人魚伝説

有名な女優さんがヌードを披露したことが話題となる作品があります。
多岐川裕美さんの『聖獣学園』、高島礼子さんの『さまよえる脳髄』、田中美佐子さんの『丑三つの村』などなど。。。

『八つ墓村』と比較鑑賞してしまう『丑三つの村』は別として、
ヌードしか記憶に残っていない『聖獣学園』、ヌードはともかく内容にがっかりした『さまよえる脳髄』など、
この手の女優ヌード話題先行作品はヌードの潔さ（！）に評価が集中しがちです。（私だけ？(・・。)ゞ）

本作品は違います！

本格スプラッターホラー『死霊の罠』で有名な（？）池田敏春さんが、これでもかというぐらい白都真理さんを潜らせ、脱がさせ、狂わせた作品。
配役も見事。

白都真理さんが夫を殺した相手に犯されるという目を覆いたくなる（しっかり観ましたけど、何かっ(・・。)ゞ ）シーンを熱演すれば、
清水健太郎さんがこれまた”あんたしかできないわっ！”という役を好演されています。(*^.^*)

物語終盤、”この人たちは関係ないのでは？”とも思える修羅場状況になってしまいますが、
昨今のさまざまな事件報道をみていると、無関係ではいけないのだとも思います。

血の量が凄まじく凄惨な状況であるにも関わらず、何とも幻想的な作品。
作品自体の中身と女優のヌード（結局それなのね）に興味を持つ男性の方におススメです。(*^.^*)

邦画史上に刻まれる伝説的ヴァイオレンスエロス巨編。女優の裸体をキレイに撮ることで定評のある池田敏春監督のキャリアの中でも代表作といえますし、主演白都真理にしても彼女のキャリアの中で決定的な代表作といえるでしょう。復讐に燃える女の情念の炎のそのメラメラとした妖しさと気高さと美しさ。劇画が原作ですからいちいちデフォルメな展開ですが、渾身の迫真の演技と画面が、それを「有り」にしています。都市伝説的な殺戮のラストも含めて、今や全てが伝説と化した作品。伝説・・・といえば「人魚」。都市伝説ブームの昨今、そもそも「伝説」とは何か、ということを本作は示してくれています。

あの頃に、こんな力の入っている映画があったことに、嬉しくなりました。
少し粗いところを薄目で見たりもしましたが、全体的にまとまっていて良かったです。

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楽しめました．
悲劇のヒロインが，夫の復讐をするストーリーで，
海，水着あるいは裸が出てくるとなると，
最近のはやりで映画を撮るとなると，全く違った，
のーてんきなハードボイルド，エンターテイメント作品も
できるんじゃないかなーと，見終わってから思いました．

そういう映画も好きですが，今回は，しっかりした重い
日本映画が見たい気分で借りました．
白都真理の返り血をあびた裸にも興味があって．
期待どおりの美しさと迫真の演技でした．

夫のかたきの男に抱かれながらも，その男を最後には刺し殺し，
返り血をあびた姿も綺麗でした．
最後のシーンも，返り血をあびながら，かたきに迫っていく姿は
迫真の演技でした．こういう演技がちゃんとできる女優さん，
最近ではなかなか，いないような気がします．

話は変わりますが，返り血といえば，
テレビドラマ「トリック」の第１シーズンの２話目くらいだったかな，あの返り血のシーンも綺麗だった．ゾクッとするほど，
画（え）的に美しかった．これも是非お勧め．

話は戻って，この作品は，海女さんという日本的な
強い女性を主人公にし，舞台も田舎の漁師町ということで，
まさにアートシアターギルドの作品という感じです．
自分で思う，日本映画らしい日本映画だと思います．
（駄作も多い中で，ちゃんとおすすめできる映画，みたいな意味です）

ただ，今回の作品では，あんまりピューピュー返り血ばっかり
なので，人を刺すとこんなにたくさんピューピュー出るんかい？と，最後はちょっと興ざめにもなりました．
また，最後の復讐のとき，警察に包囲されたところで，
いつもは漁の安全をお願いするお地蔵さんに，逆に頼んでおいた
あらしがくるのですが，大の大人が，しかも警官が，
たとえ台風クラスのあらしでも，目の前に殺人犯がいるのに
みんな逃げ帰るわけないでしょう，とか思ってしまいました．
原発の看板もあらしがきれいに倒してってくれるし．
何より，あらしが去った後，それまで白都真理が刺しまくって
足下に倒れていたたくさんの人たちが，みんないなくなって
しまっていたのには，ちょっと笑いがこみあげてしまいました．
それが，どうこうじゃないですけど，そういうところに目が
いってしまうのは，最近のハデな映画に自分が毒されて
しまったからでしょうか？

「あまちゃん」がヒットし、原発の是非が問われる今こそ見直されるべき傑作。

原発反対をこれだけ明確に打ち出しながら、伝説の大量殺戮シーンや濃厚な濡れ場があっては、
市民運動の「道具」にもなりえなかっただろう。
だからこそ、純粋に「映画」としての密かな名声を保ち続けたのだと思う。

公共事業に伴う地方の負の構図もしっかり描かれていて、
地元のNPOがロケ招致したような、田舎を美化しただけの「いい人」しか出てこない
昨今の嘘っぱちなご当地映画とは雲泥の差。
この点も声を大にして評価したい。

80年代には一部の雑誌を中心に反原発が半ばファッション的・サブカル的に盛り上がり、
そんな中で公開当時この映画がどのように評価されたのかは知らないけれど、
これだけのボルテージを持った作品が忘れ去られ、
反原発を主張する者もいつしか時代遅れと嘲笑されるようになり20年、、、
その果てに3・11後の今があるのだ。