八つ墓村 / 萩原健一
八つ墓村
/野村芳太郎
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全体の平均評価点: (5点満点)
(44)
解説・ストーリー
横溝正史ブームに乗って松竹が製作したミステリ。かつて平家の落武者8人を惨殺したという村でヽ2人もの男女が殺されるという事件が起こる。そして8年後、再び巻き起こった連続殺人を解くため、金田一耕助が出馬する。
横溝正史ブームに乗って松竹が製作したミステリ。かつて平家の落武者8人を惨殺したという村でヽ2人もの男女が殺されるという事件が起こる。そして8年後、再び巻き起こった連続殺人を解くため、金田一耕助が出馬する。
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「八つ墓村」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
横溝正史ブームに乗って松竹が製作したミステリ。かつて平家の落武者8人を惨殺したという村でヽ2人もの男女が殺されるという事件が起こる。そして8年後、再び巻き起こった連続殺人を解くため、金田一耕助が出馬する。
「八つ墓村」 の作品情報
「八つ墓村」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
八つ墓村の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
151分 |
|
1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DA9150 |
2005年02月26日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
4枚
|
2人
|
0人
|
八つ墓村の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
151分 |
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1:ドルビーデジタル/ステレオ/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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DA9150 |
2005年02月26日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
4枚
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2人
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ユーザーレビュー:44件
八つ墓村シリーズ最高傑作!渥美清の金田一は二度と見られません!
投稿日:2005/03/03
レビュアー:RUSH
「八つ墓村」横溝正史の代表的作品ですが、映画化されたのは昭和26年のものを入れて3作品あるそうです。さすがに昭和26年(1951年)の作品は見た事がありませんが、平成8年(1996年)の豊川悦司主演の作品は横溝ファンであれば見た事があるでしょう。そしてこの作品は昭和52年(1977年)に公開された松竹映画です。だから金田一耕助が渥美清さんなのかもしれませんね(笑)。ですがこの渥美清版金田一はとても個性的な金田一になっています。
この「八つ墓村」のベースとなっているのは「津山30人殺傷事件」です。犯人が自分の結核と徴兵検査不合格、そしてそれらによる村人の差別を恨み、村人達30人を殺しまくったという昭和13年(1938年)に実際に起こった事件にヒントを得て創作された小説です。この事件に尼子義孝らの落武者の話を絡めておどろおどろしくも幻想的で怨念と情念が混じり合う恐ろしい作品が出来上がったのです。
とにかくこの作品の凄い所は現在ではもう作れないであろう殺人描写ではないでしょうか。特に尼子の落武者の殺害シーン(鎌で胸を刺し斬ったり、跳ねられた首(田中邦衛)が飛んでいって腕に噛みついたり、脳天を斧でかち割ったり)や津山30人殺しを彷彿とさせる多治見要蔵の32人殺しシーン(頭に懐中電灯2個つけ怖い顔して猟銃を持って走る山崎努、赤子が殺された時の断末魔、井戸に投げ込まれ銃で撃たれる老婆、首を切られ皮一枚でぶら下がる首等々)は強烈で「たたりじゃぁ〜!」の流行語と共に記憶に残っています。
この渥美清版八つ墓村が豊川悦司版八つ墓村と違うのはその結末です。トヨエツ版は原作通りの結末(祟りを利用した多治見家財産狙いの連続殺人事件)を迎えますが、この作品の結末はそれに加えて「連続殺人事件の結果によって尼子義孝の祟りが成就する」となっており、原作やトヨエツ版の結末に尼子の怨念を絡めて描かれているのです。これはこの作品オリジナルで映画、ドラマを含めて僕が知っている限りではこの作品だけのはずです。ラスト燃え上がる多治見家を尼子義孝を初めとする落武者が山の上からその様子を笑いながら見下ろすシーンはその象徴的なシーンと言えるでしょう。
最近刺激の少ない「八つ墓村」に飽きた方々、一度この作品を見てはどうでしょうか?小川真由美さん綺麗で怖かったなぁ(笑)。渥美版金田一なんか個性的だよね(笑)。
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渾身の力作!
