ロード・ジム / ピーター・オトゥール
ロード・ジム
/リチャード・ブルックス
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全体の平均評価点: (5点満点)
(6)
解説・ストーリー
主人公のジムはかつて、沈みかけた船から逃げ出し多くの船客を死なせてしまった、という過去を持っていた。卑怯者と呼ばれた彼は、各地を放浪したあげくある村にたどり着く。そこでは、一人の圧政者の下で、村人たちが苦しめられていた……。暴君から村を守った男を描く冒険ドラマ。
主人公のジムはかつて、沈みかけた船から逃げ出し多くの船客を死なせてしまった、という過去を持っていた。卑怯者と呼ばれた彼は、各地を放浪したあげくある村にたどり着く。そこでは、一人の圧政者の下で、村人たちが苦しめられていた……。暴君から村を守った男を描く冒険ドラマ。
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「ロード・ジム」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
主人公のジムはかつて、沈みかけた船から逃げ出し多くの船客を死なせてしまった、という過去を持っていた。卑怯者と呼ばれた彼は、各地を放浪したあげくある村にたどり着く。そこでは、一人の圧政者の下で、村人たちが苦しめられていた……。暴君から村を守った男を描く冒険ドラマ。
「ロード・ジム」 の作品情報
「ロード・ジム」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ロード・ジムの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
154分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル//英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
RDD10259 |
2006年12月30日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
3枚
|
1人
|
0人
|
ロード・ジムの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
154分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル//英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
RDD10259 |
2006年12月30日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:6件
トラウマ冒険ロマン
投稿日:2007/06/26
レビュアー:よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
レビューを表示する
たいへんな超大作、アクションも爆発も盛り沢山。しかし鈍重で、単純明快な面白さからは微妙にズレていて、鑑賞後の爽快感はゼロ。だというのに、なぜか昔から好きな作品。
あるトラウマを抱え人生を見失った男が、立ち直るために受けた依頼にしたがって、河を船で遡っていく。上流にはとある白人が暴力で住民を支配する王国があり、その打倒が男の任務であった・・・原作のコンラッドという名前ではっきりすると思うけれども、つまりこれは『闇の奥』=『地獄の黙示録』とほとんど同じお話である。
コッポラの『地獄の黙示録』も原作もはるか昔の経験しかないのだが、あちらでは異なる文化の衝突、互いに触発し合って生まれる暴力と破壊が描かれ、絶望的な気分になったことを覚えている。
一方、外形的に冒険ロマンでありながらひたすら主人公の屈折した内面のみに関心を寄せ続けるこの『ロードジム』は、異なる文化との出会いがそのトラウマを克服させるまでを描いている。つまり先進欧米の卑屈は、未開のアジアによって癒され、穏やかな運命の受容を可能にさせる・・・こんなふうに書くと、なんだアジア蔑視かとかロマンティックに過ぎると思われるかもしれない。そういう側面は確かにある。あるけれど、原作が一九世紀的価値観の中で生み出されただろうことを考えたり、『地獄の黙示録』の絶望を考えたりすると、本作のラストのびっくりするような「和解」は、斜に構えて見たくはない気がするのだ。
ブルックスの演出はやや凡庸。ピーター・オトゥールはいつも同じといえば同じなのだが、『マーフィの戦い』同様、本作もはまり役で映画の魅力を一段引き上げている。60点。
