日本のいちばん長い日 / 三船敏郎
日本のいちばん長い日
/岡本喜八
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全体の平均評価点: (5点満点)
(34)
解説・ストーリー
大宅壮一(実際には半藤一利)の同名ノンフィクションを「上意討ち 拝領妻始末」の橋本忍がシナリオ化し「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した。撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博、音楽は「続組織暴力」の佐藤勝が担当。157分と長尺にもかかわらず、最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物をさばいた岡本喜八の手腕が光る。スタッフ・キャストともに素晴らしい仕事ぶりで、日本映画の底力を見せつけた。<BR> 広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送を閣議決定する。終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。
大宅壮一(実際には半藤一利)の同名ノンフィクションを「上意討ち 拝領妻始末」の橋本忍がシナリオ化し「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した。撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博、音楽は「続組織暴力」の佐藤勝が担当。157分と長尺にもかかわらず、最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物をさばいた岡本喜八の手腕が光る。スタッフ・キャストともに素晴らしい仕事ぶりで、日本映画の底力を見せつけた。<BR> 広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送を閣議決定する。終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。
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「日本のいちばん長い日」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
大宅壮一(実際には半藤一利)の同名ノンフィクションを「上意討ち 拝領妻始末」の橋本忍がシナリオ化し「殺人狂時代」の岡本喜八が監督した。撮影は「喜劇 駅前競馬」の村井博、音楽は「続組織暴力」の佐藤勝が担当。157分と長尺にもかかわらず、最初から最後まで緊張感を持続させ、数多くの登場人物をさばいた岡本喜八の手腕が光る。スタッフ・キャストともに素晴らしい仕事ぶりで、日本映画の底力を見せつけた。<BR> 広島と長崎への原爆投下やソ連の参戦など、日本の敗戦が決定的となった昭和二十年八月、特別御前会議でポツダム宣言の受諾が正式に決定した。だが終戦に反対する陸軍将校たちはクーデターを計画、一方、終戦処理を進める政府は天皇陛下による玉音放送を閣議決定する。終戦反対派は各部隊ごとにバラバラに行動を開始、やがて終戦を受け入れようとする師団長を射殺したり、玉音放送を中止すべく録音物を奪取しようとするなど、その行動が徐々にエスカレートしていく。
「日本のいちばん長い日」 の作品情報
「日本のいちばん長い日」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
日本のいちばん長い日の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
158分 |
日本語 |
日:モノラル/5.1ch Re-mix |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV16230R |
2006年08月04日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
38枚
