ロイ・ビーン / ポール・ニューマン
ロイ・ビーン
/ポール・ニューマン
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(13)
解説・ストーリー
テキサスの無法地帯に辿り着いた流れ者、ロイ・ビーンは町に居座り酒場を法廷に改造して判事として町に君臨する。右手に拳銃、左手に大女優リリーのポスターを携え、判決を言い渡す判事、ロイ・ビーン。しかしある日、狡猾な弁護士ガスの出現によりその地位は奪われ、ロイ・ビーンは一度は去って行くのだが。
テキサスの無法地帯に辿り着いた流れ者、ロイ・ビーンは町に居座り酒場を法廷に改造して判事として町に君臨する。右手に拳銃、左手に大女優リリーのポスターを携え、判決を言い渡す判事、ロイ・ビーン。しかしある日、狡猾な弁護士ガスの出現によりその地位は奪われ、ロイ・ビーンは一度は去って行くのだが。
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「ロイ・ビーン」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
テキサスの無法地帯に辿り着いた流れ者、ロイ・ビーンは町に居座り酒場を法廷に改造して判事として町に君臨する。右手に拳銃、左手に大女優リリーのポスターを携え、判決を言い渡す判事、ロイ・ビーン。しかしある日、狡猾な弁護士ガスの出現によりその地位は奪われ、ロイ・ビーンは一度は去って行くのだが。
「ロイ・ビーン」 の作品情報
「ロイ・ビーン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ロイ・ビーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR11174 |
2006年09月29日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
5枚
|
0人
|
0人
|
ロイ・ビーンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
123分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR11174 |
2006年09月29日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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|
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ユーザーレビュー:13件
もう一度会えたなら、二度と君を離さない。
投稿日:2012/06/15
レビュアー:ぴよさん
(ネタバレあり)
真面目で、ふざけた映画だ。「なにがアメリカンニューシネマだ。そんなもんワシだって
撮れるわい」と御大ジョン・ヒューストンが思ったかどうか。わざわざポール・ニューマン
をキャスティングするあたり、手が込んでる。ハイキングのバックに『雨にぬれても』が
流れ、熊と自転車を二人乗りしてたとしても、さして違和感は無い。
詳しい事情は分らないが、ヒューストンらしからぬと言うか、おふざけが過ぎますぞ殿、
と言いたくなる場面が散見される。これは彼一人の企みではなく、脚本のジョン・ミリアス
も共犯だ。これは邪推だが、彼らはニューシネマのフォーマットを使いつつ、半ば、ニュー
シネマをおちょくってみせてるのではないか。主人公が破滅してゆくラストもフォーマット
通りなのだが、そこにきっちりカタルシスを作って「どうだ若者。グジグジ言ってないで、
こんくらいのことやらかしてみろや」とでも言ってるようだ。
おっと、製作が『明日に向って撃て』のジョン・フォアマンだ。こりゃ、ややこしい(笑)
ロイ・ビーン判事は気まぐれなる暴君だ。当時の西部社会の混沌を思えば、こういう存在
はリアルだったのかもしれない。だが、ヒューストンはこの男を決して美化しない。行為自体
をそのまま描き、同時にニューマンを使って「人間味」という判断材料を並列してみせる。