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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野村芳太郎監督の渾身の力作。日本映画にはないスケール感は、いま観ても色褪せていない。お金のかけ方が上手なのだろう。「ローレライ」なんかを作るくらいなら、もっとこうした映画を作ってほしいものだ。どうも最近、製作側が少し幼児化しているように思えてならない。
本作は、職人が作り上げた奇跡的な一本だ。橋本忍の脚本、芥川也寸志の音楽、川又昂のカメラが、一つの方向に収束して行く様は、圧巻だ。野村監督のタクトの振り方がいいのだろう。
役者もまた、因習と過去の事件とに縛られた鬱屈した精神をよく表現している。小川真由をはじめとする女優陣もいいが、何より山崎務がいい。彼の鬼気迫る演技と身体能力の高さが、この物語りを支えている。観る者に強烈な印象を残す32人殺しを、どう描くかで作品の正否が決まる。野村監督も山崎務も、そのことを十分に理解した上で撮影に臨んだことが良く判る。映画に文法がある以上、こうした読解力の高さは必要なのだ。
クライマクスで、尼子一族の怨念が、一気に描かれる。鍾乳洞の中、金田一の謎解きをバックに、小川真由美が様式美に則った凄まじい演技で、それを体現した。洞窟の中を走り廻るシーンを演じているのが本人なのかスタンドインなのか知らないが、バレエダンサーのような素晴らしい身体能力だ。(ほめすぎか)
やがて、観客は、恐ろしい事実の片鱗を金田一から告げられる。社会派とした知られた野村芳太郎をして本作を監督させた理由が、ここにある。単なる伝奇的探偵小説の映画化ではないのだ。
観よ、日本映画の底力!
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★★★★☆ 隅から隅まで野村作品
投稿日:2008/02/13
レビュアー:ガラリーナ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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これは、横溝シリーズの一遍ではなく、「砂の器」「鬼畜」に並ぶ紛れもない野村芳太郎作品。本作の主要テーマは、辰哉という青年の過去を取り戻す旅です。そこには、過剰なおどろおどろしさも、同情すべき犯人もいません。死んだ母を思い出し、自分の汚れた血に思い悩むショーケンに大きなスポットが当てられるその姿は「砂の器」の加藤剛を思い出させます。そこに、芥川也寸志 のメロディアスな旋律がかぶさり、横溝ならぬ野村ワールドが広がります。やたらと夕暮れのシーンが多いのも、印象的ですね。すごく陰鬱な感じが出ています。
市川版における主役とは、犯人であり、金田一です。犯人にはいつもやむにやまれぬ動機があります。しかし、本作はどうでしょう。財産目当てというストレートな動機で、犯行が見つかったら般若の顔に一変し、ついでに尼子の怨念までしょわされています。原作とは全然違う。金田一だって、徹底的に影の存在です。物語が幾重にも重なる横溝作品。それらの中で最重要位置を占める、犯人と金田一への思い入れを本作はあっさりと捨ててしまっている。しかし、その分、戦国時代の落ち武者の殺戮シーン、そして要蔵の32人殺し。いずれの回想シーンも恐ろしさが際だっています。
市川版では、毒を盛られた人は口の端からつーっと血を流したりするんですけど、野村監督は容赦なく吐瀉物を吐かせたりするんです。別に殺しの美学なんて、どうでもいいって感じ。ひとえにこの気味悪さこそ、本作のもう一つの見どころと言えます。特に、頭に懐中電灯を付け走って行く山崎努を土手から捉えたシーン、あれは夢に出てきそうなくらい怖い。落ち武者の怨念から始まった呪いの連鎖を多治見家の消失でもって終わらせ、ラストに辰哉の生きる希望を見せる。橋本忍の脚本も完璧じゃないでしょうか。
ともかく、スポットの当てどころと落ち武者の怨念のケリの付け方など、原作を変えたことで作品としての深みは俄然増しています。でも、でも。シリーズファンとして、金田一の存在があまりにも薄いことが悲しい。この寂しさは、作品のクオリティの高さとは、また別物なんです。縁の下の力持ちどころか、ぶっちゃけ、いなくてもいいくらいのポジション。渥美清が金田一らしいかどうかと言う前に、この金田一のポジションの低さが本作品を諸手を挙げて褒めきれないもどかしさを生んでいるのです。
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かなり怖い
