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「ライトスタッフ」で一躍有名になったP・カウフマンが69年のチェコ動乱、いわゆる“プラハの春”を題材にして描いた超大作。若者の間に芽生えた民主化要求の波がソ連軍の軍事介入で圧殺されていく中、プレイボーイの医師と二人の女の青春が鮮烈に描かれる。古いニュース・フィルムと本編の画調を完璧に合わせるという離れ技を、ベルイマン作品で鳴らした名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストが見事にやってのけている。
製作年: |
1988年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF BEING |
監督: |
フィリップ・カウフマン |
---|---|
製作: |
ソウル・ゼインツ 、 ソウル・ゼインツ |
製作総指揮: |
ソウル・ペインツ 、 ベルティル・オルソン |
出演: |
ダニエル・デイ=ルイス 、 ジュリエット・ビノシュ 、 レナ・オリン 、 デレク・デ・リント 、 ステラン・スカルスゲールド 、 エルランド・ヨセフソン 、 ドナルド・モファット 、 ステラン・スカルスガルド 、 ダニエル・デイ・ルイス |
脚本: |
ジャン・クロード・カリエール 、 フィリップ・カウフマン |
原作: |
ミラン・クンデラ 、 ミラン・クンデラ |
撮影: |
スヴェン・ニクヴィスト 、 スヴェン・ニクヴィスト |
音楽: |
レオシュ・ヤナーチェク 、 アラン・スプレット 、 マーク・アドラー 、 レオシュ・ヤナーチェク 、 マーク・アドラー |
「ライトスタッフ」で一躍有名になったP・カウフマンが69年のチェコ動乱、いわゆる“プラハの春”を題材にして描いた超大作。若者の間に芽生えた民主化要求の波がソ連軍の軍事介入で圧殺されていく中、プレイボーイの医師と二人の女の青春が鮮烈に描かれる。古いニュース・フィルムと本編の画調を完璧に合わせるという離れ技を、ベルイマン作品で鳴らした名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストが見事にやってのけている。
製作年: |
1988年 |
---|---|
製作国: |
アメリカ |
原題: |
THE UNBEARABLE LIGHTNESS OF BEING |
監督: |
フィリップ・カウフマン |
---|---|
製作: |
ソウル・ゼインツ 、 ソウル・ゼインツ |
製作総指揮: |
ソウル・ペインツ 、 ベルティル・オルソン |
出演: |
ダニエル・デイ=ルイス 、 ジュリエット・ビノシュ 、 レナ・オリン 、 デレク・デ・リント 、 ステラン・スカルスゲールド 、 エルランド・ヨセフソン 、 ドナルド・モファット 、 ステラン・スカルスガルド 、 ダニエル・デイ・ルイス |
脚本: |
ジャン・クロード・カリエール 、 フィリップ・カウフマン |
---|---|
原作: |
ミラン・クンデラ 、 ミラン・クンデラ |
撮影: |
スヴェン・ニクヴィスト 、 スヴェン・ニクヴィスト |
音楽: |
レオシュ・ヤナーチェク 、 アラン・スプレット 、 マーク・アドラー 、 レオシュ・ヤナーチェク 、 マーク・アドラー |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
173分 | 日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLR36226 | 2003年06月09日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
2枚 | 2人 | 2人 |
収録時間:
173分
字幕:
日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
レイティング:
記番:
DLR36226
レンタル開始日:
2003年06月09日
在庫枚数
2枚
1位登録者:
2人
2位登録者:
2人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
173分 | 日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語 | 1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
DLR36226 | 2003年06月09日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
