ヒポクラテスたち / 古尾谷雅人
ヒポクラテスたち
/大森一樹
平均評価点:
予告編を検索
全体の平均評価点: (5点満点)
(15)
解説・ストーリー
京都府立医大を卒業した大森一樹監督が自らの体験をもとに、大学病院に学ぶ若者たちをいきいきと描いた青春群像。京都・洛北医科大学。医学生の最終学年は臨床実習にあてられ6〜7人のグループに分けられる。同じグループになった愛作ら7人は様々な不安や問題を抱えながらも、臨床実習を通じて次第に医者の卵として成長していく……。
京都府立医大を卒業した大森一樹監督が自らの体験をもとに、大学病院に学ぶ若者たちをいきいきと描いた青春群像。京都・洛北医科大学。医学生の最終学年は臨床実習にあてられ6〜7人のグループに分けられる。同じグループになった愛作ら7人は様々な不安や問題を抱えながらも、臨床実習を通じて次第に医者の卵として成長していく……。
もっと見る▼
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
「ヒポクラテスたち」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
京都府立医大を卒業した大森一樹監督が自らの体験をもとに、大学病院に学ぶ若者たちをいきいきと描いた青春群像。京都・洛北医科大学。医学生の最終学年は臨床実習にあてられ6〜7人のグループに分けられる。同じグループになった愛作ら7人は様々な不安や問題を抱えながらも、臨床実習を通じて次第に医者の卵として成長していく……。
「ヒポクラテスたち」 の作品情報
「ヒポクラテスたち」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ヒポクラテスたちの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
126分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GNBR1562 |
2004年04月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
0人
|
ヒポクラテスたちの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
126分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
GNBR1562 |
2004年04月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
1人
|
0人
|
TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!
洋画・邦画
約35,500
タイトル以上
国内ドラマも一部含まれております
※2022年2月 現在のタイトル数
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ユーザーレビュー:15件
医学生も白い巨塔やブラックジャックを読んでいた
投稿日:2006/04/06
レビュアー:よふかし
若き大森一樹の二作目にして傑作です。
まだ自主制作映画の気配も濃厚で、とにかくさまざまな映画のテクニックをこれでもかと詰め込んでいて、楽しくなります。今回見直して、パートカラーまでやっていたことにびっくり。
その小技が映画から浮いてしまうことはなく、ややナイーブな医学生たちの青春群像という物語に、ぴったりと合っていて嬉しくなりました。
寺社以外の京都、鴨川の河原などが自然に描かれているのも魅力です。冒頭、古尾谷雅人が寝転んで『精神分裂病の少女の手記』(みすず書房)を読んでいるのは、丸太町通と今出川通の中間くらいかしら。橋のたもとには、映画に何度も出てくる喫茶店がありました。監督の母校でモデルである京都府立医大のそばだったような気が・・・いやうろ覚えです。寮はYMCAですかね?
いまではすっかり有名になった役者がたくさん出ていて目を見張りますが、加えて鈴木清順、手塚治虫まで出ています。
妙にレタリングのうまいタテカン(立て看板)の前でのビラ配り、政治的論争からの乱闘などは、知る人には郷愁を誘う風景ですが、若い人にはちょっと辛いかな?
でも未見の人は、ぜひどうぞ。当時は日本版アメリカン・グラフィティなどと言われていました。笑える場面もたくさんあるのですが、理想と現実の狭間で、不安と悔恨に揺れる、苦く切ない青春映画です。80点。
このレビューは気に入りましたか?
