冬のライオン / ピーター・オトゥール
冬のライオン
/アンソニー・ハーヴェイ
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(16)
解説・ストーリー
1183年のクリスマス・イブの夜。イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集した。そしてその中には、王の居城から離れて軟禁されていた王妃エリノアの姿もあった。二人はそれぞれの思惑をかかえ、別々の後継候補の後押しをする……。王位継承をめぐる争いを描いた歴史ドラマ。
1183年のクリスマス・イブの夜。イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集した。そしてその中には、王の居城から離れて軟禁されていた王妃エリノアの姿もあった。二人はそれぞれの思惑をかかえ、別々の後継候補の後押しをする……。王位継承をめぐる争いを描いた歴史ドラマ。
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「冬のライオン」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
1183年のクリスマス・イブの夜。イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集した。そしてその中には、王の居城から離れて軟禁されていた王妃エリノアの姿もあった。二人はそれぞれの思惑をかかえ、別々の後継候補の後押しをする……。王位継承をめぐる争いを描いた歴史ドラマ。
「冬のライオン」 の作品情報
「冬のライオン」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
冬のライオンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
135分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCDR4051 |
2005年07月27日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
9枚
|
0人
|
0人
|
冬のライオンの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
135分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/英語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCDR4051 |
2005年07月27日
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在庫枚数 |
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ユーザーレビュー:16件
「王を愛した事おあり?」 「Ever? Back before the Flood.」
キャサリン・ヘップバーン全作踏破中。この映画は彼女の三回目のアカデミー主演女優賞作品だそうだ。【キャサリン・ヘップバーンは生涯四回アカデミー主演女優賞を獲っており、今現在タイトルホルダーである】
まず、この映画を観ながら気がつくのは音楽と字幕の良さだ。
音楽は今現在アカデミー賞五回受賞のジョン・バリー。この映画は三つ目のオスカー。
字幕はどなたが担当したか分からないが、この映画の時代背景をまったく知らない私でもよく分かる、よく出来た字幕だ。(エレノアが鏡の前で「私は塩に変わりたくない」と言うところを『ソドムの”塩の柱”にはなりたくない』と訳してくれている。親切だ)
主役はアカデミー賞ノミネート八回のピーター・オトゥール。キャサリンと演技の横綱勝負は確かに見ものである。しかも二人の年齢差は25歳もあるのに、ちゃんと夫婦に見える。長男のアンソニー・ホプキンスとはたった五歳しか違わないのに、確かに父親に見える。明らかに役者が違う。
この映画は策謀や強欲や執念を描いた複雑な人間ドラマだが、一貫して「愛の不在」が屈折した形で表現される。
エレノア「私を愛した事がおあり?」
ヘンリーII「Never!」
フィリップ「彼は私を愛していた」
リチャード「Never!」
アレース「王を愛した事おあり?」
エレノア「Ever? Back before the Flood.」
エレノア「愛していたわ」
ヘンリーII「Never!」
…そして、二人は抱き合う。感動のシーンだ。
私はヘンリーII世に年齢が近いので、年老いたエレノアを捨て、若く美しいアレースを妻にしようという気持ちは同情を禁じえない。しかも、「エレノアと作ったより一人多く息子を6人産んでくれ」と言うのである。「スピーシーズ2(1998)」ではエイリアンが自分のDNAを残そうとしてやたらと相手を替えてセックスしまくるが、愛の本質とはそういう事なのではないか、とこの映画を観て再び思う。
キャサリン・ヘップバーンの演技は素晴らしい。
暖炉の前でヘンリーII世となんていうことの無い話をしているのに、幽閉されている10年の話題になったとき、突然両方の目から同時に涙をこぼすのである。あの感情の切り替えは凄い。そのあと鏡の前でする一人芝居は圧巻だ。
この複雑な人間像を演じるのに、この配役以外には考えられなかっただろう。
この脚本を書いたジェームス・ゴールドマン(本作でアカデミー賞受賞)という人は、まだ40歳だった。もう故人だが、他には「ロビンとマリアン(1976)」ぐらいしか作品が見つからない。どんな人だったのか、知りたいものだ。
重厚な演劇を渇望している方、分かりやすくて素晴らしい作品としてお薦めする。
このレビューは気に入りましたか?
