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博奕打ち 総長賭博 / 鶴田浩二

博奕打ち 総長賭博 /山下耕作

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DVD

シリーズ

旧作

お届け率:100%

解説・ストーリー

掟、義理、人情の渡世に生きる博徒役に鶴田浩二を配し、賭博シーンの息詰まる対決を織り込んで描破する「博奕打ち」シリーズ第4弾。江東地区に縄張りを持つ天竜一家の跡目相続争いの中、一家を乗っ取ろうと画策する悪しき組長に中井信次郎が対峙する。

作品情報

製作年:

1968年

製作国:

日本

キャスト・スタッフ

DVD

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旧作

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ジャンル :

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「博奕打ち 総長賭博」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

掟、義理、人情の渡世に生きる博徒役に鶴田浩二を配し、賭博シーンの息詰まる対決を織り込んで描破する「博奕打ち」シリーズ第4弾。江東地区に縄張りを持つ天竜一家の跡目相続争いの中、一家を乗っ取ろうと画策する悪しき組長に中井信次郎が対峙する。

「博奕打ち 総長賭博」 の作品情報

作品情報

製作年:

1968年

製作国:

日本

「博奕打ち 総長賭博」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

「博奕打ち 総長賭博」 のシリーズ作品

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どうしようもない惜別感

投稿日:2007/09/23 レビュアー:しんぺい

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余りに

投稿日:2008/04/20 レビュアー:ホントニ!?

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博打打ち 総長賭博 ネタバレ

投稿日:2010/02/08 レビュアー:史朗

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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三島由紀夫が絶賛した、東映任侠路線の最高傑作として映画史上に名高い一作。
高倉健と並ぶ任侠モノの大スター鶴田浩二が、ひたすら任侠道を守り通したために、すべてをブチ壊してしまい、狂気じみた殺戮者へと追い詰められてゆく姿を描く。

他所者の遠慮で出すぎた行動を控え、血の気の多い兄弟分を必死で抑え、上の命ずるままに五厘下りの乾分格を二代目に盛り立てる鶴田の姿は、イラッとくるほど模範的。対する兄弟分の若山富三は、首輪をつけられたり檻に入れられたりすると暴れ出さず
にはいられないカワイそうな野生動物そのもの。そして彼らの背後にはあの金子信夫がネッチリと付きまとう。任侠.実録の別を問わず、理不尽な既決事項に逆らえず、最後に陰湿な暴発を起こして血の雨が降るのが、ヤクザ映画の本質だ。
本作には軍国化する時局に従い、本来無頼の徒であるはずのヤクザ
組織の体制翼賛会化と、その動きに抗しようとあがく昔気質の博徒という興味深い時代背景が描かれるが、ただただ耐える主人公の姿は、物語の途上において対立の構図の角を丸めてしまう。笠原和夫の、緻密に練り上げすぎて息苦しいまでの脚本の妙は、ここではソフトな名匠山下耕作監督のしっとりと落ち着いた演出とあいまって、後の実録モノにおける乾いた凶暴性とは正反対の、従順すぎる印象を与える。入り組んだ路地か神経系の様な、複雑に絡み合う相関図のドライな妙味が全面的に活かされるのは、最初から仁義も人情もクソ食らえの、ひたすらセコく生々しい暴力団同士の生存への駆け引きを描き出した[仁義なき戦い 代理戦争]にやはり止めを刺す。
雨中、先代の墓前で鶴田と若山が一触即発となり、若山の女房で鶴田の妹である藤純子に「二人とも人でなし」となじられるシーンを、荘重に捉え、他にも仁侠映画の美学に満ちた名場面が惜しみなく続出することで名高い本作だが、その端正で破綻のない物語世界に突如出現する、鶴田の女房桜町弘子が、こじれた関係をただすために自決するシーンは、きわめて異様で突出した場面といえるだろう。あえてこのような異物を、緻密きわまる自作中に混入した笠原和夫は、時代の分岐点を見極め、この作品が仁侠映画の頂点に君臨すると同時に、その終焉を告げる作品となるだろうことも、十分に自覚しつつ執筆したのだろう。この重大なシークエンスを引き金に、抑圧に抑圧を重ねてきた鶴田の、狂気と暴発への傾斜が開始される。
大切なものを守り通そうとして、逆にすべてがその心情や念願に反し、行動と結果とのズレを拡大されてしまう場合がある。皮肉で避けがたいそうした顛末を、仁侠道の宿命的自滅としてはっきり位置づけ、主人公鶴田浩二に「任侠道なんぞ知ったことか、俺はただの人殺しだ」という決定的セリフを吐かせた笠原和夫は、やはり実録モノの金字塔、仁義なき戦いシリーズの脚本家として不可欠の人であり、東映任侠路線を大切に育み、造り上げてきた山下耕作監督は、充分に育ったわが子へ、見事に巣立ちを言い渡したのだった。

