幸福 / ジャン=クロード・ドルオ
幸福
/アニエス・ヴァルダ
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(5)
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「幸福」 の解説・あらすじ・ストーリー
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「幸福」 の作品情報
「幸福」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
幸福の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
80分 |
|
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5098 |
2005年03月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
1枚
|
3人
|
2人
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幸福の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
80分 |
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IVCF5098 |
2005年03月25日
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1位登録者: |
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1枚
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ユーザーレビュー:5件
浮気夫の呆れ果てる勝手な理屈
開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。この作品は1964年制作だが、フランス映画を観ていると、昔も、女性が活躍するようになった今も、実情はあまり変わっていないのではないかと、ただため息しか出てこない。
冒頭、黄色のひまわりの花のアップに、遠景に子ども2人を真ん中にして手をつないだ4人家族の姿が次第に近づいてくる。父の日の日曜日、郊外の森で、ファミリーでピクニック。幸せを絵に描いたよう。しかし、背後に流れるのは不吉な短調の曲。
夫フランソワは叔父と建材店を営んでおり、妻テレーズは家事の合間に、ささやかな仕立ての仕事をして家計を助けている。映画は台詞も少なく、幸せそのものの家族の穏やかな日常を淡々と描いていく。背後にはモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」。陰影のある明るい長調の曲。
やがて、夫はお決まりのように浮気して、愛がふたつで僕は幸せ、テレーズと結婚したのは最初に出会ったから、単なる順番だ運だと、恋人エミリーにのたまうフランソワ。恋人にも妻にも、ふたりとも愛しているんだ(!?)と言う。こんな状況でこの時代の女性に許されている選択は、忍従(精神的死)か自死か狂気でしかない。
最後は冒頭と対照的に、手をつないだ4人家族が遠ざかっていくシーンで終る。季節は秋で、今回は両親を中心にその外側に2人の子ども。背後には冒頭と同じ重苦しい短調の曲が流れている。これをアイロニーと取るか、諦めと思うか、現実の追認と考えるか、観ている者の自由。悲劇が繰り返されないことを願うばかり。
なお、特典としてCDに付けられたプロダクションノートには、フランス映画史のおけるこの作品の意義や評価が懇切丁寧に解説されていて、使用されたモーツァルトの音楽についても詳しい言及があるので、とても参考になる。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
アニエス・ヴァルダを偲んで
アニエス・ヴァルダはベルギー人の女流監督。「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれているそうです。2019年3月29日に90歳で逝去されました。遺作の「顔たち、ところどころ」というdvdが最近発売されました。それを機に昔の「幸福」を再見しました。事情で現在独身のわたしは、夫婦間の愛情の機微に疎くなってしましました。現在進行形のご夫婦の方々がこの映画を見たら、どう感じられるのかな?愛の残酷さや愛の不条理が描かれていると思います。ラストシーンは下手なホラー映画を凌いで、背筋が凍りつきます。町山智浩さんの「トラウマ恋愛映画入門」という本にも取り上げられる所以です。
このレビューは気に入りましたか?
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ひまわり ピクニック そして選択
「幸福(しあわせ)」(1965年、フランス、カラー、80分)。
アニエス・ヴァルダ監督(1928生)は、「シェルブールの雨傘」(1964)のジャック・ドゥミ監督(1931〜1990)と婚姻関係にあった。
冒頭、一輪の大きなひまわりが映り、モーツァルトの「アダージョとフーガ」(ハ短調/ K. 546)の後半のフーガの部分が鳴る。
原曲は弦楽合奏なのだが、冒頭では管楽合奏にアレンジされている。(原曲は、映画の最後で鳴る。)
輝く黄色い花と、その中心にある密生した種の混沌。これからの悲劇を暗示するようなハ短調の遁走。
若い男女が、両側からふたりの幼児を守るように手をつなぎ歩いてくる。
「ピクニック」の「草の上での昼食」が始まると、音楽はすぐ、モーツァルトのクラリネット五重奏曲(K.581)の第1楽章(イ長調)に交代する。
もう50年以上前の映画だ。
高校生のとき、FMラジオの「映画音楽の時間」から流れるクラリネット五重奏曲を美しいと思った。
映画を初めて見たのは、2000年前後のVHSレンタルの時代だったろう。
次、DVDで2005年ころ見て、今回は、それから約10年後、三度目の鑑賞。
こんな苦い映画だったのか。これまで、何を自分は見てきたのだろう。人と人の間の影を、信仰という重要な習慣を、読めていなかった。
夫は、叔父の木工所で働いている。
妻は、洋裁をして家計を支えている。
夫は、近くの町の郵便局の女を愛するようになる。
ピクニックの場で、夫は、愛人の妊娠を、実に率直に妻に告げる。
幸福は、最初と最後のピクニックの場面で、死と併行していることが、映画を見終わるときに分かる。
80分の中間の場面が、回想になっている構造にしたことが、この映画の優れたところだ。
堕胎も、離婚も、自殺も認められない状況になれば、誰がどういう道を選ぶか、という重いテーマを描いている。
映画の雰囲気は、一見とても明るいが……。
映画は、ハ短調とイ長調の2曲を、上手に交代させている。真に悲劇的な場面では音楽を一切使わない。
この監督、ただものではない。女性の復讐劇でもないし、男は結局、悔恨しない生物なのだから。
「冬の旅」というヴァルダ監督の映画があった(1985)。この作品は、来年、ぜひ、ディスカスで見たいものだ。
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「幸福」とは、砂糖菓子みたいに脆いもの?
