二百三高地 / 仲代達矢
二百三高地
/舛田利雄
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(56)
解説・ストーリー
明治37年に勃発した日露戦争。当時の時代世相と国際政治を背景に、激戦二百三高地の攻防を描いた歴史大作。旅順へと大量の兵を送り込み、失策を続ける乃木将軍。満州軍総参謀長・児玉は乃木の失策を挽回すべく、203高地を軸に旅順攻略の作戦を立てる。
明治37年に勃発した日露戦争。当時の時代世相と国際政治を背景に、激戦二百三高地の攻防を描いた歴史大作。旅順へと大量の兵を送り込み、失策を続ける乃木将軍。満州軍総参謀長・児玉は乃木の失策を挽回すべく、203高地を軸に旅順攻略の作戦を立てる。
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「二百三高地」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
明治37年に勃発した日露戦争。当時の時代世相と国際政治を背景に、激戦二百三高地の攻防を描いた歴史大作。旅順へと大量の兵を送り込み、失策を続ける乃木将軍。満州軍総参謀長・児玉は乃木の失策を挽回すべく、203高地を軸に旅順攻略の作戦を立てる。
「二百三高地」 の作品情報
「二百三高地」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
二百三高地の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
181分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD02311 |
2004年02月10日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
13枚
|
0人
|
3人
|
二百三高地の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
181分 |
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1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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DRTD02311 |
2004年02月10日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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13枚
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ユーザーレビュー:56件
戦争映画ですが戦争記録映画としても価値がありそうな作品。
投稿日:2004/09/09
レビュアー:RUSH
この作品を見たのは高校生の頃でした。劇場ではなくテレビ放送だったと記憶しています。強烈なインパクトを受け、いくつかのシーンはこのDVDを見なくても記憶に残っていいます。なんと言っても敵に突撃し無惨にも殺されていく兵士達の描写、兵士達を指揮する乃木ら司令部の苦悩、ロシア愛好家であった小学校の先生の変貌、明治天皇に対する軍状報告での乃木司令官の嗚咽し泣き崩れる姿、どれもこれも忘れられません。DVDで久しぶり・・20年以上ぶり・・に見ましたが鮮やかに記憶に残っていました。
歴史の授業でさっと流されてしまう内容だったので日露戦争のことはあまり詳しくなく、どちらかというと2.26事件や5.15事件のようなクーデター事件の方に興味があったのですが、この作品を見た時の衝撃が凄かったので見た次の日ぐらいに、学校の図書館でこの日露戦争のことを色々調べたという逸話があるぐらいなのでこの作品にはかなり思い入れがあります。
映像的には非常に古さを感じさせます。ミニチュアや模型を使ったセット撮影なんかは典型的です。何ヶ月か前にNHKのある歴史番組でこの日露戦争での新しい発見をテーマに放送していたのを見ました。その番組を見てとても驚きました。ロシア側が撮影した当時のあの恐ろしい日本兵達を皆殺しにしていた要塞の写真や兵士達が落ちて虐殺にも似た殺され方をした堀の写真が残っていて、どれもこの映画のセットそのままだったのです。その映画を作成時にロシア側に現存するこれらの写真を基に制作されたのか?と思えるほどそっくりなのです。ですから映像に説得力があったのもうなずけました。
この作品をすばらしく思わせているのはなんといっても人間ドラマをうまく描いているところでしょう。前線で必死に戦う兵士達のドラマ、特にあおい輝彦さん演じる小賀中隊長とその部下達の描写は見逃せません。ロシア愛好家であった小賀先生がこの戦争でロシア人と戦い部下がバタバタと殺されるのを見ていくことでロシア人を憎み、完全に敵として認識し、最後には一人のロシア人と死闘の末、戦死する・・・全くすばらしいです。あと御前報告する乃木司令官の嗚咽と泣き崩れる姿は涙をこらえることが出来ません。
