マックQ

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マックQ / ジョン・ウェイン

全体の平均評価点:(5点満点)

10

全体の平均評価点:

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ジャンル :

「マックQ」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

シアトル警察のはみだし刑事マックの相棒が殺害された。マックは影で糸を引く麻薬ギャングをぶちのめすが、上層部から事件に介入することを禁じられる。辞表を提出した彼は、友の敵を討つため私立探偵となり、警察内部の不正を暴く……。J・ウェイン主演の刑事アクション。

「マックQ」 の作品情報

作品情報

製作年: 1973年
製作国: アメリカ
原題: McQ

「マックQ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

関連作品

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星の国から来た仲間

ラストムービー

リオ・グランデの砦

老人と海

ユーザーレビュー:10件

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1〜 5件 / 全10件

クリント・イーストウッドとの因縁が・・・

投稿日:2006/07/21 レビュアー:Miles

 この映画のミソは一言で語れる。“大都会のカウボーイ”である。主演は、ジョン・ウエインだ。アメリカ西部劇の顔である。同僚の死に疑問をもったマックQが、警部補であるにも拘らず辞表を叩き付け、単身で捜査にあたり、麻薬密輸組織を壊滅させて、街のヒーローに復帰するという話だ。これをこのままテキサスを舞台にした牛泥棒にすげかえれば、もう立派に西部劇なのである。馬は、フォード・ムスタングに変わり、ウインチェスターのライフルはマシンガンに変わった。しかし、立ち居振る舞いは、あの西部の王様ジョン・ウエインそのものであり、時代の変化にデュークなりの順応しようとしていた心象風景が覗えて面白い。

 さらに興味深い事実は、遡ること3年前ちょっと前に、ジョン・ウエインはある映画のオファーを受けながら蹴っている。その映画こそ、あの『ダーティー・ハリー』である。その後、即、クリント・イーストウッドに話がいったわけではなく、一度フランク・シナトラにオファーがいったが、結局は尻込みされ、白羽の矢が立ったのが、イーストウッドだった。暴力シーンはあっても、常にモラル精神がどこかで漂う西部劇のスターには、いきなり“暴力には暴力を”というダーティー・ハリー役は当時は受けれなかったと思う。しかし、これが大ヒット。3年後、ウエインも同じようなストーリーの作品で、改めて暴力を否定しないコワモテ刑事に挑戦したらしい。因縁はまだまだ続く。イーストウッドの最新作は『硫黄島の砂』なのである。これが、1949年にデュークが主演した作品のリメイクだ。アメリカ国内では、大スターに駆け上る一歩前で足踏みしていたイーストウッドが、ウエインが蹴ったダーティー・ハリー役を得てスターダムに登りつめた。本来ならウエインのアイコンであるオール・アメリカン・ヒーローという旗印を借りて・・。そして映画作家として、そろそろ有終の美を飾る時期にさしかかったイーストウッドが、今度はウエインへのオマージュを捧げながら、それを返旗しようとしているかのように思えてならない。まったく不思議な縁だ。時代の端境期にできたこの『マックQ』は、王者ジョン・ウエインが、新参スターであるクリント・イーストウッドに対してちょっとだけ本気になった映画でもあるのだ。

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イングラムを小脇に抱えたモー刑事。

投稿日:2018/09/16 レビュアー:ぴよさん


「おや?アイアンサイド?」と思ってしまうオープニングから、この時代「っぽい」
ドラマの雰囲気に嬉しくなってしまう。特有のジャジーなスコアに、フィルムの粗さ、
事件が始まることを予感させる、旧き良き定型だ。