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「芸術みたいなものをつくるな」 ネタバレ

投稿日:2008/07/04 レビュアー:港のマリー

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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 三島由紀夫が激賞したことより、後に東映の社長となる岡田茂が、本作の監督と脚本家をこう叱責したというエピソードに惹かれる。坊ちゃん育ちの天才文学者の感受性とエンターテイメント業界の凄腕実業家の嗅覚が一致して認めた芸術性。実際見て納得した。「任侠映画の」という枠を外した邦画の傑作の一つだと思う。その「芸術性」について考えてみた。

〔1〕悲劇の完璧性
 よくギリシア悲劇に喩えられるが構造は少し異なると思う。ギリシア劇のように最初から人智では動かし難い神々が定めた運命を想定しているわけではない。ひとりの人間の選択した行為、ここでは鶴田浩二が自分の信じる仁義に従って跡目相続を固辞したこと、が組織とそれを取り巻く人間集団に小さな亀裂をもたらす。それをきっかけに誤解、相互不信、憎悪が積み重なり、この機に乗じての悪だくみ(金子信雄)も加わって傷口は広がるばかり。むろん鶴田浩二も事態の収束に奔走するが結果はすべて裏目に出る。このあたりは運命を逃れようと画策すればするほど逆に運命の罠にはまって抜き差しならなくなるギリシア悲劇に似ている。そして最終的には破局へと向かわざるを得ない。

 注目すべきなのは、始まりは人間の意思による行為であっても掛け違えが度重なれば、人間には制御不能の一種の「運命」を形成してしまうことを、映画が見事に描いていることだろう。転換点は若山富三郎の舎弟、三上真一郎が金子信雄の画策で総長に就任した、組のbTにすぎなかった名和宏を襲撃したあたりか。ここから悲劇はまるで自動装置のように凄まじい破壊力で人々を呑み込んでいく。隙のない論理を積み重ねた論文のような緊張感に満ちた脚本と潔癖だがわずかに湿度のある叙情を漂わせた画面がその過程に見る者を立ち合わせ、最後の破局まで否応なしに連れて行く。重厚で悲劇的だが決して扇情的にはならない音楽もいい。確かにここでは俳優の演じる「人間」ではなく「ドラマそのもの」が主役なのだ。桜町弘子の自害など悲劇を際立たせるためだけのエピソード と考えなければ理解できない。「オイディプス」のイオカステーの死がイメージにあったのかもしれない。(白石加世子あたりが演じればもっと雰囲気が出たのに…全然違う映画になってはしまうが)

 悲劇の最高潮はもちろん、鶴田浩二が若山富三郎を斬ったところへ若山の妻子が駆けつける場面。若山の妻藤純子は鶴田の妹との設定だ。妹は「人殺し」の一言を兄に投げつけ、幼い甥は「おじちゃん」と無心に呼びかける。鶴田は終始無言。ギリシア劇だったら「おお、見るも恐ろしいその有様…」とコロスの合唱が入るところだろう。粛然とさせられるほど冷たい気品に満ちた名場面。どうしたってヤクザ映画、アクション映画の枠を抜け出す芸術です。

〔2〕映画の問いかけるテーマの普遍性
 簡単に答えの出ない問いを逃げず、ひるまず、誰にも媚びず誠実に追い続けるということも、芸術の証の一つだろう。この映画もそれをしている。問いはいくつも読み取れようが取りあえず二点。