この作品は戦争映画ですが、個人的には歴史的資料としての価値も若干あるような気がします。後世に是非とも残しておきたい作品です。
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31人の会員が気に入ったと投稿しています
書きたい事が書き切れないほど素晴らしい映画です
投稿日:2008/04/28
レビュアー:にしやん
見事な超大作である。始めから終わりまで少しも目をそらすことのできないほど見所満載であるにも関わらず、間延びすることなく一気に見てしまった。脚本、構成、演出、素晴らしいカメラアングルに豪華な俳優陣、80年代という時期だからこそこれだけの大作が作れたのだと思う、
三船敏郎の明治天皇、仲代達也の乃木稀輔、森繁久弥の伊藤博文、丹波哲郎の児玉源太郎等々、皇室から政府、軍部の主要人物の豪華キャストに加え、あおい輝彦、夏目雅子を始め佐藤充、湯原昌幸、新沼健二などが良い味を出している。そのほかにも随所に個性的な俳優をすえて数え上げるときりがないほどだ。一人一人の俳優について述べたいが、とても書き切れないので主要な俳優については他の方々のレビューに任せるとして、私はあの新沼健二の演じた一兵卒の役柄が実に良かったと思う。もし彼がいなかったらこの悲惨な映画を最後まで見られたか疑問である。このひょうひょうとしたキャラクターが登場してくれたおかげで悲惨で残酷なシーンの多いこの作品にひとときの安らぎのようなものを感じることができた。彼が最後まで生き残り、占領した砲台の上で旗を振るシーン、エンドロールのバックで、故郷に戻り再び豆腐を売っているシーンを見て何か救われる思いがしたものである。
もちろんドラマの多くの部分はフィクションであるだろうが、当時の日本とロシアの国力、軍事力を比較した数字は本物である。それによればロシアのそれは全てにおいて日本よりもひとけた上である。それでも日本が勝利できたのは、いや、正確に言えばあくまで完全勝利ではなく、旅順の攻略、日本海海戦での勝利をしたところで、アメリカの仲介があって日本に有利な形で停戦が成立したというのが現実である。また、当時のロシアの国内では共産党が力をつけ帝政国家が危うくなってきていたということもあった。これには日本の工作員がロシア共産党に極秘に軍資金を送っていたということもあったようだ。事実、日露戦争終了後ほどなくしてロシア革命が起こり帝政ロシアは崩壊したのだ。とにかくアメリカの仲介と、ロシアの国状がこれ以上戦争を続けていくことができないという、日本にとって幸運とも言える状況から起きた結果である。さもなければ、つまりアメリカも仲介せず、帝政ロシアも磐石であったならおそらくこの時点で日本は滅亡していたかも知れないのだ。
そして、この日露戦争での勝利を日本の実力で勝ったのだと、はきちがえたバカ者が、昭和の日中戦争、太平洋戦争へと無謀な戦争へとなだれ込む結果を起こしたのだ。日露戦争では開始当初から和平の道を模索していた。それは森繁久弥扮する伊藤博文が、天知茂扮する金子堅太郎がアメリカのルーズベルト大統領(明治のときの)とハーバード大学時代の同窓だというだけのつてを頼りに和平交渉の仲介を頼みに行かせたというエピソードからもわかる。
残念ながら昭和になってからは、このような賢明な政治家が現れず、また一部には早期和平を唱えていた者もいたが(山本五十六など)、結局その声は中央には届かず、敗戦という憂き目を見る結果となってしまった。しかも太平洋戦争の相手は日露戦争のときに恩を受けたアメリカだったのである。不幸にして戦争というものに踏み切るならば世界の現状と国内の状況を冷静に見据えることのできる大極的な洞察力が必要である。国際世論を味方にできるかが重要なのだ。戦争の被害者は最前線で死んで逝く名もない兵士と一般国民である。その国民を誤った方向へ導かないための義務と責任を負っているのが政治家であり、だからこそ国民の納めた血税から高い報酬を受けているのである。今の政治家たちもそのことを肝に銘じてしっかりと仕事をして欲しいものだ。
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18人の会員が気に入ったと投稿しています
戦争って何だろうと考えさせられる作品。
投稿日:2006/01/19
レビュアー:ホワイト
話は単純な日露戦争の話ではない。ストーリーは日露戦争における、旅順攻略に伴う、「二百三高地」占領の様に出来ているが、
その奥に、枡田監督の深い思いが込められている。
人間が何故争うのか、争いは何をもたらすのか・・・。
エンディングには未来を担う子供達の姿が撮されている。
子供達に、いや、人間に戦争は何をもたらすのかを問うた作品である。181分と長いが、その長さを感じさせない作品。
あおい輝彦の好演が目立つ。今は亡き夏目雅子も美しい。
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10人の会員が気に入ったと投稿しています
『防人の詩』 は昭和の 「君 死にたもうことなかれ」 か