 この作品は、マックQの人物造形に表れるように「牛」的だ。ホース・アクション
の再現を、アメ車の荒馬たるトランザム455で試みたものの、馬だけが勝手に走って
マックはただ乗っかってるだけに見えてしまう。またウェインの巨体に比して拳銃が
小さく見えてしまって映えない、が故にM10イングラムなんてオーバースペックな銃
を持たせるのだけど(これもマグナム44に対抗してのことだろうが)それをずっと
小脇にかかえて行動してるマックが、モーなんだかカワイク見えてしまう。
 そしてスタージェスの演出も牛歩的というか、スピード感が無い。(ただこれは好
みの問題で、老ウェインを生かすという意味ではこのくらいのテンポでいいのかも)

 ともかく齢65のウェインに、ハードなアクションをさせようとした事に無理がある。
もっとしっかりと「リタイア真近の老刑事の奮闘劇」というコンセプトで撮るべき
だった。例えばバディ物にして、アクション部分は若い相棒に任せるとか。

 まあしかし、老ウェインだからこその味もある。印象に残るのは、情報を聞き出す
為に一夜を共にするマイラ(コリーン・デューハースト)とのシーン。失礼ながら
この組み合わせのベッドシーンは見たくないが、あえて若い美女なんかにさせない
ところで妙味が出てくる。 関係無いけどこのデューハーストさん、ジョージ・C・
スコットと二度結婚した女性らしく、只者では無い。

 ダーティー・ハリーこそが荒馬であり、ロン・マクヒューは自分を邪魔者扱いした
署長を「一杯やろうぜ」と許してしまう、気のいいモーモーさんでしたということで。


 (YKK1976さんの映画会 第93回)

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マックQが撃つMAC10

投稿日:2018/09/16 レビュアー:さっちゃん

 さて、本来なら昨日、載っけている映画界のレビューですが、自宅に帰ってきたのが昨日だったので1日遅れのレビューとなりました。
 しかし、監督がジョン・スタージェス、音楽がエルマー・バーンスタインという結構なスタッフなんですね。前に観たときは気づきませんでした。多分、ジョン・ウェインとジョン・スタージェスという組み合わせがしっくりこなかったのかもしれません。
 そもそも、この映画の企画は『ダーティ・ハリー』で一躍、人気が出たクリント・イーストウッドに対抗したものだと聞いております。最初、ハリー・キャラハン役のオファーがウェインに来て、彼が断わったためイーストウッドになったという経緯があるので悔しかったのかなと推測するのですが、その辺りは詳しくないのでロキュータスさんが何か書いてくれないかな。
 お話としてはノリは西部劇なのですが、プロットはちゃんとミステリーになっております。冒頭の二人の制服警官の射殺から犯人がダイナーのお手洗いに入って、ベルトにつけたバッジが見えて警官だということが明らかになるというテキパキした展開はうまいですね。その警官、スタンも誰かにショットガンで撃たれ、相前後して主役のマックQことロン・マクヒュー(ジョン・ウェイン)も殺し屋に狙われ、こっちは返り討ちにしてしまいます。
 彼が追っていた麻薬組織のボス、サンチャゴ(アル・レッティエリ)の仕業かと探りを入れ、マックQの上司、コスターマン課長(エディ・アルバート)は過激派に目をつけ、捜査が始まります。そうこうしているうちに焼却処分のために運び出された麻薬が奪われる事件が起きます。その行方を追ったマックQはサンチャゴから麻薬が砂糖にすり替えられていたこと、警察の上層部が、その不正に関与していることを告げられます。さて、黒幕は誰かというところが観客の興味になります。
 ここで、エディ・アルバートを配したのは適役でしたね。この人は卑劣な男から好々爺まで幅広く演じておりますから、怪しいんだか潔白なんだか観客も迷うようになっております。まぁ、ラストは映画会の皆さんは予想できたでしょうか。楽しみですね。
 で、主演がジョン・ウェインですからメインはやっぱりアクションということでクライマックスの対決も見所ではあります。ここで先に書いた『ダーティ・ハリー』への対抗心からか、イングラムMAC10を使いますので、この辺りで私の得意技”趣味の時間”とまいりましょう。
 まず、舞台がシアトルとなってますが、当時のシアトルのガン・コントロールがどうなっていたのかが興味深いところです。というのがマックQが最初に殺し屋を倒した拳銃を鑑識に回すからと取り上げられて、すぐに車のトランクから次の銃を取り出してきますし、その後、その拳銃もなくしたか返したかして、ガンショップでさっさと新しい拳銃を買っております。いくら70年代でも拳銃の場合、ウェイティング・ピリオドといって過去の犯罪歴などの確認のため2週間程度、待たされた筈なんですよね。それとも警官は別だったのかな。
 その拳銃なんですがガンショップで購入したのがコルト・ガバメントというのは分かりますが、それ以前に持っていたのが何だったのかがよく分かりません。殺し屋を射殺したのはコルト・パイソンかダイヤモンドバックかもしれません。で、拳銃を買ったガンショップのオーナーから撃ってみろと渡されるのがイングラムMAC10です。
 この銃はロバート・レッドフォードの『コンドル』でも殺し屋が使ってました。9ミリ(9mm×19)の弾薬を使うサブマシンガンとしては世界最小でしょう。設計したのはゴードン・イングラムという技術者で、サイレンサーを装着するとかなりの長さですが銃単体としては大きめの自動拳銃程度しかありません。発射速度が毎分900発から1200発。劇中でも一瞬で水を入れた缶をハチの巣にしていました。この銃で「これは44マグナムといって世界最強の拳銃なんだ。お前の頭なんかきれいさっぱり吹き飛ばせるぜ。」というハリー・キャラハンの決め台詞に対抗しようとしたのではないかと思います。しかし、ウェインがちょっと借りるよと言ってライセンスもなしに借りっぱなしというのは無茶だと思いました。
 ただ、ウェインも年のせいか、跳んだり跳ねたりのアクションは無理と見えて、そこで謎解きの要素を組み込んだのかもしれません。ラストは70年代らしいというか、苦めのエンディングで、ジョン・ウェイン主演としてはカラッと爽快という訳にはいきませんでした。でも、映画としてはかなり良くできていました。

