ある殺し屋の鍵

シリーズ第１作の「ある殺し屋」からさらにニヒルさがパワーアップしたハードボイルドな雷蔵さんが登場。
前回の表向きの稼業は料理屋の主人だったけど、今回は舞踊の師匠。
暗闇の中で一心不乱に舞う雷様のお姿（目つきがまさにジャッカル！）は鬼気迫るものがある。
さらに珍しい水着姿（！）の雷様が拝めるおまけ付き。

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前作「ある殺し屋」が、成田三樹夫さんとの絡みで微妙なコメディー風の雰囲気を出して面白かったので、成田さん同様「眠狂四郎」で存在感を示した中谷一郎、西村晃、「陸軍中野学校　密命」の山形勲さんが出演するとくるからには！と、かなり期待していたのですが、どうも全体に山場が小さくて、ストーリーもおざなりで、観ていて哀しくなりました。
だいたい「ある殺し屋の鍵」の鍵が、仕事で得た金の隠し場所の駅ロッカーの鍵のことなのだとすると、タイトルにまで出しといてこのオチかよ、と云う鍵オチに、腹が立ってさえきます。

とは云え雷蔵ファンのぼくとしては、依頼主の裏切りに合った後、雷蔵さんが、暗い情念が回りの空間に渦巻くように踊る場面が観られただけで、実は満足だったのです。それに、前作でも感じたのですが、やはり雷様、着物の似合い方が違います。

結論：雷蔵ファンの方は、やはりぜひともご覧下さい。

前作でも感じていたのですが、雷蔵さんってサングラスが似合います。
サングラスのデザインも今と変わらずいい。
というよりは、今のデザインって何ざんしょ。

今回のマドンナは佐藤友美さん。この方は和より洋の人ですね。
このころの高級マンションはレジデンスと呼ぶざんす。

前作の反省からか、雷蔵さんの日舞の踊りのシーンが決まってます。
ゴーゴー喫茶？リゾートホテルのプールなど高級感もあり、カメラアングル等も斬新なフィルム・ノワールに仕立て上がってますが、雷蔵さんの現代劇ってどこか小品のイメージが付いて回ります。

ドM男、西村晃さん、相変わらず虐められて真価を発揮してます。

つい、先日、“ある殺し屋”を観て気に入り早速これを観ました。
監督は森一生。
主演市川雷蔵。

相変わらず、クール、仕事(殺し屋)の手際良さに痺れます。
返す返す若くして亡くなったのが残念です。もっと一杯彼の映画を観たかった。

今回は脇役には西村晃(後の国民的テレビドラマ水戸黄門役で名を馳せます)、山形勲、内田朝雄、中谷一郎、佐藤友美等多彩な
メンバーです。

今回は表稼業は日本舞踊の踊りのお師匠さんをしながら、裏稼業は鮮烈な殺し屋という役どころ。

ヨットの上で雷蔵さんが仕事の依頼を受けるシーン等はフランス映画を観てる様。

そして、雷蔵さんはタフ・ネゴシエーターです。
仕事の手付金が１０００万円、仕事が成功したあかつきに５００万円と言われたのを
あと、５００万円上乗せさせてトータル２０００万円にしてしまう。

今回は仕事を依頼した側が雷蔵さんを裏切る事になり、前回の殺し屋より、殺る場面も多く
アクション場面もかなりあり、見応え十分です。
どちらかというと、華奢な雷蔵さんのアクションが見ものです。
ラストシーンだけちょっとあっけないというか、人生とはこんなもんだよと、考えさせらるラストでした。

市川雷蔵が、表では日本舞踊の師匠、裏では一流の殺し屋を演じる。
フランス映画なら、アラン・ドロンが演じてもおかしくないくらい、洗練された映画です。