肉体の門

「肉体の門」は品の無い映画だ。ぶち切れのカット割り、意図や効果のわからないスローモーションの用い方、五輪旗になぞらえたらしい品のない衣装の色彩、そして突如突出するカット。だが、そのいずれもが映画を感じさせる素晴らしい品の無さなのだ。この作品には端正さだとか筋道だとかそんなものはない。アンゲロプロスの360度パンはとても端正だが、この作品で使われている360度パン(アンゲロプロスよりも10年早い採用だ!)は人を驚かそうという下世話な意図しか感じない。でも、それが素晴らしいのだ。凄いぞ鈴木清順。

あれ 「悪太郎」と「春婦伝」無いんだね 清順さんの蓮実先生の
追悼インタヴューで この二本に言及されていて 目立たないが
評価しているとの事で ちょっとショック

「悪太郎」が一番何かのれなくて あまり見直してないんで
これから見るぞ 野川由美子は最高 この肉体の門がララランドに
その色彩感覚がパクられてるって感じね でもハスミンは清順の
わかりにくいわかりやすさより わかりやすく見えてわかりにくい
「悪太郎」のような作品をきちんと見なさいとおっしゃってまあす

この映画を一言で知人に勧めるとしたら、「野川由美子がすごくかわいい！」につきるんですけど（笑）。好きな男が別の女性の裸体を賞賛した時の、マヤの散り散りに乱れた感情が表情や目の動きにすべて出ていて、野川由美子はすごい女優だと思わず何回か巻き戻して観てしまいました。
富永美沙子（かな？）の演じる町子も綺麗だった。女として自分は他のオンナより優位にあるという気持ちが全身に出ていて、可愛げがないんだけどすごい色気だった。これからリンチされるというのに、着物を脱ぎながら口元に勝ち誇ったような笑みを浮かべるあたり、女って怖いな。

「河内カルメン」とこの「肉体の門」は、もう一度観たいと思う数少ない作品。
女の私がどの程度許容できるのか、最初はびくびくしていたんだけど、いや意外に好きでした。
鈴木監督は女を奈落に突き落とし、激しく痛い目にあわせるわりに、決して貶めないというか、誤解を恐れずに言うなら「女が好きなんだろうな」。
同じ女の立場から観てきつい話なのに生理的嫌悪感がなかったのは、監督の女という生き物の逞しさに対する畏怖や愛を勝手に感じてしまったからでしょうか。
やはりこれも、私と同じ年代の女性に勧めてみたいなぁ。

ストーリー的には何も得るものがないが、
不思議と時間を損したと思わない。

戦後の悲惨な状況はそれほど伝わってこなかった。
食うために性を売り物にする若い女たちの
サバサバしたあっけらかんとした日常の中に
突然現れた野獣のような男、イブキ（宍戸）

お決まりですが、みーんな惚れちまう。
そして愛憎から悲劇で終わる。

野川由美子、かわいいです。
しかし女の目から見て怖いのはマチコ役の女性でしょう。
あの若さでまるで熟女の雰囲気かもし出してます。
でも、何より粗野、無骨、大胆な宍戸がいい。
こんな男の中の男を熱く感じさせてくれるような俳優は
現代にはそういないでしょう。

何も考えず、面倒じゃなく、ただボッーと男女の愛憎、肉欲を
眺めていたいときにはいいかも。

昔のなので、画像いまいちで、裸体もほとんど見えないところが残念でした。吊るされた女体の、鞭打たれて、揺れる胸が
観たかったな

やっぱり、食ってくってのは大変だよな〜。

今だってドダイ食うためにやってんだからよ、
そんなかっこつけんなよ。

そのかわり、禁を犯した者には厳しく対処しないとね。
そりゃ、やりすぎはよくないけど、誰しも１人で生きてる
わけじゃないからね〜。