スターマン

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　地球人のメッセージを受け取った宇宙人が米軍の攻撃で宇宙船が墜落して、急きょ未亡人の旦那さんの姿に変身してマザーシップがやってくる3日間の逃避行の話。

　冒頭で亡くなった旦那さんの姿に赤ん坊から成人へと変身していくのがジョン・カーペンター監督作品らしい適度なグロさでよかったです。これから一体何が起こっているんだという興味をそそられる特殊メイクでした。

　人間の調査を行うためにやってきて、奥さんを最初は人質的にして目的地まで米軍の追手を逃れながらのロードムービーの王道の構成で、それに人間の文明がわからない宇宙人のカルチャーギャップの面白さが加わっていて、娯楽映画として110分楽しく見ることができました。

　ビビりながらも一緒に旅をしていって、バンビを復活させたりいきなりヒロインが射殺されたりエピソードが適度に散りばめられつつ人間の愛情を描いていきます。宇宙人役のジェフ・ブリッジスさんのTHE怪しい動きのお芝居が最高で表情の不気味さが笑えて面白かったです。

　宇宙人の説明とかがないとか特撮が今見るとなかなかキツいとか追手がマヌケすぎるとか時代性を感じるユルさがありますが、それはそれでこの作品の味としてかみしめることができる感動的なSF作品でした。

公開当時は良く出来た小品と言うイメージがあったが、今改めて見ると凄まじく古い。特に宇宙船等の特撮シーンは円谷プロを髣髴とさせるシロモノで、現代のＣＧを見慣れた目で見てしまうと学芸会レベル。こんなオモチャみたいなシーン使わなきゃいいのにと思うのは２１世紀の視点であり、当時は大真面目だったのだろう、きっと。

映像的な点はさておきながら、映画としては中々の良作だと思う。子供だましの特撮や宇宙人物という事で、昔からややＢ級のイメージがある本作ですが、今見ても十分通用するシナリオです。

昨今リメイク流行のハリウッドですが、どうせやるならこういう作品をすれば良いのに。ジャンル的に言って撮影技術の古さが致命傷になってしまうタイプの作品なので、こういうのは現代の技術を使って作り直せばリメイクする意義は十分にあると思うのだが。

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「スターマン」というのもちょっとパンチに欠けるけど、副題の「愛・宇宙はるかに」は、この少し前に公開されたマッチ明菜の『愛・旅立ち』の真似だから、当時中高生男子の足は確実に劇場から遠のいただろう（僕もそのひとり）。当時耳にした評価も微妙だったし、『遊星からの物体Ｘ』のカーペンターが、ロマンチックなＳＦ？　と観る前から凡作扱い。
　でまあ、数年後にＶＨＳで観ることになるわけですが、これがけっこう面白かったんです（反省）。お話は確かに宇宙人（ジェフ・ブリッジス好演）と未亡人（可憐なカレン・アレン）のロマンス、というか心の交流みたいなもので、特撮はあまり大したことはないし、アクションやサスペンスも格別なものはないんですが、カーペンターの過不足ない、適確な演出力がやっぱりここにはあって、安心して観ることができます。
　髪の毛からクローン化して、人間の赤ん坊から大人のジェフ・ブリッジスに変身する様子は、手作り感たっぷりの特撮がグロい味をだしていて面白いです。また、人間になった宇宙人が最初に発する言葉が、ボイジャー搭載のディスクで覚えた「私は国連事務総長です……」というあたりは実におかしい。８ミリフィルムで観た亡き夫の動作を、夫そっくりの宇宙人が次々と真似していくのを見つめる未亡人の、おかしくも切ない表情もいいですね。
宇宙人と人間のカルチャー・ギャップ（？）をコミカルに扱った作品は、最近だと『第９地区』（これを観て本作を思い出した）などもありました。本作の場合、宇宙人が地球を脱出するためにアリゾナのクレーターを目指すというロードムービーであり、その旅の過程で次第に男女が近づいていくという、シンプルで強固な物語性が心地よく思えます。
　逃亡するふたりを助ける気のいい人々の温かさがさらりと描かれて、胸にしみます。最近のＳＦのような派手さを求めなければ、お勧め。６５点。

「遊星からの物体Ｘ」後以来、映画界から干されたジョン・カーペンターは結局、評論家たちにゴマをすることになる・・・。
それが「スターマン/愛・宇宙はるかに」である。

さて中身だが、これが実に感動ものなのだ。涙してしまう。
その要因は、カレン・アレンの愛らしい演技だろう。

ジョン・カーペンターにしてはめずらしいファンタジー映画です。夫を亡くした女性と、その夫の容姿になった異星人が、政府側の追跡をくぐりぬけるロードムービーで、最初は不気味がって嫌っていた女性が、次第に恋愛感情がでて、最後はなんとか異星人を元の星に返そうと奮闘するとても心暖かい良い映画です。