邦画戦争映画としては傑作の部類に入れてよいと思います。
戦争映画としての基本、戦闘シーンのスペクタクルも迫力ありますし、映像資料の少ない明治の戦争を可能な限り再現してみせてくれます。それでいて、戦争の悲惨さ無情さも描かれており、一部『西部戦線異状無し』からの引用とも取れるシーンもありますが、それも充分許容範囲内です。
でも、なにより3時間という長尺を活かした登場人物一人一人を丁寧に描いていることが一番の成功の基だと言えるでしょう。乃木や児玉と言った軍の上層部から一兵卒に至るまで。また一般庶民も然り。エンドクレジットの最後の最後まで使って、それぞれの戦後を見せるあたりに製作者サイドの、あの時代を生きた庶民(日本人)というものを正面から捉えようとした意図がひしひしと伝わってきます。
しかし東映は何故か?この後の『大日本帝国』と『日本海大海戦/海ゆかば』で、この人物描写に失敗してしまうのです。
最初は、インターミッション中に歌詞までテロップ付で流れる♪防人の詩♪に辟易していたのですが、戦死した父と内地に残された子供の話を思うにつけエンドクレジットでは、その歌詞も手伝って つい目頭を熱くしてしまいました。弱いんです。子供には。
児玉源太郎を演じた丹波さんの存在の説得力には感服。もうこの人に「おまんら何やっちょるか!」なんて怒鳴られたら、難攻不落だった旅順もアッと言う間に陥落するのも肯けてしまう。
明治天皇が三船だってのも驚き。これ邦画史上一番特異な天皇像になってると思います。「神聖にして侵すべからず」なんて言う前に怖くて何も言えませんてば。
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8人の会員が気に入ったと投稿しています
脚本家笠原和夫が描く 日露戦争という情念の世界
( かなりネタバレ )
公開当時は、戦争賛美映画だとかマスコミにけっこう叩かれたと記憶しています。
ぼくが当時観た印象もあまり良くありませんでした。 丹波哲郎はかっこいいと思いましたが、あおい輝彦はうらみ節過剰だし、『人間の條件』で梶を演じた仲代達矢が軍神・乃木を演じるのか、(ナレーターは丹下を演じた内藤武敏 )・・・・と、あまりいい印象は持ちませんでした。
今回、当時から30年以上ぶりに観て、印象がかなり違いました。 世の中も僕も変わったのでしょう。
本作は伊藤博文、児玉源太郎、乃木希典ら権力側と、召集され過酷な前線で戦うことを強いられた庶民の側の両方に焦点を当て、マクロの視点とミクロの視点が激しくぶつかって、日本側に限られるものの日露戦争を広く深く描いた( 撮影技法にたとえるとパン・フォーカスのような奥行きのある )戦争大作、歴史大作であると思います。
監督は『 トラトラトラ ! などの舛田利雄
そして、脚本は『 仁義なき戦い 』や『県警対組織暴力』『226』などの笠原和夫。
たしかに戦争を肯定し勝利を喜ぶ部分もありますが、戦争というものの過酷さ、残酷さも描いています。
本作には戦争をめぐっての、喜びも、悲しみも、憤りも、また痛みや悲惨さも、ひたむきさや愛も、憎しみや嘆きも恨みもすべてあり、笠原和夫が描いた情念の世界です。
個人の情念。 国家の情念。 民族の情念です。
そのため、公開当時もそうでしたが、さだまさしが歌う「防人の詩」にはぼくは拒否反応がでてしまいます。
さだまさしは好きですが、アンビバレントな感情の葛藤があるのに、叙情的な歌詞は、いや、どんな歌詞でも言葉で言い表せない思いを逆なでされる気がしてしまうのです。
以下は完全にネタバレですが、ラスト、エンドロールあたりではとても複雑な思いがします。
寅太郎(佐藤允) 権力に反抗し、乙吉(長谷川明男)のことを思い、「わしらは消耗品」と言っていた男が帰還してすることは・・。
乃木(仲代達矢)は私情を捨て、木石となって職務を果たそうとしますが、できません。 出演シーンはわずかなのに、夫人(野際陽子)はとても印象に残ります。
明治天皇も、重臣や将軍たちも、国家の前では捨石となっています。
一方、九市(新沼謙治)の順応性、ずぶとさには驚かされる。
小賀(あおい輝彦)の変貌。遺された佐知(夏目雅子)はこれからどうするのでしょう。
小学校の教師として生きていく・・・『二十四の瞳』を思わせ、チャンバラごっこをしている男の子たちの運命は・・・。
ちなみに、与謝野晶子の「君、死にたもうなかれ」は出征した弟が乃木の第三軍に属していて、その身を案じて詠まれた歌であり、厭戦的な心情をストレートに表現したものですが、しかしながら後年出征した息子に作った歌などを見ると彼女自身は反戦思想の人とは言い難い。
夫鉄幹は「爆弾三勇士」の作詞者であるし、門人の深尾須磨子の「この母を見よ」という歌があります。
靖国の母の心情をおもんばかって、尊い遺族のご奉公に心で合掌すると言うのです。
消耗品のように命をなくした戦没者たちですが、その遺族たちは憐憫の情をかけられるのは釈然としない場合が多々あるように思います。
尊い犠牲という敬意を表す「英霊」へと変わっていき、戦功を神聖化させた歴史。
情緒とはあやふやで流れやすいものだと思います。
歴史とは重いものですね。
このレビューは気に入りましたか?
