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駅馬車 / ジョン・ウェイン

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「駅馬車」 の解説・あらすじ・ストーリー

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解説・ストーリー

1880年代の西部を舞台に、様々な人物模様を乗せたまま、アリゾナからニューメキシコへと疾走する一台の駅馬車を描いたジョン・フォードの痛快西部劇。医者、商売女、酒商人、銀行頭取、大佐夫人、賭博師、保安官、御者、それにお尋ね者のリンゴオ・キッドを加えた8人の道行きを、短い場面やセンテンスに凝縮させた脚本の巧みさ。そして、クライマックス、ダイナミックかつスピーディに展開されるアパッチの襲撃シーンの凄さを語るのに、今さら付け加えるべき言葉はない、全映画史に燦然と輝く娯楽映画の金字塔である。どこを切り取っても名場面、それがその証明だ。酔いどれ医師に扮したT・ミッチェルはアカデミー助演男優賞を受けた(オスカーは他に作・編曲部門にも与えられた)。

「駅馬車」 の作品情報

作品情報

製作年:

1939年

製作国:

アメリカ

原題:

STAGECOACH

受賞記録:

1939年 アカデミー賞 助演男優賞
1939年 NY批評家協会賞 監督賞

「駅馬車」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

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1〜 5件 / 全30件

美しい!

投稿日:2006/03/02 レビュアー:よふかし

 本作の美しさについては他のレビュアさんが言うとおり。未見の方はぜひどうぞ。なんだ古臭いなと思っているうちに、引き込まれている自分をきっと発見します。90点。

 以下は余談ですが・・・昔、母が言ったことがありました。
「なんや、なんであんたそんな映画好きになったんや。ひょっとしてあれかな」
 なんでも、私を身ごもっている最中に、リバイバルの『駅馬車』を父と一緒に見に行ったとか。まあそんな、どうでもいい、でも当人にとっては神話的な作品になったわけですね。ほんとか嘘かはどうでもよろしい、ただそれがリメイクであってほしくはないような気がしますけれども。
 そんな神話(苦笑)を背負ったにも関わらず、恥ずかしいことに、映画に関しての育ちは悪うございました。時代的に、ヌーベル・バーグだのニュー・シネマだのATGだの、アンチこそがいい映画やと思うてしまいます。
 結局淀川さんにはかなわんな・・・と思いつつ、『リュミエール』など揃えて通読して、フラーがどうのニコラス・レイがどうのイーストウッドがどうの、映画史的記憶がどうのなど語ってしまった浅はかさよ。恥を知れ! はい、もう十分に。

このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています

西部劇の最高傑作!!未見の方は、ぜひぜひ見てほしい。

投稿日:2005/01/28 レビュアー:オタエドン

これまでにも、幾度も見ていますが、決して古臭さを感じません。
見るたびに、すご〜い、すご〜い!と、感動を受ける作品です。
乗客の顔ぶれも多彩で、それぞれの人生模様も描かれていて、ラストシーンへと、息を付かせぬ展開を見せます。
あまりにも有名な、アパッチ族の襲撃シーン。CGなど一切なかった時代です。そのど迫力、スピード感、危険なまでのアクションシーンの数々。さすがのジョン・フォード監督作。
今も燦然と輝く、名傑作作品でしょう。

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窓はつけて欲しいですね、是非。 ネタバレ

投稿日:2008/01/03 レビュアー:まゆまゆ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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危険な道のりを進む『駅馬車』に乗り遇わせた様々な男女が見せる人間ドラマ。
初めて見ましたが、長さも、「こうなるだろうね」という期待を裏切らないところも、そして迫力の戦闘シーンも、良かったです。
大佐夫人とどうも商売女らしい女性の間に流れる緊迫した空気、イライラと落ち着かない銀行の男、大佐夫人に向けられる賭博師の目。始めはドタバタと感じた大酒飲みドクターや御者のキャラクターもストーリーに沿ってどんどん親しみがわいて来て、とても楽しめました。
駅馬車とアパッチの戦闘シーン、迫力ありました。馬に飛び移るキッド、あれはジョン・ウェイン本人なんでしょうかね?初登場シーンで「あれ、もう少し若いかと思ってた・・・。」と感じたのですが、あの心を見抜かれそうな真っ直ぐな眼差しと、股がみの深いGパンをまとった長い足はまぎれもないスターですね。