どうせ横溝ものをやるなら、このくらいケレン味たっぷりにやってもらわないとね。馬鹿馬鹿しいくらいにケレン味たっぷりで、見所満載です。冒頭の落ち武者殺しの残酷描写から、桜の散る中をスローモーションで走る懐中電灯の鬼、特殊メークで同じ顔にした2人の老婆、神秘的な鍾乳洞の場面、そして、突然顔が変わってしまう犯人。鍾乳洞で流れる芥川也寸志のワルツ、唐突に現れる渥美清の金田一、ともう、おなか一杯に楽しめます。そしてかなり怖いです。こういうケレンをやらせたら、野村芳太郎はもう抜群に巧いです。もの凄いロングから無理やりにグーッとアップに持って行ったり、ほとんど反則みたいな技を多用して、メリハリつけまくっております。それが薄っぺらくなくて、重厚に見えるのは、役者がびしっとはまっているのと、見せ場でないところの演出がしっかりしているからでしょう。金田一を主役にしなかった橋本忍の脚本も見事です。芝居の呼吸を壊さないように、きちんとタメを作っていると思いましたが、どうでしょうか。
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私的にホラー
いやぁ恐かったなぁこれ。
当時のパンフレットには『総制作費七億円、製作期間二年三ヶ月、日本映画史上刮目の超野心作!』と書かれています。解説に『「八つ墓村」は戦後の横溝作品の中で、その特質である巧妙なトリックの面白さと、耽美ロマンの世界が融和した長編であり、作品のボルテージの極めて高いものと評価されています。』とあります。それと『全国大都市ロードショーはもとより、国際映画祭、見本市への出品及びアメリカ、ヨーロッパをはじめ世界各地での上映等、製作・営業・公開方法を含めて文字通り日本映画の真価を世界に問う画期的な作品』とも書いてあります。キャスト百二十人、エキストラ二千人、松竹の力作だったんですな。
あの頃金田一役は、映画では石坂浩二、ドラマでは古谷一行が定番でしたので、渥美清は違和感あったようですが、長髪でなく、髪をボリボリかきませんが個人的には好きでした。多分作者が当時「渥美清が金田一に一番合っている」と言っていたような記憶もあります。
絶妙のキャスト陣。ショーケンの若さと危うさ、小川真由美の妖艶さ、山崎努の狂気、中野良子の母性、夏八木勲の落武者の笑った顔(恐)、市原悦子のハマリ役不気味な婆さん、加藤嘉のいかにも毒殺される雰囲気、そして渥美清の金田一。そういや田中邦衛も落武者で出てたんだ。風間杜夫が出てますが、この頃無名で小川真由美との絡みのショーケンの影武者なので、さすがにパンフに名前は載ってません(笑)。
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ユーザーレビュー
八つ墓村シリーズ最高傑作!渥美清の金田一は二度と見られません!
投稿日
2005/03/03
レビュアー
RUSH
「八つ墓村」横溝正史の代表的作品ですが、映画化されたのは昭和26年のものを入れて3作品あるそうです。さすがに昭和26年(1951年)の作品は見た事がありませんが、平成8年(1996年)の豊川悦司主演の作品は横溝ファンであれば見た事があるでしょう。そしてこの作品は昭和52年(1977年)に公開された松竹映画です。だから金田一耕助が渥美清さんなのかもしれませんね(笑)。ですがこの渥美清版金田一はとても個性的な金田一になっています。
この「八つ墓村」のベースとなっているのは「津山30人殺傷事件」です。犯人が自分の結核と徴兵検査不合格、そしてそれらによる村人の差別を恨み、村人達30人を殺しまくったという昭和13年(1938年)に実際に起こった事件にヒントを得て創作された小説です。この事件に尼子義孝らの落武者の話を絡めておどろおどろしくも幻想的で怨念と情念が混じり合う恐ろしい作品が出来上がったのです。
とにかくこの作品の凄い所は現在ではもう作れないであろう殺人描写ではないでしょうか。特に尼子の落武者の殺害シーン(鎌で胸を刺し斬ったり、跳ねられた首(田中邦衛)が飛んでいって腕に噛みついたり、脳天を斧でかち割ったり)や津山30人殺しを彷彿とさせる多治見要蔵の32人殺しシーン(頭に懐中電灯2個つけ怖い顔して猟銃を持って走る山崎努、赤子が殺された時の断末魔、井戸に投げ込まれ銃で撃たれる老婆、首を切られ皮一枚でぶら下がる首等々)は強烈で「たたりじゃぁ〜!」の流行語と共に記憶に残っています。
この渥美清版八つ墓村が豊川悦司版八つ墓村と違うのはその結末です。トヨエツ版は原作通りの結末(祟りを利用した多治見家財産狙いの連続殺人事件)を迎えますが、この作品の結末はそれに加えて「連続殺人事件の結果によって尼子義孝の祟りが成就する」となっており、原作やトヨエツ版の結末に尼子の怨念を絡めて描かれているのです。これはこの作品オリジナルで映画、ドラマを含めて僕が知っている限りではこの作品だけのはずです。ラスト燃え上がる多治見家を尼子義孝を初めとする落武者が山の上からその様子を笑いながら見下ろすシーンはその象徴的なシーンと言えるでしょう。
最近刺激の少ない「八つ墓村」に飽きた方々、一度この作品を見てはどうでしょうか?小川真由美さん綺麗で怖かったなぁ(笑)。渥美版金田一なんか個性的だよね(笑)。
渾身の力作!
