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青春の殺人者 / 水谷豊

青春の殺人者 /長谷川和彦

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解説・ストーリー

実際の事件をもとに描かれた中上健次の短編小説を映画化した長谷川和彦の監督デビュー作。不確かな理由で両親を殺害してしまった青年の破滅への道を冷徹なまなざしで描いた衝撃作。厳格な両親のもと、溺愛されて育った22歳の青年、斉木順。親に与えられたスナックの経営を始めるが、ある日、両親にスナックで手伝いをしている幼なじみのケイ子と別れるよう迫られる。口論の末、父親を殺してしまい、さらには行き違いから母親までも刺し殺してしまう……。

作品情報

製作年:

1976年

製作国:

日本

キャスト・スタッフ

監督:

長谷川和彦

製作:

今村昌平大塚和

出演:

水谷豊内田良平市原悦子白川和子原田美枝子

脚本:

田村孟

原作:

中上健次

撮影:

鈴木達夫

音楽:

ゴダイゴ

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ジャンル :

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「青春の殺人者」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

実際の事件をもとに描かれた中上健次の短編小説を映画化した長谷川和彦の監督デビュー作。不確かな理由で両親を殺害してしまった青年の破滅への道を冷徹なまなざしで描いた衝撃作。厳格な両親のもと、溺愛されて育った22歳の青年、斉木順。親に与えられたスナックの経営を始めるが、ある日、両親にスナックで手伝いをしている幼なじみのケイ子と別れるよう迫られる。口論の末、父親を殺してしまい、さらには行き違いから母親までも刺し殺してしまう……。

「青春の殺人者」 の作品情報

作品情報

製作年:

1976年

製作国:

日本

「青春の殺人者」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

キャスト・スタッフ

脚本:

田村孟

原作:

中上健次

撮影:

鈴木達夫

音楽:

ゴダイゴ

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1〜 5件 / 全23件

特典映像の方がずっと面白いです ネタバレ

投稿日:2006/01/06 レビュアー:parole

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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高校時代に見て以来の二回目になるのだが、ラストシーンをうっすらと覚えていることとゴダイゴの音楽がふんだんに使われていることしか記憶にない。それもそのはず。改めて観てはっきり判ったのだが、この映画には記憶に残るようなシーンというものがほとんど無いのだ。どんな映画にも似ていないという意味において独自性はあるとは思う。しかし、悲しいかなどうやら長谷川和彦には空間造形性のセンスが乏しいらしく、絵柄としての美しさがない。もちろん美しいシーンがあれば映画として及第点だというわけではないし、いわゆる美しいシーンをふんだんに(そして映画的な配慮無く)使うことによってぶち壊しにしてしまう作品も少なくないから、このことだけをもってして「青春の殺人者」あるいは長谷川和彦が落第だというわけではない。そうではなくて、この映画は映画的に美しくない、すなわち配慮と繊細さに欠けているのだ。
たしかにムードはあるし、そのムードとまるでゴダールのように自らを伝説化させることの上手な長谷川和彦のキャラクターにより発表当時はかなり受けたし、この年のキネ旬のベストワンにも選出されたのだが、それがまさしくムードでしかなかったことはその後の彼の動向を見ても明らかなことだろう。
ところで、このDVDには長谷川和彦のロングインタービューが付録として付いていて、それが本編よりずっと面白いのだが、その中で後輩であり先に逝ってしまった相米慎二に対するコメントでちょっと面白いことを言っていた。ご存じの通り彼は中大法学部を中退しているのだけれど、在学中は四トロの書記長をやっていたそうだ。長谷川和彦曰く、その活動に挫折して映画界入りしたそうで、映画界に足を踏み入れた直後に長谷川和彦に「映画って本当に面白いんですか?」と尋ねたとのこと。真偽は定かではないが、相米の一端を言い表しているコメントだと思った。

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女の恐ろしさ、極まれり。

投稿日:2008/08/06 レビュアー:ぴよさん

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『蛇淫』 ネタバレ

投稿日:2006/03/08 レビュアー:モッチー

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『岬』による芥川賞受賞前後に書かれた『蛇淫』という五十枚足らずの短編が原作になっている。中上健次は事件当時、新聞記事に触発されてこの作品を書いた。監督も短編を読んだ後、取材に半年を費やしている。創作の動機を中上は、エッセイの中に書いている。

