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収録時間: | 字幕: | 音声: |
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87分 | ||
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
D*DABP1154 | 2007年07月21日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
7枚 | 0人 | 0人 |
収録時間:
87分
字幕:
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記番:
D*DABP1154
レンタル開始日:
2007年07月21日
在庫枚数
7枚
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DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
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87分 | ||
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D*DABP1154 | 2007年07月21日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
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D*DABP1154
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2007年07月21日
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私にとって増村作品と言えばこれ。見終わってぶったまげました。江戸川乱歩の作品は、今なお多くの映画化が続いているけれど、おそらく人々が一般的に乱歩作品から嗅ぎ取るのは「淫靡」や「倒錯」のムードだと思う。しかしながら、増村保造の描く乱歩は隠されたエロスというより、むしろ実にストレート。鷹揚としたセリフ回しと異常な世界を斜め目線ではなく真正面から描く演出は一度見たら忘れられない強烈な印象を残します。それは同じく耽美的エロスの世界を描いた「卍」にも言えるかも知れません。
やはり、見どころは、肉体のオブジェたち。女の目や耳や鼻、そして乳房をかたどった彫刻が所狭しと並べられた密室で、緑魔子と船越英二がくんずほつれつの死闘(笑)を繰り広げる様がとにかく強烈。どでかい乳房の谷間にすがってむせび泣く船越英二の演技は必見。こんなに奇妙な役をくそまじめにやっている船越英二は演技がうまいんだか、ヘタなんだかさっぱりわかりません。
盲人に捕らわれ、体中を触れられているうちにいつしかアキもこの密室空間の異様な世界に魅入られてしまう。お話としては、かなり変態的ではあるけれど、やはりそのドラマチックな演出ぶりに時折笑いがこみあげてくることすらあって。その辺がとても増村監督らしい、ということになるのでしょう。しかしながら、乱歩作品を一種の芸術やお高くとまった前衛的作品として仕上げるよりは、よほど好感が持てます。
しかし、ドラマチックな演出によって作品全体がベタでB級なテイストに満ちているか、と言われると、これまたそうでもないのが増村作品のすごいところ。冒頭の緑魔子のポートレートなんかとってもオシャレだし、演出だけではなく画面の構成、切り取り方で観客の目を引きつけるテクニックがある。今回一挙にDVD化されたのを機にしっかり見直して、もっとその辺の増村マジックを探ってみたいと思います。
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よくぞ作ったな、このアトリエの巨大セット。乱歩の世界観のままというわけにはいかないが、人体パーツが一面に埋め込まれた壁面デザインには圧倒される。序盤、照明が暗いうちは、それらが見事なおぞましさで迫って見える。
美術の間野重雄氏は多くの仕事をしている人だが、彼にとって一世一代の仕事だったのかもしれない。(第23回日本映画技術賞受賞) 彼がこのセットを作る姿こそ、「リアル盲獣」だったろう。
触覚だけに頼る盲目の彫刻家・蘇父を演じる船越英二、その男に囚われるモデルの島アキを演じる緑魔子、息子を盲愛し監禁の手助けをする母を演じる千石規子。このたった三人の出演者だけの空間が、まるで三人芝居の舞台劇のように進む。序盤こそ単なる芸術目的の監禁だったのが、人格の闘いとなり、やがて性の深淵に踏み込んでゆくことになる。『完全なる飼育』みたいなもんか、と思って観ていると度肝を抜かれるかもしれない。
