１１人のカウボーイ

　西部劇の王者ジョン・ウエインの最晩年の映画のひとつ。エンド・ロールが流れるまで、スクリーンに出ずっぱりだったかつての王者が、この作品では最後には姿を見せない。当然だ。劇中殺されてしまうのだから。しかしながら、これほど一時代の終焉を娯楽映画という表現場で印象的に醸し出した例は他にない。無敵にして全米のシンボルだったジョン・ウエインが、後進に道を譲ったという、ファンには涙ものの映画だ。

　人手不足から老カウボーイに牛追いに雇われて、その過酷な旅の過程で逞しく成長していく少年たちを描き、清々しい思いにさせてくれる。百の説教よりも、たった一度の旅で子供は成長することを改めて感じさせられた。70年代半ばには、時代はとうに西部劇は過去の遺物として見向きもせず、その後はウエイン自身も『マックＱ』『ブラニガン』といった背景を都会に変えた“西部劇”に挑むものの、やや期待外れ。やはり自分は西部劇だと自覚したのか、最後は『ラスト・シューティスト』で癌に冒された老ガンマン役を淡々と演じ、実生活でも癌に冒されて、人生のエンドロールを迎えた。だが、自分の後進を育てる役を演じたこの映画にこそ、人間ジョン・ウエインの集大成があった。子供は大人が思っているほど子供ではないと、男の本懐と自尊心を授ける老指南役を嬉々と演じ、義によって死にゆく者の散り際まで曝け出す。まさに円熟！この作品があったからウエインは、単なる西部劇のヒーローではない、全アメリカの星になったのであり、一介の男としての真っ当な模範を演じたかったのだろう。常に馬上から物を見下ろしていた大スターが、最後は地面に這いつくばって演技をしていた。この進退、あまりにカッコよすぎる。男とは、こうでありたい。

内容もよくわからず見てみると十五歳以下のカウボーイだらけ。
ボーイスカウトじゃあるまいし…と思えば　この展開は甘くない。
決して甘くない。650キロの旅の中で少年達は不敵な‘男’への
変貌を遂げていく。

公開当時から子供の銃乱射やためらいもなく人を殺してしまうという展開が議論を呼んだようですが　ホームアローンじゃあるまいし
テキトーにぶっとばしてオシマイという西部開拓時代ではないでしょう。昔の映画を今さら見るって　案外楽しい。

１１人の少年が、牛をひきつれ、苦難を乗り越えカウボーイに成長していく姿、それを後ろから支えつつ、厳しくまたやさしく見つめるカッコイイ、ジョン・ウェイン。ちょっと変わった西部劇です。それにしても、風景は最高です。

ジョンウェインが途中でいなくなる。ということだったので、ずっと観ないでとっておきましたが、観るものがなくなって、ついに観ちゃった作品です。

少年をカウボーイ役にするあたり、当時の西部劇のおかれた現状を暗示しているのでしょうか？

西部劇は少年に人気があった？

男は強くあらねばならない、というポリシー。

一方で、マカロニウェスタンの台頭。

さらに、同年作られたダーティーハリーは、西部劇をを現代版にアレンジし、大ヒット。従来型西部劇は凋落していた？

正統派西部劇の第一人者としては、少年を使った、一味違う西部劇を作る必要があった？
それも、男は強くならねばならない、ということを示すため。
これは、一種の遺言ですね。アメリカ少年に対する・・・

もっとも、ジョンウェインが途中でいなくなっても、結構楽しめた作品でした。

屈強な男たちでなく少年たちをカウボーイとして描き、しかも西部劇の英雄ウェインが、かなり中盤で撃たれて非業の死を遂げると言う、それまでになかった設定であり、新時代を象徴するような映画である。悪役のブルース・ダーンはＪ・ウェインを殺した男としてすっかり有名になり話題になったと聞いている。
厳しいキャトル・ドライブで少年たちは成長し、ウェインの仇を討って、無事に目的地に牛を届ける・・・
ウェインが亡くなる８年前の作品であり、意外な設定に興味深いものがある。