5人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
戦争映画ですが戦争記録映画としても価値がありそうな作品。
投稿日
2004/09/09
レビュアー
RUSH
この作品を見たのは高校生の頃でした。劇場ではなくテレビ放送だったと記憶しています。強烈なインパクトを受け、いくつかのシーンはこのDVDを見なくても記憶に残っていいます。なんと言っても敵に突撃し無惨にも殺されていく兵士達の描写、兵士達を指揮する乃木ら司令部の苦悩、ロシア愛好家であった小学校の先生の変貌、明治天皇に対する軍状報告での乃木司令官の嗚咽し泣き崩れる姿、どれもこれも忘れられません。DVDで久しぶり・・20年以上ぶり・・に見ましたが鮮やかに記憶に残っていました。
歴史の授業でさっと流されてしまう内容だったので日露戦争のことはあまり詳しくなく、どちらかというと2.26事件や5.15事件のようなクーデター事件の方に興味があったのですが、この作品を見た時の衝撃が凄かったので見た次の日ぐらいに、学校の図書館でこの日露戦争のことを色々調べたという逸話があるぐらいなのでこの作品にはかなり思い入れがあります。
映像的には非常に古さを感じさせます。ミニチュアや模型を使ったセット撮影なんかは典型的です。何ヶ月か前にNHKのある歴史番組でこの日露戦争での新しい発見をテーマに放送していたのを見ました。その番組を見てとても驚きました。ロシア側が撮影した当時のあの恐ろしい日本兵達を皆殺しにしていた要塞の写真や兵士達が落ちて虐殺にも似た殺され方をした堀の写真が残っていて、どれもこの映画のセットそのままだったのです。その映画を作成時にロシア側に現存するこれらの写真を基に制作されたのか?と思えるほどそっくりなのです。ですから映像に説得力があったのもうなずけました。
この作品をすばらしく思わせているのはなんといっても人間ドラマをうまく描いているところでしょう。前線で必死に戦う兵士達のドラマ、特にあおい輝彦さん演じる小賀中隊長とその部下達の描写は見逃せません。ロシア愛好家であった小賀先生がこの戦争でロシア人と戦い部下がバタバタと殺されるのを見ていくことでロシア人を憎み、完全に敵として認識し、最後には一人のロシア人と死闘の末、戦死する・・・全くすばらしいです。あと御前報告する乃木司令官の嗚咽と泣き崩れる姿は涙をこらえることが出来ません。
この作品は戦争映画ですが、個人的には歴史的資料としての価値も若干あるような気がします。後世に是非とも残しておきたい作品です。
書きたい事が書き切れないほど素晴らしい映画です
投稿日
2008/04/28
レビュアー
にしやん
見事な超大作である。始めから終わりまで少しも目をそらすことのできないほど見所満載であるにも関わらず、間延びすることなく一気に見てしまった。脚本、構成、演出、素晴らしいカメラアングルに豪華な俳優陣、80年代という時期だからこそこれだけの大作が作れたのだと思う、
三船敏郎の明治天皇、仲代達也の乃木稀輔、森繁久弥の伊藤博文、丹波哲郎の児玉源太郎等々、皇室から政府、軍部の主要人物の豪華キャストに加え、あおい輝彦、夏目雅子を始め佐藤充、湯原昌幸、新沼健二などが良い味を出している。そのほかにも随所に個性的な俳優をすえて数え上げるときりがないほどだ。一人一人の俳優について述べたいが、とても書き切れないので主要な俳優については他の方々のレビューに任せるとして、私はあの新沼健二の演じた一兵卒の役柄が実に良かったと思う。もし彼がいなかったらこの悲惨な映画を最後まで見られたか疑問である。このひょうひょうとしたキャラクターが登場してくれたおかげで悲惨で残酷なシーンの多いこの作品にひとときの安らぎのようなものを感じることができた。彼が最後まで生き残り、占領した砲台の上で旗を振るシーン、エンドロールのバックで、故郷に戻り再び豆腐を売っているシーンを見て何か救われる思いがしたものである。