8人の会員が気に入ったと投稿しています
老いた王の孤独と威厳を演じた名演 追悼・ピーター・オトゥール
( ネタばれあり)
本作は時代で言うと、日本では平清盛が亡くなっての源平の合戦の頃。
イギリス王家の話で、ヘンリー2世と妃と息子の王子たち、そしてフランス王も絡んだ王位継承をめぐる愛憎の宮廷劇。 重厚なドラマです。
王子の1人、のちのリチャード1世( 十字軍に参加し、獅子心王と呼ばれる)を演じるのは、映画出演2作目の本作で知られるようになったアンソニー・ホプキンス。
弟の王子ジョンものちに王となりますが、失地王のあだ名で呼ばれ、かのマグナ・カルタを家臣たちから認めさせられた人物。
フランス王フィリップ2世を演じるのは、本作が映画デビューとなったティモシー・ダルトン。
もともとは舞台劇で、原作の戯曲と本作の脚本( アカデミー脚色賞・受賞 )を書いたのは、ジェームズ・ゴールドマン。
他に『 ニコライとアレクサンドラ 』『 ロビンとマリアン 』『 ホワイト・ナイツ 』を書いていますが、弟も脚本家で『 明日に向かって撃て ! 』『 マラソンマン 』『マジック 』『 遠すぎた橋 』『 キャリー 』などを書いたウィリアム・ゴールドマン。
日本でも山崎努がリチャード2世、岸田今日子が王妃エレノアを演じて舞台化されてますが、ぼくはその舞台見てます。
アメリカでは2003年テレビドラマ化されていて、リチャード2世がパトリック・スチュアート、王妃エレノアがグレン・クロースでDISCASにも在庫あります。
さて、アカデミー賞に関連して言うと、本作はアカデミー賞主演女優賞最多( 4回 )受賞者と、アカデミー賞主演男優賞を受賞できなかった中で最多ノミネート( 8回 )と残念なほうの記録保持者の共演で映画史に残っている。
その栄光に祝福された女優はキャサリン・ヘップバーン。
34年ぶりに受賞した『 招かれざる客 』に続いて、本作で2年連続受賞。
そして残念な記録保持者の男優はピーター・オトゥール。
言うまでもなく『 アラビアのロレンス 』で一躍世界中に知られ、今も同作品は映画史に燦然と輝く。
うわさでは奇人、変人とされた。 たとえば伊丹十三によれば『 アラビアのロレンス 』では以前から快く思っていなかったアンソニー・クインをぶん殴ったらしい。
本作でも、アンソニー・ホプキンス( 彼はウェールズ人 )とやりあって怒らせたというし、
『 アラビアのロレンス 』のワールド・プレミアでは、「これでこの仕事から解放されると思うとせいせいしている 」と言ったとか言わないとか。
『 アラビアのロレンス 』では一躍脚光を浴びたが、取材マスコミが共演のエジプト人のオマー・シャリフに関心を示さず無視するのに腹を立て、彼と一緒でなければインタビューに応じないと言ったらしい。 (おかげでオマー・シャリフも取材されるようになり、スターになった )
『 ロード・ジム 』で共演し友人となった伊丹十三は書く。 ( 「女たちよ! 」より )
「 ピーター・オトゥールは、彼がアイルランド人ということを抜きにしては決して理解できない」
「 アイルランドとイングランドとの関係は朝鮮とわが国の関係に似たところがある。
アイルランドは被圧迫民族である。 」
香港でイギリス人をさんざんこきおろしたことや、呑んべえ、議論のための議論( つまり絡むの )が好きというオトゥールのキャラクターの背景として伊丹十三は見ている。
もちろん、それらはアイルランド人やコリアン全般にあてはまることはないのだから、ステレオタイプな見方ではあるけれども、ハリウッドやイギリスの映画・演劇界の周囲となじめず、同業者からあつかいづらいと噂された点を個人のキャラクターだけで説明しきれないようにも思います。
屈折した孤高の名優でした。
さて「主演男優賞に8回ノミネートされて、オスカーの受賞なし」を見ていくと、
1962年『 アラビアのロレンス 』 受賞したのは『 アラバマ物語 』のグレゴリー・ペック
1964年『 ベケット 』 受賞したのは『 マイ・フェア・レディ 』のレックス・ハリスン
1968年『 冬のライオン 』 受賞したのは『 まごころを君に 』のクリフ・ロバートソン
1969年『 チップス先生さようなら 』受賞したのは『 勇気ある追跡 』のジョン・ウェイン
1972年『 The Roling Class 』 受賞( 但し辞退 )したのは『 ゴッド・ファーザー 』のマーロン・ブランド