|
2人
|
1人
|
日本のいちばん長い日の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
158分 |
日本語 |
日:モノラル/5.1ch Re-mix |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TDV16230R |
2006年08月04日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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38枚
|
2人
|
1人
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ユーザーレビュー:34件
今だからこそ・・・。
投稿日:2008/12/26
レビュアー:こんちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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以前から興味はありながら、なかなかレンタルできなかったこの作品、今の日本人がこの作品を観る事によって、どんな感情を抱くのでしょうか。
岡本喜八の作品としてはちょっとイレギュラーな作品で(ってか、岡本喜八の作品がイレギュラーで、これが王道ともいえますが・・・)第二次世界大戦の終結という、「大日本帝国のお葬式」を真正面から描きます。
2時間半と言う長丁場ながら、飽きさせることなく見せ付けられるのは、それぞれの信念に従って、決然と行動する「男たち」のドラマです。後になって考えれば、それが極めておろかで間違いだと思われる決断であっても、彼らは自らの信念で、国のため、国民のためと信じて行動していたのだと感じられます。
当時のオールスターキャスト映画だと思いながら観終わって、思い返してみると女性キャストがほとんどいません。印象に残っているのは新珠三千代くらい・・・それも台詞などほとんど無かったような・・・。「男たちのYAMATO」よりも、はるかに男たちのドラマなんですねえ。
日本の戦争映画というのは、どこかオブラートに包まれたような感覚が強くてどうも好きになれないのですが(兵隊やくざシリーズのように、戦争を揶揄する作品はけっこう面白いのですが)これはちょっと唸ってしまいました。
冒頭20分で、天皇が終戦を決意する、要するにポツダム宣言を受諾する決定まで、そこから玉音放送までの24時間を描いていますが、台詞にしてもカットにしても、そのテンポ、間が見事です。ひとつの台詞が終わるや否やかぶせるように発される台詞。矢継ぎ早なカット構成があったかと思えば、息が詰まるほどの静寂を画面に焼き付けたりします。これらすべての意図的な演出を重厚な役者たちの演技が引き立てているようです。
もちろん、戦争などどんな状況であろうと肯定はできません。声高に反戦など謳わなくても、そんなことはまともな精神の人間ならわかっているのです。しかし、その行動と歴史の中には、一人ひとりが信じて行動した結果が幾重にも積み重ねられているのです。結果、尊い命を散らせた人々の犠牲を無駄にしてはいけないし、間違った行動をした人々を糾弾しさげすんでも意味の無いことなのです。
肝心なのは、その歴史を礎に自分たちの生活があるということを感じること。間違った行動であったと理解するのなら、いかにして同じ過ちを起こさない様にするかだと思います。
私は中学生のときに歴史(世界史も日本史も)の授業が好きではなく、
「昔のことなんか知ってもたいした意味はないでしょう。私たちは今とこれからを生きるのですから」
と教師に言ったことがあります(笑)
そのときの教師が若いのにできた人で、
「確かにそうだね。今とこれからが大切だ。ただ、私たちの先祖が、もっと言えば人類が、もっと言えばこの地球という星がどんな歩みをたどってきたかを知ると言うことは、私たちのこれからにとって決して無意味なことではないんだ。過去を学び、すばらしい功績は賛美し、誤った行動には反省をし、同じ過ちを犯さないためにどうしたら良いか考える。そういったことが無ければ歴史を学ぶことに意味は無いんだよ」