映画自体も、シリアスとギャグ、オーソドックスとシュール、相反する要素を並べてみせ、
「さあ、どう見ますか?」と挑発してみせる。評価は分かれるだろう。同じ事象の、どの部分
を観るか、どの部分を重視するかで、思いは変わる。…まあ、もちろんヒューストンの狙いは
はっきりしているのだが。
無罪か、縛り首か、人の命はビーンの胸三寸。“法律”でなく、ビーンという男の人間性に
頼るという危うさ。邪推するとこれは、赤狩りを経たヒューストンの「絶対的な法」に対する
不信感なのかもしれない。法律よりも、ただの無頼者の美学を上位に置いてみせる。決着は
ラストの大無法。そこにあるのは“義”だけだ。それで十分だと言っている。
「男にはふたつの愛がある。はるかな女神への愛と、生身の女への愛。傍らに暮らす女
への愛は、女神への愛を通して深まる」勝手極まりない暴論かもしれないが、理解出来る。
こんなことさえ大きな声で言えなくなることの不自由さを、Wジョンは嘆いている。
心に女神を抱いてても、いいじゃないか(もちろん女性だって、理想の男を想えばいい)
心を通じ合ったマリー。愛しい娘ローズ。永遠の女神リリー。おいおい、幸せ者じゃねぇか
ビーンのオヤジ。 かくして無法の破壊者は、炎の中に消えてゆくのだ。
テキサスの黄色いバラ / 会いに行くんだ
仲間は誰も 彼女を知らない / 僕だけの秘密の人
別れる時 彼女は泣いた / とても胸が痛んだ だから
もう一度会えたならば / 二度と彼女を離さない
『The Yellow Rose of Texas』
(ykk1976さんの映画会・第21回レビュー)
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
これこそ、テキサス男の理想
19世紀末。ペコス川の西には法律も正義もない。あるものといったら暴力と無秩序とガラガラ蛇と・・・。
観終わった後には、すっかりロイ・ビーンのとりこになってしまいました。演じるポール・ニューマンを好きだというのもありますが、
ロイ・ビーンとはなんと含蓄のある男性なんでしょう。こんな男、惚れたらケガしちまうぜ!の代表ですが、女性が愛さずにいられない男ではないでしょうか。
(本当に存在したら、やっぱり無理ですけどね。身がもちません。映画の中の主人公だから、安心して惚れていられます)
法と正義の下にと言ってる本人がかなりの無法な荒くれ者なんですが、ロイ・ビーンはとても魅力的です。
勝手に判事となって、同じく無法者の保安官を雇い、テキサスの法律に基づき、私腹を肥やしながら町を治めていきます。
無法とは言いつつも、中国人や黒人を殺したから無罪という男に、法の下の人間は同じだと言って処刑したり、
娼婦を保安官たちの妻にしたり、なんだか一本筋が通っているのです。
しかも、あっさりと熊ともお友だちになります。
やがて妻となり、一人娘を生む少女マリーに歌を歌ってあげたり(そりゃあ、惚れてまうやろー)、女神と崇拝する女優リリー・ラングトリーのポスターを張ったり、
荒くれてばかりではない、女性から見るとかわいらしいという側面もあって、愛すべき男といえるでしょう。(顔半分がヒゲで覆われてわかりにくいけど、男前だし)
ロイ・ビーンは畏怖されながらも、町を発展させていきますが、ひたひたと時代の波が押し寄せてきます。
それにしても、この映画には3人のヒロインが登場するのですが、みなさん魅力的。
女神リリーのエヴァ・ガードナーはもちろん、妻マリーのヴィクトリア・プリンシバル、娘ローズのジャクリーン・ビセット。
三人が三様の輝きを持っています。
ロイ・ビーンほとの男になると、これほどの女性が集まってしかりでしょう。
特に娘役のジャクリーン・ビセットのりりしさにまいりました。年齢を重ねた今も美しい女優さんでありますが、納得です。
ロイ・ビーン一代記ともいえる本作のラストは最高です。
なんだか胸が熱くなりました。ロイ・ビーンのような生き方は、過酷ですけど、男の花道にほかなりません。
これほど潔い生き様はありません。
これこそ、テキサス男の理想なんではないでしょうか。
(ykk1976の映画会、第21回)
このレビューは気に入りましたか?
