宇宙大戦争

とにかく先入観なしで、クライマックスの宇宙空間での敵味方入り乱れる一大空中戦を見てください。
そしてこの映画が４０年以上も昔、合成技術もまだ稚拙でＣＧもデジタル音声もなかった時代に作られたことを考えてください。
もちろん、当時としてもイーストマンカラー・シネマスコープ、疑似方式ながらパースペクタステレオフォニックの立体音響（ＤＶＤの3ch音声に再現されています）を採用した正月公開用の大作で、製作陣の意気込みは並々ならぬものがありました。
その成果が、当時のアメリカ映画も描けなかった一人乗りロケット戦闘機隊と円盤群がスクリーン狭しと乱舞する超バトルシーン。
是非とも大画面で、出来ればスクリーンで確かめてください。

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　地球侵略するナタール人っつうエイリアンがいるってんで、地球人が結束して大戦争する話。

　まだ人類が宇宙にも行っていない時代の映画でまさに空想科学な映画で楽しい気持ちに慣れました。

　冒頭で宇宙ステーションが謎の円盤に攻撃されるツカミから、人類が会議してチームを作って月面にいるらしいエイリアンの基地にアタックをかける。そのチームの選抜もどういう人物なのかもよくわからないままあっという間に進むジェットコースタームービーでした。ちょこっとだけメンバーの男女がお月様を見上げて語らうという恋愛っぽいことが描かれて、その2人をちゃかす男の友達がいてというのが少しだけ描かれて、あっという間にお月様に向かっていました。基本、会議があってそこで決定したことがすぐ次のシーンで描かれていきました。

　月面で基地攻撃があって、そこからの脱出での円盤からの攻撃を防ぎながらカーチェイスなんかも見ていて楽しかったです。そこで宇宙人に憑りつかれた友達が味方のロケットに破壊工作をしていたと思ったらすぐに目を覚まして自己犠牲の精神を発揮していたりするのも凄かったです。どうやって洗脳を解いたのか謎でした。

　そしていよいよ地球の名所に円盤が攻撃してきて、それに対抗する地球人たち。もう少し何で勝ったかとか作戦として細かく描けたらカタルシスがあったと思いました。

　とはいえ【アルマゲドン】や【インデペンデンス・デイ】が作られる何十年前に日本で作られているのを知ることができる映画でした。

宇宙人侵略ものの傑作「地球防衛軍」（１９５７）の続編…というか、ストーリー的なつながりはないので姉妹編というべき作品。前作と同じく田中友幸（製作）、本多猪四郎（監督）、円谷英二（特技監督）、そして伊福部昭（音楽）というお馴染みの東宝最強スタッフによるＳＦスペクタクル大作。

前作の戦いがもっぱら地球上で繰り広げられたのに対し、今回はさらにスケールアップして、月面や宇宙空間、そして最後は地球の大都市を舞台に、宇宙人の円盤、地球人のロケットやミサイル、様々な科学兵器が入り乱れ、文字通り「大戦争」の様相を呈します。

そりゃ確かに現代のＶＦＸとは比較にならないかもしれませんが、特撮の神様と呼ばれた円谷英二がその実力をいかんなく発揮したミニチュアワークの魅力は今なお新鮮で、まだ人類が月に到達すらしていなかった時代に、月面へのロケット着陸や、探索車での月面走行（なんと月面のエアーを使って浮上走行します！）、そして敵基地での戦闘など、あらゆる場面を真正面から想像力豊かに描ききったその表現力には驚かされます。

唯一残念なのは、今回の宇宙人ナタールは、ほとんど姿が描かれず声だけの存在であるため前作のミステリアン（おもしろい奴らだったなー）ほどの個性が感じられず、また、前作の「モゲラ」のような目立つキャラクターもいないため、戦闘場面がスケールアップしているにもかかわらず、多少地味な印象をぬぐえないところでしょうか。

いずれにせよ当時の日本映画の勢いをまざまざと感じさせる佳作であることは間違いなく、ＳＦファンにはお勧めします。

　
『地球防衛軍』に続く東宝のＳＦアドベンチャー作品。宇宙ステーションと地球上で原因不明の怪事件が起きる。メンバーには宇宙人スパイが紛れ込んでいた。地球侵略を企てる宇宙人ナタール人は、月に基地をつくっていたのだった。『地球防衛軍』に続く東宝のＳＦ作品。

何も言う事ありません。

見たい人は見るでしょう。

日本映画の華々しき時代ともいえます。

「スター・ウォーズ」に先駆けること、１７年まえに日本映画でこんなのがあったのだ！リアルタイムで観たら「スター・ウォーズ」同様の興奮をしたであろう、円谷英二特技監督以下特撮スタッフの凄さ。クライマックスの敵、味方入り乱れての大空中戦、これには血が騒いだ。第二次世界大戦ものではしょせん負けたのだから、湿っぽい話しか出来ないが、この空想科学映画だとスカッとする娯楽作。大傑作「宇宙戦争」と紛らわしいタイトルだが、これはたしかに大戦争だ。そして「宇宙戦争」と比べても劣るところはありません。ディテールもしっかりとえがいているのであった。