と言われ、それから歴史が好きになったのです。
歴史を学ぶと言うことはそういうことであると思います。
娯楽作品である映画が、必ずしもそうである必要は無いと思いますが、少なくともこの作品には人間が描かれており(将校たちの葛藤だけではなく、一軍人、一民間人の生身の生活も感じられます)戦争について、人間について考えさせてくれる作品であると重い増すねえ。
今年の年末、どういうわけだか終戦の日を描くTV番組がいくつもありました。世情の不安な今だからこそ、こういった作品を観る意味があるのかもしれません。
かなり長いので、時間と気持ちに余裕があるときに、ぜひご覧になってほしいと思います。
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25人の会員が気に入ったと投稿しています
戦争を経験した世代がつくった、終戦の日を描いた傑作ドラマ。
「史上最大の作戦」The Longest Day は、1944年6月6日の、連合軍、ドイツ軍、占領下のフランスの人々の動きを通して、ノルマンディ上陸作戦を描いた壮大な戦争映画でした。
本作は、1945年(昭和20年)8月14日、昭和天皇が御前会議でポツダム宣言を受諾(日本の降伏)するという聖断を下してから、翌8月15日正午の玉音放送までの24時間、日本人にとってのThe Longest Day、を克明に追った歴史映画です。
原作は「ノモンハン」や「昭和史」などで知られる半藤一利ですが、当時は文藝春秋の社員で無名であったためか大宅壮一の名で発表されたもの。
脚本は黒澤明作品や「八甲田山」「砂の器」「私は貝になりたい」など日本映画を代表する作品を書いてきた橋本忍。
監督はいつもはユーモラスでちょっとひねりのある作風の岡本喜八ですが、本作は直球勝負の正統派演出であり、サスペンスに満ちた作品に仕上げています。
演技派ぞろいのオールスターキャストによる群像劇ですが、軸となるのは、政府首脳では、
まず最後の陸軍大臣・阿南惟幾を演じた三船敏郎。
阿南惟幾は下からの突き上げもあり陸軍を代表して徹底抗戦を主張し続けますが、一方でいかに軍の暴発を抑えるか苦慮した人物。 言動が複雑で今日でも評価が分かれる人ですが、もし本当に本土決戦をするつもりなら、大臣を辞職すれば和平目的の内閣は簡単につぶせたのにしなかったのは事実。 (角田房子「一死大罪を謝す」という労作の評伝があります。)
そして内閣総理大臣・鈴木貫太郎を演じた笠智衆。
鈴木貫太郎は元軍人で侍従長を務めたが、政治はシロウト同然。 天皇の信頼が厚く、終戦を託された老人。
苦悩する阿南の三船敏郎と、飄々としつつも老獪さを感じさせる笠智衆の存在感は圧巻。
一方の軸は、あくまで戦争継続に動く陸軍若手将校を演じる黒沢年男、中丸忠雄、高橋悦史、久保明ら若手俳優たち。
なかでも黒沢年男の鬼気迫る演技は、印象深い。
製作されたのは1967年。 戦争を知らない世代が翌年初めて大学を卒業しようかという年。
(この年の暮れに「帰って来たヨッパライ」がリリースされた。)
出演の俳優を見ると、出征し南方の戦地にいた人、軍隊でいじめられた人、当局ににらまれながら演劇活動した人、
若手でも軍人の家に生まれた人、陸軍幼年学校を卒業した人たちがいる。
後の世代が観念的に捉え歴史として演じたのではなく、1944年生まれの黒沢年男を除けば、キャスト、スタッフともに戦争そして終戦の日を体験し、覚えている世代。
同時代人たちが作った、渾身の終戦ドラマの秀作として、後世に伝えたい映画です。
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忘れてはならない昭和20年8月15日
投稿日:2008/01/23
レビュアー:にしやん
劇映画でありながら記録映画を見ているようなリアルさと緊迫感が伝わってくる。これまでの東宝戦争映画は、円谷特撮を駆使した派手でダイナミックな作品が多かった。しかし、この作品はそのようなものはなく、ベテラン俳優陣の重厚な演技による終戦に至る24時間を克明に再現したものである。それに加え演出、構成の見事さがこの映画を素晴らしいものにしている。