10人の会員が気に入ったと投稿しています
男のリリシズム
投稿日:2012/06/15
レビュアー:さっちゃん
冒頭のロイ・ビーン(ポール・ニューマン)が川を越えて酒場にたどりつき、お尋ね者は歓迎されるんだろうとウィスキーを口にした途端、殴られて全財産を巻き上げられたうえ、首にかけた縄を馬に引きずらせて半殺しにされる描写で、そこが悪党の上前をはねる悪党が住んでいる場所であると観客に教えているのかもしれません。
メキシコ人の娘(ヴィクトリア・プリンシパル)に介抱され、拳銃を手に入れたビーンは悪党たちが酔いつぶれ寝込んでいる早朝に殴り込みをかけます。相手の思いもよらない場所から奇襲をかけて、ほとんどの悪党を撃ち殺してしまいます。それをきっかけとして彼は、その酒場を法廷にして勝手に判事を名乗り、強盗のなり損ねの一党を保安官として雇い、「ペコス西の法律」として悪党を裁くようになるというのが物語の始まりであります。
まるでアメリカのほら話のような、この人物が実在したというだけでもかの国の面白さというか西部のでたらめさというかが分かろうというものです。もっとも娯楽映画ですので全てのお話が事実ではありませんが。
ただ、一見、このでたらめな暴君のような人物が実は相当なロマンチストであることが物語が進むに連れて分かってきます。女優のリリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)への崇拝に近い思慕の気持ちを持ち、法廷=酒場にも彼女のポスターを恭しく飾っているという描写、そして悪党たちに嬲り殺しにされかけたところを助けられた娘マリーから慕われていると知りつつ、その想いをなかなか告げられない場面、そういった細かな部分に荒くれ男の純情とでも言えるビーンのリリシズムを感じてしまいます。
この映画では悪党たちを片っ端から絞首刑にしていたような描写がありますが、本物のロイ・ビーン判事はかなり大雑把ではありましたが、結構誰もが納得できる判決を下していたようで、死刑もそれほど言い渡されていた訳ではないようです。
それと昔、観たときにはかなり派手な印象があったのですが、結構、静かな場面も多く、それが彼の怒りが爆発する場面を引き立てているように思いました。冒頭の酒場の襲撃の場面しかり、終盤の悪徳弁護士ガス(ロディ・マクドウォール)との対決の場面しかり。静と動の対比を活かした演出の冴えを感じました。
で、ここらでお馴染みの“趣味の時間”とまいりましょう。まず、拳銃ですが、ほとんどがコルト・ピースメーカーです。ロイ・ビーンは冒頭で自分の拳銃を奪われ、マリーが渡してくれたニッケルメッキのモデルを使うようになります。ポーカーのシーンで掛金代わりに小型の拳銃がテーブルの上に置かれますがメーカーや形式は分かりませんでした。
あとライフルは60年代から70年代に西部劇で良く使われたウィンチェスターM92です。ただし、ビーンを狙う悪党バッド・ボブを相手にしたときにはバッファロー狩りに使う大口径のライフル(多分シャープスあたりでしょう。)を使っていました。ついでに説明すると、あのライフルにつけていた照準器はスコープではなくチューブラー・サイトという只の磨いた金属の筒です。これを除くと反対側の端っこが筒の内面に反射して、いくつもの同心円を描きます。これがきちんと同心円に見えれば、まっすぐに目標が狙えているという訳です。マニアックな余談でした。
それから冒頭の襲撃で悪党から奪って、その後ずっと娘まで使い続けていたのが、珍しいウィンチェスターM1887レバーアクション・ショットガンであります。『ターミネーター2』でシュワルツェネッガー扮するT800がソウドオフ(切り詰め型)で使っていたのと同じ銃です。多分、これは12番径だと思いますが、マイケル・マン監督の『パブリック・エネミーズ』ではFBIが10番径のモデルを使っていました。
やっぱり最後は“趣味”の方へ走ってしまいましたが、ポール・ニューマンがどこか怪しげながら妙に憎めない、ある意味、純粋な人物を演じた西部劇です。西部劇がまだ伝説を描けた時代の傑作だと思います。
(ykk1976さんの映画会:第21回)
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
荒野のドン・キホーテの物語
ロキュの69日連続レビューU その7
いろはの「ろ」
(ネタバレあり)
ジョン・ヒューストンといえば、『マルタの鷹』『白鯨』『黄金』と、身を滅ぼすほど何かに取り憑かれてしまう人間を描いてきてますので、今度も法と秩序がその「何か」に当たるのかと思っていたのですが、その点も無きにしも非ずだけど、彼の作品の別のテーマ、男の冒険とロマンの物語ですね。
『アフリカの女王』でもオールドミスと冴えない男が冒険とロマンで輝いていました。
冒険とロマンなく、つまらない現実にしがみついて、いや自ら現実をつまらないものにしてしまって、どこに人生の輝きがある?・・・というのがこの映画のいいたいことかな?