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夢のコラボのはずが、昔気質に暴走するはみだし者は不似合いだった。

投稿日:2018/09/15 レビュアー:ロキュータス

( ネタバレあり )

ジョン・ウェイン当時66歳。 率直に言って老いが目立って「 なんだかな―。 」と、ちょっと観ていてつらい映画です。

64年に肺がんをわずらい、65年の『 エルダー兄弟 』以後は手術で切除して肺がひとつない状態。 特に撮影中は体調が悪くて、走れないどころか、少し歩いても息切れして酸素吸入器が手放しできない状態。  
そのため、元々スティーブ・マックイーン主演を考えていたジョン・スタージェスは大いに不満だったようです。 本来は西部劇の巨匠と大スターの夢のコラボのはずだったのですが・・・。 
( ジョン・スタージェスはこの後『 鷲は舞い降りた 』を撮って満足し、引退します )

 そう初の刑事役挑戦でしたが、ドン・シーゲルに「 おそまつな『 ブリット 』の二番煎じ 」と言われてしまうように、スティーブ・マックイーン『 ブリット 』、ジーン・ハックマン『 フレンチ・コネクション 』クリント・イーストウッド『 ダーティー・ハリー 』などが出た後なので、比較するとどうしても精彩を欠いて見えてしまう。
 アル・レッティエリも『 ゴッドファーザー 』や『 ゲッタウェイ 』と比較してしまうと、ジョン・ウェインの貫禄の前では悪役のキャラの立ち方が弱く感じる。

ジョン・ウェインは古い世代のヒーローあるいは根はいいアウトローのスターなので、ハードボイルドやフィルム・ノワールも合わないし、アメリカン・ニューシネマ以降のアンチ・ヒーロー、ダーティー・ヒーローはやはり似合わない気がします。 
 女と一晩過ごしてもベッドシーンもなければ、悪い女を平手打ちもしない。 上記のスターたちならそうするけど、ジョン・ウェインがやるとマジになってしまう。

