フランケンシュタイン

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この作品は、実はスリラーやサスペンスではなくてメロドラマであり悲劇なのだ。無垢で本来なら何ら責められることのないフランケンシュタインが無惨にも惨殺されてしまうという悲劇。
ヴィクトル・エリセの「ミツバチのささやき」で引用されている、フランケンシュタインが少女を池に投げて溺死させてしまう部分にしても、通しで観てみると花を池に浮かべた姿の美しさに感動したフランケンシュタインが、同じように美しく可憐な少女を池に浮かべたかっただけの話なのだ。もちろんそれはそれで残酷極まりない話だが、実質的には赤ん坊と同じ状態で当然殺意などなかった、いや死という概念すら持ち得ていなかったと思われるフランケンシュタインに罪があるとは思えない。
最後は丘の上に一軒だけ建っている水車小屋に閉じこめられ、その小屋に火を付けられ死んでしまうのだが、ロングを中心に撮影されている水車小屋の燃え上がる様が大変美しいだけに悲劇性はより高くなっている。

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ホラーというよりは怪奇物だと思うが、怪奇物といえば、他に「ドラキュラ」や「狼男」が思い浮かぶ。
私の中では「ドラキュラ」が一番怖く、次に「狼男」そして「フランケンシュタイン」と続く。
本作を観ると分かるように、「フランケンシュタイン」とは怪物の名前ではなく、モンスターを作った男の名前である。
私の記憶の中では『フランケンシュタイン博士』なのだが、本作では博士ではなく、まだ学生か助手のようだった。
自分の才能に溺れた若き科学者が、恩師の忠告を無視して、墓場から死体を暴き、色々な死体を継ぎ接ぎし、大学の研究室から盗み出した「脳」を埋め込み、雷のエネルギーで新しい生命を吹き込むのだった。
その「脳」と言うのが”アブノーマル”と書かれた方の犯罪者の脳で、一緒に並べられていた”ノーマル”な方ではなかったというのがミソ。
また、この原作者が、”メアリー・シェリー”という女性であるのも興味深い。
子供の頃にテレビで観たのが、この作品かどうか疑問―というより、違うと思うのだが、フランケンシュタインの映画は他にもあるようなので、記憶の中の作品がどれだったのか分からないが、これは全然怖くなかった。
余談になるが、弟がテレビで観ていたアニメに、藤子不二雄の「怪物くん」というのがあり、その時の「フランケン」「ドラキュラ」「オオカミ男」のずんぐりむっくりのキャラのせいで、モンスター達から受ける恐怖感が薄れてしまったかも（笑）

今更、私ごときがレビューを書いても仕方ないほどの名作です。フランケンシュタインものはたくさんありますが、この１作目と２作目の「花嫁」を超える作品は未だにありません。モノクロだし３１年の作品ですが、今見ても開いた口がふさがらないくらい面白いので是非見て下さい。ボリス・カーロフのメーク、演技、城のセット、ストーリー、どれも完璧です。最初に見たのはテレビだったと思います。その後、ビデオで見て、映画館で見て、ＤＶＤでも見ましたが、何度見ても面白いです。当時はゲテモノ映画だったのでしょうが、今では格調すら感じます。「イントロダクション」を読むと、「殺人者の狂った脳髄」を使ったために殺人人造人間ができるみたい思われるかも知れませんが、そんな下らない話ではなく、怪物なりに一生懸命生きようとしたのに醜い容貌のために嫌われて自滅してゆくという、実に泣けるストーリーです。

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自分の欲望の為だったのか
ヘンリー（フランケンシュタイン）は実に身勝手な男だ

実験の枠を通り越し、死体からパーツを集め、つなぎ合わせ
脳を入れ、落雷の力で「生」を受けた大きな男
このお話の中では名前は無い・・・

助手が良質の脳をうっかり落とし、犯罪者の脳を持ちかえり、
大きな身体に犯罪者の脳が入った事から凶暴に・・・

自分の実験の成功しか頭に無かったヘンリーは手に負えなくなり
地下へ大男を閉じ込めた

人間では無い。
つぎはぎの大きな身体に犯罪者の脳
それでも人間で言うと産まれたばかり
自ら望んだのではなく、勝手に作られた

大男は2人を殺し、外へ出る

一人で遊んでいる少女と出会う
少女は大男の外見を気にせず、「一緒に遊ぼう」と手を繋ぎ、
水辺でお花のお船を浮かべて遊ぶ
初めて笑顔を見た大男。
初めて笑顔になった大男。
少女と遊ぶことが楽しかったのだろう
可愛いお花は無くなった・・・
目の前に可愛い少女・・・
大男は少女を抱き上げ、水辺に投げ入れた・・・


村中が少女を殺した犯人を捜す
その中にヘンリーの姿も・・・

実験に没頭していた間はほったらかしていた婚約者
怪物を作ってしまったと落胆
婚約者も周りの人達も待ち望んでいた二人の結婚
今日がその日だった
婚約者の部屋に大男が侵入
怯えきってしまい、結婚式どころでは無くなってしまった婚約者

「あいつを殺さないと結婚出来ない」byヘンリー
なんて勝手なんでしょうか

ヘンリーは大男を見つけたが、相手は男10人分の力を持ち、
脳は犯罪者。勝てる訳が無い。
ヘンリーを連れ風車小屋へ入る
扉が閉まるなり偶然に木材が扉へと倒れ、外からは入れない
気絶していたヘンリーが目を覚まし、逃げようとするが
大男に投げられ、風車にあたり、その後落下

村人により火を放たれた風車小屋


素晴らしい古典ホラーです
ホラーですが、とても切ない
恐ろしいのは大男では無く、身勝手なヘンリー

もっと優しく接してあげていれば、彼（大男）は変わったはず
少女と遊んでいた時の笑顔
可愛いお花が泣くなったから、可愛い少女を・・・
犯罪者の脳を持っていたが、純真さもあったからこその発想・・・
悪意は無かった

彼（大男）が生まれた古城？と死に場所になる風車小屋の
独特の雰囲気がとても良い
犯人探しの際、列をなしていた村中の男達
女子供は怯え、心配そうにそれを見送る
時代を感じる


フランケンシュタイン＝大男
現在ではあまりにも有名
怪物、コスプレ、リメイク

実はとても切ないお話

是非、多くの方に観て頂きたい作品ですね


あ、「ヤングフランケンシュタイン」これは面白いですよ＾＾
レビューは後日又＾＾


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　†ザリ†

何でしょう・・・。思っていた以上に胸に押し寄せてくる作品でした。
怪物と呼ばれるその造形。
最初の恐ろしい雰囲気から、ラストに向かうもの悲しさまで、実に胸に込み上げてくるものがあります。
人間によって勝手に作られ、怪物よばわりされ、火をつけられるラストは、悲しみに溢れています。
うめく姿に目を背けたくなります。

昔の映画なのにとても魅せられる映画です。
子供を抱きかかえ歩くシーンの何とも痛々しいこと。
怪物の表情一つ一つが冷たくやり切れないこと。
とても印象に残る映画でした。
未見の方はぜひ。

好きな作品を楽しめた、と言って頂けるのは、とても嬉しいことですね、リナさん。という事で、たまたま見つけたリナさんおすすめの作品を2本鑑賞してみました〜。