個人的には大佐夫人とダラス(娼婦?)に生まれた友情の部分、保安官とキッドの最後の場面などで泣かせて貰えれば最高だったのですが、それでも「名作」と呼ばれることに異存なし、納得の1枚でした。
ご家族とお正月休み(じゃなくてもいいんですけど)にご覧になるのにおすすめです。


☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−春

昨年はありがとうございました。
皆様の言葉に支えて頂きました。
今後とも宜しくお願いします。

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駅馬車の七人。

投稿日:2016/05/15 レビュアー:ぴよさん


しっかり観直したのは○十年ぶりのことか。駅馬車襲撃後のキッドvsプラマーの
対決シーンが記憶に無く、ああ、こんな見せ方だったなら忘れるわなと合点合点。

で、語弊がある言い方かもしれないが、本作は見事な「省略のお手本」だと思う。
物語の説明も舞台の描写も、必要最小限まで削ぎ落とされ、それでいて全体から細部
まで想像出来るように描かれている。その削ぎ落としが、クライマックスの大襲撃で
大きな効果を発揮している。
 見事さの一つは、駅馬車に乗り合うことになった人々のキャラクターを、会話や
周りの態度で分からせるようにしていること。過剰な説明が無いことが各人に「何か
があったこと」を想像させ、下手な説明をするよりも分かるようになっている。
酒場女のダラスや、酔いどれ医師ブーンが、なぜ街から追い出されることになったか、
詳細な説明はされない。最小限のやり取りだけで分かるようになっている。
 賭博師ハットフィールドが若妻マロリーに固執しながら、何かの事情があること
とか(あの驚くべき馬ヅラのせいで、スケベ心にしか見えないのだけどw)

 各々が相手をどう思っているか。狭い駅馬車の中で交わされる短い会話や表情、
目の逸らしようなんかで表される。ほんとに今時の「一から十まで説明しなきゃ」的な
製作者は勉強して欲しい(ってまあ、それは観客の要請に応えてのことだけど)
「リンゴ・キッドて誰?」というような今の観客が観たって、どういう人物か分かる
ようになってる。3発の弾丸の活かし方も面白い。

 そうやって省略を重ね、襲撃を匂わせながら無事に到着できそうな雰囲気を作って
の終盤、不意に急激にリズムを変えての襲撃シーンを「徹底的に」見せる。これが
闘いのリアルを盛り立て、観客の心拍数を跳ね上げることに成功している。
 ネイティブの描き方は残虐非道で無い。むしろさりげなく、カッコよくさえもある
のが意外だ。中盤で現れるネィティブアメリカンの女性のシーンも、やけに美しく、
尺をとって描かれている。フォードが撮影に、失業中のナバホ族を重用したことからも
彼なりの気遣いが感じられる。

 あまり関係無いけど、御者のバック、保安官カーリー、賭博師ハットフィールド、
酔いどれ医師ブーン、心優しい行商人ピーコック、ダラス、リンゴキッド…で七人。
(強欲な銀行家と身重な婦人は省くとして)観ながら、どうしても「七人の侍」を
連想してしまった。この数って、キャラクター分類にちょうどいいんだろうな。
ジョン・キャラダインが宮口精二かな。寡黙な達人は、死ぬ運命にあるのね。

 

(ykk1976さんの映画会・第68回)


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名人の名作登場

投稿日:2016/05/15 レビュアー:ロキュータス

( ネタばれあり)

この映画会では、知られざる作品やカルトっぽい作品が選ばれることが多く、メジャーでクラシックな有名作品はむしろめずらしい。
ジョン・フォードはアメリカ映画の正統派で、本作はこれまた西部劇の本格派、まさに真打登場というところです。
ですが、本作は結果として歴史的な作品になりましたが、制作がかならずしも順風満帆だったわけでもありません。

キャリアの初期、サイレントの時代には数多く作り、のちに自己紹介では「 西部劇を作ってる者です 」と言って、自負していたジョン・フォードですが、本作はトーキーになってから初の西部劇。 もう10年近く撮っていませんでした。

西部劇は1930年代には一部の成功作はあるものの、すでに時代おくれのジャンルになっていて、なじみのないヨーロッパや日本には売りにくく、中西部の田舎者が観るような大衆娯楽として、評価が低くなっていたようです。
本作の原作小説も、映画化権を自ら買ったフォード自身がモーパッサンの「脂肪のかたまり」のパクリと考えていた通俗的なもので、企画は大手映画会社にはどこにも通らず、セルズニックがゲーリー・クーパー、マレーネ・デートリッヒ主演ならと興味を持ったが、結局独立プロ制作の低予算でつくられることになりました。