12人の会員が気に入ったと投稿しています
我が映画史序章
わたくし実は、高校時代に映研に属していたという暗い過去を持っています。ですから、成蹊高校の手塚眞や利重剛、法政一校の犬童一心、度重なる淫行などにより実刑を食らってしまった今関あきよしなどは、まだ8mmしか撮っていなかった頃からよく知っているのです。・・・もっとも、向こうは私なんぞのことは知りもしませんでしたが(笑)
当時は同時録音が可能となったことから8mmが絶頂期を迎え、ぴあフィルムフェスティバルが始まったことなどもあって、学生監督達が続々とプロデビューを果たしていた時でした。上記の人間以外にも、早稲田シネ研の山川直人・山本政志・室井滋、日芸の石井聰亙・長崎俊一・内藤剛士、立教の黒沢清・万田邦敏・周防正行など、今でも少なからぬ面子が一線で活躍していることを考えると凄い時代だったのだなあと思います。そんな中で先頭を走り、ある意味ではこの動向を牽引していたのは他ならぬ大森一樹でした。世代的もしくは人間関係という観点から見ればゴジこと長谷川和彦や相米慎二、高橋伴明等も同じ位置付けになるのかもしれませんが、彼らは日活の社員助監督からスタートしたり(長谷川、相米)、ピンクとは言うもの商業監督だったため(伴明)、素人(学生)監督の走りと言えばやはり大森一樹と言うことになるでしょう。私自身、幻の名作と言われた16mm作品『暗くなるまで待てない』が東京で公開された際に息せき切って駆けつけた記憶があります。
そんな大森一樹がまさに満を持して制作した初の商業35mm作品が『オレンジロード急行』で、公開前からメイキング本が出版されるほどの大騒ぎになっていました。私も、周りの連中も公開初日に駆けつけ、作品そのものよりも「我らの大森一樹」のプロ・デビューを手放しで歓迎していました。ただし、作品そのものに対しては喉に引っかかった小骨のような異物感を感じながら。
先日CS(日本映画専門チャンネル)で『オレンジロード急行』が放映されたため、懐かしさに駆られワクワクしながら観たのですが、純粋に作品としては目も当てられないような代物で、ノスタルジーに浸れなかったことへの無念さより今更ながらの驚きを感じました。いかにも素人監督らしい粗雑さや拙さがあったからではありません。それどころか、当時のヒーローであった原田芳郎を始めとする役者陣を大々的に起用する等オマージュとやらに満ち溢れていたり、サイレント映画もどきを挟み込んだり画面をセピアに着色するなど小手先の小技や飛び道具が満載で、若々しさと言うより老成した小器用さと、それを若さという表面的な化粧で繕うあざとさしか感じませんでした。この作品を撮った時、大森一樹は既に26才。京都府立大学の医学部に留年在学中で、医者になるかプロの映画監督になるのかどうか迷っていた時期だと聞いたことがあります。その迷いやら、素人作家としての過去に対する思いなどが渾然一体化して未整理なまま作品に結実してしまった。後知恵で総括するなら恐らくこんなことになるのでしょう。
『ヒポクラテスたち』は『オレンジロード急行』の2年後に制作された作品ですが、公開当時これが同一作家の作品かと思うほど変化したことに大きな驚きと小さな無念さのようなものを感じました。素人としての殻などみじんも残していない、まさに名実共に老成した作風に対してです。大森一樹のその後の経緯やフィルモグラフィーを考えると、やはり彼は小技を起用に活かす作家として優れていたのであり、この作品において身の丈にあった自分の居所を掴んだ、掴み始めたのでしょう。ちなみに、この作品を見終えた後には、最早異物感を感じることはなく、開放的な清々しさとちっぽけな郷愁が残りました。
このレビューは気に入りましたか?
9人の会員が気に入ったと投稿しています
懐かし三重奏
ATGも「新人監督・大森一樹」も京都も懐かしく、懐かしさの三重奏であります。paroleさんも書いておられますが、大森一樹は確かに当時のスターでした。スタジオ出身じゃなくて、映画館で学び、映画館から生まれた新しいタイプの監督として、何となく自分たちの仲間みたいな、そんなムードがありました。「暗くなるまで待てない」ですからね。例えて言えば、映画を撮りたかったけど手段がなかったから漫画家になった手塚治虫らトキワ荘の連中と違って、その次世代のコミケや同人誌出身の漫画家みたいなもの、といいましょうか。ひょっとしたら自分もなれるかも知れない身近な存在。勝手にそう思ってただけなんですけどね。
「オレンジロード急行」は確かに惨い出来ともいえますが、「映画館で映画を学んだ新人監督」らしい、コミケ出身の漫画家が描くようなパッチワークぶりが今や微笑ましくも思えます。
「ヒポクラテスたち」は大森一樹にとって私小説ともいえるテーマですが、登場人物のキャラクターを手際よく描き分け、いろんなエピソードをソツなく詰め込んでラストまで持って行く手腕は当時でも(やや遅れて二番館で見たんですけど)新人離れしたものを感じました。見たのが京都の菊水劇場というところで、映画館を出るとすぐに鴨川の河原で、今見た映画の舞台が広がっているのですから、非常に感動したわけです。古尾谷雅人も良かったなあ。私の青春の一本でもあります。
今考えると、伊藤蘭が自分の血を抜いてストレスを発散する、等等のいかにもな人物描写がやや鼻につくというか、私小説的な映画であるにもかかわらず、映画っぽくしすぎているようにも思いますが、いい作品であることは間違いないでしょう。この後に撮った「風の歌を聴け」よりは、シンプルでよほど良く出来ていると思います。
ただ、大森一樹のホントの良さは、さらにその後の吉川晃司の3部作とか、斉藤由貴の3部作とかのプログラム・ピクチャーにあるんでしょうね。
大森一樹は商業映画で成功してからも大阪のシネ・ヌーヴォーという映画館を舞台に自主映画を撮っていて、タイトルが「明るくなるまでこの恋を」という、強烈にベタな作品なのですが、これがなかなか良いのです。25分くらいの短編ですが、幸せな25分を過ごせます。北村龍平が今度、自主映画を撮るんですよね。もう撮ったのかな。自主映画出身者はゴジラを経てみな自主映画に戻っていくのでしょうか。
新人の石井聰互と沢田幸弘との共同監督というムチャな企画の「高校大パニック」とか、「ラスト・サムライ」以来、役者みたいになっちゃった原田真人の私小説映画みたいな「さらば映画の友よ」とかがまた見たくなってきました。
このレビューは気に入りましたか?
