カリブの熱い夜

'47年の極上フィルムノワール「Out of the Past」（過去を逃れて）のリメイクという。
冗談だろうと思うが原作者が同じダニエル・メインウェアリングであって、どうやら本気である。

レビュー投稿にあたり（本性を隠し）穏やかさを旨としている私ですが、ここはひとつ・・・と
怒っても始まらないが、唖然とはしますわね。
リメイクと謳いながらオリジナルを貶めているリメイクもどきは、これで何度目だか。
オリジナルを凌駕したというのは「マルタの鷹」（ジョン・ヒューストンが３度目の正直で
ハメットの原作に忠実にやった結果）ぐらいでしょうか、滅多に見かけません。

フィルムノワールの典型的な主題を喚起している「Out of the Past」はフランス出身の
ジャック・ターナー監督作。（主人公の探偵にはロバート・ミッチャム）

原作「Build My Gallows High」（俺の絞首台を高く作れ）という標題通り、
それほどの気概で破滅してゆく男の様に観賞後、こちらの感情も揺さぶられるのだけど、
そうした気概は本作には、ございません。
「愛と青春の旅立ち」のテイラー・ハックフォード監督が地元LA舞台にフィル・コリンズ等の
音楽・呼び物に自ら愉しむビデオ・クリップ的趣向、その軽さと浅さにクラクラ致します。

主人公（ロバート・ミッチャム）に「Baby，I don't care・・・」と言わしめる女。
君の過去など、どうでもいい・・・とタフガイに思わせなくちゃならぬファムファタル、
オリジナルのジーン・グリアと本作との場合の乖離具合、全然、そそらない。
レイチェル・ウォードは（演技含め）全ての造作が大きく、ファムファタルのニュアンスは
持ち合わせていない。大甘のラストシーンには、とうとう、時間を返せ！以外の言葉を失う。

そのジーン・グリアが彼女の母親役で特別出演というオマケはあるものの
ジェフ・ブリッジスとジェームズ・ウッズの共演も空しいほど浮いたもの。
設定はどうあれ、精神を継承していないものはリメイクとは認められない、やさしい私です。

とかでベタな吹き替えで見るので充分な作品という感じ。
若き日のスマートなジェフ・ブリッジズと、レイチェル・ウォードのラブシーンもほとんどないに等しい。ジャケ写を見る限り、そしてイントロダクションを見る限り、もっとロマンティックなのかと想像していたが期待はずれだった。
想像ではリゾートアイランドを舞台に展開されるロマンスとサスペンス・ミステリー、ジェフ・ブリッジズとジェームズ・ウッズの男臭さの対決ムード。
もっと何とか出来なかったのなぁ・・・。

エンドロールで流れるフィル・コリンズの曲は良かったが、ラストシーンのいまいち伝わって来ない終わり方は何？この曲を流しながら終わると言う約束だったからなのか。

久し振りにつまらない作品を見てしまった。
ジャケットにだまされないで！

フィルコリンズのあの名曲が、こころから離れない！あの曲を聴くと、愛のイメージが膨れあがるのだけど、作品はお構いなしに別物です（つまらんです）。未だ人気の８０年代ポップスブームを代表する、フィルコリンズと、その代表曲。いいですよー。何度聞いたことか。

お粗末さが目に付く映画だった。
主人公の男性が抱えているトラウマも、いかがなものかと
思うし、ミステリーというほどミステリーでもなく・・・。
タイトルから察するほどのロマンスもないし。
せめてもの救いは、風景の良さか。

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かなり前にTV放映で部分的に観たことがあって、今回全部通して観るのは初めて。
サスペンスとロマンスとミステリーがちょっとずつ混ざったような作品だったのですね。。

２０年以上前の映画で少々古いけど、むちゃくちゃ古い！って感じはしませんでした。
舞台がキレイ。
ストーリーもまあ、つまらなくもない。
でもどなたもおっしゃるように、
この映画の良さは最期のフィル・コリンズの曲が全てです。
この流れでこの曲がかかって彼女の涙交じりの笑顔・・だけで、
評価の★が1〜2コ増えます。

ジェフ・ブリッジス、若いしカッコイイ＾＾