主演のジョン・ウェインはまだ大スターではなく、この作品でブレイクしますが、かといって期待の新星というわけでもありませんでした。
1930年の初主演作が大コケで、その後も低予算のB級西部劇で主演はしていたものの、本作が実に80本目の出演作。  むしろ二線級という評価が定着していました。 
 
ジョン・フォードとはまだジョン・ウェインという芸名になる前、まだ俳優になろう、映画界で食べていこうと思ってすらなく、下っ端のスタッフの頃からの知り合い。
アルバイトの大学生のウェインが、けがのためリタイアしたアメリカン・フットボールの選手だと知ったフォードに言われて、構えて手を着いたところ、いきなり足で払われて倒されてしまった。
ウェインは「もう一度」といって、近寄るフォードを後足で蹴ってやり返し、ひっくり返させる。 フォードはその気骨がむしろ気に入って、以来同じくアイルランド系のこの若者と仕事を越えた友人となっていました。 

ただ、かといって自分の作品には使ってくれなかったので、フォードから企画を聞かされ、主演には誰がいいと思うかと訊かれても別の俳優の名前を答えたくらいで、「いいや。 君で撮ろうと思う。 」と言われた時には驚いたようです。

プロデューサーをはじめ関係者はみな二線級のスター・ウェインの起用に反対。
キャストの序列もトップではないし、ギャラも主要キャストでは下から数えたほうが早い。
それを押し切ったフォードは、監督のひいきで抜擢されたと言われないよう、撮影中ウェインにはむしろ厳しく当たったので、共演者、スタッフの同情を集めたのがよかったようです。
リンゴ・キッドの登場シーンのズーム・アップは印象的で、ジョン・ウェインをスターにするための、フォードの親心を感じさせます。

またフォード西部劇では、女性はみな気丈で凛としており、惨殺された女性の亡がらに服を掛けてやるところも含め、ジョン・キャラダイン演じるギャンブラーも、リンゴ・キッドも女性には優しく、ダンデティズムが通底しています。

モニュメント・バレーをロケ地にした最初の作品。
馬に飛び乗るが撃たれ、走る馬と馬車の間をすり抜けるという、ヤキマ・カヌートの伝説のスタント。 ロデオ出身のこの人、のちにジョン・ウェインのスタントとして影武者となり、『 ベン・ハー 』のアクション監督を務め、あの戦車レースのシーンの指揮をとることとなります。

本作の大成功により、西部劇は復権。 その黄金時代の幕を開けることとなりました。

( ykk1976さんの映画会 第68回のレビュー )

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駅馬車

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美しい!

投稿日

2006/03/02

レビュアー

よふかし

 本作の美しさについては他のレビュアさんが言うとおり。未見の方はぜひどうぞ。なんだ古臭いなと思っているうちに、引き込まれている自分をきっと発見します。90点。

 以下は余談ですが・・・昔、母が言ったことがありました。
「なんや、なんであんたそんな映画好きになったんや。ひょっとしてあれかな」
 なんでも、私を身ごもっている最中に、リバイバルの『駅馬車』を父と一緒に見に行ったとか。まあそんな、どうでもいい、でも当人にとっては神話的な作品になったわけですね。ほんとか嘘かはどうでもよろしい、ただそれがリメイクであってほしくはないような気がしますけれども。
 そんな神話(苦笑)を背負ったにも関わらず、恥ずかしいことに、映画に関しての育ちは悪うございました。時代的に、ヌーベル・バーグだのニュー・シネマだのATGだの、アンチこそがいい映画やと思うてしまいます。
 結局淀川さんにはかなわんな・・・と思いつつ、『リュミエール』など揃えて通読して、フラーがどうのニコラス・レイがどうのイーストウッドがどうの、映画史的記憶がどうのなど語ってしまった浅はかさよ。恥を知れ! はい、もう十分に。