1980年『スタントマン 』受賞したのは『 レイジング・ブル 』のロバート・デ・ニーロ
1982年『 My Favorite Year 』 受賞したのは『 ガンジー 』のベン・キングスレー
そして2006年『 ヴィーナス 』受賞したのは『 ラストキング・オブ・スコットランド 』のフォレスト・ウィテカー。
( つづく )
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
堂々たる歴史劇
この面白さは何だろう。
「家族の愛憎物語」などとひとくくりに語れない重厚感。
スペクタクルも流血も無いにも関わらず、血湧き肉躍るサスペンス。
見え隠れし、変化する欲望に惹き込まれ、その心理戦から目が離せない。
本心は何処にあるのか、事態は何処へ向かって動いて行くのか。
「舞台」と「役者」が揃うとこんなに素晴らしいものが出来上がるのだと、目から鱗の思いがした。
老いた王、遠ざけられた后、三人の息子、王の愛人とその弟という布陣に、後継問題・国家間のパワー・バランスが絡んで、舞台装置は完璧。
それに加えて后の先夫、長男など亡き人々も台詞の中で静かに蠢き、ワクワクするような展開を見せる。
(この時代に無知な者に、無理なく状況を理解させる演出も素晴らしかった。)
これが下手な役者にかかれば目も当てられないが、ピーター・オトゥール(ヘンリー)とキャサリン・ヘプバーン(エレノア)のがっぷりよつの横綱相撲。
殊にヘプバーンの「歪んだ鏡に映る独り芝居」は圧巻で、貫禄では彼女が勝っていたように見受けられた。
加えてアンソニー・ホプキンス(リチャード)にティモシー・ダルトン(フィリップ)。
(ふたりともこれが映画デビュー作。監督の慧眼には恐れ入る。)
男色関係暴露のくだりでは、端正な顔が皮肉に歪むダルトンと、ふてぶてしい表情がたちまち崩れるホプキンスの対比が強烈だった。
欲望(女と領土)のままに10歳も上の人妻を奪い、元夫を滅ぼし、今度は息子達を排斥し、后と別れ、若い愛人に跡継ぎを産ませようとする王。
抵抗し、寝首をかこうとする后と息子達。
この不道徳で荒々しい遠い昔の物語が、とんでもなく生々しく面白く、堪能した。
子供の頃(TV)の記憶では暗く陰鬱なモノクロだったが、鮮やかな色彩に充ち満ちているのに驚く。
エレノアの真っ赤なドレスは、目に焼き付いて離れない。
シノン城に招かれる船上の誇り高い姿、幽閉先に戻る大らかな表情。
キャサリン・ヘプバーンの存在感は文句のつけようが無い。
なまなかなコスチューム・プレイなぞ蹴散らしてしまう、堂々たる歴史劇。
若い人達にも是非観て頂きたい。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
重厚なクラシック
投稿日:2007/08/11
レビュアー:タラちゃん
娯楽を楽しむには向かない作品かも知れません。
重厚なクラシックな演技を楽しみには、お勧めです。
芸術作品を見た!という感じを充分味わえます。
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
葛藤
投稿日:2015/01/18
レビュアー:趣味は洋画
11世紀のイギリス国王ヘンリー2世と、周囲の人間たちの王位継承権をめぐる葛藤を描いた壮大な一大歴史叙情詩です。
ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)は、後継者をめぐる王妃エレノア(キャサリン・ヘプバーン)と3人の息子との確執の狭間にあって苦悩、それに加え、フランス国王フィリップ(ティモシー・ダルトン)とその愛人による陰謀と策略もあって、複雑な家族関係の中で、血で血を洗う傷つけあいが始まる...典型的な舞台劇(台詞劇とでもいうべきか...)の映画化です。
エレノアを演じたK・ヘプバーンはアカデミー主演女優賞に輝いたのですが、「ファニー・ガール」のバーブラ・ストライサンドと同時受賞という極めて稀な結果でした。当時のアカデミー会員票が3030票もあり、それが偶然にも同数で分け合ったのはまさに奇跡でした。 しかもヘプバーンは前年の「招かれざる客」に続く連続主演女優賞受賞です。 ほかにも33年「勝利の朝」、81年「黄昏」で同じく主演女優賞受賞、つまり4度の主演女優賞受賞の記録は未だに破られていません。 (ファンならずとも知られていることなので、あえて記す必要もないのですが...)