もちろんドラマの多くの部分はフィクションであるだろうが、当時の日本とロシアの国力、軍事力を比較した数字は本物である。それによればロシアのそれは全てにおいて日本よりもひとけた上である。それでも日本が勝利できたのは、いや、正確に言えばあくまで完全勝利ではなく、旅順の攻略、日本海海戦での勝利をしたところで、アメリカの仲介があって日本に有利な形で停戦が成立したというのが現実である。また、当時のロシアの国内では共産党が力をつけ帝政国家が危うくなってきていたということもあった。これには日本の工作員がロシア共産党に極秘に軍資金を送っていたということもあったようだ。事実、日露戦争終了後ほどなくしてロシア革命が起こり帝政ロシアは崩壊したのだ。とにかくアメリカの仲介と、ロシアの国状がこれ以上戦争を続けていくことができないという、日本にとって幸運とも言える状況から起きた結果である。さもなければ、つまりアメリカも仲介せず、帝政ロシアも磐石であったならおそらくこの時点で日本は滅亡していたかも知れないのだ。
そして、この日露戦争での勝利を日本の実力で勝ったのだと、はきちがえたバカ者が、昭和の日中戦争、太平洋戦争へと無謀な戦争へとなだれ込む結果を起こしたのだ。日露戦争では開始当初から和平の道を模索していた。それは森繁久弥扮する伊藤博文が、天知茂扮する金子堅太郎がアメリカのルーズベルト大統領(明治のときの)とハーバード大学時代の同窓だというだけのつてを頼りに和平交渉の仲介を頼みに行かせたというエピソードからもわかる。
残念ながら昭和になってからは、このような賢明な政治家が現れず、また一部には早期和平を唱えていた者もいたが(山本五十六など)、結局その声は中央には届かず、敗戦という憂き目を見る結果となってしまった。しかも太平洋戦争の相手は日露戦争のときに恩を受けたアメリカだったのである。不幸にして戦争というものに踏み切るならば世界の現状と国内の状況を冷静に見据えることのできる大極的な洞察力が必要である。国際世論を味方にできるかが重要なのだ。戦争の被害者は最前線で死んで逝く名もない兵士と一般国民である。その国民を誤った方向へ導かないための義務と責任を負っているのが政治家であり、だからこそ国民の納めた血税から高い報酬を受けているのである。今の政治家たちもそのことを肝に銘じてしっかりと仕事をして欲しいものだ。
戦争って何だろうと考えさせられる作品。
投稿日
2006/01/19
レビュアー
ホワイト
話は単純な日露戦争の話ではない。ストーリーは日露戦争における、旅順攻略に伴う、「二百三高地」占領の様に出来ているが、
その奥に、枡田監督の深い思いが込められている。
人間が何故争うのか、争いは何をもたらすのか・・・。
エンディングには未来を担う子供達の姿が撮されている。
子供達に、いや、人間に戦争は何をもたらすのかを問うた作品である。181分と長いが、その長さを感じさせない作品。
あおい輝彦の好演が目立つ。今は亡き夏目雅子も美しい。
『防人の詩』 は昭和の 「君 死にたもうことなかれ」 か
投稿日
2004/08/19
レビュアー
レビュアー名未設定
邦画戦争映画としては傑作の部類に入れてよいと思います。
戦争映画としての基本、戦闘シーンのスペクタクルも迫力ありますし、映像資料の少ない明治の戦争を可能な限り再現してみせてくれます。それでいて、戦争の悲惨さ無情さも描かれており、一部『西部戦線異状無し』からの引用とも取れるシーンもありますが、それも充分許容範囲内です。
でも、なにより3時間という長尺を活かした登場人物一人一人を丁寧に描いていることが一番の成功の基だと言えるでしょう。乃木や児玉と言った軍の上層部から一兵卒に至るまで。また一般庶民も然り。エンドクレジットの最後の最後まで使って、それぞれの戦後を見せるあたりに製作者サイドの、あの時代を生きた庶民(日本人)というものを正面から捉えようとした意図がひしひしと伝わってきます。
しかし東映は何故か?この後の『大日本帝国』と『日本海大海戦/海ゆかば』で、この人物描写に失敗してしまうのです。
最初は、インターミッション中に歌詞までテロップ付で流れる♪防人の詩♪に辟易していたのですが、戦死した父と内地に残された子供の話を思うにつけエンドクレジットでは、その歌詞も手伝って つい目頭を熱くしてしまいました。弱いんです。子供には。