そのひとつは、この映画が作られた1967年には既にカラー作品が主流になっていた時期であるにもかかわらず、あえて白黒で撮影されたことである。昭和20年当時の模様を再現するためには、カラーよりも白黒のほうがかえってリアルであり、見るものをぐいぐいとその時代へ引き込んでゆく。
またもうひとつは昭和天皇の顔を映さないカメラアングルで撮影されていることだ。もちろん昭和天皇役は先代、松本幸四郎であり、あの昭和天皇独特のイントネーションの話し方を見事に演じている。これまでのこの種の映画では天皇の顔も普通に撮られていたが、この作品ではそれがされていない。それはこの映画の中で再三言われている「国体の護持」ということにもつながっていると思われる。「国体の護持」とは天皇制の存続ということであり、当時の日本においてはこれが最重要課題であったからだ。当時、天皇はまさしく神であり、政治家、軍人などを含めた国民全ては天皇のための存在であり、天皇を護る「赤子(せきし)」と呼ばれていたのである。この作品では天皇の顔を出さないことでその神格的な存在感を見事に表現している。この映画の中心的事件となった近衛師団のクーデターも大義名分としてはこの「国体の護持」ということから起きたのである。
そしてこれらの事件が時系列に沿って克明に描かれているところにこの映画のリアルさ、緊迫感となっているのである。なにはともあれ、「敗戦」という未だ日本が経験したことのない出来事に対し、当時の政府、軍部が何を思い、どのような行動をとったのかが、まさにドキュメンタリータッチで描かれており見応えがある作品である。
最後にこの作品を今こそ全ての日本人、とりわけ政治家たちに見て欲しい。三船敏郎が演じる阿南陸相が自決直前に二人の部下に言い残した言葉があるが、これは今の日本人全てが肝に銘じ戒めていかなければならない言葉ではないだろうか?それは次の言葉である。
「生き残る人々にはあらゆる苦しみが待ち受けておる。しかし、しかしこれからは日本の歴史が変わるのだ。どう変わるのか、どう変えなければならんのか、それは今の俺にはさっぱり見当もつかん。ただ、たとえ歴史がどう変わろうとも日本人の一人一人がそれぞれの持ち場で生き抜き、耐え抜き、そして懸命に働く、それ以外に再建の道はない。いや、そればかりではなく、生き残った人々が二度とこのような惨めな日を迎えないような日本に、なんとしてでもそのような日本に再建してもらいたい。」
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黒沢少佐の脂っこい熱演に☆5つ
DISCASさん、良くぞ本作をレンタル採用してくださいました。感謝・感謝!(欲を言えばレベルSでもいいんじゃないかと…)
昨年(2005)二月には岡本喜八監督も亡くなられていますが、この映画のスタッフもキャストも多くが鬼籍に入られております。しかし、素晴らしいモノクロ映像の中に、かの俳優たちが山のような名場面、名台詞とともに生き続けていることが嬉しくなります。子供のころにTV放映で最初に観たときは阿南陸相の自刃シーンが強烈に残ったくらいですが、20、30、40代とビデオなどで観返すたびに新しい発見と、感動を覚えます。
原作は実質半藤一利氏の労で、大宅さんはまとめ役だとか、岡本監督ご自身の本作評価は世間とちょっと違っていたとか、酒豪の三船さんは良く酔ったまま撮影に入ってたとか、逸話も山ほどあるけれど、それもこの映画を肴に飲み明かせるという一種の評価でしょう。
好評価点を挙げればキリがないのですが、僕は登場人物と彼らを演じる俳優の誰も彼もがこんなにチャーミングで素晴らしい作品というのは珍しいと思います。「わが国が一度滅びたとき」という凄まじい史実を背景とするところも、繰り返し見ても飽きない要因でしょう。そしてまた、伊藤雄之助さん、田崎潤さん、といった故人、もうキャラが立ちまくりの怪優達が皆愛しい。横浜警備隊長の佐々木大尉を演じる天本英世(私の世代だと死神博士)さんの姿なんて涙で曇って見えなくなりまっせ、ホンマニ。
未見のアナタ、是非観るべし、以上っ!
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日本のお葬式
投稿日:2006/12/30
レビュアー:こむすび
確か今冬東京フィルムメックスにて、岡本喜八監督の作品が上映されていました。行きたかったのにー!
