わが青春のアルカディア＜劇場版＞

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最大の魅力は「戦場まんがシリーズ」の「我が青春のアルカデイア」を映像化したこと。全体の中に「スタンレーの魔女」のエピソードが入ったりコアなファンでないとなかなか理解できない項目があり、ちょっと混乱します。バブル期に作られため、松本零士の漫画にある敗者の美学みたいなものがかんじられにくい。（石原裕次郎のアフレコ代、１０００万、高すぎ。）
余談だがこの頃より松本先生は、自分の作品は１つと言い出して、９９９、ヤマト、ハーロック、１０００年女王、男おいどん、などを１つの時間軸の話にしようとしています。永井豪の「バイオレンスジャック」のように「デビルマン」のパラレルワールド、時間軸の違う話ならわかるが、見境なくアニメの中で表現されてもね〜。
TVシリーズSSXにつなげることになるわけですが、当時興味はガンダムになっていました。わけわからんよ。
しかし戦場まんがシリーズの松本作品はとても良いです。ザコクピットとして映像化されているも、映画でもぜひ。今なら新鮮でうけるはず。

オープニングのファントムＦハーロックの声はやはり当時１分１千万円のギャラで吹き替えを頼んだという石原裕次郎に間違えありませんね。
公開当時は話題になりましたし、しかし最後のクレジットと予告編の吹き替えは井上真樹夫になっていましたが声にはぜんぜん重みがないので明らかに違います。当時のパンフレットが見つからないので最初から名前を載せなかったのか後に何かの都合で消されたのかはわかりませんが、たはりあの声は石原裕次郎に間違いありません。貴重な録音ですね。

ハーロックはやっぱりカッコイイ！なぜアルカディア号で旅をするようになったのか、この話で解る！親友との出会いも！なんにしても、男の生き様として理想・・・かっこよすぎる！こんな男は最近おれへんよね〜！！

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同名の作品及び「スタンレーの魔女」が原作としてたたき台になってます。
この作品の中でハーロックは片目を失い、エメラルダスは頬にキズを受ける。
また、続編にあたるテレビアニメ「無限軌道ＳＳＸ」でトチローが死ぬ。
このキズの有無とトチローの死を時代考証の参考にすると、舞台は「銀河鉄道９９９」の直前と最中になるが、「９９９」では地球は別に異星人に占領などされてないし、なによりメーテルの父親のドクター・バンがアルカディア号に普通の人間として乗り込んでいるので、「９９９」や「1000年女王」とは別次元の作品として捉えるべきですね。
スペシャルゲストとして、故・石原裕次郎がファントム・Ｆ・ハーロック役で声優として参加しているのも作品の魅力の一つ。
石原裕次郎が声優をやったのはこの作品だけ。
劇場で見たときは、ハーロックのかっこよさに心酔していたものだが、作品として見てみると、実に内容の無いストーリーです。
この作品の興行成績が振るわなかった為、翌年に予定されていた
「エメラルダス」の映画化が実現しなかった。まぁそれも解るｗ
話は地球が戦争に負けたところから始まるし、トカーガに行っても結局何の役にも立たず、ただ行って帰ってくるだけだし、トカーガのゾルの死に方もマヌケだし、最後は地球を追放される。
見切りを付けたと言えば聞こえは良いが、「俺たちの居場所がないと言うなら、こんな星からは出て行く！」というのは見切りを付けたと言えるのか？
ゼーダ指令がハーロックを戦士として認めているとはいえ、「自由で広い宇宙へ旅立つ」って、放浪の旅に出ただけじゃんｗ
ゼーダとの一騎打ちも、もうちょっと良いやり方は無いのか？
「男のロマン」を前面に打ち出す余り、スピード感や緊迫感には
イマイチ欠ける作品。

確かに、「男の美学＝単なるわがまま」　である。　しかし、「男には自分の世界がある。　たとえるなら空をかける一筋の流れ星」とも表現される事があるように、女には永遠に理解できないものでもあるのだ。　女は生きて生命を繋ぐ事に特化する本能があり、男には己の死と引き替えにしても自己の属する集団を守るという本能がある。　
　この作品には原作者の戦争と戦後への思いが多く詰まった作品であると僕は感じている。　直近の戦争から話が始まっているこの作品は、戦後の日本を憂う憂国の士としての制作スタッフが語りたかったことを代弁するならば、戦争に負けアメリカに占領された日本が今度はアメリカの手先となって他国を攻撃、または攻撃支援するようになった現状に対して、プライドはないのかと問い、そんなことをしていては祖国の明日は果たしてどうなるのかを、視聴者それぞれに問いかけている。
　また、戦争を知らない若者たちへ戦いの作法を示し、大局を視野にいれない小さな諍い、いじめ、騙し打ちなどが不毛であり、まっすぐに義心を貫き通すことで人と人の間に強い絆が生まれ、それこそ建設的であるのだと説いている。
人の上に立ったからといって、人を見下す人間は端から見てクズ人間の典型であるというのも作中では強調されていた。
　男の責任の取り方を示す事についても、作中では重要な位置を占めていたように思う。　これは結構くどく説明的台詞によって複数回述べられていた。男子諸君や、幼い男子を育てる母者は、よく噛みしめて欲しいと僕は願う。
　男はいかに死ぬか、言い換えれば、何のために死ねばいいのか。　そういうことを突き詰めることで人生がよいものであったと感じられる最後を迎えることができるのだとこの作品を観て強く感じることが出来るだろう。　（女に近い男や、女にはわからんだろうが）
　戦艦による一騎打ちというものに対して、理解できない者もいるだろうから一応説明しておく。　船長と乗組員は一心同体の者であり、船長の意志に対して手足と使ってもらうことこそ部下・乗組員の本懐である。　それが軍隊というものである。　指揮官の意志はその部隊の意志と同化しており、その隊自体が一個の兵（一兵団）というものである。　この中において一兵卒の意志は完全に無私となり我のみの利益を考える事はない。　隊の一部としての役割に命を掛ける。　それが男に本能的に備わっている能力でもある。
　このように書いてしまえば、戦争賛歌のように思えるかも知れないが、事は人間の本性に訴える事である。　争いは、現実にこの世に存在し、現在も世界の数カ所で戦争が行われている。　そこにアメリカは常に関係し、日本も無関係ではいられない。　そんな現実の世の中に対して、背を向けて見猿聞か猿言わ猿の振りをしないで、いかに誠実、義心に生きるかを、何度も問うている。

　あと、蛇足ではありますが、細かい物語の整合性なと映画で問う事なかれ。　弁護するならば、最近のハリウッド映画をはじめ整合性の取れている映画などそうそうあるまい。　架空の話を２時間やそこらで表現する事など元からおかしいことなのだ。