児玉源太郎を演じた丹波さんの存在の説得力には感服。もうこの人に「おまんら何やっちょるか!」なんて怒鳴られたら、難攻不落だった旅順もアッと言う間に陥落するのも肯けてしまう。
明治天皇が三船だってのも驚き。これ邦画史上一番特異な天皇像になってると思います。「神聖にして侵すべからず」なんて言う前に怖くて何も言えませんてば。
脚本家笠原和夫が描く 日露戦争という情念の世界
投稿日
2012/02/03
レビュアー
ロキュータス
( かなりネタバレ )
公開当時は、戦争賛美映画だとかマスコミにけっこう叩かれたと記憶しています。
ぼくが当時観た印象もあまり良くありませんでした。 丹波哲郎はかっこいいと思いましたが、あおい輝彦はうらみ節過剰だし、『人間の條件』で梶を演じた仲代達矢が軍神・乃木を演じるのか、(ナレーターは丹下を演じた内藤武敏 )・・・・と、あまりいい印象は持ちませんでした。
今回、当時から30年以上ぶりに観て、印象がかなり違いました。 世の中も僕も変わったのでしょう。
本作は伊藤博文、児玉源太郎、乃木希典ら権力側と、召集され過酷な前線で戦うことを強いられた庶民の側の両方に焦点を当て、マクロの視点とミクロの視点が激しくぶつかって、日本側に限られるものの日露戦争を広く深く描いた( 撮影技法にたとえるとパン・フォーカスのような奥行きのある )戦争大作、歴史大作であると思います。
監督は『 トラトラトラ ! などの舛田利雄
そして、脚本は『 仁義なき戦い 』や『県警対組織暴力』『226』などの笠原和夫。
たしかに戦争を肯定し勝利を喜ぶ部分もありますが、戦争というものの過酷さ、残酷さも描いています。
本作には戦争をめぐっての、喜びも、悲しみも、憤りも、また痛みや悲惨さも、ひたむきさや愛も、憎しみや嘆きも恨みもすべてあり、笠原和夫が描いた情念の世界です。
個人の情念。 国家の情念。 民族の情念です。
そのため、公開当時もそうでしたが、さだまさしが歌う「防人の詩」にはぼくは拒否反応がでてしまいます。
さだまさしは好きですが、アンビバレントな感情の葛藤があるのに、叙情的な歌詞は、いや、どんな歌詞でも言葉で言い表せない思いを逆なでされる気がしてしまうのです。
以下は完全にネタバレですが、ラスト、エンドロールあたりではとても複雑な思いがします。
寅太郎(佐藤允) 権力に反抗し、乙吉(長谷川明男)のことを思い、「わしらは消耗品」と言っていた男が帰還してすることは・・。
乃木(仲代達矢)は私情を捨て、木石となって職務を果たそうとしますが、できません。 出演シーンはわずかなのに、夫人(野際陽子)はとても印象に残ります。
明治天皇も、重臣や将軍たちも、国家の前では捨石となっています。
一方、九市(新沼謙治)の順応性、ずぶとさには驚かされる。
小賀(あおい輝彦)の変貌。遺された佐知(夏目雅子)はこれからどうするのでしょう。
小学校の教師として生きていく・・・『二十四の瞳』を思わせ、チャンバラごっこをしている男の子たちの運命は・・・。
ちなみに、与謝野晶子の「君、死にたもうなかれ」は出征した弟が乃木の第三軍に属していて、その身を案じて詠まれた歌であり、厭戦的な心情をストレートに表現したものですが、しかしながら後年出征した息子に作った歌などを見ると彼女自身は反戦思想の人とは言い難い。
夫鉄幹は「爆弾三勇士」の作詞者であるし、門人の深尾須磨子の「この母を見よ」という歌があります。
靖国の母の心情をおもんばかって、尊い遺族のご奉公に心で合掌すると言うのです。
消耗品のように命をなくした戦没者たちですが、その遺族たちは憐憫の情をかけられるのは釈然としない場合が多々あるように思います。
尊い犠牲という敬意を表す「英霊」へと変わっていき、戦功を神聖化させた歴史。
情緒とはあやふやで流れやすいものだと思います。
歴史とは重いものですね。
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二百三高地