2枚 | 2人 | 2人 |
収録時間:
173分
字幕:
日本語・英語・スペイン語・ポルトガル語・インドネシア語・中国語
音声:
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/英語
レイティング:
記番:
DLR36226
レンタル開始日:
2003年06月09日
在庫枚数
2枚
1位登録者:
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
これはミラン・クンデラの原作の方が圧倒的にいい。と言うより映画は原作とは別物と考えるべきかもしれない。
ニーチェの「永劫回帰説」から語り始める小説に度肝を抜かれたものだ。歴史の彼方の幾多の事件が、ニーチェの説通りもう一度くり返されるなら、「影の軍隊」の冒頭のテロップのように、「いやな思い出だ。しかし、ようこそ、はるか彼方の青春の時代よ」などとほろ苦く懐かしんではいられない。あの陰惨な苦しみをもう一度身に引き受ける覚悟を要求される。ヒットラーも再び現れユダヤ人虐殺も再現される。一度生起した出来事は決して記憶の向こうに飛び去ってなどいかないのだ。一つのことを為す度に、それがくり返されることを念頭に置かなければならない恐ろしいほど「重い」世界観。
一方、時間は直線上を進み出来事すべては過去へと振り捨てられていくならば、人間は身軽に生きられる。しかし、あらゆることがその場限り一回だけの刹那的な世界観は、生きることに確かな手触り、充実した現実感をもたらすだろうか。「重さ」と「軽さ」、実はどちらかよいか、単純には言えない。
「重さー軽さの対立はあらゆる対立のなかでもっともミステリアスで、もっとも多義的だということである。」
ところで映画は、複雑な構造を持ち時間軸を行きつ戻りつする迷路のようなこの小説を単純化し、哲学的、政治的な話題もできるだけ割愛し、「重い」生き方をする純粋な女が、「軽さ」を身上とする多情な男を、自分の「重さ」の世界へと引っ張り込む物語にしたと、私は解する。「プラハの春」の政治的緊張を味方につけて、おそらく生まれ変わってもこの男を愛したいと言い出しかねない一途な女が、その一途さで男を完全に自分のものにしたのである。チェコ有数の脳外科医で、結婚して一児をもうけたものの夫の役目も父親の役目もすぐに放り出し、親兄弟とも縁を切り、幾多の「性愛的友人」とつかの間の情事を楽しむ男を、最後は田舎の農場の土のうえに縛り付け、自分と飼い犬以外に目を向けさせないことに成功した。傍目には男の人生を淪落させたかに見える頬の赤い田舎娘のおそるべき愛の執念。軽い浮気男の心にふと侵入した純で可憐な存在への「同情」が、抜き差しならぬ恋の牢獄に自らを追いやったともいえる。もちろん映画も原作も、この二人を祝福している。
愛は「重さ」を持たなければならないのである。相手のからだの重みを受け止めると同様、相手の心の苦しみを共に苦しもうとするとき、人生は重さを得る。それを厭うべきではないと、言っているようだ。
大いに不満な点は、時の経過が充分に描かれていないところ。
原作では10年ほどの時が過ぎ、医師トマシュは老いているが、ダニエル・デイ・ルイスは若いままだ。大作にしてはスケール感に乏しいような。
純情なテレザより、自立した女で永遠に「重さ」から逃げ続けるザビーネの方が私にとっては魅力的である。彼女はトマシュの分身でもあろう。ぜひ逃げるという負い目に耐え続けて欲しいものだ。「行進で足並みを揃えることができない」ザビーネに心から共感する。スイスの亡命チェコ人たちが「武器を取って戦うべきだと」と気勢を上げれば、「ではすぐ帰国してそうすれば」と冷たく言い放つ。かっこよかった。
ミラン・クンデラは犬好きなのか、テレザの愛犬カレーニンが愛おしい。トマシュをあれだけ愛し続けたにもかかわらず、「あなたよりカレーニンを愛しているかもしれない」はよかった。犬への愛には嫉妬もなければ何の見返りも期待しない。無垢な命をありのまま抱きしめるだけだ。そのままこの二人が行き着いた愛の姿なのかもしれない。
このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
冒頭の、医師トマシュの軽々しい行動に、耐えられない何かが在ると観続けると、本作の核心には近付けないので御用心。
人が性交を持つのは、快楽という2次的な衝動がもたらす行いだが、本来の目的は子孫を残す事で、いわゆる種の保存の本能にある。だが、意思を持ち単なる動物から進歩した人間は、そこに生物の根源的な願望以上のものを見出す。それは世間一般で囁かれる“愛”というものである。
愛とは何か? 与えるものなのか、奪うものなのか。それとも、意思の交わりを持った者達が創りだすものなのだろうか。