投稿日
2005/11/14
レビュアー
みなさん(退会)
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野村芳太郎監督の渾身の力作。日本映画にはないスケール感は、いま観ても色褪せていない。お金のかけ方が上手なのだろう。「ローレライ」なんかを作るくらいなら、もっとこうした映画を作ってほしいものだ。どうも最近、製作側が少し幼児化しているように思えてならない。
本作は、職人が作り上げた奇跡的な一本だ。橋本忍の脚本、芥川也寸志の音楽、川又昂のカメラが、一つの方向に収束して行く様は、圧巻だ。野村監督のタクトの振り方がいいのだろう。
役者もまた、因習と過去の事件とに縛られた鬱屈した精神をよく表現している。小川真由をはじめとする女優陣もいいが、何より山崎務がいい。彼の鬼気迫る演技と身体能力の高さが、この物語りを支えている。観る者に強烈な印象を残す32人殺しを、どう描くかで作品の正否が決まる。野村監督も山崎務も、そのことを十分に理解した上で撮影に臨んだことが良く判る。映画に文法がある以上、こうした読解力の高さは必要なのだ。
クライマクスで、尼子一族の怨念が、一気に描かれる。鍾乳洞の中、金田一の謎解きをバックに、小川真由美が様式美に則った凄まじい演技で、それを体現した。洞窟の中を走り廻るシーンを演じているのが本人なのかスタンドインなのか知らないが、バレエダンサーのような素晴らしい身体能力だ。(ほめすぎか)
やがて、観客は、恐ろしい事実の片鱗を金田一から告げられる。社会派とした知られた野村芳太郎をして本作を監督させた理由が、ここにある。単なる伝奇的探偵小説の映画化ではないのだ。
観よ、日本映画の底力!
