きい教授です。
(見始めのころは、美人局の話かと思いました。それも怖いですよね。)
犯罪心理学の教授(中盤までは准教授・・・字幕も助教授ではなくて、最近の名称である准教授になっていますね)のくせに、よりによって友人の担当検事の前でのボロ出しまくり事件。
殺しと先走って口から出てしまったり、現場で自分が捨てた場所に率先して歩いたり、同じ場所を怪我していたりと、ありえないです。
男性の嘘の下手なこと・・・女性だったらもっとうまく嘘をつけそうな気がします。
女性から見ると教授から男性の愛らしさをひしひしと感じますが、ジョーン・ベネットは美しさだけでなく、女性の怖さも大いに垣間見せます。
まず、元々愛人にある男性がむちゃくちゃしているとはいえ、なぜゆえ「ハサミ」を渡すのか・・・情ってものはないのかしら。(アダムに林檎を渡すイブですね、まるで)
目撃者を消さねばならない状況でばればれではあるけど、毒薬を飲ませようとするのも女。
女って、いざとなると怖いです。
(そういうことをやったことはないけれど、いざとなったらできるのは女のような気がする)。
ラストはすっごいことがあるとは聞いていた映画ですが、後味は悪くありません。それだっていいではないか。
「ソイレントグリーン」といい本作といい、やっぱりいいです。エドワード・G・ロビンソン。
(ykk1976の映画会、第24回)
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
エドワード・G・ロビンソンは名優と見せつける一作
( ネタばれあり )
いわゆるファム・ファタール( 運命の女 )との関わり、モラルを逸脱した主人公から逆説的に表現されるモラル、だまし、裏切りから逆説的に表現される信頼と愛情・・・・後世いわゆるフィルム・ノワール( 暗黒映画 )と呼ばれる特色をもった独特の美学がありながら、本作が「おやおや」といった結末となるのは時期的に過渡期であったからでしょうか ?
エドワード・G・ロビンソンが出ていて、フィルム・ノワールの嚆矢と呼ばれるビリー・ワイルダーの『 深夜の告白 』の全米公開が1944年9月。 本作が同年11月。 時期がクロスしてます。
しかしなんと第二次大戦中とは・・・・。
いや戦時中だからこそ、倫理コードがうるさくて、人間の心の闇に共感するストーリー、悪事が成就する結末はなかったのかもしれません。
戦後リアリズム映画が隆盛し、さらに後年たとえばイギリスではキャロル・リードが『 第三の男 』を撮り、アメリカでも多くの犯罪映画が作られるのも、悪党が語るホンネが世の中の欺瞞をついて、人々が共感したからでしょう。
フリッツ・ラングなら皮肉で挑戦的な結末は描けたでしょうが、時代は少し早くて、脚本・製作のナナリー・ジョンソンは冒険しなかったかな・・・と勝手な想像をします。
それにしてもエドワード・G・ロビンソンは改めて名優だと思いました。
知的で堂々たる紳士、犯罪に手を染めていく冷酷な男、どうしていいかわからなくて泳ぐ目、そして小心でヘタれのおやじの滑稽さ。
いや小心で善良な男の中に、こんな心の闇があることを描くフリッツ・ラングもエドワード・G・ロビンソンもさすがです。
ジョーン・ベネットって『 花嫁の父 』の母親、『 俺たちは天使じゃない 』のお人よし一家の母親役の女優さんなんですね。
今回は運命の女ですが、シースルーのドレスがシックにして色っぽいですね。
エドワード・G・ロビンソンの私生活での趣味は絵画のコレクター。 知的ですね。
それが、1957年ルオー、ボナール、ヴュイヤールらのお気に入り14点を残してすっかり手放してしまいます。
理由の一つは離婚の慰謝料のため。 もう一つの理由は赤狩りでリベラルなシンパとみなされて映画の仕事から干されたためとか。