やっぱり『地獄の黙示録』見直してみます。
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英雄と卑怯者との差は紙一重
投稿日:2012/04/21
レビュアー:港のマリー
「地獄の黙示録」の原作、「闇の奥」を書いたコンラッドの長編小説「ロード・ジム」の映画化。リチャード・ブルックスによる映画も長編154分。
時代は19世紀後半ビクトリア朝、欧米列強の帝国主義の最盛期、「闇の奥」はアフリカだったが、こちらの舞台は東南アジア。当時の白人の目には、ひしめく貧しいアジア人の群れも、文明を知らない蛮族に見えたらしい。
そんな未開の地のさらに奥、深いジャングルを流れる川をさかのぼった果てにある村を、将軍と呼ばれる残虐な白人(カーツ大佐の面影を彷彿させる)の支配から救い、村人から“ロード”の称号を与えられるほどに敬愛された、イギリス人船員ジム(ピーター・オトゥール)には、実は恥辱に満ちた過去があった。
一度犯した過ちを、ひとは真に償うことができるのか。一度被った汚名を完全に返上することができるのか。
一度傷ついた自尊心が、はたして癒やされる時がくるのだろうか。
そうした哲学的、文学的な問いを、根は善良で夢見がちな青年ジムの運命に託して描く本作、冒険活劇と純な魂の悲劇が混ぜ合わされたような不思議な味わい。まとまりがないようにも見えるが、ときとしてはっとする深遠な台詞にも出会う。
いちど過ちを犯して歯車が狂ったら行きつくところまでいく行く以外にない、なんてギリシア悲劇の精神。
ピーター・オトゥールに、青とも緑ともつかない澄んだ深い色の瞳で遠くを見つめながらそんなことを言われると、好戦気分いっぱいの戦闘場面を我慢して、見続けてよかったなと思う。
コンラッドならではの「恐怖」についてのこだわりもいい。自分では制御できない恐怖によって、ひとははからずも卑怯なふるまいを為してしまう場合もある。ちょうどこのジムのように。そして一回歯車が狂うと、後は坂道を転がり落ちるだけ。
舞台に未開の土地が選ばれるのは、そこでは「恐怖」がそのものずばり、丸裸の姿で顕れるからだろう。それに植民地の港には、各国から悪人が流れ着く。奥地で悪の帝国を築く輩すら現れる。本国の法の及ばぬ地では卑劣も悪も制限無く膨れあがる。将軍、その配下、パトナ号の乗組員ら、映画で描かれる悪人たちの肝の据わりようも見事だった。
だからこそ、悩み続けるピーター・オトゥールが痛々しかった。
村の村長役で斉藤達雄、一瞬志村喬じゃないかと思った、村長の息子を眩しいほど若い伊丹十三が演じています。
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ピーターとタケチャン
投稿日:2007/07/09
レビュアー:エイちゃん
この人のお勧めはまず外れなしの「よふかし」さん 久しぶりに見てみました 最初見たときはあの「アラビアのロレンス」のときめきを再びみたいな気持ちだったけどあれから色々な事を経験しました
まずインドネシアと言う国に住んでしまったこと メッカへの巡礼者は「ハッジ」と呼ばれ皆から尊敬を集めます 世界最大のイスラム教国インドネシアからサウジアラビアまでの路線は インドネシアガルーダ航空 アラビア航空のドル箱路線です 一等航海士ジムは骨折から復帰して最初に選んだ仕事ボロ船で巡礼者をメッカに運ぶ航海で海難事故に見舞われ船を放棄 巡礼者を見捨てて逃亡を図りそれが原因でトラウマに取り付かれてしまう
私がジャカルタ滞在中ガルーダ航空は九州で機体炎上という事故を起こし多くの日本人が焼死する CA(客室乗務員)は自分の荷物を全部持ち出して何もせずひたすらアラーの神にお祈りをささげていると言う信じられないような大惨事がありこの事は地元ジャカルタでも報じられた この作品を見ている間ずっとあの時のことを考えてあまり集中出来なかった
世界最大のイスラム教国インドネシアは一応Multiple 宗教国家ということに成っていてクリスマスは祝日 世界最大の仏教遺跡も存在するし日本人にはおなじみバリ島はヒンズー教が盛んな地域 イスラム過激派の攻撃にあったことは記憶に新しい 本作でも少し混同したような所はあるけれでそこは気にせず見てみましょう
戦前この国を支配したのはオランダ 大航海時代の名残から徹底的に搾取を繰り返し富は総べて自国オランダに還元 そこが香港を支配したイギリスとは大いに異なります オランダに対する敵意は次にこの国を支配した日本に対する好意に転じていきます デヴィ夫人の話は皆知っているでしょ あのBitch