西部劇の最高傑作!!未見の方は、ぜひぜひ見てほしい。

投稿日

2005/01/28

レビュアー

オタエドン

これまでにも、幾度も見ていますが、決して古臭さを感じません。
見るたびに、すご〜い、すご〜い!と、感動を受ける作品です。
乗客の顔ぶれも多彩で、それぞれの人生模様も描かれていて、ラストシーンへと、息を付かせぬ展開を見せます。
あまりにも有名な、アパッチ族の襲撃シーン。CGなど一切なかった時代です。そのど迫力、スピード感、危険なまでのアクションシーンの数々。さすがのジョン・フォード監督作。
今も燦然と輝く、名傑作作品でしょう。

窓はつけて欲しいですね、是非。

投稿日

2008/01/03

レビュアー

まゆまゆ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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危険な道のりを進む『駅馬車』に乗り遇わせた様々な男女が見せる人間ドラマ。
初めて見ましたが、長さも、「こうなるだろうね」という期待を裏切らないところも、そして迫力の戦闘シーンも、良かったです。
大佐夫人とどうも商売女らしい女性の間に流れる緊迫した空気、イライラと落ち着かない銀行の男、大佐夫人に向けられる賭博師の目。始めはドタバタと感じた大酒飲みドクターや御者のキャラクターもストーリーに沿ってどんどん親しみがわいて来て、とても楽しめました。
駅馬車とアパッチの戦闘シーン、迫力ありました。馬に飛び移るキッド、あれはジョン・ウェイン本人なんでしょうかね?初登場シーンで「あれ、もう少し若いかと思ってた・・・。」と感じたのですが、あの心を見抜かれそうな真っ直ぐな眼差しと、股がみの深いGパンをまとった長い足はまぎれもないスターですね。

個人的には大佐夫人とダラス(娼婦?)に生まれた友情の部分、保安官とキッドの最後の場面などで泣かせて貰えれば最高だったのですが、それでも「名作」と呼ばれることに異存なし、納得の1枚でした。
ご家族とお正月休み(じゃなくてもいいんですけど)にご覧になるのにおすすめです。


☆−−−−−−−−−−−−−−−−−−春

昨年はありがとうございました。
皆様の言葉に支えて頂きました。
今後とも宜しくお願いします。

駅馬車の七人。

投稿日

2016/05/15

レビュアー

ぴよさん


しっかり観直したのは○十年ぶりのことか。駅馬車襲撃後のキッドvsプラマーの
対決シーンが記憶に無く、ああ、こんな見せ方だったなら忘れるわなと合点合点。

で、語弊がある言い方かもしれないが、本作は見事な「省略のお手本」だと思う。
物語の説明も舞台の描写も、必要最小限まで削ぎ落とされ、それでいて全体から細部
まで想像出来るように描かれている。その削ぎ落としが、クライマックスの大襲撃で
大きな効果を発揮している。
 見事さの一つは、駅馬車に乗り合うことになった人々のキャラクターを、会話や
周りの態度で分からせるようにしていること。過剰な説明が無いことが各人に「何か
があったこと」を想像させ、下手な説明をするよりも分かるようになっている。
酒場女のダラスや、酔いどれ医師ブーンが、なぜ街から追い出されることになったか、
詳細な説明はされない。最小限のやり取りだけで分かるようになっている。
 賭博師ハットフィールドが若妻マロリーに固執しながら、何かの事情があること
とか(あの驚くべき馬ヅラのせいで、スケベ心にしか見えないのだけどw)

 各々が相手をどう思っているか。狭い駅馬車の中で交わされる短い会話や表情、
目の逸らしようなんかで表される。ほんとに今時の「一から十まで説明しなきゃ」的な
製作者は勉強して欲しい(ってまあ、それは観客の要請に応えてのことだけど)
「リンゴ・キッドて誰?」というような今の観客が観たって、どういう人物か分かる
ようになってる。3発の弾丸の活かし方も面白い。

 そうやって省略を重ね、襲撃を匂わせながら無事に到着できそうな雰囲気を作って
の終盤、不意に急激にリズムを変えての襲撃シーンを「徹底的に」見せる。これが
闘いのリアルを盛り立て、観客の心拍数を跳ね上げることに成功している。
 ネイティブの描き方は残虐非道で無い。むしろさりげなく、カッコよくさえもある
のが意外だ。中盤で現れるネィティブアメリカンの女性のシーンも、やけに美しく、
尺をとって描かれている。フォードが撮影に、失業中のナバホ族を重用したことからも
彼なりの気遣いが感じられる。