脚本はジョン・ミリアス。 『ダーテイ ・ハリー』の原案の1人、『ビッグ・ウェンズデー』とかを見ても、
がんこで昔気質の男の情念が窺えます・
最後の大暴れで、ビーンが放つ啖呵がいいですね。
3年後にジョン・ミリアスが監督した( ジョン・ヒューストンも出演 )、彼の代表作『 風とライオン 』は彼にとって「史上最高の大統領 」であるセオドア・ルーズベルトを描くものですが、本作にも出てきますね。
なぜ熊なのか、といえば、テディがらみであり、これも荒々しさとイノセンスの象徴ということなのでしょうか。
「 西部劇とは何か 」と言えば、伝説なのであり、アンソニー・パーキンスに始まり、すでに死んだ人間が語り部になるという構成は、ロイ・ビーンは実在した人物だけど、これは史実ではなく伝説だと示しています。
「 オレ様が正義だ 」と傍若無人なロイ・ビーン、時代に押し流され、忌まわしい過去にされていったのが現実であり、うわべはもっともらしい文明や都会では、強者が卑劣で残忍な支配を行っていったのでした。
しかし伝説やロマンが事実に優先するのが西部の鉄則。
粗野で乱暴なロイ・ビーンたちにとって、ロマンの象徴だったリリー・ラングトリーでしたが、自分を思い続けていたロイ・ビーンとはどんな男だったのかと、実際の彼女が田舎町までわざわざ訪ねて来ます。
( 伝説のリリーを、ハリウッドの伝説的女優の1人であるエヴァ・ガードナーが演じている)のもオールド・ファンには嬉しい限り )
現実のリリーと伝説になったロイ・ビーン。 ここにロマンと現実の逆転があり、みごとな脚本と演出。
現実はどうあれ。ロマンを抱いた西部の男、ロイ・ビーンは荒野のドン・キホーテなのでした。
衣裳はイーディス・ヘッドでしたね。
ジャクリーン・ビセットがとてもきれいですが、最後に写真にいっしょに写っている彼氏が、当時実際に彼女の恋人だったマイケル・サラザンなのはご愛嬌でした。
(ykk1976さんの映画会 第21回のレビュー)
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
ウエスタン的騎士道
独断で分析するなら、西部劇を大別すれば本場とマカロニ。
本場をさらに分ければ、古き良き正統派とニューシネマ以降の産物。
正義と詩情の正統派を決して嫌いではないものの、ネイティブアメリカンを踏み台に、色濃い白人至上主義の傾向に少なからず抵抗がありました。
対してニューシネマは余りに反体制的で青臭く、映画的に美しくないのですが、こちらの方が性に合いました。
(『明日に向かって撃て』の様な名作もありますが。)
(西部劇ではありませんが)『真夜中のカーボーイ』のジョン・ヴォイドの執着が皮肉で滑稽で、ひねくれた快哉をおくったものでした。
全て過去形なのはこれらが若い頃のみの記憶で、最近西部劇を殆ど観ていないからです。
さて、久しぶりの本場ウエスタンはどう心に響くのか。
「荒っぽい正義と手前勝手な悪」或いは「手前勝手な正義と荒っぽい悪」。
どっちでもいいんですが「これぞアメリカ」、我が身を顧みず「正義」を貫くロイ・ビーン。
「あんた自身がお尋ね者でしょうが(笑)」って何度突っ込んだ事やら。
「無法者と娼婦に人権はない」なんて断じておきながら、やってる事に一貫性がありません。
「白人は殺ってない」って無法者に容赦無かったのは痛快でしたけど。
名乗りを上げるおたずね者を背後から「騙し討ち」するんですから、実に立派な「正義」です。
屁理屈こねまわすインテリに抵抗はすれど排除され、一旦は時代に負けはしますが、アメリカ的正義は転んでも只では起きません。
娘の危機に突如現れ、力で悪を駆逐してもろともに消え去るなんて、男性のノスタルジーを誘うこと請け合いです。
「銃の時代の終焉」は『ウエスタン』(セルジオ・レオーネ監督)にも描かれていましたが、消えゆく「良き時代」への郷愁は人の心を捉えて放さないものなのでしょう。
女は現実的ですから、変わり身早く時代の最先端に向くんですけど。
(なにしろ娘の結婚相手はパイロットなんですから!)