当時は一三だった伊丹さんに加え族長を演じた小津監督の「生まれては見たけれど」にも出演している(と思う?)斉藤達雄さんなども出演 特にタケチャンこと伊丹さんとピーター・オトゥールとの交友の記録は伊丹一三著「ヨーロッパ退屈日記」に詳しい 今は渡辺謙が有名になったけど 撮影所の踏み台にその名を残す早川雪舟 七人の侍で琵琶法師を演じた上山草人など戦前から日本人はハリウッドで活躍しているのでありまーす
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伊丹十三は国際派俳優でもありました。
伊丹十三 生誕80年レビュー その2
( ネタばれあり )
昨年の10月、母と松山に旅行に行きました。 道後温泉に一泊し、翌日松山市郊外にある伊丹十三記念館( http://itami-kinenkan.jp )に行ってきました。
よかったですね。 展示で伊丹さんの足跡にふれることができましたし、中の喫茶「タンポポ」でお茶してなごみましたし、「 13の顔を持つ男 伊丹十三の肖像 」などDVDやグッズを買って帰りました。
1933年5月15日京都・鳴滝生まれ( 伊丹万作は山中貞雄、稲垣浩らの「鳴滝組」ではなかったですが、つながりがあり、家も近かったんですね )
万作の死後、母と妹と離れて一年間住んだのも帷子ノ辻で、そのとき飯炊きの世話係として同居していたのが、のちに黒澤映画のスクリプターとなる野上照代。
どちらもぼくの家と近所で、親近感がわきますね。
伊丹十三はほんと才能のある人で、21歳のころは商業デザイナーでした。
伊丹万作全集のタイトル文字も、ATGのロゴデザインも、機関誌「アートシアター」のタイトルデザインも伊丹十三の仕事( これは最初の奥さんが川喜田和子だったことも関係しているのかな )と改めて知りました。
1960年26歳のときに大映入社、俳優となる。 最初の芸名は伊丹一三で、命名は大映のドン・永田雅一。 東宝の創立者、小林一三にちなんで。
主役デビューでしたが、それでも一年ほどで大映を辞め、『 北京の55日 』と本作『 ロード・ジム 』に出演、国際派俳優となる。
両作品出演時のエピソードは「ヨーロッパ退屈日記」「女たちよ !」に書かれています。
大映退社がさほど揉めなかったのも、日本での俳優としての実績がさほどなかったのに外国映画にかなりの役で出演できたのも、英語力など本人の実力もさることながら、さまざまな人脈を持っていた強みがあったからなのもまた事実だったろうと推測します。
さて、本作。ウェスト・ミーツ・イースト作品レビュー その5でもあります。
本作の原作はジョゼフ・コンラッド。 『 地獄の黙示録 』の原作、「闇の奥」で知られます。
読んでいないのに推測で書いて恐縮ですが、ポーランドからイギリスに亡命した作家で、イギリスさらに西欧を外来者からの視点で描いた作家なのでしょう。
文明と未開の邂逅。 未開を野蛮な、闇を抱えた社会ととらえ、文明が光を与えると言って西欧人はふるまいますが、はたしてそれは本当なのか ?
「ロビンソン・クルーソー」でも「十五少年漂流記」でも漂流の先の、過酷な自然の中でも自らを律し、文明の光で生き抜いていきますが、コンラッドの作品や「蠅の王」などでは、未開や過酷な自然に接して文明人の心の闇が露わにされる。
イーライ・ウォーラックの将軍はならず者だが、それ以上に堕ちたコーネリアス(クルト・ユルゲンス)や紳士のブラウン(ジェームス・メイスン)は狡猾で残忍。 文明人を気取るだけ醜悪ですね。
悪人である西欧人たちのキャラクターづけに比べると、伊丹十三(当時は一三でした)や斎藤達雄らの役はイノセントな異邦人という感じで類型的ではあります。
『 アラビアのロレンス 』『 ガンジー 』がアラビア、インドを描くというより、それらを通して、イギリス人を描いていると言えるように、本作もそうですね。 マラヤ人という設定が、マクガフィンである点は否めない。
リチャード・ブルックスの脚本は、もう少し整理してもよかったと思います。
マーロー(ジャック・ホーキンス)の役はいらない、ステイン(ポール・ルーカス)の視点に統一すればよかったと思います。
その点は物足りませんが、ピーター・オトゥールをはじめ、俳優たちの演技はすばらしく見ごたえがありますね。
60年代の世界が開かれていき、いかに人は生きるべきか、真摯な時代感覚の映画です。
伊丹十三の、一般の日本人に先駆けての海外旅行そして外国映画出演がその後の彼に与えた影響は大きかったと感じます。
少年期に英才教育で強い個性が育まれ周囲とは浮いた存在になり、一方外国では自分が日本人であることを否応なしに痛感させられた。
世界と対置した日本、日本人を意識した、いわば帰国子女的視点がより強くなったのだと思います。
このレビューは気に入りましたか?