7人の会員が気に入ったと投稿しています
大森ワールドの原点へ帰れ
当時、現役の医大生でもあった大森一樹監督はこの作品で衝撃的なメジャーデビューを果たし、今後どんな凄い作品を見せてくれるのかと大いに期待していたのですがトットチャンネル、T.R.Y.など話題性の割には映画の出来は正直期待外れの感が否めなかった。
元医大生の本領発揮とも言えるWowWowの最新作『黒い春』は流石と見直しました。
大森さんならではのものを期待しています。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
古尾谷雅人の好演光る、素晴らしき青春群像劇
投稿日:2007/03/28
レビュアー:すかんぴん
大好きな映画の一つです。
ATG(※)の映画であり、それぞれの思いを胸に医者の卵として成長していく医学生たちの青春群像を描いた映画です。
古尾谷雅人さんがボクは大好きだったのですが、この映画での古尾谷雅人さんも非常によかったです。古尾谷雅人さんの魅力って、「ただそこに存在している」「存在しているだけで、そのシーンに雰囲気や空気を作ってしまえる」そんな素朴な存在感だとボクは
思います。
また、この映画では、柄本明さんや斉藤洋介さん、阿藤海さんなども出演しており、そんな人たちの若かりし頃をみていると、いろいろあった激動の時代だったんだろうけど、いい時代だったんだろうなぁと思います。
ちなみに、ウィキペディアによると、「そのあとのヒポクラテスたち」という続編も企画としてはあったそうです。
※ATG
日本アート・シアター・ギルド。
60年代〜80年代に、商業ベースではない芸術志向の映画の製作・配給をしていた映画会社。
今村昌平、若松孝二、市川崑、長谷川和彦、増村保造、井筒和幸、森田芳光、大林宣彦、寺山修司、伊丹十三など今思えばそうそうたるメンバーがATG作品を監督しています。
個人的には、リアルタイムでは観ていないがら、この頃の日本映画が一番エネルギッシュで、熱気とか活気が映像から伝わってくるようで好きだったりします。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
医学生も白い巨塔やブラックジャックを読んでいた
投稿日
2006/04/06
レビュアー
よふかし
若き大森一樹の二作目にして傑作です。
まだ自主制作映画の気配も濃厚で、とにかくさまざまな映画のテクニックをこれでもかと詰め込んでいて、楽しくなります。今回見直して、パートカラーまでやっていたことにびっくり。
その小技が映画から浮いてしまうことはなく、ややナイーブな医学生たちの青春群像という物語に、ぴったりと合っていて嬉しくなりました。
寺社以外の京都、鴨川の河原などが自然に描かれているのも魅力です。冒頭、古尾谷雅人が寝転んで『精神分裂病の少女の手記』(みすず書房)を読んでいるのは、丸太町通と今出川通の中間くらいかしら。橋のたもとには、映画に何度も出てくる喫茶店がありました。監督の母校でモデルである京都府立医大のそばだったような気が・・・いやうろ覚えです。寮はYMCAですかね?
いまではすっかり有名になった役者がたくさん出ていて目を見張りますが、加えて鈴木清順、手塚治虫まで出ています。
妙にレタリングのうまいタテカン(立て看板)の前でのビラ配り、政治的論争からの乱闘などは、知る人には郷愁を誘う風景ですが、若い人にはちょっと辛いかな?