ニューシネマ時代の作ですが、どっぷりそうとも言い切れない。
かと言って、とても正統派の範疇には入らない。
自虐的でありながら全否定で無い、とても冷静な一面と特有の熱さ、アメリカ的な独断・懐古趣味が見え隠れしています。
序盤の一風変わった冷めた作風に戸惑いがありましたが、見終わってみれば面白い、不思議な一作でした。
「憧れの姫君」(ラングトリー嬢)を崇拝し、一方で「妻」を愛しつつ、「正義」を雄々しく貫くロイ・ビーン。
英国本家に比べればかなり下品ではあるものの、これも「騎士」の端くれなのかな……とも思いました。
恥ずかしながら、あの「熊」は最後まで理解出来ませんでした(笑)
それにしても、ジャクリーン・ビゼットは可愛かったですねぇ。
(ykk1976さんの映画会・第21回)
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ユーザーレビュー
もう一度会えたなら、二度と君を離さない。
投稿日
2012/06/15
レビュアー
ぴよさん
(ネタバレあり)
真面目で、ふざけた映画だ。「なにがアメリカンニューシネマだ。そんなもんワシだって
撮れるわい」と御大ジョン・ヒューストンが思ったかどうか。わざわざポール・ニューマン
をキャスティングするあたり、手が込んでる。ハイキングのバックに『雨にぬれても』が
流れ、熊と自転車を二人乗りしてたとしても、さして違和感は無い。
詳しい事情は分らないが、ヒューストンらしからぬと言うか、おふざけが過ぎますぞ殿、
と言いたくなる場面が散見される。これは彼一人の企みではなく、脚本のジョン・ミリアス
も共犯だ。これは邪推だが、彼らはニューシネマのフォーマットを使いつつ、半ば、ニュー
シネマをおちょくってみせてるのではないか。主人公が破滅してゆくラストもフォーマット
通りなのだが、そこにきっちりカタルシスを作って「どうだ若者。グジグジ言ってないで、
こんくらいのことやらかしてみろや」とでも言ってるようだ。
おっと、製作が『明日に向って撃て』のジョン・フォアマンだ。こりゃ、ややこしい(笑)
ロイ・ビーン判事は気まぐれなる暴君だ。当時の西部社会の混沌を思えば、こういう存在
はリアルだったのかもしれない。だが、ヒューストンはこの男を決して美化しない。行為自体
をそのまま描き、同時にニューマンを使って「人間味」という判断材料を並列してみせる。
映画自体も、シリアスとギャグ、オーソドックスとシュール、相反する要素を並べてみせ、
「さあ、どう見ますか?」と挑発してみせる。評価は分かれるだろう。同じ事象の、どの部分
を観るか、どの部分を重視するかで、思いは変わる。…まあ、もちろんヒューストンの狙いは
はっきりしているのだが。
無罪か、縛り首か、人の命はビーンの胸三寸。“法律”でなく、ビーンという男の人間性に
頼るという危うさ。邪推するとこれは、赤狩りを経たヒューストンの「絶対的な法」に対する
不信感なのかもしれない。法律よりも、ただの無頼者の美学を上位に置いてみせる。決着は
ラストの大無法。そこにあるのは“義”だけだ。それで十分だと言っている。
「男にはふたつの愛がある。はるかな女神への愛と、生身の女への愛。傍らに暮らす女
への愛は、女神への愛を通して深まる」勝手極まりない暴論かもしれないが、理解出来る。
こんなことさえ大きな声で言えなくなることの不自由さを、Wジョンは嘆いている。
心に女神を抱いてても、いいじゃないか(もちろん女性だって、理想の男を想えばいい)
心を通じ合ったマリー。愛しい娘ローズ。永遠の女神リリー。おいおい、幸せ者じゃねぇか
ビーンのオヤジ。 かくして無法の破壊者は、炎の中に消えてゆくのだ。
テキサスの黄色いバラ / 会いに行くんだ
仲間は誰も 彼女を知らない / 僕だけの秘密の人