1人の会員が気に入ったと投稿しています
映画にしづらい作品だったかも…
「青春」「台風」といった佳品で海の男たちを描いたJ・コンラッドは、英語を第二母国語として習得した英国への帰化人でポーランドに出自をもつ。倫理的感覚に厳格な作家で「ロード、と呼ばれた男」では特にその感が強い。
「闇の奥」はコッポラの想像力に火をつけたが、映画そのものは原作とは程遠く「文化果つるところ」への憧憬とヴェトナム電子戦争の異形にコッポラ自身が興奮して暴発した作品だといえよう。
「ロードジム」本編は、概ね原作通りだが、原作の長大さと独特な語り口はあえて切り捨てられて、異文化啓蒙的になっているのは映画という性格上仕方がない。ピーター・オトゥールはここでも「アラビアのローレンス」しているが、「将軍たちの夜」のようなあの俳優独特の少し不気味な怖さがあればもっと人物像に奥行きがでたのではないか。過去の自失に悩む倫理感覚はスクリーンからは感じられず、原作ではもっと深く自傷的に悩むことが作品の基調となっているので、映画では中途半端の感は否めない。
原作の新版がでているので、本編と比較するのも一興かと思われる。
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ユーザーレビュー
トラウマ冒険ロマン
投稿日
2007/06/26
レビュアー
よふかし
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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たいへんな超大作、アクションも爆発も盛り沢山。しかし鈍重で、単純明快な面白さからは微妙にズレていて、鑑賞後の爽快感はゼロ。だというのに、なぜか昔から好きな作品。
あるトラウマを抱え人生を見失った男が、立ち直るために受けた依頼にしたがって、河を船で遡っていく。上流にはとある白人が暴力で住民を支配する王国があり、その打倒が男の任務であった・・・原作のコンラッドという名前ではっきりすると思うけれども、つまりこれは『闇の奥』=『地獄の黙示録』とほとんど同じお話である。
コッポラの『地獄の黙示録』も原作もはるか昔の経験しかないのだが、あちらでは異なる文化の衝突、互いに触発し合って生まれる暴力と破壊が描かれ、絶望的な気分になったことを覚えている。
一方、外形的に冒険ロマンでありながらひたすら主人公の屈折した内面のみに関心を寄せ続けるこの『ロードジム』は、異なる文化との出会いがそのトラウマを克服させるまでを描いている。つまり先進欧米の卑屈は、未開のアジアによって癒され、穏やかな運命の受容を可能にさせる・・・こんなふうに書くと、なんだアジア蔑視かとかロマンティックに過ぎると思われるかもしれない。そういう側面は確かにある。あるけれど、原作が一九世紀的価値観の中で生み出されただろうことを考えたり、『地獄の黙示録』の絶望を考えたりすると、本作のラストのびっくりするような「和解」は、斜に構えて見たくはない気がするのだ。
ブルックスの演出はやや凡庸。ピーター・オトゥールはいつも同じといえば同じなのだが、『マーフィの戦い』同様、本作もはまり役で映画の魅力を一段引き上げている。60点。
やっぱり『地獄の黙示録』見直してみます。
英雄と卑怯者との差は紙一重
投稿日
2012/04/21
レビュアー
港のマリー
「地獄の黙示録」の原作、「闇の奥」を書いたコンラッドの長編小説「ロード・ジム」の映画化。リチャード・ブルックスによる映画も長編154分。
時代は19世紀後半ビクトリア朝、欧米列強の帝国主義の最盛期、「闇の奥」はアフリカだったが、こちらの舞台は東南アジア。当時の白人の目には、ひしめく貧しいアジア人の群れも、文明を知らない蛮族に見えたらしい。
そんな未開の地のさらに奥、深いジャングルを流れる川をさかのぼった果てにある村を、将軍と呼ばれる残虐な白人(カーツ大佐の面影を彷彿させる)の支配から救い、村人から“ロード”の称号を与えられるほどに敬愛された、イギリス人船員ジム(ピーター・オトゥール)には、実は恥辱に満ちた過去があった。
一度犯した過ちを、ひとは真に償うことができるのか。一度被った汚名を完全に返上することができるのか。
一度傷ついた自尊心が、はたして癒やされる時がくるのだろうか。
そうした哲学的、文学的な問いを、根は善良で夢見がちな青年ジムの運命に託して描く本作、冒険活劇と純な魂の悲劇が混ぜ合わされたような不思議な味わい。まとまりがないようにも見えるが、ときとしてはっとする深遠な台詞にも出会う。