バイオレンスにしてもそうで、西部劇や戦争映画のスターだけど一種の様式美だから見られるが、巨漢でミスター・アメリカのジョン・ウェインが、マグナム44の向こうを張ってマシンガンをぶっぱなすと、その正義感が重いから、暴力がマジになってしまう。
本作は権力の巨悪を倒すためではなくて、犯罪者たちを成敗するためぶっぱなすので、お上の正義の暴走に見えてしまう。

ジョン・ウェイン本人にとっても撮影当時はつらい時期だったかもしれない。
少し前に恩師ジョン・フォードが亡くなっているし、別居中だった三人目のの妻と撮影中正式に離婚している。
まだ戦争中のベトナム戦争を支持した『 グリーン・ベレー 』を撮り、また、ずっと支持してきたニクソンがウォーターゲート事件で失脚に向かっていた時期で、共和党タカ派のハリウッドスターとしてバッシングされてた頃です。

次回作『 ブラニガン 』は観ていませんが、プロットを見ると、アメリカの型破り男とイギリスのまじめだが融通の利かない警察という図式で、おそらく『 マンハッタン無宿 』を思わせるものではないかと。

その後、ジョン・ウェインは本分である西部劇に回帰します。
『 勇気ある追跡 』でアカデミー主演男優賞を獲ったルースター・コグバーン役の続編『 オレゴン魂 』 共演はキャサリン・ヘップバーン。
そして『 ラスト・シューティスト 』

その後ガンを再発しますが、現職のカーター大統領が見舞いに行きますし、ボブ・ホープが前年の授賞式で呼びかけたに応えて、アカデミー作品賞のプレゼンターとして登場。
スタンディング・オベーションの後『 ディア・ハンター 』の名を読み上げます。
また政治的な立場を越えて多くのハリウッドスターが働きかけてアメリカ議会黄金勲章が、死の直前授与されます。
アメリカの人間国宝とも言うべきジョン・ウェインは大往生を遂げたのでした。

( ykk1976さんの映画会 第93回のレビュー )

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爺ちゃん、あんまりムリするなって。

投稿日:2007/10/14 レビュアー:タクシードライバー

冒頭。二人の制服警官が射殺され、犯人である別の私服刑事も何者かに撃たれる。その刑事の相棒だったマックQが上司E・アルバート(この人こういう役が多かったなあ)の制止もきかずあちこち探り出したので諌められるが、それならと辞職して(あっさり辞め過ぎ^^;)私立探偵となり、単独で犯人捜しを開始する…というわけで、正確に言うとこれはポリス・アクションでなく探偵モノの範疇に入る一編でございます。

途中でうらぶれた情報屋のおばちゃんと寝たり(直接の描写はありませんがね)、元女房に金を借りに行ったりと、従来のウェイン御大とはだいぶ違うイメージです。そういうところはまさしくハードボイルドな探偵モノという雰囲気なんだけど、部分的にはダーティハリーを意識したような銃撃シーンもあり、ややどっちつかずかなあ…という気がする。この時スタージェス監督は何歳だったかわかりませんが、あまりらしさを感じないのは歳のせいか、或いは現代物があまり得意でなかったのか。正直、スタージェスがヒットメーカーとして評価されたのは60年代も半ばまでで、以降は『昔の名前』で商売していた感は否めない。ウェインもガンの手術直後でなんだか痛ましく、『爺ちゃん、あんまりムリすんなよ』と声をかけたくなった(^^;)。
当時『ウェイン+スタージェス』の割には…という評価が圧倒的だったが、この時代ではむしろ『ウェイン+スタージェス』なんだからこの程度だろう、という方が正しいような気がする。ウェインは数年後に「ブラニガン」で正真正銘のポリス・アクションに再挑戦するが、そっちの方が『らしさ』が発揮されている。
ま、エルマー・バースタインの音楽だけがいつも通り勇壮果敢な雰囲気だったけどね。