この映画で、船越は変態的に見える盲人を演じるが、実はただ無知で純粋なだけ、というのが分かってくる。ただ心置きなく、芸術活動に打ち込みたいだけのことなのだ。この点、殺人を繰り返す原作の盲獣とは、少し違った人物像である。
母の方にこそ狂気を感じるが、それもただ息子のサポートが高じたあまりのこととも言える。が、三人の人間の思惑がずれてしまっていることで、話は悲劇へと向かってゆく。SMを本当の意味で突き詰めると、こうなるだろうなというのは、ぎりぎり理解できる。
蘇父の思いはあまり語られず(原作の「触覚芸術論」にもそれほど触れられない)主に島アキの心情だけがモノローグとして綴られてゆく。観客が納得するかどうかは、この行為が最初から最後まで芸術であると認められるかどうかにかかっている。
…いや、納得しちゃ駄目なんだけどね。
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『盲獣』は増村の調教三部作の掉尾だ。もっともわたしが勝手にそういっているだけだけ。67年『痴人の愛』、小沢昭二は少女安田道代を理想の妻へと訓育しようと悪戦苦闘する。その結果、小沢は背に安田をのせ鞭うたれるお馬さんの至福感をしるはめになる。68年『セックスチェック』、緒方拳は短距離走のオリンピック代表とすべく安田を徹底コーチする。マッチョな完全セクハラでしごきぬいたはてに、アスリートの天賦の肉体を一個の平凡な女体へかえてしまったことをしる。戦争によりはたせなかった元代表選手としての妄執を捨てさるべきとさとる。
男は女をじぶんの理想像へと調教する。だがその果てに、女の変貌以上にじぶんが変貌させられたとおもいしる。この調教劇の主客転倒のアイロニーは、男の敗北とどうじにあらたな男女の関係性をつげる。もっともそれじたいは凡庸だ。だが、69年『盲獣』はアイロニーの極北へすすむ。あらたな関係性をさらに超える。
盲人船越英二は母の手伝いで緑魔子を拉致監禁する。触覚だけでつくりあげた人体オブジェの氾濫するアトリエで、緑をモデルに最高の触覚芸術、裸婦の彫像をつくろうとする。ここで調教とは表現である。船越は緑をとおして理想像を表現しようとするのだ。あらがう彼女をぞんぶんに撫でまさぐり、彫像をこねあげていく。すぐに船越は緑の姿態に魅了される。やがて緑も船越の愛撫に屈服する。男女の障害となった母は殺す。彫像ができあがったとき、その完成も申しわけのごとく、ふたりは触覚だけでたがいの体をまさぐり、交わる存在にへんじている。さらに快楽をもとめ、傷つけあい血をなめあう。その果てに、ふたりは無機質なオブジェそのものと一体化をめざして飛躍する。究極の表現、理想郷はそこだ。船越は緑魔子の腕を、足を一本ずつ切り落とす。柔肌に刃をおしあてた出刃包丁の背へ、金槌を叩きつる、そのたびに、いまや忘れさられた彫像の腕が、足が、同調して落下する。緑の断末魔の快楽の絶叫がとぎれる最後、船越はじぶんの胸を突く。緑に折り重なる。
増村は死に至る究極のマゾヒスティックな世界に淫靡なムードをかもしなどしない。真正面からストレートにえがく。ガラリーナさんがいうように、演出も撮影も美術もそれは一貫している。秘して花など嘲笑する強烈さだ。マゾヒスティックな触覚を主題としながら、たとえばカメラが対象の表皮を淫したように撫でまわすことはしない。一度だけカメラは横移動するが、追っかけっこする男女の構図で始終する。全編カメラは固定で、対象はパンとティルトでクールにおわれる。あとはカッティングの変化だが、これも厳格といってよい180度ラインでの切り返し、90度でのとらえ返しが主となる(白眉は、巨大な人体オブジェをまるでジャングルジムかなにかの遊具にして緑が逃げ、船越が追っかけまわすシーン。ガラリーナさんどうようわたしも笑った)。映像のこの厳格さは、『妻は告白する』『清作の妻』『華岡青洲の妻』といった傑作群とおなじテンションをもつ。演技もどうようである。ヒロイン緑魔子は、かつて若尾文子がそうだったように、低く抑揚をおさえ感情を殺した声で、気怠げな投げやりな身ぶりとなる。そのことで途方もない感情の振幅を、緩慢な行動のもつ強靭な意志、欲望(エゴ)を、若尾文子はみごと演じたのだった。緑魔子はその系譜を生きている。その緑の感情の起伏のない、たんたんとした独白で物語はみちびかれる。そしてその終わりはこんなだ……わたしの視力は衰えていった。手は昆虫の触角のように敏感になっていった。この世界にはじめに生まれた、くらげのような下等動物のもつ感覚だった。それは人間のふるさとのように、暗く、あまく、懐かしかった。その果てにあるのが、死の世界だった……そんな人をくった死の世界からの声で映画は終わる。
一見してエロティックな映画だが、アトリエの倉庫の外がしんと凍えた世界であるように、じつにその肌合いひんやりとしている。どんなに暖炉をもそうとも、快楽に酔い痺れようとも、この官能は無機のごとき冷たさへとたんたんとむかう。視覚をすて、手触りだけでもとめられる、さらにそのむこうに拡がる闇、それは人間のふるさと、死。フロイトはそれへむかわしむ力を死の欲動とよぶ。
