エマニエル夫人

　劇場公開時、私は小学生だったので、見たいけれども見られませんでした。その代わり、「ロードショー」誌上で写真と文で紹介されていたストーリーを何度も読んだ（見た）ものです。ガキには刺激の強い内容で、今も完璧に記憶しております。
　その後、日曜ロードショーでもやったと思います。そのときは親に隠れて見たんですけど、かなりカットされていて、雑誌を見て自分の頭の中ではすでに「名場面」化している場面が出てこないのが残念で、どうも見たという気がしませんでした。
　今回ＤＶＤで無修正版を見たわけですが、映画が記憶の通りに展開していくのが（当たり前なんですけど）感動的です。自分の中ではすでに「名場面」化している場面が次々に登場。飛行機の中の場面とか、スカッシュの場面とか、馬に乗っている場面とか。当時からすごくきれいな人だと思っていたシルビア・クリステルは、大人になった今見ても大変にきれいで魅力的です。
　ボソボソ歌う主題歌も当時から好きでした。ソフトフォーカスっていうんでしょうか。ジュスト・ジャカンの全体的にぼやけた映像がポルノにもかかわらずおしゃれです。絵もきれいで、非常に植民地主義的な表現ではありますが、バンコクのエキゾチックな風景が魅力的にとらえられていました。
　ストーリーはバカ話ですが、シルビア・クリステルの魅力をフィルムに焼き付けた一種の名作ではないでしょうか。

このシリーズは見逃すことなくみています！超エロエロやから大好きです！みなさん必見です！

　感想から言えば「？」です。
官能ドラマとありますが、映画自体が奔放な性生活を描いているだけの娯楽映画かな。
この映画が話題にのぼった頃は学生で観るのには勇気が要り、やっと観ることができたと期待して観ただけにがっかりです。
もっとストーリー性のある見ごたえのある映画かと思っていただけに期待はずれ感は否めません。
主人公や取り巻き女性の肢体の美しさは見るだけでも価値はあると思いますが、ストーリー性を求めている人には、「辞めときな」と一言。
ただ、異性と観るには刺激が強すぎるかも…

ちょうど２０歳になった時の作品で、日本公開時に１度観た限り。
シルビア・クリステルは出演時２２歳、たしかに「美しい女優」の印象でした。　でも、それだけでした。
その彼女、２０１２年１０月１８日、脳卒中のため６０歳の若さで世を去っています。

全く期待しないで観たら、意外とツボに入りました。ポイントは次の3つ。

(1)何だかんだ理屈をこね回してセックスしたがるフランス人の絶倫さが突き抜けててすばらしい。まあ、日本人も人の事言えないわけですが、技巧にこだわる日本人に対して、シチュエーションにこだわるフランス人のアプローチの違いが面白いです。

(2)曲が完全にキング・クリムゾンの「太陽と戦慄 PART2」の丸パクリ。しかもペナペナのチープさ。そりゃロバート・フリップも怒りますわ。しかし何でクリムゾン？

(3)70年代バンコク＆北部の美しい風景が楽しめます。〇〇○でタバコを吸うとか、あのへんのパッポンの2F系ゲテモノ芸（失礼、日本でもやってましたね）はこのころからあったんですね。まあ、他のシーンも含め、タイにしては国辱モノかもしれませんが。

それにしても、欧米人の熱帯信仰ってアツいものがあるんですが、要はこういうタブーから隔絶された地でのフリーセックス＆何が起こるかわからない怪しい雰囲気が好きなだけなんじゃないかと思うと納得出来るところがあります。80年代の「新島行くとヤレる」的な。