オスとメスの間でしか成り立たないのか? 肉体的な交わりを持って保つものなのだろうか。
個人で密やかに育むものなのか? 集団である国家としての愛も成り立つのではなかろうか。
その謎が本作に提示されている。
耐えられない程の軽い思想を持った人々が、多数登場する本作。
トマシュの見かけの軽さは、人の本質を理解して、耐え難くて軽く生きいようと決意したもの。その表層の軽さを見破り、私と共に生きてと叫んだのがテレザで、真意を汲み取って、彼の思うままに自らも生きたのがサビーナ。
でも、これは私の感じたこと。
この映像の持つ力は凄まじい。観た者で様々な思いを紡ぎ出してくれる。
詰らないと思うのも結構。エロいと思うのは、それ然り(笑)。
皆が観て、様々な感想を持てばよい。それほど懐の広い度量を持つ映画に、久々に出会った。感無量です。
このレビューは気に入りましたか? 8人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
この作品は、原題のThe Unbearable Lightness of Beingを考えながら観ないとわからないと思います。beingとはハムレットがTo be, or not to beと悩んだのと同じbeです。ハムレットの場合、「あるべきかあらざるべきか」という訳もありますが、一般的にわかりやすいのは「生きるべきか死すべきか」ですね。意味が広いので、とても日本語にしにくい言葉です。
beingが軽いのをトマシュのことと解釈し、トマシュの生き方は軽いと思って観ていると(もちろんそれも間違っていませんが)、最後の最後で、beingにこめられたもっと深い、絶望的な意味に気づかされます。われわれの「生」そのものが、耐えられないほど軽い、と。だからこそ大河ドラマのように長い話なのに、あっけなく終わるのです。わかっている人には何をいまさらな話なんですが、そこで「なぜ?」と思った人は、もういちどこのタイトルの意味を考えながら観てください。
According to Kundera, "being" is full of "unbearable lightness" because each of us has only one life to live
「beingは耐え難い軽さにみちている。なぜなら私たちには1つしか命がないからだ」クンデラ
軽い男がどうとか、それに悩む女がどうとか、そういった問題を最後のところで超越し、仏教の諸行無常的な考えに帰結する物語だと思います。まさにそれが真理なわけですが。そういうわけで非常に深い映画です。
しかし「生」は耐えられないほど軽いからこそ、やはり重いのですね。そこがまた胸に響いてくるのです。多少無茶してでも、ちゃんと生きないとダメだなって。私はこの映画を観て「きみは生きているか?」と問われたように感じました。
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※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
女性の間を蝶の如く軽やかに舞うトマシュは男として
その生き方に嘘がないという点で純粋だ。
それを軽すぎると受容できないテレザもまた無垢な心で
彼を愛していることに変わりはない。
愛犬を失うことで教えられた本当の‘求めない愛’。
それを悟るまでに試練の歳月は要したけれども
洗練とは程遠かったテレザが生来の鋭い感性を頼りに自立し
トマシュを虜にしていく過程には目を見張るものがある。
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・デイ・ルイス共に
若さという輝きを放出し合う姿が美しい。
レナ・オリン演じるサビーナ(画家)の存在は語りべとも
或いは本質的な主人公とも言えるのではないだろうか。
芸術家にとって束縛とは死を意味するとでもいうような
ある種の潔い行動には共感と同時に溜飲が下がる思いがした。
永遠の憧憬に値する人間像とまで言ってしまおう。
サビーナとトマシュの繋がりは奔放なように見えても
互いに自己が確立しているからこそ成りたつ成熟した関係だ。
続けようと思えば一生継続しうる関係だろう。
サビーナがアメリカ行きを誘うがトマシュは首を縦には振らない。
人に依存しない確立した自己を形成していたはずのトマシュが
知らず知らずのうちテレザに依存していくという男女の機微の味わい。
脱出先のスイスからテレザを追ってプラハに戻ってしまうのも
‘軽さ’のなせる技なのだ。
チェコ動乱という時代のうねりの中、踏みにじられた国家的な自由と
彼等が別の世界で手に入れた自由。その代償は重い。