1965年(仏/79分)ベルリン映画祭銀熊賞・審査員特別賞)
「5時から7時までのクレオ」で人気の女性監督アニエス・ヴェルダの
作品です。
今なら世間から袋叩きにされるかも知れません。
二股愛の男が妻に正直に愛人の存在を告白します。
森での子供連れのピクニックが大好きな若夫婦。
告白の後、2人は愛し合い、夫がうたた寝して起きると、
妻は川辺で溺死体になり発見されるのです。
それが盛夏の頃。
妻の死は自殺なのか?事故なのかは明かされない。
悲しむ夫。
しかし季節が移り森が黄色く枯れてくる秋。
森をピクニックする夫婦と子供ふたり。
春と夏にピクニックしていた妻テレーズが、秋には
愛人だったエミリーに置き換わっています。
美しい印象派の様な色彩の映像と映画「アメリ」を想起させる
お洒落な小物やパステルカラー。
そして全編で流れるモーツァルトの室内楽の調べ。
「愛」の不確定要素を切り取った残酷な映画です。
私見ですが女性監督には厳しい視点の方が多いですね。
男性のロマンチズムを「甘いぜ!!」
って言いたいのかも!!
西川美和監督の「ゆれる」なんかと共通する棘を感じてしまいました。
このレビューは気に入りましたか?
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フランス映画だ!
駅には非日常の仮装を楽しむ人たち。
そんな晩に何でもない日常を、
幸せだと天真爛漫に謳歌する男の物語を見る。
いやこれは物語というより、
一遍の写真集なのかもしれない。
不思議な軽さと薄っぺらさ、
裏腹に深読みと重たさを感じさせる。
すべてが嘘っぽく、それでいて、
人生とはこうしたものかもしれないと思わされもする。
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3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
浮気夫の呆れ果てる勝手な理屈
投稿日
2019/12/29
レビュアー
hinakksk
開いた口が塞がらないとは、まさにこのこと。この作品は1964年制作だが、フランス映画を観ていると、昔も、女性が活躍するようになった今も、実情はあまり変わっていないのではないかと、ただため息しか出てこない。
冒頭、黄色のひまわりの花のアップに、遠景に子ども2人を真ん中にして手をつないだ4人家族の姿が次第に近づいてくる。父の日の日曜日、郊外の森で、ファミリーでピクニック。幸せを絵に描いたよう。しかし、背後に流れるのは不吉な短調の曲。
夫フランソワは叔父と建材店を営んでおり、妻テレーズは家事の合間に、ささやかな仕立ての仕事をして家計を助けている。映画は台詞も少なく、幸せそのものの家族の穏やかな日常を淡々と描いていく。背後にはモーツァルトの「クラリネット五重奏曲」。陰影のある明るい長調の曲。
やがて、夫はお決まりのように浮気して、愛がふたつで僕は幸せ、テレーズと結婚したのは最初に出会ったから、単なる順番だ運だと、恋人エミリーにのたまうフランソワ。恋人にも妻にも、ふたりとも愛しているんだ(!?)と言う。こんな状況でこの時代の女性に許されている選択は、忍従(精神的死)か自死か狂気でしかない。
最後は冒頭と対照的に、手をつないだ4人家族が遠ざかっていくシーンで終る。季節は秋で、今回は両親を中心にその外側に2人の子ども。背後には冒頭と同じ重苦しい短調の曲が流れている。これをアイロニーと取るか、諦めと思うか、現実の追認と考えるか、観ている者の自由。悲劇が繰り返されないことを願うばかり。
なお、特典としてCDに付けられたプロダクションノートには、フランス映画史のおけるこの作品の意義や評価が懇切丁寧に解説されていて、使用されたモーツァルトの音楽についても詳しい言及があるので、とても参考になる。
アニエス・ヴァルダを偲んで
投稿日
2019/07/06
レビュアー
アクアマリン
アニエス・ヴァルダはベルギー人の女流監督。「ヌーヴェルヴァーグの祖母」と呼ばれているそうです。2019年3月29日に90歳で逝去されました。遺作の「顔たち、ところどころ」というdvdが最近発売されました。それを機に昔の「幸福」を再見しました。事情で現在独身のわたしは、夫婦間の愛情の機微に疎くなってしましました。現在進行形のご夫婦の方々がこの映画を見たら、どう感じられるのかな?愛の残酷さや愛の不条理が描かれていると思います。ラストシーンは下手なホラー映画を凌いで、背筋が凍りつきます。町山智浩さんの「トラウマ恋愛映画入門」という本にも取り上げられる所以です。