別れる時 彼女は泣いた / とても胸が痛んだ だから
もう一度会えたならば / 二度と彼女を離さない
『The Yellow Rose of Texas』
(ykk1976さんの映画会・第21回レビュー)
これこそ、テキサス男の理想
投稿日
2012/06/15
レビュアー
ykk1976
19世紀末。ペコス川の西には法律も正義もない。あるものといったら暴力と無秩序とガラガラ蛇と・・・。
観終わった後には、すっかりロイ・ビーンのとりこになってしまいました。演じるポール・ニューマンを好きだというのもありますが、
ロイ・ビーンとはなんと含蓄のある男性なんでしょう。こんな男、惚れたらケガしちまうぜ!の代表ですが、女性が愛さずにいられない男ではないでしょうか。
(本当に存在したら、やっぱり無理ですけどね。身がもちません。映画の中の主人公だから、安心して惚れていられます)
法と正義の下にと言ってる本人がかなりの無法な荒くれ者なんですが、ロイ・ビーンはとても魅力的です。
勝手に判事となって、同じく無法者の保安官を雇い、テキサスの法律に基づき、私腹を肥やしながら町を治めていきます。
無法とは言いつつも、中国人や黒人を殺したから無罪という男に、法の下の人間は同じだと言って処刑したり、
娼婦を保安官たちの妻にしたり、なんだか一本筋が通っているのです。
しかも、あっさりと熊ともお友だちになります。
やがて妻となり、一人娘を生む少女マリーに歌を歌ってあげたり(そりゃあ、惚れてまうやろー)、女神と崇拝する女優リリー・ラングトリーのポスターを張ったり、
荒くれてばかりではない、女性から見るとかわいらしいという側面もあって、愛すべき男といえるでしょう。(顔半分がヒゲで覆われてわかりにくいけど、男前だし)
ロイ・ビーンは畏怖されながらも、町を発展させていきますが、ひたひたと時代の波が押し寄せてきます。
それにしても、この映画には3人のヒロインが登場するのですが、みなさん魅力的。
女神リリーのエヴァ・ガードナーはもちろん、妻マリーのヴィクトリア・プリンシバル、娘ローズのジャクリーン・ビセット。
三人が三様の輝きを持っています。
ロイ・ビーンほとの男になると、これほどの女性が集まってしかりでしょう。
特に娘役のジャクリーン・ビセットのりりしさにまいりました。年齢を重ねた今も美しい女優さんでありますが、納得です。
ロイ・ビーン一代記ともいえる本作のラストは最高です。
なんだか胸が熱くなりました。ロイ・ビーンのような生き方は、過酷ですけど、男の花道にほかなりません。
これほど潔い生き様はありません。
これこそ、テキサス男の理想なんではないでしょうか。
(ykk1976の映画会、第21回)
男のリリシズム
投稿日
2012/06/15
レビュアー
さっちゃん
冒頭のロイ・ビーン(ポール・ニューマン)が川を越えて酒場にたどりつき、お尋ね者は歓迎されるんだろうとウィスキーを口にした途端、殴られて全財産を巻き上げられたうえ、首にかけた縄を馬に引きずらせて半殺しにされる描写で、そこが悪党の上前をはねる悪党が住んでいる場所であると観客に教えているのかもしれません。
メキシコ人の娘(ヴィクトリア・プリンシパル)に介抱され、拳銃を手に入れたビーンは悪党たちが酔いつぶれ寝込んでいる早朝に殴り込みをかけます。相手の思いもよらない場所から奇襲をかけて、ほとんどの悪党を撃ち殺してしまいます。それをきっかけとして彼は、その酒場を法廷にして勝手に判事を名乗り、強盗のなり損ねの一党を保安官として雇い、「ペコス西の法律」として悪党を裁くようになるというのが物語の始まりであります。
まるでアメリカのほら話のような、この人物が実在したというだけでもかの国の面白さというか西部のでたらめさというかが分かろうというものです。もっとも娯楽映画ですので全てのお話が事実ではありませんが。