そんな彼が赤狩りの急先鋒のセシル・B・デミルの『 十戒 』に出演し、ユダヤ人の彼が裏切り者のユダヤ人を演じたことは、生きていく上での痛みを感じてしまいます。
ですが、こちらの勝手な思い込みなど関係なく、あれも代表作の一つと言える名演でした。
(ykk1976さんの映画会・第24回のレビュー)
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
男は破滅的な人生を(実は)望んだ。
投稿日:2012/09/15
レビュアー:ぴよさん
(後半ネタバレあり。未見の方は読まないで下さい)
まず、道具立てといい、巻き込まれてからの物語の展開といい、なんとヒッチコック的作品だろうと
感じてしまう。ドイツ時代の芸術的側面と違い、ハリウッドに来てからは職人面を発揮させたフリッツ
・ラングが様々な「仕掛け」を弄して、なんともヒッチ的なニューロティック・ノワールを撮っているのだ。
「仕掛け」の最たるものは、ギャング役が定番だったエドワード・G・ロビンソンに、善人の准教授
という真逆のキャラクターをあてがっていること。この映画の登場人物のほとんどが、どこか、観客の
予想を裏切るようなキャスティングをされている。 最も罪を犯しそうにない者が殺人者だったり、
したたかそうな美女が、案外小心者だったり。(強欲な脅迫者が、実は……だったり)いちいち
逆に、逆にと配置されているのだ。
また、この作品、「倒叙型」クライムストーリーの典型でもある。最初に犯罪の全貌を観客に見せ、
そこから観客は、犯人と一緒になって罪が露呈しないように、事を見守る。バレてしまうか、破滅して
しまうかがサスペンスになる。 また、犯人がインテリであるがゆえ、自らが犯人であるかのように先走り
喋ってしまう…これらはあまりに『コロンボ』的な要素で、R・レビンソン&W・リンクが、この作品を参照
していないはずが無い。
ウォーリー(ロビンソン)がクラブで手に取る本は『ソロモンの雅歌』 旧約聖書の一部でありながら
ある意味、異色のラブ・ポエムだ。堅物の大学教授にこれを選ばせることで、彼がその深層に、実は
艶っぽい欲求を抱えていることを匂わせる。
また、何度も映されるアリスのアパートの「二重扉」も、印象に残る。それはまるで二重の「境界」、
現実と非現実、一般の人間と犯罪者との「境界」を象徴しているかのようだ。
しかし、この作品、「あのオチ」を見せられた瞬間から、まったく違うドラマとして遡って観なければ
いけなくなる。というのはこれが全て現実でなく、ウォーリーの脳内世界を見せられていたということに
なるからだ。
最初にアリスがショーウィンドゥに映る時、あの二人の位置関係と角度では、あのように見えることは
まず無い。つまりあの時点で、もう「これは現実で無い」という示唆がされている。
コマカイことだが、ウォーリーは脅迫者であるハントの顔を(○○の中では)見ていないないはずだ。
それなのにドアマンとしての彼を見て反応するのもおかしい。…そうやって見ると、最初から、あちこち
現実的といえない描写がされているのだ。
ウォーリーが見ている○○の中の話なのに、彼が登場しない場面…例えば、アリスの部屋で彼女が
恐喝されている場面なども挿入されている。(確かに○○の中で、自分以外の視点が登場することは
よくある) そして、そういう場面に限って、状況は悪い方へ悪い方へと転がっていく。
これはこの○○を観ている人間(つまりウォーリー)の深層心理に、「状況は悪くなってゆく」という恐れが
常在していること、つまり彼の小心が投影されているのだ。
犯罪を研究しながら、自分が犯罪を犯す側にまわりかねないと思っている心理。犯行後にウォーリーが、
その知識を駆使して隠蔽工作をする姿には、彼が無意識下にそういうことになったらどう対処しよう、と
意識しているという事でもある。
