アイガー・サンクション

大学教授で絵画を集める人物が、実は元凄腕のスパイっていう
こんなギャップに食い付くのは、クリントさん、あなただけかも・・・

しかも、舞台はアルプス最後の難所と言われたアイガー北壁
そう、クリントさんが自分の身一つで山に、っていうか崖に登る！

なにがスゴイって、実写(CGなし)っていうのに絶句
当時で言えば当たり前の話ですが
岸壁にしがみ付く男たち、観てるこっちまで足がすくんでしまいそうなスゴイ光景
今なら、CGで数日でちゃちゃっと出来てしまいそうな映像を
現地でそのまま作り上げた、ものすごい情熱を感じます
実際、撮影中に登山家の一人が命を落としているそうですが
クリントさんを始め、映画職人さんたちの、並々ならぬ努力が感じられる絶品です♪

ターゲットの正体も分からぬまま、雪山に上るクライマックスもゾクゾク物ですが
それまでのトレーニングも、殆どを自分でやってのけるクリントさん、恐れ入りました・・・

これぞ、THE USAっていう荒野のカーチェイスも
一度観たら忘れられないボスも、なかなかの見もの
そして、ここでも女性のモテモテのクリントさんですが
黒人にアジア系と、女性のチョイスもいかにも彼らしい

スパイに山岳の恐怖が重なって
程よい裏切りと、どんでん返し
男同時の友情が微かな余韻を残して
最後にカメラが中に飛んでいく・・・・

アイガー舞台のこの作品に手を出すなんて
かなりの自信がないと出来ません・・・絶対
絶壁にクリントさんって意外な感じでしたが
観てみると、どこを切り取っても彼そのもの、でした☆

高い所が嫌いな自分にとっては、映画をもう一度見たいとは思いませんでした。クリント・イーストウッドが体を張ってがんばってます。本格的な山登りをしている人は、面白く感じるはずです。

この作品はよほどの「洋画好き」か「イーストウッド」ファンの方しか知らないと思います。
私は後者の「クリントイーストウッド」大好き人間です。
イーストウッドの作品はほとんど見ていますが、中でもこの作品は隠れた名作だと思います。
公開当時４５歳で脂の乗った演技とタフなボディアクションが随所にちりばめられ、ジョージケネディとの絡みも軽妙かつ大人の渋みを感じさせるものでした。
興業的にもあまり恵まれた作品では無いですが、鑑賞後に「ぐぐっと」
心に残る名作だと思います。

山岳シーン。
ＣＧナシの実写って物凄い。
心意気というか根性。
それしか道ナシの開き直り？
なんであれものすごいです。
演じるクリントさんもどうかしてます。
ただただスゲーなぁって思います。
しかし、そこ以外は「違ったなぁ」って思います。
この作品は
生み出される時代を間違いました。
早すぎたんです。
映画製作の技術的向上が積み重なる前に
生まれちゃったんです。
今の時代なら
そりゃーもー楽しい作品に仕上がったのでは
そう思えてなりません。
拳と拳の会話が聞こえるバトルシーン
コントですか？と。
今ならカメラ割りも凝って、
アクションも十分に練られて
臨場感スピード感アリアリになるのに。
主人公の設定からのイジリたい度高しのボス登場。
コントですか？と。
活かしきれてないなぁって思います。
それでも全体的に漂う「粋」
そこはクリントさんらしいけど
それすらも今の時代ならもっとスタイリッシュに届けてくれるハズ。
今の時代に作られたことによって
失われるものもたくさんあるでしょうが、
損得勘定で差し引いたら
ボクは今の時代にこそ相応しい作品なんじゃないかと思います。

しかし、クリントさんモテモテ！
今にはじまったことじゃないけどモテモテ！
そこに嫌味な感じがないのがまた「らしい」

まぁ古い映画なので、派手なアクションはありませんが、最後までターゲットが分からない、不気味さがかえって新鮮な映画でした。登山道具も今では考えられないクラッシックな感じがして、またまた新鮮でした。