学校の授業でさらっと耳にしただけの、「終戦」や「ポツダム宣言」という言葉たち。あまりに遠いことのように思え、「昔は大変だったんだなぁ」というぐらいの印象しかありませんでした。また、そういった言葉や歴史的大事件を、テストで点数を取るための暗号や記号としてでしか認識していなかったことも事実。
是非見てください。
中・高校生の時に、この映画に出会っていたら、物事の見え方が変わっていたかもしれません。
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ユーザーレビュー
今だからこそ・・・。
投稿日
2008/12/26
レビュアー
こんちゃん
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以前から興味はありながら、なかなかレンタルできなかったこの作品、今の日本人がこの作品を観る事によって、どんな感情を抱くのでしょうか。
岡本喜八の作品としてはちょっとイレギュラーな作品で(ってか、岡本喜八の作品がイレギュラーで、これが王道ともいえますが・・・)第二次世界大戦の終結という、「大日本帝国のお葬式」を真正面から描きます。
2時間半と言う長丁場ながら、飽きさせることなく見せ付けられるのは、それぞれの信念に従って、決然と行動する「男たち」のドラマです。後になって考えれば、それが極めておろかで間違いだと思われる決断であっても、彼らは自らの信念で、国のため、国民のためと信じて行動していたのだと感じられます。
当時のオールスターキャスト映画だと思いながら観終わって、思い返してみると女性キャストがほとんどいません。印象に残っているのは新珠三千代くらい・・・それも台詞などほとんど無かったような・・・。「男たちのYAMATO」よりも、はるかに男たちのドラマなんですねえ。
日本の戦争映画というのは、どこかオブラートに包まれたような感覚が強くてどうも好きになれないのですが(兵隊やくざシリーズのように、戦争を揶揄する作品はけっこう面白いのですが)これはちょっと唸ってしまいました。
冒頭20分で、天皇が終戦を決意する、要するにポツダム宣言を受諾する決定まで、そこから玉音放送までの24時間を描いていますが、台詞にしてもカットにしても、そのテンポ、間が見事です。ひとつの台詞が終わるや否やかぶせるように発される台詞。矢継ぎ早なカット構成があったかと思えば、息が詰まるほどの静寂を画面に焼き付けたりします。これらすべての意図的な演出を重厚な役者たちの演技が引き立てているようです。
もちろん、戦争などどんな状況であろうと肯定はできません。声高に反戦など謳わなくても、そんなことはまともな精神の人間ならわかっているのです。しかし、その行動と歴史の中には、一人ひとりが信じて行動した結果が幾重にも積み重ねられているのです。結果、尊い命を散らせた人々の犠牲を無駄にしてはいけないし、間違った行動をした人々を糾弾しさげすんでも意味の無いことなのです。
肝心なのは、その歴史を礎に自分たちの生活があるということを感じること。間違った行動であったと理解するのなら、いかにして同じ過ちを起こさない様にするかだと思います。
私は中学生のときに歴史(世界史も日本史も)の授業が好きではなく、
「昔のことなんか知ってもたいした意味はないでしょう。私たちは今とこれからを生きるのですから」
と教師に言ったことがあります(笑)
そのときの教師が若いのにできた人で、
「確かにそうだね。今とこれからが大切だ。ただ、私たちの先祖が、もっと言えば人類が、もっと言えばこの地球という星がどんな歩みをたどってきたかを知ると言うことは、私たちのこれからにとって決して無意味なことではないんだ。過去を学び、すばらしい功績は賛美し、誤った行動には反省をし、同じ過ちを犯さないためにどうしたら良いか考える。そういったことが無ければ歴史を学ぶことに意味は無いんだよ」
と言われ、それから歴史が好きになったのです。
歴史を学ぶと言うことはそういうことであると思います。
娯楽作品である映画が、必ずしもそうである必要は無いと思いますが、少なくともこの作品には人間が描かれており(将校たちの葛藤だけではなく、一軍人、一民間人の生身の生活も感じられます)戦争について、人間について考えさせてくれる作品であると重い増すねえ。