現実にはただ真面目に生きるしかない男が、自分の人生ではあり得ない破滅的な人生を、どこかで
切望している…そんなサブテーマが隠されているのだと思う。
(ykk1976さんの映画会・第24回レビュー)
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
おとこってかわいい
題名から想像するのは娼婦の物語(それも誠実な青年との悲恋)ですが、見事に違っていました。
あるようで実は滅多にお目にかかれないこの結末には、ひっくりかえりました。
関係ありませんが、『下女』(キム・ギヨン監督版)のショックに比べれば遠く及びませんが(笑)。
フリッツ・ラングって硬派なんだか軟派なんだか。
でも肩透かしをくらいながらも充分楽しめたのは、きっと素晴らしく上手いからなんでしょう。
妻子不在に乗じて浮気するわ、殺人に死体遺棄、脅迫者の抹殺まで企てる、恐れを知らぬ素人の大胆と一生懸命から目が離せません。
(プラトニックでも浮気は浮気でしょう。)
そもそも主人公は犯罪心理の専門家なんですから、これはユーモアなのか皮肉なのか。
いちいちおよぐエドワード・G・ロビンソンの虚ろな目。
目を見張るオーバーアクション、悲劇のヒロイン然としたジョーン・ベネット。
エレベーターホールの密談なんて、馬鹿馬鹿しく技巧的で参ってしまいます。
警察は捜査情報をお手軽に漏らしますし、女は脅迫者を簡単に部屋に入れますし。
穴・穴・穴、そこいら中穴だらけではありますが、でも何故かハラハラドキドキ。
モノクロ画面も美しく、オーソドックスでスローモーな展開、じれったいほど落ち着いた造りが新鮮でした。
で、この結末なんですが、不思議に腹は立ちませんでしたねぇ。
(当然あるべき流血描写が無かったところで気付くべきでした。)
これは男性のささやかな欲望、幸福な妄想を描きたかったんだと思えば、微笑ましくさえあります。
(大体こんなガマガエルおじさんに、美女がひとめで惹かれるなんて設定自体に無理がある?)
美女・バイオレンス・スリルとサスペンス……物語としては完璧で、そう考えればとっかえひっかえのジョーン・ベネットのファッションショーも頷けると言うもの。
着飾り磨き上げた美貌、悪役にまで言い寄られる色っぽい美女とのアバンチュール……まったく男ってのは(笑)
そこのところを監督が意図したかどうかは分かりませんが。
しかつめらしいイメージがあるフリッツ・ラングですが(私が勝手に思ってるだけかも)、これはサービス精神溢れるエンタメ作品。
お勧めです。
関係ありませんが(しつこい…笑)、この場を借りてキム・ギヨン監督の『下女』もお勧めします。
社会派、ある意味ホラー要素まである傑作ですが、本作同様目がテンの結末です。
ご自分がどう反応されるか、試してみては如何でしょう。
(ykk1976さんの映画会・第24回)
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
どっぷりとミステリーに浸れる99分
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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(1944年製作・アメリカ)
エドワード・G・ロビンソンの作品をもうひとつ観たくて借りました。
極上の心理サスペンスでした、まさに99分間、画面に入り込んで役者と気持ちがひとつになり、
気がつくと「あ、遊ばれた・・・」という小気味良い興奮が全身を包んでいました。
ある画廊のショーウインドウに飾られた女性の絵、大学教授のリチャード(エドワード・ロビンソン)は、清楚なその絵がお気に入りだった。
いつもより少しお酒を飲みすぎたある晩、絵に見とれていると、
『私がその絵のモデルよ』と微笑みかける女性がいるではないか!