「どこで人殺しがあっても(…)それを事実として受けるリアリティーはない。リアリティーは受けての、あってしかるべきだ、やってしかるべきだという夢の力でしかない。」

『復讐するは我にあり』で直木賞を受けた佐木隆三もそうだが、現実に取材したもの、あるいは想像力で紡ぎ出したもの、どちらにせよ、やってしかるべきだ、という受け手の業を感じたい。それはまた見る者、無数の作品の中から選び取る者に返ってくることだと思いたい。

『蛇淫』の中では、父母を殺害するときの衝動が、「一瞬、その時、体が燃え上がる気がしたのだった。」と書かれている。彼とつがう女の聞こえない右耳と、その理由。女を「淫乱」、「蛇」と罵り、「せっかく大事にしてきたもんが、この年になってバラバラ崩れてしまうようで。それを見とるようで」と泣く母。そこには苛立ちともどかしさに蛇のように絡みつかれ、衝動を爆発させる姿がまざまざと描かれている。

付録の監督インタビューで長谷川和彦が言うように、原田美枝子は出演当時わずか17歳だった。彼女が「蛇」のように「淫」する演技はやはり難しいことだった。しかし、右耳の不自由であった苛立ちは脈打つように伝わってくる。
 小説の中の殺人者は27歳だが、映画の中では20歳、実際の人物は22歳だった。これも『蛇淫』ではなく『青春の殺人者』というタイトルになるゆえんだろうか。

 父と母の殺害状況に大きく描き分けたのには実際の取材の成果が出ているのかも知れないが、息子とつがおうと迫り、刺され悶絶する母が、「もう働かなくてもいい…」という吐く台詞にはドキリとさせられる。やはりよく眼を凝らせば、『蛇』と『淫』に根深く絡みつかれているのが見える。 

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水谷豊、(24歳のメモリアル)

投稿日:2020/12/10 レビュアー:カマンベール

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断ち切りたい殺人、繋がりたい殺人 ネタバレ

投稿日:2009/03/20 レビュアー:港のマリー

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 イントロダクションにある「不確かな理由」、これには多少の異議がある。確かに映画の冒頭、恋人と子どものようにじゃれ合う20歳の青年が、その後に続く実家のタイヤ修理工場を訪ねて父親とスイカを食べるシーンで早々と惨劇が始まってしまうのだから、えっ、これ、ATGの不条理劇かい?と思いたくもなる。しかし映画は一種の「倒叙法」とも思える手法で主人公順、水谷豊の心の軌跡を明らかにしていく。理由はそれなりにあるのである。
 結論から言えば両親の支配から逃れて自立を果たしたいたいがための殺人ではあるまいか。フロイトでもないが、青年が大人になるために誰もが、心のうちで密やかに行う「親殺し」の儀式を、順は己が肉体で現実化してしまったのである。もちろんそのきっかけは「女」ケイ子、原田美枝子の存在だ。異性と深く結ばれることによって旧来の親子の関係は脱ぎ捨てられる。しかしこの両親、とくに母親はそれを許さなかった。
 さらにイントロダクションに文句をつければ、「冷徹なまなざし」というのも違うと思う。監督インタビューによると「エデンの東」に号泣した人だそうだから、順の心情に寄り添って一緒に泣き、一緒に絶望している。まなざしは熱いのである。順を取り巻く人間関係もひたすら熱く濃い。彼は両親にもケイ子にも「愛されて」いた。息子が殺した血まみれの夫の死体を傍らに禁忌の情交を迫る、母親、市原悦子の存在は凄まじい。自分を究極まで追い詰めるこの母との関係を断ち切りたいと、凶刃を振るいたくもなろうと順に理解を示しているかのようにも見えてしまう。アイスキャンデー売りをしていた父親の幻影を海岸で見る順には涙を流させてもいる。このシーンは出色。父親と相撲をとるシーンも再三挿入される。自分が手をかけてしまった後にもこみ上げる愛慕の念、出口を見つけるつもりの凶行も決して出口ではなかったと悶え苦しむ様子が切ない。「もっと厳しい演出もあるかもしれないがボクはこんなもの」と語る監督、サイコパスでも何でもない普通の青年の親殺しを映画化してみせた。親との絆を断ち切ったつもりが裸の自分は無力で甘ったれな子どもでしかなかった、父の幻影がいつまでもつきまとう新しい地獄に堕ちただけ、再びもがくしかないという姿で。ゴダイゴの歌の「ホーム」の歌詞が哀しい。