@個人と組織の相克
 「俺は納得できねえ」を連発する若山に組織に対する個人の主体性の主張を見て当時の全共闘の青年たちと重ねた佐藤忠夫の見方がある。鶴田は組織と個人の狭間にあって苦悩する役割か。もう少し若い時に見ていたら若山に共感していたかもしれないが、今は聞き分けのない駄々っ子のように映るのが寂しい。逆に若山からはいわれのない憎しみを受け、金子からは利用されたと知りながら体を張って総長の職責を果たそうとする名和宏の良識に感心したりする。

A倫理(仁義)と暴力の関係
 これを正面から問うていることこそがこの映画の最大の魅力だと思う。悪玉金子を成敗するときの鶴田の台詞「仁義なんて知らない。俺はただのケチな人殺しよ」これほどの強烈な破壊力を持つことばに映画のなかで出会ったことがなかった。これまで自分が血の滲むような努力を重ねて守ってきた「仁義」を鶴田は一瞬にして否定する。破壊する。それはまた忠臣蔵をルーツに善玉が耐えに耐えた末、悪玉に正義の刃をつきつけるという任侠映画のテーゼの全否定でもある。ダメ押しをするようにラストに鶴田の「判決文」を持ってきて、彼の一連の行為は「私怨による凶悪な犯行」なんて言わせてもいる。これをどう解釈すべきなのか、正直なところわからない。仁義の衣を脱いだ裸の暴力こそが、逆説的に仁義を成り立たせるのか。しょせん暴力はただ暴力にすぎないのか。20世紀初頭のドイツの思想家ベンヤミンが考えたような深い難しい問いだ。

 あまり人の訪れない荒野にすっくと立って薫り高い花を咲かせているような本作。出会えてよかったです。 

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良く出来た任侠伝説 ネタバレ

投稿日:2008/08/03 レビュアー:ムーン

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

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港のマリーさんが、大変優れた考察をしている後に、変なレビューで汚して申し訳ありません。
まあ、ミーハーな印象を少し書き記しておきます。

ムーンも大昔に三島由紀夫氏のエッセイを読んだ口で、なにやら様式美のようなことが書いてあった位にしか記憶がありませんが、そんなに凄いのなら何時かは見ようと思っていました。

それで、今、見終わった最初の感想は「それ程のものか?」です。あまり、任侠映画に詳しくないので、素人の意見だと思ってください。

とにかく、最後に主人公が義憤から、敵を討ってカタルシスを得るわけですから、前提となる原因として、ムショ帰りの松田の我慢のなさ、情に酔ったつや子のような無駄死にや、オトのような感情で突っ走ってしまう若者が、どんどん事態を混乱させ逼迫させていくわけです。
そして、主人公は、愛する者をことごとく失い、涙をのんで親友を葬り、黒幕と事を決して、この任侠のおとぎ話から現実に引き戻すような判決文の朗読でエンディングになります。
典型的な任侠物語で、その典型的な様式の完成度が高いということなんでしょうか?
あまり他を知らないので、作品自体の話は、ここまでにしておきます。

ミーハーに面白いと思った点
鶴田浩二さんは、私にとっては、懐メロの番組で「古い奴だとお思いでしょうが・・・」と歌う人、というくらいの認識しかありませんでした。
でも、あれは、あの当時は懐メロじゃなかったんですね。
ですが、懐メロに聞こえてしまうノスタルジーを持った曲でした。

あとは、以前、NHKの「シャツの店」というドラマで、八千草薫さんと共演していたことがあったと思います。
とにかく、昔から昔気質の、筋の通った好漢というイメージで通してきた方なんだと思いました
私は、どういう訳かこの方のホッペタに目がいってしまうのです。

もう一人ホッペタのラインが印象に残るのが藤純子さん。
この方も、任侠映画では一代を築いた方ですが、こういう世界にいてもいいような薄幸そうな、気品はあるけれど高貴ではないオーラのある人だと思っています。とにかく美しいです。