ただ、一見、このでたらめな暴君のような人物が実は相当なロマンチストであることが物語が進むに連れて分かってきます。女優のリリー・ラングトリー(エヴァ・ガードナー)への崇拝に近い思慕の気持ちを持ち、法廷=酒場にも彼女のポスターを恭しく飾っているという描写、そして悪党たちに嬲り殺しにされかけたところを助けられた娘マリーから慕われていると知りつつ、その想いをなかなか告げられない場面、そういった細かな部分に荒くれ男の純情とでも言えるビーンのリリシズムを感じてしまいます。
この映画では悪党たちを片っ端から絞首刑にしていたような描写がありますが、本物のロイ・ビーン判事はかなり大雑把ではありましたが、結構誰もが納得できる判決を下していたようで、死刑もそれほど言い渡されていた訳ではないようです。
それと昔、観たときにはかなり派手な印象があったのですが、結構、静かな場面も多く、それが彼の怒りが爆発する場面を引き立てているように思いました。冒頭の酒場の襲撃の場面しかり、終盤の悪徳弁護士ガス(ロディ・マクドウォール)との対決の場面しかり。静と動の対比を活かした演出の冴えを感じました。
で、ここらでお馴染みの“趣味の時間”とまいりましょう。まず、拳銃ですが、ほとんどがコルト・ピースメーカーです。ロイ・ビーンは冒頭で自分の拳銃を奪われ、マリーが渡してくれたニッケルメッキのモデルを使うようになります。ポーカーのシーンで掛金代わりに小型の拳銃がテーブルの上に置かれますがメーカーや形式は分かりませんでした。
あとライフルは60年代から70年代に西部劇で良く使われたウィンチェスターM92です。ただし、ビーンを狙う悪党バッド・ボブを相手にしたときにはバッファロー狩りに使う大口径のライフル(多分シャープスあたりでしょう。)を使っていました。ついでに説明すると、あのライフルにつけていた照準器はスコープではなくチューブラー・サイトという只の磨いた金属の筒です。これを除くと反対側の端っこが筒の内面に反射して、いくつもの同心円を描きます。これがきちんと同心円に見えれば、まっすぐに目標が狙えているという訳です。マニアックな余談でした。
それから冒頭の襲撃で悪党から奪って、その後ずっと娘まで使い続けていたのが、珍しいウィンチェスターM1887レバーアクション・ショットガンであります。『ターミネーター2』でシュワルツェネッガー扮するT800がソウドオフ(切り詰め型)で使っていたのと同じ銃です。多分、これは12番径だと思いますが、マイケル・マン監督の『パブリック・エネミーズ』ではFBIが10番径のモデルを使っていました。
やっぱり最後は“趣味”の方へ走ってしまいましたが、ポール・ニューマンがどこか怪しげながら妙に憎めない、ある意味、純粋な人物を演じた西部劇です。西部劇がまだ伝説を描けた時代の傑作だと思います。
(ykk1976さんの映画会:第21回)
荒野のドン・キホーテの物語
投稿日
2012/06/15
レビュアー
ロキュータス
ロキュの69日連続レビューU その7
いろはの「ろ」
(ネタバレあり)
ジョン・ヒューストンといえば、『マルタの鷹』『白鯨』『黄金』と、身を滅ぼすほど何かに取り憑かれてしまう人間を描いてきてますので、今度も法と秩序がその「何か」に当たるのかと思っていたのですが、その点も無きにしも非ずだけど、彼の作品の別のテーマ、男の冒険とロマンの物語ですね。
『アフリカの女王』でもオールドミスと冴えない男が冒険とロマンで輝いていました。
冒険とロマンなく、つまらない現実にしがみついて、いや自ら現実をつまらないものにしてしまって、どこに人生の輝きがある?・・・というのがこの映画のいいたいことかな?