ただし、最大の見どころ、海辺のカーチェイスは数多いカーアクション映画の中でも特に印象に残る。最近の作品のような派手さはないが、海鳥が飛び立ち、波しぶきが舞い上がるビジュアル的な美しさは特筆できる。これがなかったら…。

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マックQ

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クリント・イーストウッドとの因縁が・・・

投稿日

2006/07/21

レビュアー

Miles

 この映画のミソは一言で語れる。“大都会のカウボーイ”である。主演は、ジョン・ウエインだ。アメリカ西部劇の顔である。同僚の死に疑問をもったマックQが、警部補であるにも拘らず辞表を叩き付け、単身で捜査にあたり、麻薬密輸組織を壊滅させて、街のヒーローに復帰するという話だ。これをこのままテキサスを舞台にした牛泥棒にすげかえれば、もう立派に西部劇なのである。馬は、フォード・ムスタングに変わり、ウインチェスターのライフルはマシンガンに変わった。しかし、立ち居振る舞いは、あの西部の王様ジョン・ウエインそのものであり、時代の変化にデュークなりの順応しようとしていた心象風景が覗えて面白い。

 さらに興味深い事実は、遡ること3年前ちょっと前に、ジョン・ウエインはある映画のオファーを受けながら蹴っている。その映画こそ、あの『ダーティー・ハリー』である。その後、即、クリント・イーストウッドに話がいったわけではなく、一度フランク・シナトラにオファーがいったが、結局は尻込みされ、白羽の矢が立ったのが、イーストウッドだった。暴力シーンはあっても、常にモラル精神がどこかで漂う西部劇のスターには、いきなり“暴力には暴力を”というダーティー・ハリー役は当時は受けれなかったと思う。しかし、これが大ヒット。3年後、ウエインも同じようなストーリーの作品で、改めて暴力を否定しないコワモテ刑事に挑戦したらしい。因縁はまだまだ続く。イーストウッドの最新作は『硫黄島の砂』なのである。これが、1949年にデュークが主演した作品のリメイクだ。アメリカ国内では、大スターに駆け上る一歩前で足踏みしていたイーストウッドが、ウエインが蹴ったダーティー・ハリー役を得てスターダムに登りつめた。本来ならウエインのアイコンであるオール・アメリカン・ヒーローという旗印を借りて・・。そして映画作家として、そろそろ有終の美を飾る時期にさしかかったイーストウッドが、今度はウエインへのオマージュを捧げながら、それを返旗しようとしているかのように思えてならない。まったく不思議な縁だ。時代の端境期にできたこの『マックQ』は、王者ジョン・ウエインが、新参スターであるクリント・イーストウッドに対してちょっとだけ本気になった映画でもあるのだ。

イングラムを小脇に抱えたモー刑事。

投稿日

2018/09/16

レビュアー

ぴよさん


「おや?アイアンサイド?」と思ってしまうオープニングから、この時代「っぽい」
ドラマの雰囲気に嬉しくなってしまう。特有のジャジーなスコアに、フィルムの粗さ、
事件が始まることを予感させる、旧き良き定型だ。

 この作品は、マックQの人物造形に表れるように「牛」的だ。ホース・アクション
の再現を、アメ車の荒馬たるトランザム455で試みたものの、馬だけが勝手に走って
マックはただ乗っかってるだけに見えてしまう。またウェインの巨体に比して拳銃が
小さく見えてしまって映えない、が故にM10イングラムなんてオーバースペックな銃
を持たせるのだけど(これもマグナム44に対抗してのことだろうが)それをずっと
小脇にかかえて行動してるマックが、モーなんだかカワイク見えてしまう。
 そしてスタージェスの演出も牛歩的というか、スピード感が無い。(ただこれは好
みの問題で、老ウェインを生かすという意味ではこのくらいのテンポでいいのかも)