時間が遅いからとか遠慮するリチャードに、女性アリス(ジョーン・ベネット)は誘い続け、
ついに部屋に招き入れる。
ところが、いきなり入ってきた男が、リチャードの顔を見るなり浮気してると勘違いして
彼の首を締めにかかる。(なんて短気なんだ)このままでは殺される!と思ったリチャードは、
ハサミで男を刺し、男は絶命した。
正当防衛ではあるが、さぁ困ったぞ。
(この時点で私は、これは女の「やらせ」だな、と思いました)
犯罪心理学専攻である教授は警察に通報するのを躊躇し、意外にもテキパキと指示し、
二人で証拠隠滅する、深夜、死体を捨てに車で遠くを目指す教授。
翌日、たまたま担当検事である友人から、どこまで調べが及んでいるか耳にし、
動揺するリチャード教授、女性もいるという死体発見現場まで同行するが。
このあたり、ものすごくハラハラするのは、巻き込まれて予想外の結果になる事は
誰にでも経験があるし、ウソや言い逃れが不得手で関わりたくないという気持ちもわかる。
そして、普段知ったかぶっているのに、深く追求すんなや、という底が知れる恐怖、
そんな気持ちがすごく同感できるからだと思う。(つまり普通の人間なのだ)
アリスを強請る極悪非道な男(アリスが浮気しないよう見張るだけの男)が登場してからは、
こいつはプロなので観客は不安がつのる。しかし、あの『CM』と刻まれたペンダントを受け取った時、彼の破滅はわかった。(当時はまだ新鮮な手法だったかもしれない。)
エドワード・G・ロビンソンが生真面目で小心、だけどかすかなロマンスも期待しているという役柄がピッタリだった。
物語という虚構の世界で遊んだ充実した時間だった。
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7人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
あれも女、そしてこれも女・・・
投稿日
2012/09/15
レビュアー
ykk1976
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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(映画のストーリーに関する重要なネタバレがあります)
それでも、プラトニックなんですね。男子は・・・。それがいちばん印象に残りました。
浮気の願望があるとは言っても、実際にそれを行うということには、深くて長い河が横たわるんでしょう。
エドワード・G・ロビンソン演じるリチャード教授の哀愁漂う雰囲気は、「しょうがないわね・・・」とついつい面倒を見ているうちに、
女心をぐっとつかませるタイプのようです。
アリスと名乗るジョーン・ベネットがついついお部屋に誘ってしまう気持ちもわかる気がします。ま、危険な香りがしないからつい誘ってもらえるタイプに見えます。
でも、まだお話をしているだけですよ。
まだまだ序盤なのに、先にパトロンが来ちゃって・・・。それであんなことになって・・・その代償があまりにも大きい教授です。
(見始めのころは、美人局の話かと思いました。それも怖いですよね。)
犯罪心理学の教授(中盤までは准教授・・・字幕も助教授ではなくて、最近の名称である准教授になっていますね)のくせに、よりによって友人の担当検事の前でのボロ出しまくり事件。
殺しと先走って口から出てしまったり、現場で自分が捨てた場所に率先して歩いたり、同じ場所を怪我していたりと、ありえないです。
男性の嘘の下手なこと・・・女性だったらもっとうまく嘘をつけそうな気がします。
女性から見ると教授から男性の愛らしさをひしひしと感じますが、ジョーン・ベネットは美しさだけでなく、女性の怖さも大いに垣間見せます。
まず、元々愛人にある男性がむちゃくちゃしているとはいえ、なぜゆえ「ハサミ」を渡すのか・・・情ってものはないのかしら。(アダムに林檎を渡すイブですね、まるで)
目撃者を消さねばならない状況でばればれではあるけど、毒薬を飲ませようとするのも女。
女って、いざとなると怖いです。
(そういうことをやったことはないけれど、いざとなったらできるのは女のような気がする)。
ラストはすっごいことがあるとは聞いていた映画ですが、後味は悪くありません。それだっていいではないか。
「ソイレントグリーン」といい本作といい、やっぱりいいです。エドワード・G・ロビンソン。
(ykk1976の映画会、第24回)
エドワード・G・ロビンソンは名優と見せつける一作
投稿日
2012/09/15
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり )
いわゆるファム・ファタール( 運命の女 )との関わり、モラルを逸脱した主人公から逆説的に表現されるモラル、だまし、裏切りから逆説的に表現される信頼と愛情・・・・後世いわゆるフィルム・ノワール( 暗黒映画 )と呼ばれる特色をもった独特の美学がありながら、本作が「おやおや」といった結末となるのは時期的に過渡期であったからでしょうか ?