それに比べると、主人公中井の奥さん、桜町弘子さんは、髪型のせいか、たおやかな品の良さが山手の中流セレブあるいは銀座マダム風で、ちょっと違う気がしてしまいました。

笑えるところ
若山富三郎さん、カチ込みの衣装が「座頭一」してます。
オト役の方、今なら的場浩二さんでしょう。
オトの恋人のおくみは、京野ことみに似てる。
出所の祝い会で「二人は若い」というのろけ歌を合唱するとこ。
桜会のお揃いのストライプのスカーフ。
坊や役の子は、どこかの重役の子でもあるのでしょうか、遊園地のメリーゴーランドで若山富三郎さんに抱っこされて凄くいやそうです。
金子信夫さんは、この頃から既にずるい親分役やってたんですね。
ナレーション等も含め「仁義なき戦い」は、この路線の延長上にあったのか。

予告編とは違い、概して静かな映画でした。

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ユーザーレビュー

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内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

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どうしようもない惜別感

投稿日

2007/09/23

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しんぺい

余りに

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2008/04/20

レビュアー

ホントニ!?

博打打ち 総長賭博

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2010/02/08

レビュアー

史朗

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三島由紀夫が絶賛した、東映任侠路線の最高傑作として映画史上に名高い一作。
高倉健と並ぶ任侠モノの大スター鶴田浩二が、ひたすら任侠道を守り通したために、すべてをブチ壊してしまい、狂気じみた殺戮者へと追い詰められてゆく姿を描く。

他所者の遠慮で出すぎた行動を控え、血の気の多い兄弟分を必死で抑え、上の命ずるままに五厘下りの乾分格を二代目に盛り立てる鶴田の姿は、イラッとくるほど模範的。対する兄弟分の若山富三は、首輪をつけられたり檻に入れられたりすると暴れ出さず
にはいられないカワイそうな野生動物そのもの。そして彼らの背後にはあの金子信夫がネッチリと付きまとう。任侠.実録の別を問わず、理不尽な既決事項に逆らえず、最後に陰湿な暴発を起こして血の雨が降るのが、ヤクザ映画の本質だ。
本作には軍国化する時局に従い、本来無頼の徒であるはずのヤクザ
組織の体制翼賛会化と、その動きに抗しようとあがく昔気質の博徒という興味深い時代背景が描かれるが、ただただ耐える主人公の姿は、物語の途上において対立の構図の角を丸めてしまう。笠原和夫の、緻密に練り上げすぎて息苦しいまでの脚本の妙は、ここではソフトな名匠山下耕作監督のしっとりと落ち着いた演出とあいまって、後の実録モノにおける乾いた凶暴性とは正反対の、従順すぎる印象を与える。入り組んだ路地か神経系の様な、複雑に絡み合う相関図のドライな妙味が全面的に活かされるのは、最初から仁義も人情もクソ食らえの、ひたすらセコく生々しい暴力団同士の生存への駆け引きを描き出した[仁義なき戦い 代理戦争]にやはり止めを刺す。
雨中、先代の墓前で鶴田と若山が一触即発となり、若山の女房で鶴田の妹である藤純子に「二人とも人でなし」となじられるシーンを、荘重に捉え、他にも仁侠映画の美学に満ちた名場面が惜しみなく続出することで名高い本作だが、その端正で破綻のない物語世界に突如出現する、鶴田の女房桜町弘子が、こじれた関係をただすために自決するシーンは、きわめて異様で突出した場面といえるだろう。あえてこのような異物を、緻密きわまる自作中に混入した笠原和夫は、時代の分岐点を見極め、この作品が仁侠映画の頂点に君臨すると同時に、その終焉を告げる作品となるだろうことも、十分に自覚しつつ執筆したのだろう。この重大なシークエンスを引き金に、抑圧に抑圧を重ねてきた鶴田の、狂気と暴発への傾斜が開始される。
大切なものを守り通そうとして、逆にすべてがその心情や念願に反し、行動と結果とのズレを拡大されてしまう場合がある。皮肉で避けがたいそうした顛末を、仁侠道の宿命的自滅としてはっきり位置づけ、主人公鶴田浩二に「任侠道なんぞ知ったことか、俺はただの人殺しだ」という決定的セリフを吐かせた笠原和夫は、やはり実録モノの金字塔、仁義なき戦いシリーズの脚本家として不可欠の人であり、東映任侠路線を大切に育み、造り上げてきた山下耕作監督は、充分に育ったわが子へ、見事に巣立ちを言い渡したのだった。