 反して昨今の無差別殺人、例えばアキバのK容疑者、人との繋がりを得たくて凶行に及んだという見方がある。彼は徹底的に孤独だった。孤独を延々とネットを介して流し続け、結果そこでも孤独を深めることなって、突如一番注目される場所を選び一番注目される方法で耳目を集めようと計ったというのである。無視され続けてきた自分に人々の視線が一斉に注がれることを求めた。順が粘り着く両親の視線のもとから逃れようとしたのと正反対だ。もちろん親殺しと無差別殺人とは大きく性格が異なるが、70年代の熱さと今の時代のどうしようもなく冷え冷えと荒涼としたさま、空虚との比較にはなる。

 この映画はシリアスではあるのだが、ときおりそこを突き抜けてコメディにも変身し笑わせられる。いくつか泣かせられもする。殺人場面での水谷豊の表情には背筋が寒くなった。ATGといっても自己陶酔型ではなく、きちんとお客に伝えようとする普通の映画である。そう傑出している作品とも思われないが。

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1〜 5件 / 全23件

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特典映像の方がずっと面白いです

投稿日

2006/01/06

レビュアー

parole

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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高校時代に見て以来の二回目になるのだが、ラストシーンをうっすらと覚えていることとゴダイゴの音楽がふんだんに使われていることしか記憶にない。それもそのはず。改めて観てはっきり判ったのだが、この映画には記憶に残るようなシーンというものがほとんど無いのだ。どんな映画にも似ていないという意味において独自性はあるとは思う。しかし、悲しいかなどうやら長谷川和彦には空間造形性のセンスが乏しいらしく、絵柄としての美しさがない。もちろん美しいシーンがあれば映画として及第点だというわけではないし、いわゆる美しいシーンをふんだんに(そして映画的な配慮無く)使うことによってぶち壊しにしてしまう作品も少なくないから、このことだけをもってして「青春の殺人者」あるいは長谷川和彦が落第だというわけではない。そうではなくて、この映画は映画的に美しくない、すなわち配慮と繊細さに欠けているのだ。
たしかにムードはあるし、そのムードとまるでゴダールのように自らを伝説化させることの上手な長谷川和彦のキャラクターにより発表当時はかなり受けたし、この年のキネ旬のベストワンにも選出されたのだが、それがまさしくムードでしかなかったことはその後の彼の動向を見ても明らかなことだろう。
ところで、このDVDには長谷川和彦のロングインタービューが付録として付いていて、それが本編よりずっと面白いのだが、その中で後輩であり先に逝ってしまった相米慎二に対するコメントでちょっと面白いことを言っていた。ご存じの通り彼は中大法学部を中退しているのだけれど、在学中は四トロの書記長をやっていたそうだ。長谷川和彦曰く、その活動に挫折して映画界入りしたそうで、映画界に足を踏み入れた直後に長谷川和彦に「映画って本当に面白いんですか?」と尋ねたとのこと。真偽は定かではないが、相米の一端を言い表しているコメントだと思った。

女の恐ろしさ、極まれり。

投稿日

2008/08/06

レビュアー

ぴよさん

『蛇淫』

投稿日

2006/03/08

レビュアー

モッチー

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『岬』による芥川賞受賞前後に書かれた『蛇淫』という五十枚足らずの短編が原作になっている。中上健次は事件当時、新聞記事に触発されてこの作品を書いた。監督も短編を読んだ後、取材に半年を費やしている。創作の動機を中上は、エッセイの中に書いている。

「どこで人殺しがあっても(…)それを事実として受けるリアリティーはない。リアリティーは受けての、あってしかるべきだ、やってしかるべきだという夢の力でしかない。」

『復讐するは我にあり』で直木賞を受けた佐木隆三もそうだが、現実に取材したもの、あるいは想像力で紡ぎ出したもの、どちらにせよ、やってしかるべきだ、という受け手の業を感じたい。それはまた見る者、無数の作品の中から選び取る者に返ってくることだと思いたい。

『蛇淫』の中では、父母を殺害するときの衝動が、「一瞬、その時、体が燃え上がる気がしたのだった。」と書かれている。彼とつがう女の聞こえない右耳と、その理由。女を「淫乱」、「蛇」と罵り、「せっかく大事にしてきたもんが、この年になってバラバラ崩れてしまうようで。それを見とるようで」と泣く母。そこには苛立ちともどかしさに蛇のように絡みつかれ、衝動を爆発させる姿がまざまざと描かれている。

