ハロウィン

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

１０月末、大盛り上がりのハロウィンの時期に合わせて本作をチョ〜久々に観賞してみた。

どうしても「１３日の金曜日」と比べてしまう。
昔観た時は「１３金」に比べ「ハロウィン」はつまんないイメージがあったのだが
今回改めて観たところ、やっぱり１３金の方がオモロいと再認識。

なぜならブギーマンが中々「仕事」をしないからだ。
暗闇に仮面が薄ら浮かんでは消えてくばかり・・心霊写真を見させられているようだ。
物語の大半が過ぎても殺され要員の日常ばかり観させられても退屈するしかないだろう。
しかも、殺人鬼のくせに不死身ってだけで非常に弱い・・？
焦らし過ぎは良くないよ。私は雰囲気だけでは満足せぬよ。やっぱ殺してナンボやろ。

と言っても製作年がハロウィン １９７８年、１３金 １９８０年である。
１３金はハロウィンをパクったと言っても良いだろう。
それより、同日に観た「リメイク版」のハロウィンの方がオモロかったけど？

まぁ、名作と言うイメージからか、そこそこは楽しめた。。。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　カーペンター作品を続けて観ていますが、本作は非常に完成度が高く、もはや古典といってもいいのではないでしょうか。
　冒頭、屋外の茂みから姉と恋人の痴態を見つめていたマイケルが、家に入り、包丁を手にし、仮面を身につけ、姉を刺し殺し、表に出て、両親に発見されるまでをステディカム（安定性を欠いていて、ややぶれるのがまたよい）の長回しで撮っています。
　こういう殺人者の一人称視点というのは、これが最初ではないかもしれませんが、もっとも印象的に使われ、多くの模倣を生むことになったのはこの映画の影響と思います。このシーン、マイケルの仮面が剥がれてカメラが引いていくところなんて、ゾクゾクしますね。うまい。
　見直して感じたのは、次々と殺戮があったような気がしていたのに、劇中意外と何も起こらないことでした。９０分ほどの映画で、最初の一時間は、冒頭の姉の死、道路わきでマイケルが殺したらしい男の死体がちらっと映ること、故郷に戻っての最初のベビーシッター殺しがあるだけです。
　その間は、ジェイミー・リー・カーティスをつけねらうマイケル＝ブギーマンが、画面のあちこちに出ては消え、出ては消えが繰り返されるのです。妙に長めのカットが多く、ゆったりとしたテンポが観る側の焦燥感をうまく煽ります。
『ハロウィン』の怖さは、実際に登場人物が襲われる前までのほうが、実は強烈なのでした。
　ふと見た庭の物干しで風にはためくシーツの間に立つブギーマン。闇からぼんやり浮かび上がる青白いマスク。
　昨今の何でもありのホラー、観客をだますことしか考えていない不条理サスペンスからすれば、上品といってもいいほどの、高潔な演出が楽しめます。殺人シーンもほとんど血は出ません。
　エクステンデット・エディションは１２分の未公開シーンを付け足したバージョンだそうですが、オリジナルがこれだけ完成度が高いのですから、コレクター以外観なくていいでしょう。
　ちなみにあのブギーマンマスクは、カーク船長マスクに色を塗ったものだそうです。８０点。

スラッシャームービーの代表作といえば「１３日の金曜日」だと思っていた私。
でも久しぶりにブルーレイで見た「１３金」は、凡作だった…
で、「ハロウィン」を見てみました。女子高生ベビーシッターと子供たちの恐怖の夜のお話ですね。

今見ても面白かったです♪見た気になっていたけど、これが初見だったのかも…
殺しのシーンはじわじわと…来るか！と思ったら違ったり、
緩急ついてるし、怖いシーンはとことん怖い。（特に車の中での殺人シーンはかなりのもの）
ちょっと笑っちゃう演出もありますが…

そして子供たちがテレビで「遊星よりの物体Ｘ」を見ているシーンがあり
監督の物体Ｘへの愛を感じました。４年後に自身がリメイクを撮ることになるんですね

ヒロインのジェイミー・リー・カーティスは、「サイコ」のヒロイン、ジャネット・リーの実の娘だったんですね。
あまり似てないような…。
声が低めで落ち着いた感じ。髪をかきあげる仕草で若者らしさを出すものの…とても高校生には見えません^^;