「芸術みたいなものをつくるな」

投稿日

2008/07/04

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港のマリー

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 三島由紀夫が激賞したことより、後に東映の社長となる岡田茂が、本作の監督と脚本家をこう叱責したというエピソードに惹かれる。坊ちゃん育ちの天才文学者の感受性とエンターテイメント業界の凄腕実業家の嗅覚が一致して認めた芸術性。実際見て納得した。「任侠映画の」という枠を外した邦画の傑作の一つだと思う。その「芸術性」について考えてみた。

〔1〕悲劇の完璧性
 よくギリシア悲劇に喩えられるが構造は少し異なると思う。ギリシア劇のように最初から人智では動かし難い神々が定めた運命を想定しているわけではない。ひとりの人間の選択した行為、ここでは鶴田浩二が自分の信じる仁義に従って跡目相続を固辞したこと、が組織とそれを取り巻く人間集団に小さな亀裂をもたらす。それをきっかけに誤解、相互不信、憎悪が積み重なり、この機に乗じての悪だくみ(金子信雄)も加わって傷口は広がるばかり。むろん鶴田浩二も事態の収束に奔走するが結果はすべて裏目に出る。このあたりは運命を逃れようと画策すればするほど逆に運命の罠にはまって抜き差しならなくなるギリシア悲劇に似ている。そして最終的には破局へと向かわざるを得ない。

 注目すべきなのは、始まりは人間の意思による行為であっても掛け違えが度重なれば、人間には制御不能の一種の「運命」を形成してしまうことを、映画が見事に描いていることだろう。転換点は若山富三郎の舎弟、三上真一郎が金子信雄の画策で総長に就任した、組のbTにすぎなかった名和宏を襲撃したあたりか。ここから悲劇はまるで自動装置のように凄まじい破壊力で人々を呑み込んでいく。隙のない論理を積み重ねた論文のような緊張感に満ちた脚本と潔癖だがわずかに湿度のある叙情を漂わせた画面がその過程に見る者を立ち合わせ、最後の破局まで否応なしに連れて行く。重厚で悲劇的だが決して扇情的にはならない音楽もいい。確かにここでは俳優の演じる「人間」ではなく「ドラマそのもの」が主役なのだ。桜町弘子の自害など悲劇を際立たせるためだけのエピソード と考えなければ理解できない。「オイディプス」のイオカステーの死がイメージにあったのかもしれない。(白石加世子あたりが演じればもっと雰囲気が出たのに…全然違う映画になってはしまうが)

 悲劇の最高潮はもちろん、鶴田浩二が若山富三郎を斬ったところへ若山の妻子が駆けつける場面。若山の妻藤純子は鶴田の妹との設定だ。妹は「人殺し」の一言を兄に投げつけ、幼い甥は「おじちゃん」と無心に呼びかける。鶴田は終始無言。ギリシア劇だったら「おお、見るも恐ろしいその有様…」とコロスの合唱が入るところだろう。粛然とさせられるほど冷たい気品に満ちた名場面。どうしたってヤクザ映画、アクション映画の枠を抜け出す芸術です。

〔2〕映画の問いかけるテーマの普遍性
 簡単に答えの出ない問いを逃げず、ひるまず、誰にも媚びず誠実に追い続けるということも、芸術の証の一つだろう。この映画もそれをしている。問いはいくつも読み取れようが取りあえず二点。

@個人と組織の相克
 「俺は納得できねえ」を連発する若山に組織に対する個人の主体性の主張を見て当時の全共闘の青年たちと重ねた佐藤忠夫の見方がある。鶴田は組織と個人の狭間にあって苦悩する役割か。もう少し若い時に見ていたら若山に共感していたかもしれないが、今は聞き分けのない駄々っ子のように映るのが寂しい。逆に若山からはいわれのない憎しみを受け、金子からは利用されたと知りながら体を張って総長の職責を果たそうとする名和宏の良識に感心したりする。