そして特筆すべきは、本作出演時の実年齢です。P・オトゥール36歳、K・ヘプバーン61歳ですが、この2人が夫婦役であり、その長男リチャードに扮したアンソニー・ホプキンスが31歳で、父親役のオトゥールとは僅か5歳の差です。これにはビックリなのですが、映画の中でまったく違和感は感じられませんでした。
ヘプバーンの貫禄とオトゥールのキャリアがなせる技なのでしょう。そしてホプキンスは映画出演2作目という遅咲きのためか、当時はまだ迫力の点でオトゥールとは年齢差以上の開きが感じられました。
いずれにしても、人間の権力欲、心の葛藤を描いて秀逸な名画です。
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ユーザーレビュー
「王を愛した事おあり?」 「Ever? Back before the Flood.」
投稿日
2009/02/25
レビュアー
bokensdorf
キャサリン・ヘップバーン全作踏破中。この映画は彼女の三回目のアカデミー主演女優賞作品だそうだ。【キャサリン・ヘップバーンは生涯四回アカデミー主演女優賞を獲っており、今現在タイトルホルダーである】
まず、この映画を観ながら気がつくのは音楽と字幕の良さだ。
音楽は今現在アカデミー賞五回受賞のジョン・バリー。この映画は三つ目のオスカー。
字幕はどなたが担当したか分からないが、この映画の時代背景をまったく知らない私でもよく分かる、よく出来た字幕だ。(エレノアが鏡の前で「私は塩に変わりたくない」と言うところを『ソドムの”塩の柱”にはなりたくない』と訳してくれている。親切だ)
主役はアカデミー賞ノミネート八回のピーター・オトゥール。キャサリンと演技の横綱勝負は確かに見ものである。しかも二人の年齢差は25歳もあるのに、ちゃんと夫婦に見える。長男のアンソニー・ホプキンスとはたった五歳しか違わないのに、確かに父親に見える。明らかに役者が違う。
この映画は策謀や強欲や執念を描いた複雑な人間ドラマだが、一貫して「愛の不在」が屈折した形で表現される。
エレノア「私を愛した事がおあり?」
ヘンリーII「Never!」
フィリップ「彼は私を愛していた」
リチャード「Never!」
アレース「王を愛した事おあり?」
エレノア「Ever? Back before the Flood.」
エレノア「愛していたわ」
ヘンリーII「Never!」
…そして、二人は抱き合う。感動のシーンだ。
私はヘンリーII世に年齢が近いので、年老いたエレノアを捨て、若く美しいアレースを妻にしようという気持ちは同情を禁じえない。しかも、「エレノアと作ったより一人多く息子を6人産んでくれ」と言うのである。「スピーシーズ2(1998)」ではエイリアンが自分のDNAを残そうとしてやたらと相手を替えてセックスしまくるが、愛の本質とはそういう事なのではないか、とこの映画を観て再び思う。
キャサリン・ヘップバーンの演技は素晴らしい。
暖炉の前でヘンリーII世となんていうことの無い話をしているのに、幽閉されている10年の話題になったとき、突然両方の目から同時に涙をこぼすのである。あの感情の切り替えは凄い。そのあと鏡の前でする一人芝居は圧巻だ。
この複雑な人間像を演じるのに、この配役以外には考えられなかっただろう。
この脚本を書いたジェームス・ゴールドマン(本作でアカデミー賞受賞)という人は、まだ40歳だった。もう故人だが、他には「ロビンとマリアン(1976)」ぐらいしか作品が見つからない。どんな人だったのか、知りたいものだ。
重厚な演劇を渇望している方、分かりやすくて素晴らしい作品としてお薦めする。
老いた王の孤独と威厳を演じた名演 追悼・ピーター・オトゥール
投稿日
2013/12/16
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり)
本作は時代で言うと、日本では平清盛が亡くなっての源平の合戦の頃。
イギリス王家の話で、ヘンリー2世と妃と息子の王子たち、そしてフランス王も絡んだ王位継承をめぐる愛憎の宮廷劇。 重厚なドラマです。
王子の1人、のちのリチャード1世( 十字軍に参加し、獅子心王と呼ばれる)を演じるのは、映画出演2作目の本作で知られるようになったアンソニー・ホプキンス。
