カナディアン・エキスプレス

「フレンチ・コネクション」もなかなか面白かったジーン・ハックマン。

この人は、刑事とか検事とか似合いますね。
そうでなければ、犯人か、という感じで。

この「カナディアン・エクスプレス」でももちろん検事役。
ダメそうかと思うと意外と頭も切れる役どころ。

細かいところでは突っ込みどころもありますけど
適度にハラハラ、ドキドキを取り入れて
ちょっぴりアクション、そこそこサスペンス。

疲れた週末の夜なんかにぴったりの映画じゃないでしょうかね。

考え出すとこんがらがるから頭を使わずに見ようと思う映画がある。しかし映画を見る以上、自然とある程度の「頭」は働いてしまう。その働きをさまたげない映画、つまり「うんと頭を使わなくても楽しめ」、かつ「ちょっと頭を使うことを拒絶しない」ほどよい映画は心地よい。観客を引っ掛けて罠にかけることに汲々とする映画は、作品そのものよりもその向こうで籠をかぶせた棒に結んだ紐を握ってほくそえんでいる製作者の姿が透けて見える。この作品のほどよさを見て、そんなことを考えてしまった。
メインディッシュには物足りないかもしれないが、上品な食後のお菓子のようにどこまでもほどよい作品。

1990年(アメリカ)1952年の映画『その女を消せ』のリメイク作品。

始めてのブラインド・デート(お見合いのようなものでしょうか？）。
初対面のマイケル(ギャングの顧問弁護士)が殺されるのを目撃したキャロル(アン・アーチャー)は、カナダの山小屋に身を隠します。

キャロルの証言を貰いたい事件担当の検事、コーフィールド（ジーン・ハックマン)は、
キャロルの隠れ家を友人から聞き出して、山小屋へベンティ刑事と
ヘリコプターで向かうと、追っ手のギャングのヘリから銃撃されて、
キャロルとコーフィールドは四駆のジープで最寄りの駅まで逃走します。
この樹々の間を林の中を疾走する4WDのカメラアングルは、中々の臨場感です。
そして2人はカナダ行きの特急列車に乗り込みます。
それから、この映画の残り80％は列車の中です。
キャロルとコーフィールドが列車の屋根に登ってのアクション・シーンが中々です。
押しの強いコーフィールドをジーン・ハックマンが熱演。
意外な女性がギャングの仲間で、列車の屋根で後ろ向きにトンネルの壁に跳ね飛ばされるシーンは、実際の映像では表現されず、想像するだけなのは、ちょっと残念です。
すごく面白いシーンになるでしょうに・・・。

ギャングのボスの殺しの目撃者であるキャロル(アン・アーチャー）から、彼女の証言でボスを死刑にしたい検事（ジーン・ハックマン）。
キャロルが証言を躊躇う気持ちが迫ってきました。
日常を失う怖さを今回の大地震で実感したので尚更でした。

9月6月未明の北海道胆振東部地震で、日常生活から、突然の停電を経験しました(その上、信号機がまったく作動しなかったのです）

被災地の方々の心労、心痛、ご苦労を思いますと、本当にささやかな、経験(停電）・・たったそれだけの事なのに大変な辛い33時間でした。
情報はラジオとスマホだけ。
固定電話もインターネットも使えず、
仙台や千葉の友達から、テレビ映像の情報を逆に聞く位でした。
電気の復旧した今、いかに電気に依存した生活だったかを痛感しました。
まだまだ停電・断水している地域の方々、そして厚真で土砂崩れにあわれた方々、お見舞い申し上げます。
再び大きな地震が起こらないことを祈らずにはいられません。

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これが時代なりの緊迫感なのでしょうか。
今なら、普通かもしれないヘリの爆発にまで感動できてしまったのも。

予定日まで２週間の妊婦に見えるか！？
は、許しましょう。
個室を譲ってくれた老夫婦に免じて。

老検事にしては、かなりアクションがんばってたと思います。
そこに、別の意味での緊迫感があったような。

『もう一人の追跡者』は途中でわかってしまいました。
キャストが少ないせいです。多分。
鉄道公安官が殺されたことで確信していたので、
登場しても、「やっぱりか」くらいで驚きもありませんでしたが、
全体としては、楽しめた作品です。

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　劇場で観てからずいぶん経つんですが、何となく列車を舞台にしたアクションが観たくなりました。『バルカン超特急』は、密室のはずの走る列車の中で、どこかへ女性が忽然と消えてしまうというサスペンス・スリラーの傑作ですが、こちらは列車の中で女性が見つからないようにするというお話。大事な証言者なんで、ギャングの殺し屋から隠すというわけです。
　ピーター・ハイアムズは、もう挙げておられる方がいらっしゃいますが、『カプリコン１』とか『破壊！』とかなかなか面白い映画を撮っています。『プレシディオの男たち』やシュワルツネッガーの映画はいまいちですけどね。もともとカメラマンで、この映画でも監督と兼務しています。それほど才気は感じられませんが、列車の連結部から外に出て、列車の屋根の上での格闘というあたりはなかなか迫力で見せます。
　ヒロインはいまいちですが、ジーン・ハックマンも悪くないのでそこそこ観てしまうのですが、イントロダクションにもあるようにこれリメイクなんですね。オリジナルなんて関係ないといえばそうなんですが、リチャード・フライシャーの傑作『その女を殺せ』とつい比べてしまうと、いろいろ不満が出てきます。
　本作は主人公たちが列車に乗るまでに殺人事件の発生から初めて、ずいぶん時間がかかるんですが、オリジナルは捜査官が重要証人を迎えに列車で到着するところから始まって、実にテンポがいいんですね。懇切丁寧に説明して、ヘリやカーアクションを盛り込まないといかんのかなあと思ってしまいます。
　あと、列車内で「謎のふとっちょ」が本作でも出てきますが、彼はオリジナルに由来しているんです。で、彼の演出ははるかにオリジナルがうまい。気持ち悪いし、コミカルだし。本作ではあんまり意味がなくなっちゃってますね。狭い列車内での人物の捌きが、本作はあんまりうまくいっていない感じです。
　そしてたぶん、本作のラストのどんでん返しは、不満に思う方は少なくないんじゃないでしょうか。何で彼女が？　と。しかも列車の上でお約束の最期を迎えるわけですから。オリジナルのどんでん返しは中盤にあって、本当にびっくりするものなんですけど……（ちょっと強引ですけどね）。
　すごい列車内の格闘シーン（『ロシアより愛をこめて』に匹敵）もあるオリジナル『その女を殺せ』を85点とすると、本作は空撮の魅力なんかも加味して、55点というところでしょうか。