A倫理(仁義)と暴力の関係
 これを正面から問うていることこそがこの映画の最大の魅力だと思う。悪玉金子を成敗するときの鶴田の台詞「仁義なんて知らない。俺はただのケチな人殺しよ」これほどの強烈な破壊力を持つことばに映画のなかで出会ったことがなかった。これまで自分が血の滲むような努力を重ねて守ってきた「仁義」を鶴田は一瞬にして否定する。破壊する。それはまた忠臣蔵をルーツに善玉が耐えに耐えた末、悪玉に正義の刃をつきつけるという任侠映画のテーゼの全否定でもある。ダメ押しをするようにラストに鶴田の「判決文」を持ってきて、彼の一連の行為は「私怨による凶悪な犯行」なんて言わせてもいる。これをどう解釈すべきなのか、正直なところわからない。仁義の衣を脱いだ裸の暴力こそが、逆説的に仁義を成り立たせるのか。しょせん暴力はただ暴力にすぎないのか。20世紀初頭のドイツの思想家ベンヤミンが考えたような深い難しい問いだ。

 あまり人の訪れない荒野にすっくと立って薫り高い花を咲かせているような本作。出会えてよかったです。 

良く出来た任侠伝説

投稿日

2008/08/03

レビュアー

ムーン

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港のマリーさんが、大変優れた考察をしている後に、変なレビューで汚して申し訳ありません。
まあ、ミーハーな印象を少し書き記しておきます。

ムーンも大昔に三島由紀夫氏のエッセイを読んだ口で、なにやら様式美のようなことが書いてあった位にしか記憶がありませんが、そんなに凄いのなら何時かは見ようと思っていました。

それで、今、見終わった最初の感想は「それ程のものか?」です。あまり、任侠映画に詳しくないので、素人の意見だと思ってください。

とにかく、最後に主人公が義憤から、敵を討ってカタルシスを得るわけですから、前提となる原因として、ムショ帰りの松田の我慢のなさ、情に酔ったつや子のような無駄死にや、オトのような感情で突っ走ってしまう若者が、どんどん事態を混乱させ逼迫させていくわけです。
そして、主人公は、愛する者をことごとく失い、涙をのんで親友を葬り、黒幕と事を決して、この任侠のおとぎ話から現実に引き戻すような判決文の朗読でエンディングになります。
典型的な任侠物語で、その典型的な様式の完成度が高いということなんでしょうか?
あまり他を知らないので、作品自体の話は、ここまでにしておきます。

ミーハーに面白いと思った点
鶴田浩二さんは、私にとっては、懐メロの番組で「古い奴だとお思いでしょうが・・・」と歌う人、というくらいの認識しかありませんでした。
でも、あれは、あの当時は懐メロじゃなかったんですね。
ですが、懐メロに聞こえてしまうノスタルジーを持った曲でした。

あとは、以前、NHKの「シャツの店」というドラマで、八千草薫さんと共演していたことがあったと思います。
とにかく、昔から昔気質の、筋の通った好漢というイメージで通してきた方なんだと思いました
私は、どういう訳かこの方のホッペタに目がいってしまうのです。

もう一人ホッペタのラインが印象に残るのが藤純子さん。
この方も、任侠映画では一代を築いた方ですが、こういう世界にいてもいいような薄幸そうな、気品はあるけれど高貴ではないオーラのある人だと思っています。とにかく美しいです。

それに比べると、主人公中井の奥さん、桜町弘子さんは、髪型のせいか、たおやかな品の良さが山手の中流セレブあるいは銀座マダム風で、ちょっと違う気がしてしまいました。

笑えるところ
若山富三郎さん、カチ込みの衣装が「座頭一」してます。
オト役の方、今なら的場浩二さんでしょう。
オトの恋人のおくみは、京野ことみに似てる。
出所の祝い会で「二人は若い」というのろけ歌を合唱するとこ。
桜会のお揃いのストライプのスカーフ。
坊や役の子は、どこかの重役の子でもあるのでしょうか、遊園地のメリーゴーランドで若山富三郎さんに抱っこされて凄くいやそうです。
金子信夫さんは、この頃から既にずるい親分役やってたんですね。
ナレーション等も含め「仁義なき戦い」は、この路線の延長上にあったのか。

予告編とは違い、概して静かな映画でした。

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