肌の出刃へ金槌がふりおろされるたびに、彫像の腕が、足が、どすんどすんと単調に落下する。物語=映像はマゾヒスティックなエロスの究極の昂進をえがきつつ、そのみかけのうちで死の欲動の異名タナトスが「反復強迫」でもってあらわれていたことを告げる。どすん、どすん。なんというばかばかしくも厳粛なるリズムだろう。なんと懐かしくも児戯あふれる響きだろう。耳朶がその粒子の礫をうけるとき、瞳もまた不可視の掌ににまさぐられ、くすぐられているのだ。
このレビューは気に入りましたか? 4人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
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ユーザーレビュー:17件
投稿日
2007/08/13
レビュアー
ガラリーナ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
私にとって増村作品と言えばこれ。見終わってぶったまげました。江戸川乱歩の作品は、今なお多くの映画化が続いているけれど、おそらく人々が一般的に乱歩作品から嗅ぎ取るのは「淫靡」や「倒錯」のムードだと思う。しかしながら、増村保造の描く乱歩は隠されたエロスというより、むしろ実にストレート。鷹揚としたセリフ回しと異常な世界を斜め目線ではなく真正面から描く演出は一度見たら忘れられない強烈な印象を残します。それは同じく耽美的エロスの世界を描いた「卍」にも言えるかも知れません。
やはり、見どころは、肉体のオブジェたち。女の目や耳や鼻、そして乳房をかたどった彫刻が所狭しと並べられた密室で、緑魔子と船越英二がくんずほつれつの死闘(笑)を繰り広げる様がとにかく強烈。どでかい乳房の谷間にすがってむせび泣く船越英二の演技は必見。こんなに奇妙な役をくそまじめにやっている船越英二は演技がうまいんだか、ヘタなんだかさっぱりわかりません。
盲人に捕らわれ、体中を触れられているうちにいつしかアキもこの密室空間の異様な世界に魅入られてしまう。お話としては、かなり変態的ではあるけれど、やはりそのドラマチックな演出ぶりに時折笑いがこみあげてくることすらあって。その辺がとても増村監督らしい、ということになるのでしょう。しかしながら、乱歩作品を一種の芸術やお高くとまった前衛的作品として仕上げるよりは、よほど好感が持てます。
しかし、ドラマチックな演出によって作品全体がベタでB級なテイストに満ちているか、と言われると、これまたそうでもないのが増村作品のすごいところ。冒頭の緑魔子のポートレートなんかとってもオシャレだし、演出だけではなく画面の構成、切り取り方で観客の目を引きつけるテクニックがある。今回一挙にDVD化されたのを機にしっかり見直して、もっとその辺の増村マジックを探ってみたいと思います。
投稿日
2007/11/19
レビュアー
ぴよさん※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
よくぞ作ったな、このアトリエの巨大セット。乱歩の世界観のままというわけにはいかないが、人体パーツが一面に埋め込まれた壁面デザインには圧倒される。序盤、照明が暗いうちは、それらが見事なおぞましさで迫って見える。
美術の間野重雄氏は多くの仕事をしている人だが、彼にとって一世一代の仕事だったのかもしれない。(第23回日本映画技術賞受賞) 彼がこのセットを作る姿こそ、「リアル盲獣」だったろう。
触覚だけに頼る盲目の彫刻家・蘇父を演じる船越英二、その男に囚われるモデルの島アキを演じる緑魔子、息子を盲愛し監禁の手助けをする母を演じる千石規子。このたった三人の出演者だけの空間が、まるで三人芝居の舞台劇のように進む。序盤こそ単なる芸術目的の監禁だったのが、人格の闘いとなり、やがて性の深淵に踏み込んでゆくことになる。『完全なる飼育』みたいなもんか、と思って観ていると度肝を抜かれるかもしれない。
この映画で、船越は変態的に見える盲人を演じるが、実はただ無知で純粋なだけ、というのが分かってくる。ただ心置きなく、芸術活動に打ち込みたいだけのことなのだ。この点、殺人を繰り返す原作の盲獣とは、少し違った人物像である。
母の方にこそ狂気を感じるが、それもただ息子のサポートが高じたあまりのこととも言える。が、三人の人間の思惑がずれてしまっていることで、話は悲劇へと向かってゆく。SMを本当の意味で突き詰めると、こうなるだろうなというのは、ぎりぎり理解できる。
蘇父の思いはあまり語られず(原作の「触覚芸術論」にもそれほど触れられない)主に島アキの心情だけがモノローグとして綴られてゆく。観客が納得するかどうかは、この行為が最初から最後まで芸術であると認められるかどうかにかかっている。
…いや、納得しちゃ駄目なんだけどね。
