オリバー！

基本、これはマーク・レスター（当時10歳）を愛でる映画では無かろうか。小学校四年生な訳だが、演技もすればダンスもこなし、歌まで唄っちゃう。マーク・レスターって、我々の世代には英国の同世代のシンボルなのである。３年後の「小さな恋のメロディ(1971)」が日本で大ブレイクして、当時の中学生でマーク・レスターとトレイシー・ハイドの名前を知らない人は日本にはひとりもいなかったと断言できる。

そのマーク・レスターが主人公で、可哀想な生い立ちのオリバー・ツイストで、ミュージカルとくれば、私らにはツボの三段攻撃だ。

アカデミー賞を五つも獲っただけあって、セットも音楽も素晴らしい。もともとオリバー・ツイストというのは暗いストーリーなんだけれども、暗いミュージカルは有り得ないので【ダンサー・イン・ザーダークなぞはミュージカルではない】この映画はポランスキーの「オリバー・ツイスト(2005)」のようなダークさが無いのがとても良い。もともと薄暗いロンドンの空の下に明るい豪華な衣装のダンサーたちが繰り広げる世界は、ときにこれがロンドンだと言う事を忘れそうになる。

マーク・レスターに思い入れのある人なら必見である。迷わず推薦します。

楽しいミュージカルでした。好き好き。
なんで今まで知らなかったんだろう。

昔のロンドンの町を再現した、スケールの大きなセットで
大勢の人々が歌い踊るシーンがよかった。
特に前半の、市場の魚屋や肉屋や花屋や警官や
スリの子供たちが踊りまくるシーン。
みんなでひとつの振り付けを踊るのではなく、
画面の中央にいる人や端っこに映っている人が
同時に色々な格好&色々な動きをしていて、素敵。
あんなにたくさんの人がひとつの曲に合わせるなんて
振り付けやレッスン、大変だったんじゃないでしょか。
子役もたくさんいるし。しかもロングショットなのです。
遠くの方にちょろりと小さく小さく写っている人も
なんかしらの楽しげなステップを踏んでいて、すごい。演出こまかい。

最近のハリウッド映画って、あまり好きでないんですが、
なんでかというと、まずラブがあってなんかしらの事件があって
ドカンドカン銃撃戦があって行き違いがあってもう一回ラブがあって
全米が泣いてどんでん返しの後にドカンドカンカーチェイスがあって
結局ラブ&ピースばんざいみたいな似たような構成の
映画が多くて飽きてしまったんですね。
そういった映画の銃撃戦かカーチェイスどっちか削って、
オリバーみたいなステキミュージカルシーンに
差し替えてくれないかしらーといつも思うのです。
そしたらどんな映画でも見るのに。無茶か。
でも楽しいと思うんですけどね。
ラブる主人公たちの背後にダンサーが集まり、
舞う！飛ぶ！回る！主人公を囲んで歌う！
カーチェイスよりお金かからないと思うんですが。
無理か。

とにかく面白かったです。

　これは、アイデアの勝利だろう。『オリバー・ツイスト』がミュージカルになり得るなんて、一体誰が思いつくだろう。ディケンズの、あの暗く、陰惨なストーリーが、カラフルで楽しい映画になっていることに驚く。1968年制作の映画だけれど、全然古くさいと感じないのもびっくりだ。しかも、イギリス映画らしくとても上品。19世紀前半のロンドン、恵まれない過酷な環境の中で、したたかに、逞しく生きる庶民の姿を、重苦しくならず、力強く描いている。

　悲惨な状況のなかで、明るく歌い踊る悪党フェイギンやナンシーや孤児の子どもたち。掃き溜めに鶴状態の、まるで天使のようなオリバー役のマーク・レスター。最後は大捕り物張りの騒動が繰り広げられ、哀愁が漂うけれど、フェイギンはめげることなくしたたかに生きていく。

小さな恋のメロディのマーク・レスターとジャック・ワイルドの二人が出ていたので、未見だったこともあり、今回はじめて観ました。

もっと暗いイメージがあったのですが、そんな事はなく歌もダンスもとても素晴らしかった。
とにかくマーク・レスターが可愛いです。
どちらかというとジャック・ワイルドのファンですが、それでもマーク・レスターが愛くるしく思えちゃうほどです。

あのマイケル・ジャクソンもこの映画が好きだったと何かで読みました。
沢山映画を観たそうで、これもその中の一本なのでしょうね。
大勢で踊るダンスシーンなんかはマイケルのミュージック・ビデオと共通するところがあるような気がしました。

新しい映画もいいけれど、今まで見過ごしていた昔のいい映画も沢山あるんだと思います。
純粋に観てよかったと思える作品でした。

　アカデミー賞シーズンである。
４０年前に作品賞をとった本作は、総合力の勝利だったと思わせる。音楽、美術、装置が凄い。
そして主演の「マーク・レスター」の「上品なあどけなさ」は一見の価値あり。ナンシー役「シャニ・ウォリス」の圧倒的な歌唱力が素晴らしい。地味だがスリの親玉フェイギンが多くを歌っている。監督キャロル・リードの甥、「オリヴァー・リード」は「グラディエーター」が遺作だったが、こんな若かりし日があったとは。
　市場で民衆が歌い踊るシーンが圧巻。
あまり古さは感じませんよ。絶対損はしないと思います、、。