 あまり関係無いけど、御者のバック、保安官カーリー、賭博師ハットフィールド、
酔いどれ医師ブーン、心優しい行商人ピーコック、ダラス、リンゴキッド…で七人。
(強欲な銀行家と身重な婦人は省くとして)観ながら、どうしても「七人の侍」を
連想してしまった。この数って、キャラクター分類にちょうどいいんだろうな。
ジョン・キャラダインが宮口精二かな。寡黙な達人は、死ぬ運命にあるのね。

 

(ykk1976さんの映画会・第68回)


名人の名作登場

投稿日

2016/05/15

レビュアー

ロキュータス

( ネタばれあり)

この映画会では、知られざる作品やカルトっぽい作品が選ばれることが多く、メジャーでクラシックな有名作品はむしろめずらしい。
ジョン・フォードはアメリカ映画の正統派で、本作はこれまた西部劇の本格派、まさに真打登場というところです。
ですが、本作は結果として歴史的な作品になりましたが、制作がかならずしも順風満帆だったわけでもありません。

キャリアの初期、サイレントの時代には数多く作り、のちに自己紹介では「 西部劇を作ってる者です 」と言って、自負していたジョン・フォードですが、本作はトーキーになってから初の西部劇。 もう10年近く撮っていませんでした。

西部劇は1930年代には一部の成功作はあるものの、すでに時代おくれのジャンルになっていて、なじみのないヨーロッパや日本には売りにくく、中西部の田舎者が観るような大衆娯楽として、評価が低くなっていたようです。
本作の原作小説も、映画化権を自ら買ったフォード自身がモーパッサンの「脂肪のかたまり」のパクリと考えていた通俗的なもので、企画は大手映画会社にはどこにも通らず、セルズニックがゲーリー・クーパー、マレーネ・デートリッヒ主演ならと興味を持ったが、結局独立プロ制作の低予算でつくられることになりました。

主演のジョン・ウェインはまだ大スターではなく、この作品でブレイクしますが、かといって期待の新星というわけでもありませんでした。
1930年の初主演作が大コケで、その後も低予算のB級西部劇で主演はしていたものの、本作が実に80本目の出演作。  むしろ二線級という評価が定着していました。 
 
ジョン・フォードとはまだジョン・ウェインという芸名になる前、まだ俳優になろう、映画界で食べていこうと思ってすらなく、下っ端のスタッフの頃からの知り合い。
アルバイトの大学生のウェインが、けがのためリタイアしたアメリカン・フットボールの選手だと知ったフォードに言われて、構えて手を着いたところ、いきなり足で払われて倒されてしまった。
ウェインは「もう一度」といって、近寄るフォードを後足で蹴ってやり返し、ひっくり返させる。 フォードはその気骨がむしろ気に入って、以来同じくアイルランド系のこの若者と仕事を越えた友人となっていました。 

ただ、かといって自分の作品には使ってくれなかったので、フォードから企画を聞かされ、主演には誰がいいと思うかと訊かれても別の俳優の名前を答えたくらいで、「いいや。 君で撮ろうと思う。 」と言われた時には驚いたようです。

プロデューサーをはじめ関係者はみな二線級のスター・ウェインの起用に反対。
キャストの序列もトップではないし、ギャラも主要キャストでは下から数えたほうが早い。
それを押し切ったフォードは、監督のひいきで抜擢されたと言われないよう、撮影中ウェインにはむしろ厳しく当たったので、共演者、スタッフの同情を集めたのがよかったようです。
リンゴ・キッドの登場シーンのズーム・アップは印象的で、ジョン・ウェインをスターにするための、フォードの親心を感じさせます。

またフォード西部劇では、女性はみな気丈で凛としており、惨殺された女性の亡がらに服を掛けてやるところも含め、ジョン・キャラダイン演じるギャンブラーも、リンゴ・キッドも女性には優しく、ダンデティズムが通底しています。

モニュメント・バレーをロケ地にした最初の作品。
馬に飛び乗るが撃たれ、走る馬と馬車の間をすり抜けるという、ヤキマ・カヌートの伝説のスタント。 ロデオ出身のこの人、のちにジョン・ウェインのスタントとして影武者となり、『 ベン・ハー 』のアクション監督を務め、あの戦車レースのシーンの指揮をとることとなります。

本作の大成功により、西部劇は復権。 その黄金時代の幕を開けることとなりました。

( ykk1976さんの映画会 第68回のレビュー )

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