エドワード・G・ロビンソンが出ていて、フィルム・ノワールの嚆矢と呼ばれるビリー・ワイルダーの『 深夜の告白 』の全米公開が1944年9月。 本作が同年11月。 時期がクロスしてます。
しかしなんと第二次大戦中とは・・・・。
いや戦時中だからこそ、倫理コードがうるさくて、人間の心の闇に共感するストーリー、悪事が成就する結末はなかったのかもしれません。
戦後リアリズム映画が隆盛し、さらに後年たとえばイギリスではキャロル・リードが『 第三の男 』を撮り、アメリカでも多くの犯罪映画が作られるのも、悪党が語るホンネが世の中の欺瞞をついて、人々が共感したからでしょう。
フリッツ・ラングなら皮肉で挑戦的な結末は描けたでしょうが、時代は少し早くて、脚本・製作のナナリー・ジョンソンは冒険しなかったかな・・・と勝手な想像をします。
それにしてもエドワード・G・ロビンソンは改めて名優だと思いました。
知的で堂々たる紳士、犯罪に手を染めていく冷酷な男、どうしていいかわからなくて泳ぐ目、そして小心でヘタれのおやじの滑稽さ。
いや小心で善良な男の中に、こんな心の闇があることを描くフリッツ・ラングもエドワード・G・ロビンソンもさすがです。
ジョーン・ベネットって『 花嫁の父 』の母親、『 俺たちは天使じゃない 』のお人よし一家の母親役の女優さんなんですね。
今回は運命の女ですが、シースルーのドレスがシックにして色っぽいですね。
エドワード・G・ロビンソンの私生活での趣味は絵画のコレクター。 知的ですね。
それが、1957年ルオー、ボナール、ヴュイヤールらのお気に入り14点を残してすっかり手放してしまいます。
理由の一つは離婚の慰謝料のため。 もう一つの理由は赤狩りでリベラルなシンパとみなされて映画の仕事から干されたためとか。
そんな彼が赤狩りの急先鋒のセシル・B・デミルの『 十戒 』に出演し、ユダヤ人の彼が裏切り者のユダヤ人を演じたことは、生きていく上での痛みを感じてしまいます。
ですが、こちらの勝手な思い込みなど関係なく、あれも代表作の一つと言える名演でした。
(ykk1976さんの映画会・第24回のレビュー)
男は破滅的な人生を(実は)望んだ。
投稿日
2012/09/15
レビュアー
ぴよさん
(後半ネタバレあり。未見の方は読まないで下さい)
まず、道具立てといい、巻き込まれてからの物語の展開といい、なんとヒッチコック的作品だろうと
感じてしまう。ドイツ時代の芸術的側面と違い、ハリウッドに来てからは職人面を発揮させたフリッツ
・ラングが様々な「仕掛け」を弄して、なんともヒッチ的なニューロティック・ノワールを撮っているのだ。
「仕掛け」の最たるものは、ギャング役が定番だったエドワード・G・ロビンソンに、善人の准教授
という真逆のキャラクターをあてがっていること。この映画の登場人物のほとんどが、どこか、観客の
予想を裏切るようなキャスティングをされている。 最も罪を犯しそうにない者が殺人者だったり、
したたかそうな美女が、案外小心者だったり。(強欲な脅迫者が、実は……だったり)いちいち
逆に、逆にと配置されているのだ。
また、この作品、「倒叙型」クライムストーリーの典型でもある。最初に犯罪の全貌を観客に見せ、
そこから観客は、犯人と一緒になって罪が露呈しないように、事を見守る。バレてしまうか、破滅して
しまうかがサスペンスになる。 また、犯人がインテリであるがゆえ、自らが犯人であるかのように先走り
喋ってしまう…これらはあまりに『コロンボ』的な要素で、R・レビンソン&W・リンクが、この作品を参照
していないはずが無い。
ウォーリー(ロビンソン)がクラブで手に取る本は『ソロモンの雅歌』 旧約聖書の一部でありながら
