愛情物語

とてもいい映画でした。
愛に包まれた、愛が溢れ出てくる素晴らしい映画。
ピアニストのエディ・デューチンの半生を描いた本作。
エディ・デューチンを知らなくても、観終わった後には愛に包まれた人生の素晴らしさに胸がいっぱいになります。

1人の男性がピアニストになるためにNYに出てきて、1人の女性と知り合い、ピアニストとしても成功し、息子が産まれ、しかし幸せの絶頂の中で起こる悲劇・・・。
愛する妻、愛する息子、愛するピアノ・・・。
123分という時間の中に、笑ったり泣いたり、喜怒哀楽全ての感情を味わったような気がします。
ラスト、息子とのピアノのセッション。
ショパンのノクターン第2番(jazz風にアレンジ)。
哀しい場面なんですが、この演奏からも溢れてくる愛情。
彼の人生は、素晴らしい愛にたくさん包まれていた、とてつもなく格好いい終わり方です。
本当に素晴らしい。サントラも買いました。

子供の頃、母に教えてもらって姉妹でずっと弾いていた、ドドドドシラ♪で始まる曲、タイトルがずっと分からなかったのですが、この映画で流れてきました。デューチンが戦地で現地の子供に教える場面。有名な曲なんですね、こちらもサントラで楽しんでいます。

「THE EDDY DUCHIN STORY（原題 ）」にたいし「愛情物語」 という邦題が　主人公を取り巻く人々の愛と別れ　親子 / 夫婦 / 友人　全編を通して様々な愛の形をかいまみる

人気ピアニストであるカーメン・キャバレロの吹き替えだが　まるでタイロン・パワーが　実際に自分で弾いているかのような演技で　いやぁ〜まさに圧巻

「トゥ・ラブ・アゲイン」主題曲をはじめ　デキシーやチャールストン全盛期のかずかずの名曲が挿入され　そして　女性がいかにも女性らしかったよき時代の　マージョリー（キム・ノヴァク）とチキータ（ヴィクトリア・ショウ）の魅力　

１９５０年代の実在のジャズ・ミュージシャン映画の中でも「グレン・ミラー物語」「五つの銅貨」とともに素晴らしい作品に

タイロン・パワーのピアノの指の動きの見事さ　これだけでも　みなくちゃネ！！　

映画よりもカーメン・キャバレロのピアノのほうが有名になってしまった愛情物語。チョッと時代遅れ気味の二枚目タイロン・パワーとなんとも言いようのない可愛さが魅力のキム・ノヴァクが織りなす古きよき時代のアメリカ映画です。前半一時間の甘ったるいだけのステロタイプなラヴ・ストーリーがそのまま続いたほうが観る側にとってはHappyですがそれでは映画になりませんね^_^;　親子の葛藤がピアノで解れるのはできすぎのような気もしますし、主人公が二度も結婚するのは珍しいことですが、全編に流れるキャバレロのピアノがそんなことを忘れさせてくれます。
それにしてもタイロン・パワー、あの指使いはお見事です。猛特訓を受けたのでしょう、多分そこらへんのプロよりはずっと上手いのではないかと。細かいことですがキム・ノヴァクが亡くなるシーン、ベッドの足元が映るんですがちゃんと病院用らしき靴が置いてありました、感動！

ラストシーンの頃入場。照明が点いても立ち上がる人もなく、水を打ったような静寂の中に、微かに聞こえるすすり泣く音。

第２次世界大戦前後に実在したピアニスト
【エディ・デューチン】の伝記物語です。

彼の人生は決して幸せな生涯だったとは言えないでしょう。
これからという時に愛する妻を出産で失い
自責の念から
エディは息子ピーターと一緒に暮らすことを
避け続けてしまいます。
人は愛する人を失うとここまで苦しむのでしょうか？

最愛の妻の死
触れ合うことの無かった息子ピーターとのすれ違う想い
そして、新しい愛を得ようとしたその時…
エディが幸福をつかみかけた時に
また不幸が襲ってきます。

韓国ドラマばり（？）の不幸の数々がエディ一家を
襲ってくるのですが、
泣かそうという作為はそれ程、感じませんでした。

実際にピアノを弾いたカーメン・キャバレロの素晴らしい
音楽を楽しみながら
タイロン・パワーの名演技
息子ピーター役を演じた少年の愛らしい演技
女優陣の美しさに引き込まれながら
古いながらもまた、時間をおいて見たい映画作品の
ひとつに分類したいと思います。

天才ピアニストの父と心では尊敬してるが反発する息子の
二人で楽しそうなピアノを弾く場面などは思わずこちらの方も
楽しくなってしまいました。

この映画、愛に生きるお父さんにぜひ見て頂きたいです。

★★★★☆