今年の年末、どういうわけだか終戦の日を描くTV番組がいくつもありました。世情の不安な今だからこそ、こういった作品を観る意味があるのかもしれません。
かなり長いので、時間と気持ちに余裕があるときに、ぜひご覧になってほしいと思います。
戦争を経験した世代がつくった、終戦の日を描いた傑作ドラマ。
投稿日
2009/08/15
レビュアー
ロキュータス
「史上最大の作戦」The Longest Day は、1944年6月6日の、連合軍、ドイツ軍、占領下のフランスの人々の動きを通して、ノルマンディ上陸作戦を描いた壮大な戦争映画でした。
本作は、1945年(昭和20年)8月14日、昭和天皇が御前会議でポツダム宣言を受諾(日本の降伏)するという聖断を下してから、翌8月15日正午の玉音放送までの24時間、日本人にとってのThe Longest Day、を克明に追った歴史映画です。
原作は「ノモンハン」や「昭和史」などで知られる半藤一利ですが、当時は文藝春秋の社員で無名であったためか大宅壮一の名で発表されたもの。
脚本は黒澤明作品や「八甲田山」「砂の器」「私は貝になりたい」など日本映画を代表する作品を書いてきた橋本忍。
監督はいつもはユーモラスでちょっとひねりのある作風の岡本喜八ですが、本作は直球勝負の正統派演出であり、サスペンスに満ちた作品に仕上げています。
演技派ぞろいのオールスターキャストによる群像劇ですが、軸となるのは、政府首脳では、
まず最後の陸軍大臣・阿南惟幾を演じた三船敏郎。
阿南惟幾は下からの突き上げもあり陸軍を代表して徹底抗戦を主張し続けますが、一方でいかに軍の暴発を抑えるか苦慮した人物。 言動が複雑で今日でも評価が分かれる人ですが、もし本当に本土決戦をするつもりなら、大臣を辞職すれば和平目的の内閣は簡単につぶせたのにしなかったのは事実。 (角田房子「一死大罪を謝す」という労作の評伝があります。)
そして内閣総理大臣・鈴木貫太郎を演じた笠智衆。
鈴木貫太郎は元軍人で侍従長を務めたが、政治はシロウト同然。 天皇の信頼が厚く、終戦を託された老人。
苦悩する阿南の三船敏郎と、飄々としつつも老獪さを感じさせる笠智衆の存在感は圧巻。
一方の軸は、あくまで戦争継続に動く陸軍若手将校を演じる黒沢年男、中丸忠雄、高橋悦史、久保明ら若手俳優たち。
なかでも黒沢年男の鬼気迫る演技は、印象深い。
製作されたのは1967年。 戦争を知らない世代が翌年初めて大学を卒業しようかという年。
(この年の暮れに「帰って来たヨッパライ」がリリースされた。)
出演の俳優を見ると、出征し南方の戦地にいた人、軍隊でいじめられた人、当局ににらまれながら演劇活動した人、
若手でも軍人の家に生まれた人、陸軍幼年学校を卒業した人たちがいる。
後の世代が観念的に捉え歴史として演じたのではなく、1944年生まれの黒沢年男を除けば、キャスト、スタッフともに戦争そして終戦の日を体験し、覚えている世代。
同時代人たちが作った、渾身の終戦ドラマの秀作として、後世に伝えたい映画です。
忘れてはならない昭和20年8月15日
投稿日
2008/01/23
レビュアー
にしやん
劇映画でありながら記録映画を見ているようなリアルさと緊迫感が伝わってくる。これまでの東宝戦争映画は、円谷特撮を駆使した派手でダイナミックな作品が多かった。しかし、この作品はそのようなものはなく、ベテラン俳優陣の重厚な演技による終戦に至る24時間を克明に再現したものである。それに加え演出、構成の見事さがこの映画を素晴らしいものにしている。
そのひとつは、この映画が作られた1967年には既にカラー作品が主流になっていた時期であるにもかかわらず、あえて白黒で撮影されたことである。昭和20年当時の模様を再現するためには、カラーよりも白黒のほうがかえってリアルであり、見るものをぐいぐいとその時代へ引き込んでゆく。