でも未見の人は、ぜひどうぞ。当時は日本版アメリカン・グラフィティなどと言われていました。笑える場面もたくさんあるのですが、理想と現実の狭間で、不安と悔恨に揺れる、苦く切ない青春映画です。80点。
我が映画史序章
投稿日
2006/10/25
レビュアー
parole
わたくし実は、高校時代に映研に属していたという暗い過去を持っています。ですから、成蹊高校の手塚眞や利重剛、法政一校の犬童一心、度重なる淫行などにより実刑を食らってしまった今関あきよしなどは、まだ8mmしか撮っていなかった頃からよく知っているのです。・・・もっとも、向こうは私なんぞのことは知りもしませんでしたが(笑)
当時は同時録音が可能となったことから8mmが絶頂期を迎え、ぴあフィルムフェスティバルが始まったことなどもあって、学生監督達が続々とプロデビューを果たしていた時でした。上記の人間以外にも、早稲田シネ研の山川直人・山本政志・室井滋、日芸の石井聰亙・長崎俊一・内藤剛士、立教の黒沢清・万田邦敏・周防正行など、今でも少なからぬ面子が一線で活躍していることを考えると凄い時代だったのだなあと思います。そんな中で先頭を走り、ある意味ではこの動向を牽引していたのは他ならぬ大森一樹でした。世代的もしくは人間関係という観点から見ればゴジこと長谷川和彦や相米慎二、高橋伴明等も同じ位置付けになるのかもしれませんが、彼らは日活の社員助監督からスタートしたり(長谷川、相米)、ピンクとは言うもの商業監督だったため(伴明)、素人(学生)監督の走りと言えばやはり大森一樹と言うことになるでしょう。私自身、幻の名作と言われた16mm作品『暗くなるまで待てない』が東京で公開された際に息せき切って駆けつけた記憶があります。
そんな大森一樹がまさに満を持して制作した初の商業35mm作品が『オレンジロード急行』で、公開前からメイキング本が出版されるほどの大騒ぎになっていました。私も、周りの連中も公開初日に駆けつけ、作品そのものよりも「我らの大森一樹」のプロ・デビューを手放しで歓迎していました。ただし、作品そのものに対しては喉に引っかかった小骨のような異物感を感じながら。
先日CS(日本映画専門チャンネル)で『オレンジロード急行』が放映されたため、懐かしさに駆られワクワクしながら観たのですが、純粋に作品としては目も当てられないような代物で、ノスタルジーに浸れなかったことへの無念さより今更ながらの驚きを感じました。いかにも素人監督らしい粗雑さや拙さがあったからではありません。それどころか、当時のヒーローであった原田芳郎を始めとする役者陣を大々的に起用する等オマージュとやらに満ち溢れていたり、サイレント映画もどきを挟み込んだり画面をセピアに着色するなど小手先の小技や飛び道具が満載で、若々しさと言うより老成した小器用さと、それを若さという表面的な化粧で繕うあざとさしか感じませんでした。この作品を撮った時、大森一樹は既に26才。京都府立大学の医学部に留年在学中で、医者になるかプロの映画監督になるのかどうか迷っていた時期だと聞いたことがあります。その迷いやら、素人作家としての過去に対する思いなどが渾然一体化して未整理なまま作品に結実してしまった。後知恵で総括するなら恐らくこんなことになるのでしょう。
『ヒポクラテスたち』は『オレンジロード急行』の2年後に制作された作品ですが、公開当時これが同一作家の作品かと思うほど変化したことに大きな驚きと小さな無念さのようなものを感じました。素人としての殻などみじんも残していない、まさに名実共に老成した作風に対してです。大森一樹のその後の経緯やフィルモグラフィーを考えると、やはり彼は小技を起用に活かす作家として優れていたのであり、この作品において身の丈にあった自分の居所を掴んだ、掴み始めたのでしょう。ちなみに、この作品を見終えた後には、最早異物感を感じることはなく、開放的な清々しさとちっぽけな郷愁が残りました。
懐かし三重奏
投稿日
2006/11/30
レビュアー
勝王
ATGも「新人監督・大森一樹」も京都も懐かしく、懐かしさの三重奏であります。paroleさんも書いておられますが、大森一樹は確かに当時のスターでした。スタジオ出身じゃなくて、映画館で学び、映画館から生まれた新しいタイプの監督として、何となく自分たちの仲間みたいな、そんなムードがありました。「暗くなるまで待てない」ですからね。例えて言えば、映画を撮りたかったけど手段がなかったから漫画家になった手塚治虫らトキワ荘の連中と違って、その次世代のコミケや同人誌出身の漫画家みたいなもの、といいましょうか。ひょっとしたら自分もなれるかも知れない身近な存在。勝手にそう思ってただけなんですけどね。
「オレンジロード急行」は確かに惨い出来ともいえますが、「映画館で映画を学んだ新人監督」らしい、コミケ出身の漫画家が描くようなパッチワークぶりが今や微笑ましくも思えます。
「ヒポクラテスたち」は大森一樹にとって私小説ともいえるテーマですが、登場人物のキャラクターを手際よく描き分け、いろんなエピソードをソツなく詰め込んでラストまで持って行く手腕は当時でも(やや遅れて二番館で見たんですけど)新人離れしたものを感じました。見たのが京都の菊水劇場というところで、映画館を出るとすぐに鴨川の河原で、今見た映画の舞台が広がっているのですから、非常に感動したわけです。古尾谷雅人も良かったなあ。私の青春の一本でもあります。