 ともかく齢65のウェインに、ハードなアクションをさせようとした事に無理がある。
もっとしっかりと「リタイア真近の老刑事の奮闘劇」というコンセプトで撮るべき
だった。例えばバディ物にして、アクション部分は若い相棒に任せるとか。

 まあしかし、老ウェインだからこその味もある。印象に残るのは、情報を聞き出す
為に一夜を共にするマイラ(コリーン・デューハースト)とのシーン。失礼ながら
この組み合わせのベッドシーンは見たくないが、あえて若い美女なんかにさせない
ところで妙味が出てくる。 関係無いけどこのデューハーストさん、ジョージ・C・
スコットと二度結婚した女性らしく、只者では無い。

 ダーティー・ハリーこそが荒馬であり、ロン・マクヒューは自分を邪魔者扱いした
署長を「一杯やろうぜ」と許してしまう、気のいいモーモーさんでしたということで。


 (YKK1976さんの映画会 第93回)

マックQが撃つMAC10

投稿日

2018/09/16

レビュアー

さっちゃん

 さて、本来なら昨日、載っけている映画界のレビューですが、自宅に帰ってきたのが昨日だったので1日遅れのレビューとなりました。
 しかし、監督がジョン・スタージェス、音楽がエルマー・バーンスタインという結構なスタッフなんですね。前に観たときは気づきませんでした。多分、ジョン・ウェインとジョン・スタージェスという組み合わせがしっくりこなかったのかもしれません。
 そもそも、この映画の企画は『ダーティ・ハリー』で一躍、人気が出たクリント・イーストウッドに対抗したものだと聞いております。最初、ハリー・キャラハン役のオファーがウェインに来て、彼が断わったためイーストウッドになったという経緯があるので悔しかったのかなと推測するのですが、その辺りは詳しくないのでロキュータスさんが何か書いてくれないかな。
 お話としてはノリは西部劇なのですが、プロットはちゃんとミステリーになっております。冒頭の二人の制服警官の射殺から犯人がダイナーのお手洗いに入って、ベルトにつけたバッジが見えて警官だということが明らかになるというテキパキした展開はうまいですね。その警官、スタンも誰かにショットガンで撃たれ、相前後して主役のマックQことロン・マクヒュー(ジョン・ウェイン)も殺し屋に狙われ、こっちは返り討ちにしてしまいます。
 彼が追っていた麻薬組織のボス、サンチャゴ(アル・レッティエリ)の仕業かと探りを入れ、マックQの上司、コスターマン課長(エディ・アルバート)は過激派に目をつけ、捜査が始まります。そうこうしているうちに焼却処分のために運び出された麻薬が奪われる事件が起きます。その行方を追ったマックQはサンチャゴから麻薬が砂糖にすり替えられていたこと、警察の上層部が、その不正に関与していることを告げられます。さて、黒幕は誰かというところが観客の興味になります。
 ここで、エディ・アルバートを配したのは適役でしたね。この人は卑劣な男から好々爺まで幅広く演じておりますから、怪しいんだか潔白なんだか観客も迷うようになっております。まぁ、ラストは映画会の皆さんは予想できたでしょうか。楽しみですね。
 で、主演がジョン・ウェインですからメインはやっぱりアクションということでクライマックスの対決も見所ではあります。ここで先に書いた『ダーティ・ハリー』への対抗心からか、イングラムMAC10を使いますので、この辺りで私の得意技”趣味の時間”とまいりましょう。
 まず、舞台がシアトルとなってますが、当時のシアトルのガン・コントロールがどうなっていたのかが興味深いところです。というのがマックQが最初に殺し屋を倒した拳銃を鑑識に回すからと取り上げられて、すぐに車のトランクから次の銃を取り出してきますし、その後、その拳銃もなくしたか返したかして、ガンショップでさっさと新しい拳銃を買っております。いくら70年代でも拳銃の場合、ウェイティング・ピリオドといって過去の犯罪歴などの確認のため2週間程度、待たされた筈なんですよね。それとも警官は別だったのかな。
 その拳銃なんですがガンショップで購入したのがコルト・ガバメントというのは分かりますが、それ以前に持っていたのが何だったのかがよく分かりません。殺し屋を射殺したのはコルト・パイソンかダイヤモンドバックかもしれません。で、拳銃を買ったガンショップのオーナーから撃ってみろと渡されるのがイングラムMAC10です。
 この銃はロバート・レッドフォードの『コンドル』でも殺し屋が使ってました。9ミリ(9mm×19)の弾薬を使うサブマシンガンとしては世界最小でしょう。設計したのはゴードン・イングラムという技術者で、サイレンサーを装着するとかなりの長さですが銃単体としては大きめの自動拳銃程度しかありません。発射速度が毎分900発から1200発。劇中でも一瞬で水を入れた缶をハチの巣にしていました。この銃で「これは44マグナムといって世界最強の拳銃なんだ。お前の頭なんかきれいさっぱり吹き飛ばせるぜ。」というハリー・キャラハンの決め台詞に対抗しようとしたのではないかと思います。しかし、ウェインがちょっと借りるよと言ってライセンスもなしに借りっぱなしというのは無茶だと思いました。
 ただ、ウェインも年のせいか、跳んだり跳ねたりのアクションは無理と見えて、そこで謎解きの要素を組み込んだのかもしれません。ラストは70年代らしいというか、苦めのエンディングで、ジョン・ウェイン主演としてはカラッと爽快という訳にはいきませんでした。でも、映画としてはかなり良くできていました。