また、遠くアメリカへ軽く飛び立ったサビーナが
1人流す涙も実に重い。
このレビューは気に入りましたか? 7人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:70件
投稿日
2009/11/28
レビュアー
港のマリー※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
これはミラン・クンデラの原作の方が圧倒的にいい。と言うより映画は原作とは別物と考えるべきかもしれない。
ニーチェの「永劫回帰説」から語り始める小説に度肝を抜かれたものだ。歴史の彼方の幾多の事件が、ニーチェの説通りもう一度くり返されるなら、「影の軍隊」の冒頭のテロップのように、「いやな思い出だ。しかし、ようこそ、はるか彼方の青春の時代よ」などとほろ苦く懐かしんではいられない。あの陰惨な苦しみをもう一度身に引き受ける覚悟を要求される。ヒットラーも再び現れユダヤ人虐殺も再現される。一度生起した出来事は決して記憶の向こうに飛び去ってなどいかないのだ。一つのことを為す度に、それがくり返されることを念頭に置かなければならない恐ろしいほど「重い」世界観。
一方、時間は直線上を進み出来事すべては過去へと振り捨てられていくならば、人間は身軽に生きられる。しかし、あらゆることがその場限り一回だけの刹那的な世界観は、生きることに確かな手触り、充実した現実感をもたらすだろうか。「重さ」と「軽さ」、実はどちらかよいか、単純には言えない。
「重さー軽さの対立はあらゆる対立のなかでもっともミステリアスで、もっとも多義的だということである。」
ところで映画は、複雑な構造を持ち時間軸を行きつ戻りつする迷路のようなこの小説を単純化し、哲学的、政治的な話題もできるだけ割愛し、「重い」生き方をする純粋な女が、「軽さ」を身上とする多情な男を、自分の「重さ」の世界へと引っ張り込む物語にしたと、私は解する。「プラハの春」の政治的緊張を味方につけて、おそらく生まれ変わってもこの男を愛したいと言い出しかねない一途な女が、その一途さで男を完全に自分のものにしたのである。チェコ有数の脳外科医で、結婚して一児をもうけたものの夫の役目も父親の役目もすぐに放り出し、親兄弟とも縁を切り、幾多の「性愛的友人」とつかの間の情事を楽しむ男を、最後は田舎の農場の土のうえに縛り付け、自分と飼い犬以外に目を向けさせないことに成功した。傍目には男の人生を淪落させたかに見える頬の赤い田舎娘のおそるべき愛の執念。軽い浮気男の心にふと侵入した純で可憐な存在への「同情」が、抜き差しならぬ恋の牢獄に自らを追いやったともいえる。もちろん映画も原作も、この二人を祝福している。
愛は「重さ」を持たなければならないのである。相手のからだの重みを受け止めると同様、相手の心の苦しみを共に苦しもうとするとき、人生は重さを得る。それを厭うべきではないと、言っているようだ。
大いに不満な点は、時の経過が充分に描かれていないところ。
原作では10年ほどの時が過ぎ、医師トマシュは老いているが、ダニエル・デイ・ルイスは若いままだ。大作にしてはスケール感に乏しいような。
純情なテレザより、自立した女で永遠に「重さ」から逃げ続けるザビーネの方が私にとっては魅力的である。彼女はトマシュの分身でもあろう。ぜひ逃げるという負い目に耐え続けて欲しいものだ。「行進で足並みを揃えることができない」ザビーネに心から共感する。スイスの亡命チェコ人たちが「武器を取って戦うべきだと」と気勢を上げれば、「ではすぐ帰国してそうすれば」と冷たく言い放つ。かっこよかった。
ミラン・クンデラは犬好きなのか、テレザの愛犬カレーニンが愛おしい。トマシュをあれだけ愛し続けたにもかかわらず、「あなたよりカレーニンを愛しているかもしれない」はよかった。犬への愛には嫉妬もなければ何の見返りも期待しない。無垢な命をありのまま抱きしめるだけだ。そのままこの二人が行き着いた愛の姿なのかもしれない。
投稿日
2008/01/12
レビュアー
ひろぼう※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
冒頭の、医師トマシュの軽々しい行動に、耐えられない何かが在ると観続けると、本作の核心には近付けないので御用心。
人が性交を持つのは、快楽という2次的な衝動がもたらす行いだが、本来の目的は子孫を残す事で、いわゆる種の保存の本能にある。だが、意思を持ち単なる動物から進歩した人間は、そこに生物の根源的な願望以上のものを見出す。それは世間一般で囁かれる“愛”というものである。
愛とは何か? 与えるものなのか、奪うものなのか。それとも、意思の交わりを持った者達が創りだすものなのだろうか。
