スクープ・悪意の不在

だいぶ昔に一度見て、「Absence of Malice(悪意の不在）」という言葉だけ記憶に残っていて、今回再鑑賞。ポール・ニューマンは大好きな俳優で、細身のパンツが本当に良く似合うアメリカン・ハンサムの典型だが、DISCASには何故か彼の代表作（と私は思っている）「動く標的」が無い（DVD化されていないのかな？）のが残念。
ところでこの作品のテーマは報道（マスコミ）に於ける「真実」とは何か？というかなり重たい問題であり、アメリカではこのテーマを扱ったドラマ、映画は珍しくない。日本では戦時中の新聞の「戦争協力」が記憶に新しかった昭和30〜40年代にはマスコミの報道を100％「真実」と信じるのは危険であることを大衆がよく理解していて、私も子供の頃親父や祖父（二人とも戦争経験者）からそのように教えられて育ったし、マスコミに就職した友人たちも「報道の倫理」「大衆扇動の恐ろしさ」について真摯な思考力を持っていたように思う。
年寄りのヒガミかもしれないが、最近の日本のマスコミはどうもそのあたりに問題が出てきているように感じるのは私だけであろうか？大衆もマスコミ自体もその主体の大半が戦時中の記憶を持たない世代に交代して、大衆は「マスコミの真実」の危険性を、マスコミはその責任の重さを忘れて、安易な「真実」を安易に求める傾向が高まっているように見える。
この作品自体は今観るとテーマの重たさの割りに薄っぺらいストーリー構成で、特にサリー・フィールド演ずる女性記者が魅力に欠けるために、ただの単細胞・思い込み女の暴走劇とも見られかねず、「悪意の不在」は「悪気は無かったの。ごめんね。」で済まされる話のようにも見えてしまうが、シドニー・ポラック監督はじめ、製作者の意図としてはもう少し深いところにあったのだろうと思う。

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ポール・ニューマンは、もしかして美女と共演することがお嫌いか・・。それともジョアン・ウッド様が禁止令を出したのか^^;
日本で見られるポールの作品は、ほとんど見ている私だが、この疑問はずーーと消えなかった。そしてこの作品で、思いは爆発；；なにゆえにミーガンが彼女なのか・・。
社会派物だから、リアリティがあるって言えばその通りなんだけど・・。

しかもこの作品、なんかモノクロのイメージが強い。
そのぐらい、思いっきり暗いのかもしれない。

マイケルは、ミーガンを愛したのか？
それとも利用しただけなのか？
利用しただけだろうな・・・。とラストシーンを見ても思ってしまう私。
マイケルがミーガンに怒りのあまり暴力を振るうシーンは、かなりの迫力で、見ごたえあります。

ストーリーも複雑ですし、（この映画の伝えたいことはわかるんだけど・・）これはポールのプロモーションビデオだと1人で納得しました#^^#

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新聞記事によって容疑者に仕立て上げられた男が、逆に新聞を利用して復讐を目論むお話。暴力に頼らない知的な復習劇が爽快です。

『悪意の不在』というサブタイトルは、"悪気はなかった"という意味に取れます。実際ラストでは、「関係者は皆、よかれと思って行動している。ただやり方がまずかった為に騒動になった」というまとめ方になっていて、なんとなく納得してしまうのですが、本当にそれだけなのでしょうか。

「悪意」というのは法律用語では"事実や真実を知っていること"を意味します。例えば、ＡさんがＢさんに嘘をついたとして、Ｂさんがその嘘を"嘘"と知っていて他の人に話せば"悪意"、"嘘"と知らずに話せば"善意"となります。

そういう意味では、実はマスコミ（新聞社）の「聞いた（取材した）話をそのまま載せる。それが真実かどうかは関係ない。"真実でないこと"を知らなければ（"悪意"でなければ）構わない」という報道姿勢が問う事がメインテーマなのでしょう。

その一言