夢のコラボのはずが、昔気質に暴走するはみだし者は不似合いだった。

投稿日

2018/09/15

レビュアー

ロキュータス

( ネタバレあり )

ジョン・ウェイン当時66歳。 率直に言って老いが目立って「 なんだかな―。 」と、ちょっと観ていてつらい映画です。

64年に肺がんをわずらい、65年の『 エルダー兄弟 』以後は手術で切除して肺がひとつない状態。 特に撮影中は体調が悪くて、走れないどころか、少し歩いても息切れして酸素吸入器が手放しできない状態。  
そのため、元々スティーブ・マックイーン主演を考えていたジョン・スタージェスは大いに不満だったようです。 本来は西部劇の巨匠と大スターの夢のコラボのはずだったのですが・・・。 
( ジョン・スタージェスはこの後『 鷲は舞い降りた 』を撮って満足し、引退します )

 そう初の刑事役挑戦でしたが、ドン・シーゲルに「 おそまつな『 ブリット 』の二番煎じ 」と言われてしまうように、スティーブ・マックイーン『 ブリット 』、ジーン・ハックマン『 フレンチ・コネクション 』クリント・イーストウッド『 ダーティー・ハリー 』などが出た後なので、比較するとどうしても精彩を欠いて見えてしまう。
 アル・レッティエリも『 ゴッドファーザー 』や『 ゲッタウェイ 』と比較してしまうと、ジョン・ウェインの貫禄の前では悪役のキャラの立ち方が弱く感じる。

ジョン・ウェインは古い世代のヒーローあるいは根はいいアウトローのスターなので、ハードボイルドやフィルム・ノワールも合わないし、アメリカン・ニューシネマ以降のアンチ・ヒーロー、ダーティー・ヒーローはやはり似合わない気がします。 
 女と一晩過ごしてもベッドシーンもなければ、悪い女を平手打ちもしない。 上記のスターたちならそうするけど、ジョン・ウェインがやるとマジになってしまう。

バイオレンスにしてもそうで、西部劇や戦争映画のスターだけど一種の様式美だから見られるが、巨漢でミスター・アメリカのジョン・ウェインが、マグナム44の向こうを張ってマシンガンをぶっぱなすと、その正義感が重いから、暴力がマジになってしまう。
本作は権力の巨悪を倒すためではなくて、犯罪者たちを成敗するためぶっぱなすので、お上の正義の暴走に見えてしまう。

