紅の豚

最初は豚が主人公？と思って観ていましたが、その姿は違って内面的なかっこよさがあります。それプラス声優さんの渋い声が豚をより魅力的にしています。

主人公の魅力だけでなく、登場人物それぞれに魅力があり、愛が有ってとてもいい作品でした。アニメですが、大人も楽しめる作品です。

何で豚なんだ？最初は素直にそう思いました（笑）。豚は醜さの象徴なのでしょうか？おいらは結構かわいいと思うのですが(^^ゞ。どういう風に呪いをかけると豚になるのかはわかりませんが、この豚格好いいんですよね。男ってこうありたい！って感じです(^○^)。宮崎作品らしいいろんな個性を持つキャラが沢山出てきますがおいらは飛行艇を作っていたおばさんたちやおばぁ〜ちゃんたちが好きです(^^ゞ。昔のよき時代、男が男として女が女として生きていた時代。・・・今はやっぱりそうじゃないのかなぁ〜？(^^ゞ。

格好いい男の姿がここにはある・・なんちゃって(^^ゞ。

　宮崎駿のアニメはヨーロッパの街の風景が素晴らしいです。ほとんどはいろんな町の要素を取り入れた架空の町のようですが、この映画と「魔女の宅急便」はクロアチアがモデルだそうです。先月、クロアチアに旅行したのですが、まさにこのアニメみたいな町並みでした。空から描かれる中世の町並みは本当にステキです（高さは違いますが、同じような光景を城壁の上から見ました）。
　ストーリーも良かったです。第一次大戦後の話で、人間が主人公だとリアルになりすぎるところを、豚を主人公にして、なかなかうまく独特の世界を作っていると思いました。いつもながら空を飛ぶシーンは気持ちいいです。
　宮崎駿の中では特別に優れた作品とは言えませんが、いつものテーマ性（エコロジーとかそんなの）が薄いだけに、私は好きな映画です。

男の子が飛行機のオモチャを手にすると「ぶ〜ん」と言いながら飛行機の軌道を描き始める…。実はこれ、小さい子に限ったことじゃないんです。ある程度社会的立場のあるオジサマ方も、飛行機の模型が大好き。もし環境が許せば、「ぶ〜ん」ってやりたいんですよね。免許も実物も、自動車ほど簡単に手に入れることが出来ない高嶺の花。飛んでみたいなぁ…。そんな男たちの夢を叶えてくれたのが、このアニメ。「も〜、子供なんだから！」って、女性の皆さんに怒られちゃいそうですが、ちょっとだけお付き合いくださいね。

さて、本題。

それまでのジブリのアニメと、この「紅の豚」の大きく違うところは、圧倒的に大人の男に人気がある…ってことだと思います。ハードボイルド。男のロマン。…なんて言ってるけど、本当は男の中のガキの部分をくすぐってくれるアニメなんですよね。渋さたっぷりなんだけど所詮は豚さんのポルコが、森山周一郎さんの声で、たちまちイイ男に見えてきます。「男は顔じゃない」…ん？じゃ、女は顔なの？…いえいえ、度胸と腕っ節です。（…って、こら！）

ポルコ・ロッソ（Porco Rosso）はイタリア語で“赤い豚”という意味。ですが、相手を罵倒する言葉で、ときに卑猥な意味にもとられるそうです。“豚”ってだけでもすでにヤバそうですもんね。確か同じ名前のイタリア料理のお店があったと思うんですけど、ご自分で使う分にはいいんでしょうね。“イエモン”みたいに…。

「紅の豚」は、映像も音楽もストーリーも声も、大人の方にこそ、ぜひお勧めしたいアニメです。いい年をした男たちの、子供じみた大真面目なやりとりと、逞しくて優しい女性たちの暮らし。美しい空と海に抱かれながら、夢の世界に遊んでください。


☆役名＆キャスト☆　日本語版／フランス語版

ポルコ・ロッソ（マルコ・パゴット・アルジェリーノ）…森山周一郎／ジャン・レノ
マダム・ジーナ…加藤登紀子／ソフィー・デショーム
ピッコロ親父…桂三枝／ジェラルド・ヘルネンデス
マンマユート・ボス…上條恒彦／ジャン＝ピエール・カロッソ
フィオ・ピッコロ…岡村明美／アデル・カラッソ
ミスター・カーチス…大塚明夫／ジャン＝リュック・レイシュマン
ばあちゃん…関弘子
ポルコ・ロッソ（少年時代）…古本新之輔
　

ちなみに俺は「飛べない豚」です！
焼き豚確定！