ある意味、異色のラブ・ポエムだ。堅物の大学教授にこれを選ばせることで、彼がその深層に、実は
艶っぽい欲求を抱えていることを匂わせる。
また、何度も映されるアリスのアパートの「二重扉」も、印象に残る。それはまるで二重の「境界」、
現実と非現実、一般の人間と犯罪者との「境界」を象徴しているかのようだ。
しかし、この作品、「あのオチ」を見せられた瞬間から、まったく違うドラマとして遡って観なければ
いけなくなる。というのはこれが全て現実でなく、ウォーリーの脳内世界を見せられていたということに
なるからだ。
最初にアリスがショーウィンドゥに映る時、あの二人の位置関係と角度では、あのように見えることは
まず無い。つまりあの時点で、もう「これは現実で無い」という示唆がされている。
コマカイことだが、ウォーリーは脅迫者であるハントの顔を(○○の中では)見ていないないはずだ。
それなのにドアマンとしての彼を見て反応するのもおかしい。…そうやって見ると、最初から、あちこち
現実的といえない描写がされているのだ。
ウォーリーが見ている○○の中の話なのに、彼が登場しない場面…例えば、アリスの部屋で彼女が
恐喝されている場面なども挿入されている。(確かに○○の中で、自分以外の視点が登場することは
よくある) そして、そういう場面に限って、状況は悪い方へ悪い方へと転がっていく。
これはこの○○を観ている人間(つまりウォーリー)の深層心理に、「状況は悪くなってゆく」という恐れが
常在していること、つまり彼の小心が投影されているのだ。
犯罪を研究しながら、自分が犯罪を犯す側にまわりかねないと思っている心理。犯行後にウォーリーが、
その知識を駆使して隠蔽工作をする姿には、彼が無意識下にそういうことになったらどう対処しよう、と
意識しているという事でもある。
現実にはただ真面目に生きるしかない男が、自分の人生ではあり得ない破滅的な人生を、どこかで
切望している…そんなサブテーマが隠されているのだと思う。
(ykk1976さんの映画会・第24回レビュー)
おとこってかわいい
投稿日
2012/09/15
レビュアー
まりこ
題名から想像するのは娼婦の物語(それも誠実な青年との悲恋)ですが、見事に違っていました。
あるようで実は滅多にお目にかかれないこの結末には、ひっくりかえりました。
関係ありませんが、『下女』(キム・ギヨン監督版)のショックに比べれば遠く及びませんが(笑)。
フリッツ・ラングって硬派なんだか軟派なんだか。
でも肩透かしをくらいながらも充分楽しめたのは、きっと素晴らしく上手いからなんでしょう。
妻子不在に乗じて浮気するわ、殺人に死体遺棄、脅迫者の抹殺まで企てる、恐れを知らぬ素人の大胆と一生懸命から目が離せません。
(プラトニックでも浮気は浮気でしょう。)
そもそも主人公は犯罪心理の専門家なんですから、これはユーモアなのか皮肉なのか。
いちいちおよぐエドワード・G・ロビンソンの虚ろな目。
目を見張るオーバーアクション、悲劇のヒロイン然としたジョーン・ベネット。
エレベーターホールの密談なんて、馬鹿馬鹿しく技巧的で参ってしまいます。
警察は捜査情報をお手軽に漏らしますし、女は脅迫者を簡単に部屋に入れますし。
穴・穴・穴、そこいら中穴だらけではありますが、でも何故かハラハラドキドキ。
モノクロ画面も美しく、オーソドックスでスローモーな展開、じれったいほど落ち着いた造りが新鮮でした。
で、この結末なんですが、不思議に腹は立ちませんでしたねぇ。
(当然あるべき流血描写が無かったところで気付くべきでした。)
これは男性のささやかな欲望、幸福な妄想を描きたかったんだと思えば、微笑ましくさえあります。
(大体こんなガマガエルおじさんに、美女がひとめで惹かれるなんて設定自体に無理がある?)