ひまわり ピクニック そして選択
投稿日
2016/12/31
レビュアー
ちゅく
「幸福(しあわせ)」(1965年、フランス、カラー、80分)。
アニエス・ヴァルダ監督(1928生)は、「シェルブールの雨傘」(1964)のジャック・ドゥミ監督(1931〜1990)と婚姻関係にあった。
冒頭、一輪の大きなひまわりが映り、モーツァルトの「アダージョとフーガ」(ハ短調/ K. 546)の後半のフーガの部分が鳴る。
原曲は弦楽合奏なのだが、冒頭では管楽合奏にアレンジされている。(原曲は、映画の最後で鳴る。)
輝く黄色い花と、その中心にある密生した種の混沌。これからの悲劇を暗示するようなハ短調の遁走。
若い男女が、両側からふたりの幼児を守るように手をつなぎ歩いてくる。
「ピクニック」の「草の上での昼食」が始まると、音楽はすぐ、モーツァルトのクラリネット五重奏曲(K.581)の第1楽章(イ長調)に交代する。
もう50年以上前の映画だ。
高校生のとき、FMラジオの「映画音楽の時間」から流れるクラリネット五重奏曲を美しいと思った。
映画を初めて見たのは、2000年前後のVHSレンタルの時代だったろう。
次、DVDで2005年ころ見て、今回は、それから約10年後、三度目の鑑賞。
こんな苦い映画だったのか。これまで、何を自分は見てきたのだろう。人と人の間の影を、信仰という重要な習慣を、読めていなかった。
夫は、叔父の木工所で働いている。
妻は、洋裁をして家計を支えている。
夫は、近くの町の郵便局の女を愛するようになる。
ピクニックの場で、夫は、愛人の妊娠を、実に率直に妻に告げる。
幸福は、最初と最後のピクニックの場面で、死と併行していることが、映画を見終わるときに分かる。
80分の中間の場面が、回想になっている構造にしたことが、この映画の優れたところだ。
堕胎も、離婚も、自殺も認められない状況になれば、誰がどういう道を選ぶか、という重いテーマを描いている。
映画の雰囲気は、一見とても明るいが……。
映画は、ハ短調とイ長調の2曲を、上手に交代させている。真に悲劇的な場面では音楽を一切使わない。
この監督、ただものではない。女性の復讐劇でもないし、男は結局、悔恨しない生物なのだから。
「冬の旅」というヴァルダ監督の映画があった(1985)。この作品は、来年、ぜひ、ディスカスで見たいものだ。
「幸福」とは、砂糖菓子みたいに脆いもの?
投稿日
2018/02/22
レビュアー
カマンベール
1965年(仏/79分)ベルリン映画祭銀熊賞・審査員特別賞)
「5時から7時までのクレオ」で人気の女性監督アニエス・ヴェルダの
作品です。
今なら世間から袋叩きにされるかも知れません。
二股愛の男が妻に正直に愛人の存在を告白します。
森での子供連れのピクニックが大好きな若夫婦。
告白の後、2人は愛し合い、夫がうたた寝して起きると、
妻は川辺で溺死体になり発見されるのです。
それが盛夏の頃。
妻の死は自殺なのか?事故なのかは明かされない。
悲しむ夫。
しかし季節が移り森が黄色く枯れてくる秋。
森をピクニックする夫婦と子供ふたり。
春と夏にピクニックしていた妻テレーズが、秋には
愛人だったエミリーに置き換わっています。
美しい印象派の様な色彩の映像と映画「アメリ」を想起させる
お洒落な小物やパステルカラー。
そして全編で流れるモーツァルトの室内楽の調べ。
「愛」の不確定要素を切り取った残酷な映画です。
私見ですが女性監督には厳しい視点の方が多いですね。
男性のロマンチズムを「甘いぜ!!」
って言いたいのかも!!
西川美和監督の「ゆれる」なんかと共通する棘を感じてしまいました。
フランス映画だ!
投稿日
2016/10/31
レビュアー
ラムネ
駅には非日常の仮装を楽しむ人たち。
そんな晩に何でもない日常を、
幸せだと天真爛漫に謳歌する男の物語を見る。
いやこれは物語というより、
一遍の写真集なのかもしれない。
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