★★★★☆ 隅から隅まで野村作品
投稿日
2008/02/13
レビュアー
ガラリーナ
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これは、横溝シリーズの一遍ではなく、「砂の器」「鬼畜」に並ぶ紛れもない野村芳太郎作品。本作の主要テーマは、辰哉という青年の過去を取り戻す旅です。そこには、過剰なおどろおどろしさも、同情すべき犯人もいません。死んだ母を思い出し、自分の汚れた血に思い悩むショーケンに大きなスポットが当てられるその姿は「砂の器」の加藤剛を思い出させます。そこに、芥川也寸志 のメロディアスな旋律がかぶさり、横溝ならぬ野村ワールドが広がります。やたらと夕暮れのシーンが多いのも、印象的ですね。すごく陰鬱な感じが出ています。
市川版における主役とは、犯人であり、金田一です。犯人にはいつもやむにやまれぬ動機があります。しかし、本作はどうでしょう。財産目当てというストレートな動機で、犯行が見つかったら般若の顔に一変し、ついでに尼子の怨念までしょわされています。原作とは全然違う。金田一だって、徹底的に影の存在です。物語が幾重にも重なる横溝作品。それらの中で最重要位置を占める、犯人と金田一への思い入れを本作はあっさりと捨ててしまっている。しかし、その分、戦国時代の落ち武者の殺戮シーン、そして要蔵の32人殺し。いずれの回想シーンも恐ろしさが際だっています。
市川版では、毒を盛られた人は口の端からつーっと血を流したりするんですけど、野村監督は容赦なく吐瀉物を吐かせたりするんです。別に殺しの美学なんて、どうでもいいって感じ。ひとえにこの気味悪さこそ、本作のもう一つの見どころと言えます。特に、頭に懐中電灯を付け走って行く山崎努を土手から捉えたシーン、あれは夢に出てきそうなくらい怖い。落ち武者の怨念から始まった呪いの連鎖を多治見家の消失でもって終わらせ、ラストに辰哉の生きる希望を見せる。橋本忍の脚本も完璧じゃないでしょうか。
ともかく、スポットの当てどころと落ち武者の怨念のケリの付け方など、原作を変えたことで作品としての深みは俄然増しています。でも、でも。シリーズファンとして、金田一の存在があまりにも薄いことが悲しい。この寂しさは、作品のクオリティの高さとは、また別物なんです。縁の下の力持ちどころか、ぶっちゃけ、いなくてもいいくらいのポジション。渥美清が金田一らしいかどうかと言う前に、この金田一のポジションの低さが本作品を諸手を挙げて褒めきれないもどかしさを生んでいるのです。
かなり怖い
投稿日
2006/06/20
レビュアー
勝王
どうせ横溝ものをやるなら、このくらいケレン味たっぷりにやってもらわないとね。馬鹿馬鹿しいくらいにケレン味たっぷりで、見所満載です。冒頭の落ち武者殺しの残酷描写から、桜の散る中をスローモーションで走る懐中電灯の鬼、特殊メークで同じ顔にした2人の老婆、神秘的な鍾乳洞の場面、そして、突然顔が変わってしまう犯人。鍾乳洞で流れる芥川也寸志のワルツ、唐突に現れる渥美清の金田一、ともう、おなか一杯に楽しめます。そしてかなり怖いです。こういうケレンをやらせたら、野村芳太郎はもう抜群に巧いです。もの凄いロングから無理やりにグーッとアップに持って行ったり、ほとんど反則みたいな技を多用して、メリハリつけまくっております。それが薄っぺらくなくて、重厚に見えるのは、役者がびしっとはまっているのと、見せ場でないところの演出がしっかりしているからでしょう。金田一を主役にしなかった橋本忍の脚本も見事です。芝居の呼吸を壊さないように、きちんとタメを作っていると思いましたが、どうでしょうか。
私的にホラー
投稿日
2005/03/07
レビュアー
ホントニ!?
いやぁ恐かったなぁこれ。
当時のパンフレットには『総制作費七億円、製作期間二年三ヶ月、日本映画史上刮目の超野心作!』と書かれています。解説に『「八つ墓村」は戦後の横溝作品の中で、その特質である巧妙なトリックの面白さと、耽美ロマンの世界が融和した長編であり、作品のボルテージの極めて高いものと評価されています。』とあります。それと『全国大都市ロードショーはもとより、国際映画祭、見本市への出品及びアメリカ、ヨーロッパをはじめ世界各地での上映等、製作・営業・公開方法を含めて文字通り日本映画の真価を世界に問う画期的な作品』とも書いてあります。キャスト百二十人、エキストラ二千人、松竹の力作だったんですな。
あの頃金田一役は、映画では石坂浩二、ドラマでは古谷一行が定番でしたので、渥美清は違和感あったようですが、長髪でなく、髪をボリボリかきませんが個人的には好きでした。多分作者が当時「渥美清が金田一に一番合っている」と言っていたような記憶もあります。
絶妙のキャスト陣。ショーケンの若さと危うさ、小川真由美の妖艶さ、山崎努の狂気、中野良子の母性、夏八木勲の落武者の笑った顔(恐)、市原悦子のハマリ役不気味な婆さん、加藤嘉のいかにも毒殺される雰囲気、そして渥美清の金田一。そういや田中邦衛も落武者で出てたんだ。風間杜夫が出てますが、この頃無名で小川真由美との絡みのショーケンの影武者なので、さすがにパンフに名前は載ってません(笑)。
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