今考えると、伊藤蘭が自分の血を抜いてストレスを発散する、等等のいかにもな人物描写がやや鼻につくというか、私小説的な映画であるにもかかわらず、映画っぽくしすぎているようにも思いますが、いい作品であることは間違いないでしょう。この後に撮った「風の歌を聴け」よりは、シンプルでよほど良く出来ていると思います。
ただ、大森一樹のホントの良さは、さらにその後の吉川晃司の3部作とか、斉藤由貴の3部作とかのプログラム・ピクチャーにあるんでしょうね。
大森一樹は商業映画で成功してからも大阪のシネ・ヌーヴォーという映画館を舞台に自主映画を撮っていて、タイトルが「明るくなるまでこの恋を」という、強烈にベタな作品なのですが、これがなかなか良いのです。25分くらいの短編ですが、幸せな25分を過ごせます。北村龍平が今度、自主映画を撮るんですよね。もう撮ったのかな。自主映画出身者はゴジラを経てみな自主映画に戻っていくのでしょうか。
新人の石井聰互と沢田幸弘との共同監督というムチャな企画の「高校大パニック」とか、「ラスト・サムライ」以来、役者みたいになっちゃった原田真人の私小説映画みたいな「さらば映画の友よ」とかがまた見たくなってきました。
大森ワールドの原点へ帰れ
投稿日
2007/03/29
レビュアー
徒然蜜柑白書
当時、現役の医大生でもあった大森一樹監督はこの作品で衝撃的なメジャーデビューを果たし、今後どんな凄い作品を見せてくれるのかと大いに期待していたのですがトットチャンネル、T.R.Y.など話題性の割には映画の出来は正直期待外れの感が否めなかった。
元医大生の本領発揮とも言えるWowWowの最新作『黒い春』は流石と見直しました。
大森さんならではのものを期待しています。
古尾谷雅人の好演光る、素晴らしき青春群像劇
投稿日
2007/03/28
レビュアー
すかんぴん
大好きな映画の一つです。
ATG(※)の映画であり、それぞれの思いを胸に医者の卵として成長していく医学生たちの青春群像を描いた映画です。
古尾谷雅人さんがボクは大好きだったのですが、この映画での古尾谷雅人さんも非常によかったです。古尾谷雅人さんの魅力って、「ただそこに存在している」「存在しているだけで、そのシーンに雰囲気や空気を作ってしまえる」そんな素朴な存在感だとボクは
思います。
また、この映画では、柄本明さんや斉藤洋介さん、阿藤海さんなども出演しており、そんな人たちの若かりし頃をみていると、いろいろあった激動の時代だったんだろうけど、いい時代だったんだろうなぁと思います。
ちなみに、ウィキペディアによると、「そのあとのヒポクラテスたち」という続編も企画としてはあったそうです。
※ATG
日本アート・シアター・ギルド。
60年代〜80年代に、商業ベースではない芸術志向の映画の製作・配給をしていた映画会社。
今村昌平、若松孝二、市川崑、長谷川和彦、増村保造、井筒和幸、森田芳光、大林宣彦、寺山修司、伊丹十三など今思えばそうそうたるメンバーがATG作品を監督しています。
個人的には、リアルタイムでは観ていないがら、この頃の日本映画が一番エネルギッシュで、熱気とか活気が映像から伝わってくるようで好きだったりします。
新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を
14日間無料お試し!※
- ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
- @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
- A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
- B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
- 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
- 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。
ご利用の流れ
@ 会員登録
申し込みフォームへ記入したら登録完了!
A 作品をレンタル
借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。
B ポストに返却
商品をポストに投函すればOK!
各プランはこちら
-
- 宅配レンタル 定額8プラン

-
- 「新作・準新作」が定額で月8枚レンタルできる!※1借り放題付き※2
- 新規登録する
-
- 宅配レンタル 定額4プラン

-
- 新規登録する
-
- 都度課金 プラン

-
- 新規登録する
※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。
※2 借り放題はDVD「旧作」、CD「新作・準新作・旧作」が対象です。
ヒポクラテスたち