投稿日
2008/11/01
レビュアー
kobarou※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
『盲獣』は増村の調教三部作の掉尾だ。もっともわたしが勝手にそういっているだけだけ。67年『痴人の愛』、小沢昭二は少女安田道代を理想の妻へと訓育しようと悪戦苦闘する。その結果、小沢は背に安田をのせ鞭うたれるお馬さんの至福感をしるはめになる。68年『セックスチェック』、緒方拳は短距離走のオリンピック代表とすべく安田を徹底コーチする。マッチョな完全セクハラでしごきぬいたはてに、アスリートの天賦の肉体を一個の平凡な女体へかえてしまったことをしる。戦争によりはたせなかった元代表選手としての妄執を捨てさるべきとさとる。
男は女をじぶんの理想像へと調教する。だがその果てに、女の変貌以上にじぶんが変貌させられたとおもいしる。この調教劇の主客転倒のアイロニーは、男の敗北とどうじにあらたな男女の関係性をつげる。もっともそれじたいは凡庸だ。だが、69年『盲獣』はアイロニーの極北へすすむ。あらたな関係性をさらに超える。
盲人船越英二は母の手伝いで緑魔子を拉致監禁する。触覚だけでつくりあげた人体オブジェの氾濫するアトリエで、緑をモデルに最高の触覚芸術、裸婦の彫像をつくろうとする。ここで調教とは表現である。船越は緑をとおして理想像を表現しようとするのだ。あらがう彼女をぞんぶんに撫でまさぐり、彫像をこねあげていく。すぐに船越は緑の姿態に魅了される。やがて緑も船越の愛撫に屈服する。男女の障害となった母は殺す。彫像ができあがったとき、その完成も申しわけのごとく、ふたりは触覚だけでたがいの体をまさぐり、交わる存在にへんじている。さらに快楽をもとめ、傷つけあい血をなめあう。その果てに、ふたりは無機質なオブジェそのものと一体化をめざして飛躍する。究極の表現、理想郷はそこだ。船越は緑魔子の腕を、足を一本ずつ切り落とす。柔肌に刃をおしあてた出刃包丁の背へ、金槌を叩きつる、そのたびに、いまや忘れさられた彫像の腕が、足が、同調して落下する。緑の断末魔の快楽の絶叫がとぎれる最後、船越はじぶんの胸を突く。緑に折り重なる。
増村は死に至る究極のマゾヒスティックな世界に淫靡なムードをかもしなどしない。真正面からストレートにえがく。ガラリーナさんがいうように、演出も撮影も美術もそれは一貫している。秘して花など嘲笑する強烈さだ。マゾヒスティックな触覚を主題としながら、たとえばカメラが対象の表皮を淫したように撫でまわすことはしない。一度だけカメラは横移動するが、追っかけっこする男女の構図で始終する。全編カメラは固定で、対象はパンとティルトでクールにおわれる。あとはカッティングの変化だが、これも厳格といってよい180度ラインでの切り返し、90度でのとらえ返しが主となる(白眉は、巨大な人体オブジェをまるでジャングルジムかなにかの遊具にして緑が逃げ、船越が追っかけまわすシーン。ガラリーナさんどうようわたしも笑った)。映像のこの厳格さは、『妻は告白する』『清作の妻』『華岡青洲の妻』といった傑作群とおなじテンションをもつ。演技もどうようである。ヒロイン緑魔子は、かつて若尾文子がそうだったように、低く抑揚をおさえ感情を殺した声で、気怠げな投げやりな身ぶりとなる。そのことで途方もない感情の振幅を、緩慢な行動のもつ強靭な意志、欲望(エゴ)を、若尾文子はみごと演じたのだった。緑魔子はその系譜を生きている。その緑の感情の起伏のない、たんたんとした独白で物語はみちびかれる。そしてその終わりはこんなだ……わたしの視力は衰えていった。手は昆虫の触角のように敏感になっていった。この世界にはじめに生まれた、くらげのような下等動物のもつ感覚だった。それは人間のふるさとのように、暗く、あまく、懐かしかった。その果てにあるのが、死の世界だった……そんな人をくった死の世界からの声で映画は終わる。
一見してエロティックな映画だが、アトリエの倉庫の外がしんと凍えた世界であるように、じつにその肌合いひんやりとしている。どんなに暖炉をもそうとも、快楽に酔い痺れようとも、この官能は無機のごとき冷たさへとたんたんとむかう。視覚をすて、手触りだけでもとめられる、さらにそのむこうに拡がる闇、それは人間のふるさと、死。フロイトはそれへむかわしむ力を死の欲動とよぶ。
肌の出刃へ金槌がふりおろされるたびに、彫像の腕が、足が、どすんどすんと単調に落下する。物語=映像はマゾヒスティックなエロスの究極の昂進をえがきつつ、そのみかけのうちで死の欲動の異名タナトスが「反復強迫」でもってあらわれていたことを告げる。どすん、どすん。なんというばかばかしくも厳粛なるリズムだろう。なんと懐かしくも児戯あふれる響きだろう。耳朶がその粒子の礫をうけるとき、瞳もまた不可視の掌ににまさぐられ、くすぐられているのだ。
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盲獣