弟の王子ジョンものちに王となりますが、失地王のあだ名で呼ばれ、かのマグナ・カルタを家臣たちから認めさせられた人物。
フランス王フィリップ2世を演じるのは、本作が映画デビューとなったティモシー・ダルトン。
もともとは舞台劇で、原作の戯曲と本作の脚本( アカデミー脚色賞・受賞 )を書いたのは、ジェームズ・ゴールドマン。
他に『 ニコライとアレクサンドラ 』『 ロビンとマリアン 』『 ホワイト・ナイツ 』を書いていますが、弟も脚本家で『 明日に向かって撃て ! 』『 マラソンマン 』『マジック 』『 遠すぎた橋 』『 キャリー 』などを書いたウィリアム・ゴールドマン。
日本でも山崎努がリチャード2世、岸田今日子が王妃エレノアを演じて舞台化されてますが、ぼくはその舞台見てます。
アメリカでは2003年テレビドラマ化されていて、リチャード2世がパトリック・スチュアート、王妃エレノアがグレン・クロースでDISCASにも在庫あります。
さて、アカデミー賞に関連して言うと、本作はアカデミー賞主演女優賞最多( 4回 )受賞者と、アカデミー賞主演男優賞を受賞できなかった中で最多ノミネート( 8回 )と残念なほうの記録保持者の共演で映画史に残っている。
その栄光に祝福された女優はキャサリン・ヘップバーン。
34年ぶりに受賞した『 招かれざる客 』に続いて、本作で2年連続受賞。
そして残念な記録保持者の男優はピーター・オトゥール。
言うまでもなく『 アラビアのロレンス 』で一躍世界中に知られ、今も同作品は映画史に燦然と輝く。
うわさでは奇人、変人とされた。 たとえば伊丹十三によれば『 アラビアのロレンス 』では以前から快く思っていなかったアンソニー・クインをぶん殴ったらしい。
本作でも、アンソニー・ホプキンス( 彼はウェールズ人 )とやりあって怒らせたというし、
『 アラビアのロレンス 』のワールド・プレミアでは、「これでこの仕事から解放されると思うとせいせいしている 」と言ったとか言わないとか。
『 アラビアのロレンス 』では一躍脚光を浴びたが、取材マスコミが共演のエジプト人のオマー・シャリフに関心を示さず無視するのに腹を立て、彼と一緒でなければインタビューに応じないと言ったらしい。 (おかげでオマー・シャリフも取材されるようになり、スターになった )
『 ロード・ジム 』で共演し友人となった伊丹十三は書く。 ( 「女たちよ! 」より )
「 ピーター・オトゥールは、彼がアイルランド人ということを抜きにしては決して理解できない」
「 アイルランドとイングランドとの関係は朝鮮とわが国の関係に似たところがある。
アイルランドは被圧迫民族である。 」
香港でイギリス人をさんざんこきおろしたことや、呑んべえ、議論のための議論( つまり絡むの )が好きというオトゥールのキャラクターの背景として伊丹十三は見ている。
もちろん、それらはアイルランド人やコリアン全般にあてはまることはないのだから、ステレオタイプな見方ではあるけれども、ハリウッドやイギリスの映画・演劇界の周囲となじめず、同業者からあつかいづらいと噂された点を個人のキャラクターだけで説明しきれないようにも思います。
屈折した孤高の名優でした。
さて「主演男優賞に8回ノミネートされて、オスカーの受賞なし」を見ていくと、
1962年『 アラビアのロレンス 』 受賞したのは『 アラバマ物語 』のグレゴリー・ペック
1964年『 ベケット 』 受賞したのは『 マイ・フェア・レディ 』のレックス・ハリスン
1968年『 冬のライオン 』 受賞したのは『 まごころを君に 』のクリフ・ロバートソン
1969年『 チップス先生さようなら 』受賞したのは『 勇気ある追跡 』のジョン・ウェイン
1972年『 The Roling Class 』 受賞( 但し辞退 )したのは『 ゴッド・ファーザー 』のマーロン・ブランド
1980年『スタントマン 』受賞したのは『 レイジング・ブル 』のロバート・デ・ニーロ
1982年『 My Favorite Year 』 受賞したのは『 ガンジー 』のベン・キングスレー
そして2006年『 ヴィーナス 』受賞したのは『 ラストキング・オブ・スコットランド 』のフォレスト・ウィテカー。
( つづく )
堂々たる歴史劇
投稿日
2014/01/12
レビュアー
まりこ
この面白さは何だろう。
「家族の愛憎物語」などとひとくくりに語れない重厚感。