またもうひとつは昭和天皇の顔を映さないカメラアングルで撮影されていることだ。もちろん昭和天皇役は先代、松本幸四郎であり、あの昭和天皇独特のイントネーションの話し方を見事に演じている。これまでのこの種の映画では天皇の顔も普通に撮られていたが、この作品ではそれがされていない。それはこの映画の中で再三言われている「国体の護持」ということにもつながっていると思われる。「国体の護持」とは天皇制の存続ということであり、当時の日本においてはこれが最重要課題であったからだ。当時、天皇はまさしく神であり、政治家、軍人などを含めた国民全ては天皇のための存在であり、天皇を護る「赤子(せきし)」と呼ばれていたのである。この作品では天皇の顔を出さないことでその神格的な存在感を見事に表現している。この映画の中心的事件となった近衛師団のクーデターも大義名分としてはこの「国体の護持」ということから起きたのである。
そしてこれらの事件が時系列に沿って克明に描かれているところにこの映画のリアルさ、緊迫感となっているのである。なにはともあれ、「敗戦」という未だ日本が経験したことのない出来事に対し、当時の政府、軍部が何を思い、どのような行動をとったのかが、まさにドキュメンタリータッチで描かれており見応えがある作品である。
最後にこの作品を今こそ全ての日本人、とりわけ政治家たちに見て欲しい。三船敏郎が演じる阿南陸相が自決直前に二人の部下に言い残した言葉があるが、これは今の日本人全てが肝に銘じ戒めていかなければならない言葉ではないだろうか?それは次の言葉である。
「生き残る人々にはあらゆる苦しみが待ち受けておる。しかし、しかしこれからは日本の歴史が変わるのだ。どう変わるのか、どう変えなければならんのか、それは今の俺にはさっぱり見当もつかん。ただ、たとえ歴史がどう変わろうとも日本人の一人一人がそれぞれの持ち場で生き抜き、耐え抜き、そして懸命に働く、それ以外に再建の道はない。いや、そればかりではなく、生き残った人々が二度とこのような惨めな日を迎えないような日本に、なんとしてでもそのような日本に再建してもらいたい。」
黒沢少佐の脂っこい熱演に☆5つ
投稿日
2006/09/20
レビュアー
KUBOCHIN
DISCASさん、良くぞ本作をレンタル採用してくださいました。感謝・感謝!(欲を言えばレベルSでもいいんじゃないかと…)
昨年(2005)二月には岡本喜八監督も亡くなられていますが、この映画のスタッフもキャストも多くが鬼籍に入られております。しかし、素晴らしいモノクロ映像の中に、かの俳優たちが山のような名場面、名台詞とともに生き続けていることが嬉しくなります。子供のころにTV放映で最初に観たときは阿南陸相の自刃シーンが強烈に残ったくらいですが、20、30、40代とビデオなどで観返すたびに新しい発見と、感動を覚えます。
原作は実質半藤一利氏の労で、大宅さんはまとめ役だとか、岡本監督ご自身の本作評価は世間とちょっと違っていたとか、酒豪の三船さんは良く酔ったまま撮影に入ってたとか、逸話も山ほどあるけれど、それもこの映画を肴に飲み明かせるという一種の評価でしょう。
好評価点を挙げればキリがないのですが、僕は登場人物と彼らを演じる俳優の誰も彼もがこんなにチャーミングで素晴らしい作品というのは珍しいと思います。「わが国が一度滅びたとき」という凄まじい史実を背景とするところも、繰り返し見ても飽きない要因でしょう。そしてまた、伊藤雄之助さん、田崎潤さん、といった故人、もうキャラが立ちまくりの怪優達が皆愛しい。横浜警備隊長の佐々木大尉を演じる天本英世(私の世代だと死神博士)さんの姿なんて涙で曇って見えなくなりまっせ、ホンマニ。
未見のアナタ、是非観るべし、以上っ!
日本のお葬式
投稿日
2006/12/30
レビュアー
こむすび
確か今冬東京フィルムメックスにて、岡本喜八監督の作品が上映されていました。行きたかったのにー!
学校の授業でさらっと耳にしただけの、「終戦」や「ポツダム宣言」という言葉たち。あまりに遠いことのように思え、「昔は大変だったんだなぁ」というぐらいの印象しかありませんでした。また、そういった言葉や歴史的大事件を、テストで点数を取るための暗号や記号としてでしか認識していなかったことも事実。
是非見てください。
中・高校生の時に、この映画に出会っていたら、物事の見え方が変わっていたかもしれません。
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日本のいちばん長い日