オスとメスの間でしか成り立たないのか? 肉体的な交わりを持って保つものなのだろうか。
個人で密やかに育むものなのか? 集団である国家としての愛も成り立つのではなかろうか。
その謎が本作に提示されている。
耐えられない程の軽い思想を持った人々が、多数登場する本作。
トマシュの見かけの軽さは、人の本質を理解して、耐え難くて軽く生きいようと決意したもの。その表層の軽さを見破り、私と共に生きてと叫んだのがテレザで、真意を汲み取って、彼の思うままに自らも生きたのがサビーナ。
でも、これは私の感じたこと。
この映像の持つ力は凄まじい。観た者で様々な思いを紡ぎ出してくれる。
詰らないと思うのも結構。エロいと思うのは、それ然り(笑)。
皆が観て、様々な感想を持てばよい。それほど懐の広い度量を持つ映画に、久々に出会った。感無量です。
投稿日
2007/03/19
レビュアー
Carrie※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
この作品は、原題のThe Unbearable Lightness of Beingを考えながら観ないとわからないと思います。beingとはハムレットがTo be, or not to beと悩んだのと同じbeです。ハムレットの場合、「あるべきかあらざるべきか」という訳もありますが、一般的にわかりやすいのは「生きるべきか死すべきか」ですね。意味が広いので、とても日本語にしにくい言葉です。
beingが軽いのをトマシュのことと解釈し、トマシュの生き方は軽いと思って観ていると(もちろんそれも間違っていませんが)、最後の最後で、beingにこめられたもっと深い、絶望的な意味に気づかされます。われわれの「生」そのものが、耐えられないほど軽い、と。だからこそ大河ドラマのように長い話なのに、あっけなく終わるのです。わかっている人には何をいまさらな話なんですが、そこで「なぜ?」と思った人は、もういちどこのタイトルの意味を考えながら観てください。
According to Kundera, "being" is full of "unbearable lightness" because each of us has only one life to live
「beingは耐え難い軽さにみちている。なぜなら私たちには1つしか命がないからだ」クンデラ
軽い男がどうとか、それに悩む女がどうとか、そういった問題を最後のところで超越し、仏教の諸行無常的な考えに帰結する物語だと思います。まさにそれが真理なわけですが。そういうわけで非常に深い映画です。
しかし「生」は耐えられないほど軽いからこそ、やはり重いのですね。そこがまた胸に響いてくるのです。多少無茶してでも、ちゃんと生きないとダメだなって。私はこの映画を観て「きみは生きているか?」と問われたように感じました。
投稿日
2007/12/05
レビュアー
コリンスキー※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
女性の間を蝶の如く軽やかに舞うトマシュは男として
その生き方に嘘がないという点で純粋だ。
それを軽すぎると受容できないテレザもまた無垢な心で
彼を愛していることに変わりはない。
愛犬を失うことで教えられた本当の‘求めない愛’。
それを悟るまでに試練の歳月は要したけれども
洗練とは程遠かったテレザが生来の鋭い感性を頼りに自立し
トマシュを虜にしていく過程には目を見張るものがある。
ジュリエット・ビノシュ、ダニエル・デイ・ルイス共に
若さという輝きを放出し合う姿が美しい。
レナ・オリン演じるサビーナ(画家)の存在は語りべとも
或いは本質的な主人公とも言えるのではないだろうか。
芸術家にとって束縛とは死を意味するとでもいうような
ある種の潔い行動には共感と同時に溜飲が下がる思いがした。
永遠の憧憬に値する人間像とまで言ってしまおう。
サビーナとトマシュの繋がりは奔放なように見えても
互いに自己が確立しているからこそ成りたつ成熟した関係だ。
続けようと思えば一生継続しうる関係だろう。
サビーナがアメリカ行きを誘うがトマシュは首を縦には振らない。
人に依存しない確立した自己を形成していたはずのトマシュが
知らず知らずのうちテレザに依存していくという男女の機微の味わい。
脱出先のスイスからテレザを追ってプラハに戻ってしまうのも
‘軽さ’のなせる技なのだ。
チェコ動乱という時代のうねりの中、踏みにじられた国家的な自由と
彼等が別の世界で手に入れた自由。その代償は重い。
また、遠くアメリカへ軽く飛び立ったサビーナが
1人流す涙も実に重い。
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存在の耐えられない軽さ