ジョン・ウェイン本人にとっても撮影当時はつらい時期だったかもしれない。
少し前に恩師ジョン・フォードが亡くなっているし、別居中だった三人目のの妻と撮影中正式に離婚している。
まだ戦争中のベトナム戦争を支持した『 グリーン・ベレー 』を撮り、また、ずっと支持してきたニクソンがウォーターゲート事件で失脚に向かっていた時期で、共和党タカ派のハリウッドスターとしてバッシングされてた頃です。

次回作『 ブラニガン 』は観ていませんが、プロットを見ると、アメリカの型破り男とイギリスのまじめだが融通の利かない警察という図式で、おそらく『 マンハッタン無宿 』を思わせるものではないかと。

その後、ジョン・ウェインは本分である西部劇に回帰します。
『 勇気ある追跡 』でアカデミー主演男優賞を獲ったルースター・コグバーン役の続編『 オレゴン魂 』 共演はキャサリン・ヘップバーン。
そして『 ラスト・シューティスト 』

その後ガンを再発しますが、現職のカーター大統領が見舞いに行きますし、ボブ・ホープが前年の授賞式で呼びかけたに応えて、アカデミー作品賞のプレゼンターとして登場。
スタンディング・オベーションの後『 ディア・ハンター 』の名を読み上げます。
また政治的な立場を越えて多くのハリウッドスターが働きかけてアメリカ議会黄金勲章が、死の直前授与されます。
アメリカの人間国宝とも言うべきジョン・ウェインは大往生を遂げたのでした。

( ykk1976さんの映画会 第93回のレビュー )

爺ちゃん、あんまりムリするなって。

投稿日

2007/10/14

レビュアー

タクシードライバー

冒頭。二人の制服警官が射殺され、犯人である別の私服刑事も何者かに撃たれる。その刑事の相棒だったマックQが上司E・アルバート(この人こういう役が多かったなあ)の制止もきかずあちこち探り出したので諌められるが、それならと辞職して(あっさり辞め過ぎ^^;)私立探偵となり、単独で犯人捜しを開始する…というわけで、正確に言うとこれはポリス・アクションでなく探偵モノの範疇に入る一編でございます。

途中でうらぶれた情報屋のおばちゃんと寝たり(直接の描写はありませんがね)、元女房に金を借りに行ったりと、従来のウェイン御大とはだいぶ違うイメージです。そういうところはまさしくハードボイルドな探偵モノという雰囲気なんだけど、部分的にはダーティハリーを意識したような銃撃シーンもあり、ややどっちつかずかなあ…という気がする。この時スタージェス監督は何歳だったかわかりませんが、あまりらしさを感じないのは歳のせいか、或いは現代物があまり得意でなかったのか。正直、スタージェスがヒットメーカーとして評価されたのは60年代も半ばまでで、以降は『昔の名前』で商売していた感は否めない。ウェインもガンの手術直後でなんだか痛ましく、『爺ちゃん、あんまりムリすんなよ』と声をかけたくなった(^^;)。
当時『ウェイン+スタージェス』の割には…という評価が圧倒的だったが、この時代ではむしろ『ウェイン+スタージェス』なんだからこの程度だろう、という方が正しいような気がする。ウェインは数年後に「ブラニガン」で正真正銘のポリス・アクションに再挑戦するが、そっちの方が『らしさ』が発揮されている。
ま、エルマー・バースタインの音楽だけがいつも通り勇壮果敢な雰囲気だったけどね。

ただし、最大の見どころ、海辺のカーチェイスは数多いカーアクション映画の中でも特に印象に残る。最近の作品のような派手さはないが、海鳥が飛び立ち、波しぶきが舞い上がるビジュアル的な美しさは特筆できる。これがなかったら…。

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