いちど過ちを犯して歯車が狂ったら行きつくところまでいく行く以外にない、なんてギリシア悲劇の精神。
ピーター・オトゥールに、青とも緑ともつかない澄んだ深い色の瞳で遠くを見つめながらそんなことを言われると、好戦気分いっぱいの戦闘場面を我慢して、見続けてよかったなと思う。
コンラッドならではの「恐怖」についてのこだわりもいい。自分では制御できない恐怖によって、ひとははからずも卑怯なふるまいを為してしまう場合もある。ちょうどこのジムのように。そして一回歯車が狂うと、後は坂道を転がり落ちるだけ。
舞台に未開の土地が選ばれるのは、そこでは「恐怖」がそのものずばり、丸裸の姿で顕れるからだろう。それに植民地の港には、各国から悪人が流れ着く。奥地で悪の帝国を築く輩すら現れる。本国の法の及ばぬ地では卑劣も悪も制限無く膨れあがる。将軍、その配下、パトナ号の乗組員ら、映画で描かれる悪人たちの肝の据わりようも見事だった。
だからこそ、悩み続けるピーター・オトゥールが痛々しかった。
村の村長役で斉藤達雄、一瞬志村喬じゃないかと思った、村長の息子を眩しいほど若い伊丹十三が演じています。
ピーターとタケチャン
投稿日
2007/07/09
レビュアー
エイちゃん
この人のお勧めはまず外れなしの「よふかし」さん 久しぶりに見てみました 最初見たときはあの「アラビアのロレンス」のときめきを再びみたいな気持ちだったけどあれから色々な事を経験しました
まずインドネシアと言う国に住んでしまったこと メッカへの巡礼者は「ハッジ」と呼ばれ皆から尊敬を集めます 世界最大のイスラム教国インドネシアからサウジアラビアまでの路線は インドネシアガルーダ航空 アラビア航空のドル箱路線です 一等航海士ジムは骨折から復帰して最初に選んだ仕事ボロ船で巡礼者をメッカに運ぶ航海で海難事故に見舞われ船を放棄 巡礼者を見捨てて逃亡を図りそれが原因でトラウマに取り付かれてしまう
私がジャカルタ滞在中ガルーダ航空は九州で機体炎上という事故を起こし多くの日本人が焼死する CA(客室乗務員)は自分の荷物を全部持ち出して何もせずひたすらアラーの神にお祈りをささげていると言う信じられないような大惨事がありこの事は地元ジャカルタでも報じられた この作品を見ている間ずっとあの時のことを考えてあまり集中出来なかった
世界最大のイスラム教国インドネシアは一応Multiple 宗教国家ということに成っていてクリスマスは祝日 世界最大の仏教遺跡も存在するし日本人にはおなじみバリ島はヒンズー教が盛んな地域 イスラム過激派の攻撃にあったことは記憶に新しい 本作でも少し混同したような所はあるけれでそこは気にせず見てみましょう
戦前この国を支配したのはオランダ 大航海時代の名残から徹底的に搾取を繰り返し富は総べて自国オランダに還元 そこが香港を支配したイギリスとは大いに異なります オランダに対する敵意は次にこの国を支配した日本に対する好意に転じていきます デヴィ夫人の話は皆知っているでしょ あのBitch
当時は一三だった伊丹さんに加え族長を演じた小津監督の「生まれては見たけれど」にも出演している(と思う?)斉藤達雄さんなども出演 特にタケチャンこと伊丹さんとピーター・オトゥールとの交友の記録は伊丹一三著「ヨーロッパ退屈日記」に詳しい 今は渡辺謙が有名になったけど 撮影所の踏み台にその名を残す早川雪舟 七人の侍で琵琶法師を演じた上山草人など戦前から日本人はハリウッドで活躍しているのでありまーす
伊丹十三は国際派俳優でもありました。
投稿日
2013/05/16
レビュアー
ロキュータス
伊丹十三 生誕80年レビュー その2
( ネタばれあり )
昨年の10月、母と松山に旅行に行きました。 道後温泉に一泊し、翌日松山市郊外にある伊丹十三記念館( http://itami-kinenkan.jp )に行ってきました。
よかったですね。 展示で伊丹さんの足跡にふれることができましたし、中の喫茶「タンポポ」でお茶してなごみましたし、「 13の顔を持つ男 伊丹十三の肖像 」などDVDやグッズを買って帰りました。
1933年5月15日京都・鳴滝生まれ( 伊丹万作は山中貞雄、稲垣浩らの「鳴滝組」ではなかったですが、つながりがあり、家も近かったんですね )
万作の死後、母と妹と離れて一年間住んだのも帷子ノ辻で、そのとき飯炊きの世話係として同居していたのが、のちに黒澤映画のスクリプターとなる野上照代。
どちらもぼくの家と近所で、親近感がわきますね。