付録の監督インタビューで長谷川和彦が言うように、原田美枝子は出演当時わずか17歳だった。彼女が「蛇」のように「淫」する演技はやはり難しいことだった。しかし、右耳の不自由であった苛立ちは脈打つように伝わってくる。
 小説の中の殺人者は27歳だが、映画の中では20歳、実際の人物は22歳だった。これも『蛇淫』ではなく『青春の殺人者』というタイトルになるゆえんだろうか。

 父と母の殺害状況に大きく描き分けたのには実際の取材の成果が出ているのかも知れないが、息子とつがおうと迫り、刺され悶絶する母が、「もう働かなくてもいい…」という吐く台詞にはドキリとさせられる。やはりよく眼を凝らせば、『蛇』と『淫』に根深く絡みつかれているのが見える。 

水谷豊、(24歳のメモリアル)

投稿日

2020/12/10

レビュアー

カマンベール

断ち切りたい殺人、繋がりたい殺人

投稿日

2009/03/20

レビュアー

港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 イントロダクションにある「不確かな理由」、これには多少の異議がある。確かに映画の冒頭、恋人と子どものようにじゃれ合う20歳の青年が、その後に続く実家のタイヤ修理工場を訪ねて父親とスイカを食べるシーンで早々と惨劇が始まってしまうのだから、えっ、これ、ATGの不条理劇かい?と思いたくもなる。しかし映画は一種の「倒叙法」とも思える手法で主人公順、水谷豊の心の軌跡を明らかにしていく。理由はそれなりにあるのである。
 結論から言えば両親の支配から逃れて自立を果たしたいたいがための殺人ではあるまいか。フロイトでもないが、青年が大人になるために誰もが、心のうちで密やかに行う「親殺し」の儀式を、順は己が肉体で現実化してしまったのである。もちろんそのきっかけは「女」ケイ子、原田美枝子の存在だ。異性と深く結ばれることによって旧来の親子の関係は脱ぎ捨てられる。しかしこの両親、とくに母親はそれを許さなかった。
 さらにイントロダクションに文句をつければ、「冷徹なまなざし」というのも違うと思う。監督インタビューによると「エデンの東」に号泣した人だそうだから、順の心情に寄り添って一緒に泣き、一緒に絶望している。まなざしは熱いのである。順を取り巻く人間関係もひたすら熱く濃い。彼は両親にもケイ子にも「愛されて」いた。息子が殺した血まみれの夫の死体を傍らに禁忌の情交を迫る、母親、市原悦子の存在は凄まじい。自分を究極まで追い詰めるこの母との関係を断ち切りたいと、凶刃を振るいたくもなろうと順に理解を示しているかのようにも見えてしまう。アイスキャンデー売りをしていた父親の幻影を海岸で見る順には涙を流させてもいる。このシーンは出色。父親と相撲をとるシーンも再三挿入される。自分が手をかけてしまった後にもこみ上げる愛慕の念、出口を見つけるつもりの凶行も決して出口ではなかったと悶え苦しむ様子が切ない。「もっと厳しい演出もあるかもしれないがボクはこんなもの」と語る監督、サイコパスでも何でもない普通の青年の親殺しを映画化してみせた。親との絆を断ち切ったつもりが裸の自分は無力で甘ったれな子どもでしかなかった、父の幻影がいつまでもつきまとう新しい地獄に堕ちただけ、再びもがくしかないという姿で。ゴダイゴの歌の「ホーム」の歌詞が哀しい。

 反して昨今の無差別殺人、例えばアキバのK容疑者、人との繋がりを得たくて凶行に及んだという見方がある。彼は徹底的に孤独だった。孤独を延々とネットを介して流し続け、結果そこでも孤独を深めることなって、突如一番注目される場所を選び一番注目される方法で耳目を集めようと計ったというのである。無視され続けてきた自分に人々の視線が一斉に注がれることを求めた。順が粘り着く両親の視線のもとから逃れようとしたのと正反対だ。もちろん親殺しと無差別殺人とは大きく性格が異なるが、70年代の熱さと今の時代のどうしようもなく冷え冷えと荒涼としたさま、空虚との比較にはなる。

 この映画はシリアスではあるのだが、ときおりそこを突き抜けてコメディにも変身し笑わせられる。いくつか泣かせられもする。殺人場面での水谷豊の表情には背筋が寒くなった。ATGといっても自己陶酔型ではなく、きちんとお客に伝えようとする普通の映画である。そう傑出している作品とも思われないが。

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