脚本はジョン・ミリアス。 『ダーテイ ・ハリー』の原案の1人、『ビッグ・ウェンズデー』とかを見ても、
がんこで昔気質の男の情念が窺えます・
最後の大暴れで、ビーンが放つ啖呵がいいですね。
3年後にジョン・ミリアスが監督した( ジョン・ヒューストンも出演 )、彼の代表作『 風とライオン 』は彼にとって「史上最高の大統領 」であるセオドア・ルーズベルトを描くものですが、本作にも出てきますね。
なぜ熊なのか、といえば、テディがらみであり、これも荒々しさとイノセンスの象徴ということなのでしょうか。
「 西部劇とは何か 」と言えば、伝説なのであり、アンソニー・パーキンスに始まり、すでに死んだ人間が語り部になるという構成は、ロイ・ビーンは実在した人物だけど、これは史実ではなく伝説だと示しています。
「 オレ様が正義だ 」と傍若無人なロイ・ビーン、時代に押し流され、忌まわしい過去にされていったのが現実であり、うわべはもっともらしい文明や都会では、強者が卑劣で残忍な支配を行っていったのでした。
しかし伝説やロマンが事実に優先するのが西部の鉄則。
粗野で乱暴なロイ・ビーンたちにとって、ロマンの象徴だったリリー・ラングトリーでしたが、自分を思い続けていたロイ・ビーンとはどんな男だったのかと、実際の彼女が田舎町までわざわざ訪ねて来ます。
( 伝説のリリーを、ハリウッドの伝説的女優の1人であるエヴァ・ガードナーが演じている)のもオールド・ファンには嬉しい限り )
現実のリリーと伝説になったロイ・ビーン。 ここにロマンと現実の逆転があり、みごとな脚本と演出。
現実はどうあれ。ロマンを抱いた西部の男、ロイ・ビーンは荒野のドン・キホーテなのでした。
衣裳はイーディス・ヘッドでしたね。
ジャクリーン・ビセットがとてもきれいですが、最後に写真にいっしょに写っている彼氏が、当時実際に彼女の恋人だったマイケル・サラザンなのはご愛嬌でした。
(ykk1976さんの映画会 第21回のレビュー)
ウエスタン的騎士道
投稿日
2012/06/15
レビュアー
まりこ
独断で分析するなら、西部劇を大別すれば本場とマカロニ。
本場をさらに分ければ、古き良き正統派とニューシネマ以降の産物。
正義と詩情の正統派を決して嫌いではないものの、ネイティブアメリカンを踏み台に、色濃い白人至上主義の傾向に少なからず抵抗がありました。
対してニューシネマは余りに反体制的で青臭く、映画的に美しくないのですが、こちらの方が性に合いました。
(『明日に向かって撃て』の様な名作もありますが。)
(西部劇ではありませんが)『真夜中のカーボーイ』のジョン・ヴォイドの執着が皮肉で滑稽で、ひねくれた快哉をおくったものでした。
全て過去形なのはこれらが若い頃のみの記憶で、最近西部劇を殆ど観ていないからです。
さて、久しぶりの本場ウエスタンはどう心に響くのか。
「荒っぽい正義と手前勝手な悪」或いは「手前勝手な正義と荒っぽい悪」。
どっちでもいいんですが「これぞアメリカ」、我が身を顧みず「正義」を貫くロイ・ビーン。
「あんた自身がお尋ね者でしょうが(笑)」って何度突っ込んだ事やら。
「無法者と娼婦に人権はない」なんて断じておきながら、やってる事に一貫性がありません。
「白人は殺ってない」って無法者に容赦無かったのは痛快でしたけど。
名乗りを上げるおたずね者を背後から「騙し討ち」するんですから、実に立派な「正義」です。
屁理屈こねまわすインテリに抵抗はすれど排除され、一旦は時代に負けはしますが、アメリカ的正義は転んでも只では起きません。
娘の危機に突如現れ、力で悪を駆逐してもろともに消え去るなんて、男性のノスタルジーを誘うこと請け合いです。
「銃の時代の終焉」は『ウエスタン』(セルジオ・レオーネ監督)にも描かれていましたが、消えゆく「良き時代」への郷愁は人の心を捉えて放さないものなのでしょう。
女は現実的ですから、変わり身早く時代の最先端に向くんですけど。
(なにしろ娘の結婚相手はパイロットなんですから!)
ニューシネマ時代の作ですが、どっぷりそうとも言い切れない。
かと言って、とても正統派の範疇には入らない。
自虐的でありながら全否定で無い、とても冷静な一面と特有の熱さ、アメリカ的な独断・懐古趣味が見え隠れしています。
序盤の一風変わった冷めた作風に戸惑いがありましたが、見終わってみれば面白い、不思議な一作でした。
「憧れの姫君」(ラングトリー嬢)を崇拝し、一方で「妻」を愛しつつ、「正義」を雄々しく貫くロイ・ビーン。
英国本家に比べればかなり下品ではあるものの、これも「騎士」の端くれなのかな……とも思いました。
恥ずかしながら、あの「熊」は最後まで理解出来ませんでした(笑)
それにしても、ジャクリーン・ビゼットは可愛かったですねぇ。
(ykk1976さんの映画会・第21回)
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ロイ・ビーン