伊丹十三はほんと才能のある人で、21歳のころは商業デザイナーでした。
伊丹万作全集のタイトル文字も、ATGのロゴデザインも、機関誌「アートシアター」のタイトルデザインも伊丹十三の仕事( これは最初の奥さんが川喜田和子だったことも関係しているのかな )と改めて知りました。
1960年26歳のときに大映入社、俳優となる。 最初の芸名は伊丹一三で、命名は大映のドン・永田雅一。 東宝の創立者、小林一三にちなんで。
主役デビューでしたが、それでも一年ほどで大映を辞め、『 北京の55日 』と本作『 ロード・ジム 』に出演、国際派俳優となる。
両作品出演時のエピソードは「ヨーロッパ退屈日記」「女たちよ !」に書かれています。
大映退社がさほど揉めなかったのも、日本での俳優としての実績がさほどなかったのに外国映画にかなりの役で出演できたのも、英語力など本人の実力もさることながら、さまざまな人脈を持っていた強みがあったからなのもまた事実だったろうと推測します。
さて、本作。ウェスト・ミーツ・イースト作品レビュー その5でもあります。
本作の原作はジョゼフ・コンラッド。 『 地獄の黙示録 』の原作、「闇の奥」で知られます。
読んでいないのに推測で書いて恐縮ですが、ポーランドからイギリスに亡命した作家で、イギリスさらに西欧を外来者からの視点で描いた作家なのでしょう。
文明と未開の邂逅。 未開を野蛮な、闇を抱えた社会ととらえ、文明が光を与えると言って西欧人はふるまいますが、はたしてそれは本当なのか ?
「ロビンソン・クルーソー」でも「十五少年漂流記」でも漂流の先の、過酷な自然の中でも自らを律し、文明の光で生き抜いていきますが、コンラッドの作品や「蠅の王」などでは、未開や過酷な自然に接して文明人の心の闇が露わにされる。
イーライ・ウォーラックの将軍はならず者だが、それ以上に堕ちたコーネリアス(クルト・ユルゲンス)や紳士のブラウン(ジェームス・メイスン)は狡猾で残忍。 文明人を気取るだけ醜悪ですね。
悪人である西欧人たちのキャラクターづけに比べると、伊丹十三(当時は一三でした)や斎藤達雄らの役はイノセントな異邦人という感じで類型的ではあります。
『 アラビアのロレンス 』『 ガンジー 』がアラビア、インドを描くというより、それらを通して、イギリス人を描いていると言えるように、本作もそうですね。 マラヤ人という設定が、マクガフィンである点は否めない。
リチャード・ブルックスの脚本は、もう少し整理してもよかったと思います。
マーロー(ジャック・ホーキンス)の役はいらない、ステイン(ポール・ルーカス)の視点に統一すればよかったと思います。
その点は物足りませんが、ピーター・オトゥールをはじめ、俳優たちの演技はすばらしく見ごたえがありますね。
60年代の世界が開かれていき、いかに人は生きるべきか、真摯な時代感覚の映画です。
伊丹十三の、一般の日本人に先駆けての海外旅行そして外国映画出演がその後の彼に与えた影響は大きかったと感じます。
少年期に英才教育で強い個性が育まれ周囲とは浮いた存在になり、一方外国では自分が日本人であることを否応なしに痛感させられた。
世界と対置した日本、日本人を意識した、いわば帰国子女的視点がより強くなったのだと思います。
映画にしづらい作品だったかも…
投稿日
2009/12/12
レビュアー
satoka
「青春」「台風」といった佳品で海の男たちを描いたJ・コンラッドは、英語を第二母国語として習得した英国への帰化人でポーランドに出自をもつ。倫理的感覚に厳格な作家で「ロード、と呼ばれた男」では特にその感が強い。
「闇の奥」はコッポラの想像力に火をつけたが、映画そのものは原作とは程遠く「文化果つるところ」への憧憬とヴェトナム電子戦争の異形にコッポラ自身が興奮して暴発した作品だといえよう。
「ロードジム」本編は、概ね原作通りだが、原作の長大さと独特な語り口はあえて切り捨てられて、異文化啓蒙的になっているのは映画という性格上仕方がない。ピーター・オトゥールはここでも「アラビアのローレンス」しているが、「将軍たちの夜」のようなあの俳優独特の少し不気味な怖さがあればもっと人物像に奥行きがでたのではないか。過去の自失に悩む倫理感覚はスクリーンからは感じられず、原作ではもっと深く自傷的に悩むことが作品の基調となっているので、映画では中途半端の感は否めない。
原作の新版がでているので、本編と比較するのも一興かと思われる。
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ロード・ジム