美女・バイオレンス・スリルとサスペンス……物語としては完璧で、そう考えればとっかえひっかえのジョーン・ベネットのファッションショーも頷けると言うもの。
着飾り磨き上げた美貌、悪役にまで言い寄られる色っぽい美女とのアバンチュール……まったく男ってのは(笑)
そこのところを監督が意図したかどうかは分かりませんが。
しかつめらしいイメージがあるフリッツ・ラングですが(私が勝手に思ってるだけかも)、これはサービス精神溢れるエンタメ作品。
お勧めです。
関係ありませんが(しつこい…笑)、この場を借りてキム・ギヨン監督の『下女』もお勧めします。
社会派、ある意味ホラー要素まである傑作ですが、本作同様目がテンの結末です。
ご自分がどう反応されるか、試してみては如何でしょう。
(ykk1976さんの映画会・第24回)
どっぷりとミステリーに浸れる99分
投稿日
2021/09/14
レビュアー
くまげらの森
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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(1944年製作・アメリカ)
エドワード・G・ロビンソンの作品をもうひとつ観たくて借りました。
極上の心理サスペンスでした、まさに99分間、画面に入り込んで役者と気持ちがひとつになり、
気がつくと「あ、遊ばれた・・・」という小気味良い興奮が全身を包んでいました。
ある画廊のショーウインドウに飾られた女性の絵、大学教授のリチャード(エドワード・ロビンソン)は、清楚なその絵がお気に入りだった。
いつもより少しお酒を飲みすぎたある晩、絵に見とれていると、
『私がその絵のモデルよ』と微笑みかける女性がいるではないか!
時間が遅いからとか遠慮するリチャードに、女性アリス(ジョーン・ベネット)は誘い続け、
ついに部屋に招き入れる。
ところが、いきなり入ってきた男が、リチャードの顔を見るなり浮気してると勘違いして
彼の首を締めにかかる。(なんて短気なんだ)このままでは殺される!と思ったリチャードは、
ハサミで男を刺し、男は絶命した。
正当防衛ではあるが、さぁ困ったぞ。
(この時点で私は、これは女の「やらせ」だな、と思いました)
犯罪心理学専攻である教授は警察に通報するのを躊躇し、意外にもテキパキと指示し、
二人で証拠隠滅する、深夜、死体を捨てに車で遠くを目指す教授。
翌日、たまたま担当検事である友人から、どこまで調べが及んでいるか耳にし、
動揺するリチャード教授、女性もいるという死体発見現場まで同行するが。
このあたり、ものすごくハラハラするのは、巻き込まれて予想外の結果になる事は
誰にでも経験があるし、ウソや言い逃れが不得手で関わりたくないという気持ちもわかる。
そして、普段知ったかぶっているのに、深く追求すんなや、という底が知れる恐怖、
そんな気持ちがすごく同感できるからだと思う。(つまり普通の人間なのだ)
アリスを強請る極悪非道な男(アリスが浮気しないよう見張るだけの男)が登場してからは、
こいつはプロなので観客は不安がつのる。しかし、あの『CM』と刻まれたペンダントを受け取った時、彼の破滅はわかった。(当時はまだ新鮮な手法だったかもしれない。)
エドワード・G・ロビンソンが生真面目で小心、だけどかすかなロマンスも期待しているという役柄がピッタリだった。
物語という虚構の世界で遊んだ充実した時間だった。
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飾窓の女