スペクタクルも流血も無いにも関わらず、血湧き肉躍るサスペンス。
見え隠れし、変化する欲望に惹き込まれ、その心理戦から目が離せない。
本心は何処にあるのか、事態は何処へ向かって動いて行くのか。
「舞台」と「役者」が揃うとこんなに素晴らしいものが出来上がるのだと、目から鱗の思いがした。
老いた王、遠ざけられた后、三人の息子、王の愛人とその弟という布陣に、後継問題・国家間のパワー・バランスが絡んで、舞台装置は完璧。
それに加えて后の先夫、長男など亡き人々も台詞の中で静かに蠢き、ワクワクするような展開を見せる。
(この時代に無知な者に、無理なく状況を理解させる演出も素晴らしかった。)
これが下手な役者にかかれば目も当てられないが、ピーター・オトゥール(ヘンリー)とキャサリン・ヘプバーン(エレノア)のがっぷりよつの横綱相撲。
殊にヘプバーンの「歪んだ鏡に映る独り芝居」は圧巻で、貫禄では彼女が勝っていたように見受けられた。
加えてアンソニー・ホプキンス(リチャード)にティモシー・ダルトン(フィリップ)。
(ふたりともこれが映画デビュー作。監督の慧眼には恐れ入る。)
男色関係暴露のくだりでは、端正な顔が皮肉に歪むダルトンと、ふてぶてしい表情がたちまち崩れるホプキンスの対比が強烈だった。
欲望(女と領土)のままに10歳も上の人妻を奪い、元夫を滅ぼし、今度は息子達を排斥し、后と別れ、若い愛人に跡継ぎを産ませようとする王。
抵抗し、寝首をかこうとする后と息子達。
この不道徳で荒々しい遠い昔の物語が、とんでもなく生々しく面白く、堪能した。
子供の頃(TV)の記憶では暗く陰鬱なモノクロだったが、鮮やかな色彩に充ち満ちているのに驚く。
エレノアの真っ赤なドレスは、目に焼き付いて離れない。
シノン城に招かれる船上の誇り高い姿、幽閉先に戻る大らかな表情。
キャサリン・ヘプバーンの存在感は文句のつけようが無い。
なまなかなコスチューム・プレイなぞ蹴散らしてしまう、堂々たる歴史劇。
若い人達にも是非観て頂きたい。
重厚なクラシック
投稿日
2007/08/11
レビュアー
タラちゃん
娯楽を楽しむには向かない作品かも知れません。
重厚なクラシックな演技を楽しみには、お勧めです。
芸術作品を見た!という感じを充分味わえます。
葛藤
投稿日
2015/01/18
レビュアー
趣味は洋画
11世紀のイギリス国王ヘンリー2世と、周囲の人間たちの王位継承権をめぐる葛藤を描いた壮大な一大歴史叙情詩です。
ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)は、後継者をめぐる王妃エレノア(キャサリン・ヘプバーン)と3人の息子との確執の狭間にあって苦悩、それに加え、フランス国王フィリップ(ティモシー・ダルトン)とその愛人による陰謀と策略もあって、複雑な家族関係の中で、血で血を洗う傷つけあいが始まる...典型的な舞台劇(台詞劇とでもいうべきか...)の映画化です。
エレノアを演じたK・ヘプバーンはアカデミー主演女優賞に輝いたのですが、「ファニー・ガール」のバーブラ・ストライサンドと同時受賞という極めて稀な結果でした。当時のアカデミー会員票が3030票もあり、それが偶然にも同数で分け合ったのはまさに奇跡でした。 しかもヘプバーンは前年の「招かれざる客」に続く連続主演女優賞受賞です。 ほかにも33年「勝利の朝」、81年「黄昏」で同じく主演女優賞受賞、つまり4度の主演女優賞受賞の記録は未だに破られていません。 (ファンならずとも知られていることなので、あえて記す必要もないのですが...)
そして特筆すべきは、本作出演時の実年齢です。P・オトゥール36歳、K・ヘプバーン61歳ですが、この2人が夫婦役であり、その長男リチャードに扮したアンソニー・ホプキンスが31歳で、父親役のオトゥールとは僅か5歳の差です。これにはビックリなのですが、映画の中でまったく違和感は感じられませんでした。
ヘプバーンの貫禄とオトゥールのキャリアがなせる技なのでしょう。そしてホプキンスは映画出演2作目という遅咲きのためか、当時はまだ迫力の点でオトゥールとは年齢差以上の開きが感じられました。
いずれにしても、人間の権力欲、心の葛藤を描いて秀逸な名画です。
新規登録で
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冬のライオン