彼女は絶叫クイーンと呼ばれていますが、私のイメージする絶叫クイーンって金切声のブロンド美女なので
イメージ違うなと思ってました。
でも死体を次々と発見するシーンで、まずは驚いて声が出ない、そして次は…と驚き方の反応がさまざまで
自然でうまい！このあたりがクイーンと呼ばれる所以なのかなと思いました。

特典映像も豊富で、ジョン・カーペンター監督や製作者の話がたっぷり聞けます。
１つ目の特典は多分１時間以上あったけど、ついつい全部見てしまいました。
低予算映画だった本作、じわじわと時間をかけてクチコミで観客数を伸ばしていき、
異例の大ヒットとなったのですね。
とにかくお金がなかった、だからあのマスクもお店で買ってきて細工したもの、
お金と時間がないから、音楽も監督が３日で作って演奏もやったなど興味深い話がたくさんありました。

そうそう、映像と音に関しては、ブルーレイだからといって特にきれいだとは思いませんでした。
ＤＶＤと見比べたわけではありませんが…。

冒頭の長回しはウェルズの『黒い罠』の参照らしいですね。そもそも『黒い罠』のファースト・シークエンスの長回しは、冒頭にあること、5分から10分にわたる非常に長い時間であること、さらにはその作品の主たる登場人物を1シークエンスの中に収めていること等、その後様々な作品の規範を作ったと言える記念碑的なもので、アルトマンの『ザ・プレイヤー』や相米慎二の『ションベンライダー』、さらには直接的には『ザ・プレイヤー』を参照しながらその参照元である『黒い罠』にも言及するという複雑な構成を取っている柳町光男の『カミュなんて知らない』等数多くの作品に参照、流用されています。『ハロウィン』のファースト・シークエンスの長回しは、主要な登場人物が収められていると言う点こそ原点とは異なるものの、クレーンまで用いた視点移動の大胆さという点については私が知っている限りでは原点に比肩しうる素晴らしいものではないかと思います。

特徴的な長回しは冒頭部分でしか用いられていないのですが、むしろ長回しに拘泥することなく、様々な手法(カメラワーク)を柔軟かつ大胆に用いていることが本作品の特徴であり、それが単なる物語的な怖さや、画面や音のショック療法的な用い方には留まらない恐ろしさを醸し出しているのだと思います。

もちろんこの作品の怖さ、素晴らしさは手法によるもののみではなく、カーペンター自身によるムードたっぷりな音楽や、何故殺人を犯すのかと言う点に関し敢えて細かな説明をしていないところなど多々ありますが、そのへんのことはよふかしさんや勝王さんが丁寧に書かれていますので、ホラー初心者の私には付け足すべき蛇足はありません。

また、実はとても丁寧に創られ、よく考えられている作品なので、ホラーファンだけではなく映画を勉強するにも格好な材料であることを付け加えておきます。

　元祖？スクリーミング・クィーン、ジェイミー・リー・カーチスのデビュー作でもあるのですが、実は彼女が『サイコ』に出演していたジャネット・リーの娘だということを、メイキングを観て初めて知った。やっぱ母親ゆずりか？あの悲鳴は。それにしても、この時２０歳・・・う〜ん、見えん。
　ジェイミーの話はこのくらいにして。
　本作で印象的なのはやはり冒頭場面でしょうか。視線カメラによる長回しが終わった直後に分かる視線の主の姿に思わずのけぞります。本作で一番ショッキングといえるかもしれません。
　殺人鬼（マイケル・マイヤーズ）が本格的に動き出す中盤以降の展開は、さすがに今観るとおとなしめで物足りなさを感じるかもしれません。ただ、本作以前には、この手の殺人鬼モノはなかったわけだから、やはり先駆的作品として敬意を払う意味で観ても損はないと思います。
　ジョン・カーペンター自身による、独特の単調さで不安を煽るようなスコアも効果的だし、昼間、普通？にマイケルがうろうろしている前半も十分引きつけられます。

　本作が当時、どれだけ新鮮でセンセーショナルな作品だったかは、３０万ドル、２０日間で撮った小品にもかかわらず５０００万ドルを稼ぎ出したという事実からもうかがえます。←このへんのことはメイキングに詳しいので、こちらもお楽しみください。