ホワイトハンター　ブラックハート

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　ジョン・ヒューストン『アフリカの女王』のアフリカ・ロケを題材に、途中から脚本家として呼ばれた作家のピーター・ヴィアテルが書いた小説の映画化です。イーストウッド自身が、ヒューストンをモデルとした映画監督ウィルソン役を演じています。
『アフリカの女王』抜きで本作が理解できないわけではないですが、観ておいたほうが楽しめることは間違いありません。ボギーとケイティのそっくりさん、二人の台詞を練る場面、小型船「アフリカの女王」号の見事な再現ぶりなど、モデルを知っていればこそ、何気ないシーンも愉快なものへと変わります。
　原作は未訳と思いますが、小説という以上、フィクショナルな要素は入っており、事実そのままというわけではありません。
　モデル小説、モデル映画などは、事実の断片とフィクションをカクテルし、その作品世界での「真実」をよりよく表現しようとするものです。ですから当然、嘘がある。モデルがあるのに嘘があると怒る人がいますが、それはこの創作方法に対する無理解あるいは無粋というものです。
　イーストウッドも（もちろん敬意は持っていても）ヒューストンの「事実」などにあまり興味はなかったでしょう。この映画の描くのは、映画製作の舞台裏ではなく、強烈な個性を持つ映画監督の妄執です。
　借金まみれの身でハリウッドとハリウッド的ハッピーエンドを好む観客を罵り、人種差別主義者を手ひどくやっつけ、オール・アフリカ・ロケにこだわりながら、実はスポンサーの金でサファリに興じる。
　とにかく象を撃ちたい、撃たなければ映画なんか撮れるか！
　象に対峙するイーストウッドを背後から捉えたショット、オンボロ・セスナの曲芸じみた飛行、ボロ船で急流を下りながらゲラゲラと笑い転げるイーストウッドなど、美しく魅力的なシーンは少なくありません。
　ところが本作は、終盤、最後の象との対決以降、急速にトーンを乱してしまったように思います。あまりにネタバレになってしまうので詳しく書けませんが、主人公の心境の大きな変化をどう理解すべきなのか迷います。ここはフィクション部分だと思いますが、破天荒な人物が急速に魅力を失っていくのを観て、このあとハリウッド式ハッピーエンドを選択した『アフリカの女王』が興行的に大成功を収めるという「歴史的事実」に、足をひっぱられてしまったのかと感じました。６０点。

Ｃ．イーストウッドの監督・主演作にしては話題にのぼることがない作品ですね。確かにどこが見どころと聞かれても説明し難いタイプの作品です。話は単純なんですが。

モデルとされる映画「アフリカの女王」も監督のジョン・ヒューストンも若い人たちには馴染みが無いでしょうし、ハリウッドの裏ネタ暴露みたいな話でもありません。かと言って主人公の破天荒な生き様を描くにしてはわずか数日間の出来事ですしね。

結局、内容どうこうより古いイーストウッド作品のお勉強という感じで見ました。演出家として評価され始めたのは「許されざる者」あたりからだと思いますが、これはその少し前の作品です。独特のシニカルなユーモアや唐突な結末など最近の作品に通じる片鱗はうかがえます。

退屈な映画ではないですが、イーストウッドに興味がない方にはどうでしょうか…。

イーストウッド監督自らが、実在した映画監督ジョン・ウィルソンを好演

撮影隊を率いてロケ地のアフリカに着くなり、ハンティングに夢中で
公私混同もいいところ・・・
タイトル通りのブラックなハートをチラつかせ
一癖も二癖もある映画監督を演りきってますが
ユダヤ人差別や黒人差別を目の当たりにすると、一気に熱くなるあたり
イーストウッドらしいスパイスが見え隠れ

脚本家ピートとセリフについての討論をするところでは
「簡潔さが巨匠を生むんだ・・・」と
複雑なセリフは時間の無駄であり、シンプルなのが一番なんだと熱弁する監督が
実際のイーストウッドの理念と重なるようで興味深かった

アフリカの大自然で、ウィルソン監督が標的としたのは象
なぜ象に執着するのか
どうして象でないとダメなのか
その辺をイーストウッドが語ると、ナゼか意味深のように響いてくる不思議さが・・・

撮影そっちのけで暴走するウィルソン監督は
イーストウッドの役柄には珍しいお騒がせ人物ですが
蒸気船に乗ってヒャーヒャー言ってる満面の笑みといい
子どものようにはしゃぐ姿もまたお宝的な感じがします♪

その時代、観客が求めたハリウッド的ハッピーエンド

ウィルソン監督が映画の中でそれを毛嫌いしていたのと同様
この映画もまた、ハリウッド的な終わり方をしていないのが
イーストウッドの成せる業なのでしょうね〜
ラストのセリフはなかなか印象深いです・・・

ジョン・ヒューストン監督をイーストウッドが演じた作品。

ラストシーンで、思いっきり苦虫を噛み潰した表情で発した「Ａction!」は印象的。フェイドアウトからエンドクレジットまでの時間が長く感じられた。続きはあるのか？ここで終われば最高なのに・・・やっぱり終わっていた。

映画の前半である「ユダヤ」論争がActionの前の「ホワイトハンターブラックハート」の伏線となっている。

また、子象を見なかったら、イーストウッドはどうしていたのだろう？彼のテーマである家族愛？

とにかく、イーストウッドのいろいろな表情が興味深かった。

イーストウッドは、イーストウッドを演じていないのでしょう。

イーストウッド作品。実際の映画撮影時のエピソードだそうです。「アフリカの女王」という有名な映画の話。ただ、この映画観ていないので、あまりピンとこなかったです。

昔ながらの雰囲気があってアフリカが神秘の大地だった頃ですね。そのイメージのまんまのアフリカでの映画監督のバカバカしい行動を描いております。面白いかっていうとどうなんだろう。

こんなことあったんだろうなぁ、という感じだけで終わった、そんな作品でした。