黒いドレスの女

原田知世が北方謙三の世界の中で、妖しくも魅力的な「黒いドレスの女」を演じる・・・・って大丈夫なのか？と思っていたら、意外に妖しい女もサマになっていたので驚きました。そんな自分のイメージを超えようとする原田知世を見る映画としては、まあ、悪くありません。それ以上、期待してはいけないと思います。

原田知世さんが脱アイドルを狙い、北方謙三原作のハードボイルド映画の主演に挑戦したわけですが。。(・・。)ゞ。

菊池桃子さんがロックバンド”ラ・ムー”を結成し、リードボーカルを担当したのですが、
持ち前のウィスパーボイスが際立ち、更に『愛は心の仕事です』なるメッセージも加わり、
アイドル然としたスタンスに何ら変わりがなく、彼女の挑戦はロック界に波紋を投げかけただけで終わってしまったように記憶しています。

本作品における原田知世さんも同様の結果に陥ってしまったように思います。(・・。)ゞ

でも落胆することはありません。
菊池桃子さんに”ミツカンおいガツオつゆ”があるように、
原田知世さんにも”AGFブレンディ”があるのです。
本作品をなかったことにするのは簡単なのです！

彼女の魅力を活かすのは本作品のようなジャンルではないのでしょう。
しかし、彼女の可愛らしさ満開となるシーンも幾つかあります。

・”撃ちますよ！ヘンなことしたら撃ちますよ”のセリフ
・プールでの水着シーン
・ディスコで全くのれていないダンスシーン

永島敏行、菅原文太、成田三樹夫、室田日出男らの中で完全に彼女は浮いた存在ですが、
彼女を抜いてしまうとB級以下の作品といえます。
逆に彼女の萌セリフだけに編集し直すと彼女の魅力満載の素晴らしいコメント集が出来上がるのでは？(*^.^*)

北方謙三のファンで原作は読んでいるし、永島敏行、菅原文太、時任三郎、藤真利子、中村苛賀津雄、それに成田三樹夫まで出演していて、結構楽しみにして観たのに、全く期待外れ。原作とは全く別物のストーリー、安っぽい人物描写、シミったれたアクションだけの駄作でした。日本の娯楽映画全般のレベルの低さにまたも打ちひしがれる思いです。

前のレビューアの方も書いていますが、確かに地味な作品ですね。最初に永島敏行 菅原文太 時任三郎が次々に出てきたので、期待しましたが、もう少し盛り上がりが欲しかったです。

原田知世は、確かにきれいでかわいいし、時折見せる大人びた表情もとても良かったんだけど、「危険な女」を演じるには、ちょっと背伸びのし過ぎだったかも。。。宿泊先のホテルのプールで、スクール水着のような水着で泳いだり、永島敏行に声を掛けたりするシーンは、あまりに全体の流れと合わず、思わず笑ってしまいました。（製作者側の遊び心というか、見る側への「休憩タイム」と考えればいいのでしょうか？）

もちろん、後半は事件の核心に迫っていくのですが、今ひとつ深みというか厚みが欲しかったです。なんか、事件の発端・背景については、出演者たちのセリフの中で急ぎ足で軽く説明しときました、という感じです。

時任三郎の出番がごくわずかだったのは意外。（この頃は、まだ今ほどの知名度がなかったからかな？まあ、永島敏行と時任三郎が張り合ってしまったら、映画２本分なっちゃうので、どちらかの出番を抑えるしかなかっただろうけど。）
後は、藤真利子の役どころがイマイチ。あれじゃ、普通の２時間サスペンスレベル。脚本が悪いのか、配役を間違えたのか良く分かりませんが。それから、昔世話になった菅原文太演じるヤクザの命を、不本意ながら狙うヤクザという設定の俳優さん、少しずつ何回かの出番があるのですが、この人のセリフ棒読み演技が減点ポイント。

悪いところがもっとたくさんあったとしたら、「２時間サスペンスレベル」になっていたかもしれません。

北方謙三原作のハードボイルドは、少し荒唐無稽な事もあるが、
この話は、よく出来ている方だ、少し暗いところもいい。

ただ、大人の話に、よく解らない女子高生が飛び込んできて、
最後は、自分でもよく解らないのに、おいしいトコ取りしたような映画。

知世ちゃんが、物語の雰囲気に染まってないでしょ。
ラストの知世ちゃんは、片岡義男の世界になってますよ。

崔洋一監督。どっちかにすべきだったんだよ。
北方か、知世ちゃんか。

それ以前の、春樹の責任か。
この頃は、誰も反対なんか出来なかっただろうから。

ともかく、知世ちゃんは絶対に悪くない。
なぜなら、私は知世ちゃんのファンだから。

そういうことでは、知世ちゃんを発掘した、
この頃の春樹社長の実績だけは認める。