三匹の侍

丹波哲郎、平幹二郎、長門勇この３人の個性派俳優が織りなす侍アクション娯楽作品です。僕はこの作品を見た事がありませんでしたが、「三匹の侍」というタイトルだけは何故か知っていました。僕が生まれる前の作品なのでよく知らなかったのですが勧善懲悪のストーリーには違いないだろうと思って見てみました（＾＾ゞ。何でもテレビドラマの映画化されたものらしいです。テレビドラマでは最初丹波哲郎氏が演じていた柴左近を途中から加藤剛氏に変わったそうです（理由はわかりません）。柴左近（丹波哲郎）、桔梗鋭之助（平幹二郎）、桜京十郎（長門勇）の３人は最初からつるんでいるのではありません。それぞれがバラバラで行動しており、顔見知りでもないのです。その状態からある時、ある村で農民たちの代官の娘誘拐事件に巻き込まれていく中で３人は共に代官達役人と戦う様を描いています。

基本的に勧善懲悪ストーリーなので難しくなく安心して見ていられます。ですが、黒沢作品に比べるとスケールの大きさやストーリーの奥行きをあまり感じる事は出来ませんでした。個人的には黒沢作品の「用心棒」「椿三十郎」「七人の侍」の方が好きです。だからといってつまらない作品ではありません。柴の浪人になっても侍魂がなくなっていない人柄、桔梗のどことなく色気のある怪しい感じの人柄（目がとても色っぽい（＾＾ゞ）、桜の優しい人柄、それぞれの個性をうまく使い分けている当たりはとてもよく描けていると思いましたし、出演されている女優さんたちの「裸を見せなくても感じられるエロス」が感じられ、現代の女優にはないものだと思いました。モノクロ作品だからでしょうか、僕には登場する女優さん達が別にエッチなシーンはほとんどないのですが官能的に見えました。この時代の女優さん達は存在感ありますよね。最近の女優さんって中身のない人達が多いから残念です。

丹波氏がとても格好いいです。最近かなりおやつれのようでちょっと心配なのですがいつまでも元気でいて欲しいものです（この頃から霊界に詳しかったのかなぁ〜？（笑））。長門氏はこの手の作品には欠かせませんね（笑）。彼の一目見て人柄の良さを感じられるキャラクターは今でもそうはいません。３人の侍達の生き様をとくとご堪能されたし！

弱気を助け強きをくじく。
テレビシリーズだった「三匹の侍」の劇場版。「鬼龍院花子」「極妻」でおなじみの五社英雄監督の出世作です。
代官は職務に忠実だっただけなのですが、約束をやぶったのがいけなかったですね。

とにかく主演の３人、丹波哲郎、平幹二郎、長門勇のめっぽう強い浪人たちが魅力的で正義感が心地よい、楽しめる１時間半でした。
★３つ

斬れば血も出るし、浪人の衣装も「いかにも汚くした」って感じじゃなく、「本当に汚い」感じでリアル。

丹波哲郎、平幹二朗、長門勇が、それぞれ好演。
とりわけ丹波が、むっちゃカッコイイ。

女優陣では、香山美子が凄い。

テレビシリーズを見たことはありませんが、この話は「三匹」がつるむことになった事件を映画化したもののようですね。続き（テレビシリーズ）を見たくなりました。長門勇のひょうひょうとした演技と槍捌きにほれました。丹波哲郎も若くてかっこいい。テンポはさすがにゆっくりしていて、テーマにおもしろみもないので、1時間過ぎたあたりで眠気に襲われてしまいました。が、汗じみだらけの着物で闘う浪人たちはナイスです。

背中のモンモンとか銃刀法違反で検挙とか、初代極妻・鬼龍院花子の監督など、古き良き昭和の興行師っぷりを炸裂していた故五社監督の初期の頃の作品、7年続いたテレビシリーズの映画化作品、七人の侍とか隠し砦とか椿三十郎とかと同じ様な雰囲気を持った時代劇です。前出の様な理由からか、本人の性格からかは解りませんが、初期作はこの作品から晩年では226など、渡世だ義理だといった筋を通す系の作品ではピカ一の監督だと思います。
三匹の殺陣は見所満載な訳ですが、特にびっくりしたのが長門勇さん、近年はボケっぷり満載の役処ばかりでその面影もありませんが、実は棒術が無茶苦茶かっこいいです。ここばかりはジャッキーチェンやカンフーパンダのポーよりもうまいかもしれません、槍好きな方は必見です。

- - 時代劇の復活を切望中 - -