セントアンナの奇跡

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戦争から何十年もたったラストの再会のシーンで、ヘクターを呼びにくる男が言った、世の中で確実なものは奇跡だけだ、というような台詞が印象にのこった。

１８００円はらって、映画館でみてもいいくらいだった。

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ニューヨークの郵便局で働く定年間近の局員が、ある日窓口で切手を買いに来た男性客をいきなり銃殺した。家宅捜査の結果、彼の部屋から長きに渡って行方不明となっていたイタリアの貴重な彫像が発見された。謎を解く鍵は第2次世界大戦真っ只中の1944年、イタリアのトスカーナにあった。

黒人のみの部隊の生き残りの４人が少年を助けトスカーナにたどり着いた。そこにはヴァレンティナ・チェルヴィという未亡人がいた。妖艶な美しい女性である。

そこで、ナチスが罪のない大勢のイタリア市民を殺害したセントアンナの大虐殺に遭遇し、ヴァレンティナ・チェルヴィも３人の黒人も殺される。１人生き残った黒人兵が郵便局員である。不思議なことに彼らが助けた少年も生き残った。

泣ける映画かと思って観たけど・・・うーんよくわからん、長すぎるし話が単調で盛り上がらない。郵便局で偶然会ったことが奇跡なのか？泣きたい人は他の映画にしたほうが良い

タイトルとジャケットの印象でレンタルしたので
予想外の始まりには驚きました。
奇跡というタイトルから少年によるハートフルな
感動ものを予想していたのですが、
冒頭でいきなり善良そうな黒人の郵便局員が
切手を買いに来ていた客を銃殺してしまうのです。
そしてその局員の家宅捜索をすると
１９４４年に起きたサンタ・トリニータ橋の爆撃によって
行方不明となっていた歴史的に大変価値の高い
彫刻の頭部が発見されます。
定年間近だったというその郵便局員は
何故そんなことをしてしまったのか？
てっきりサスペンスものかと思いきや…
蓋を開けてみるとナチスもので二度ビックリしました。

メインとなる黒人兵士４人の顔の見分けがつきにくく、
状況を把握するのに少し時間がかかりましたが、
ドイツ軍によるセントアンナの大虐殺やサンタ・トリニータ橋爆撃、
黒人部隊バッファローソルジャー、パルチザン、東京ローズなど
私の知らない世界史の知識が得られてとても勉強になりましたし、
チョコレートの巨人・トレイン上等兵の
「こんなに白人の傍にいるのは初めてだ」
「死体すら触ったことがない」という言葉や
スタンプス軍曹の
「ここではニガー呼ばわりされず俺は俺でいられる」
「外国（イタリア）の方が差別されずに
　自由でいられるなんて恥ずかしい」との言葉と、
兵士たちがかき氷を買おうとした時の店員の対応などで
当時いかに黒人差別が酷いものだったのかも窺い知ることも出来ました。
そして戦闘シーンやドイツ軍による虐殺シーンはとても臨場感があり、
それはそれは目を覆いたくなるほど残酷なものでしたが、
戦争の悲惨さを追体験することが出来て意義深い鑑賞と相成りました。

そんな悲惨な状況下でちょっと不思議な少年アンジェロとの出会いは
兵士たちに一時の安らぎを与えていました。
また負傷したアンジェロを救う為にやむなく身を寄せた
トスカーナの村人たちとの人種の垣根を越えた心温かな交流に
絶望の中にも人が人として生きる為の一筋の希望が見いだせ、
救いがあって良かったです。
でなければこの作品はあまりに辛いものになってしまうのです。。

ラストシーンはまるでユートピアの様な世界観でしたね。
この物語はセントアンナで奇跡的な生還を遂げ、
苦悩し続けたある一人の兵士への癒しの物語であったのかもしれません。

とても見応えのある作品でした。
正直まだ自分の中で消化しきれていない部分もあるので
セル版を購入してじっくりこの作品に対峙したいと思っています。
すでに３回鑑賞してしまいましたが。。

＊冒頭で登場する郵便局員と殺害された男性の顔を
　しっかり覚えておいて下さい！

どうせならほかの作品を選んで借りましょう。

ほとんど取り柄のない映画。なにをやりたいのか、制作意図が全然わからない。現実にはあり得ないストーリーで、無理矢理に映画を作っている。幻想的にするか、現実的にするか、どっちかにすればいいのに。中途半端すぎる。

唯一の取り柄は冒頭。この奇抜さだけは、価値を認める。その後は予定調和的でっちあげの世界。この監督にしては、あまりにひどい作品。他の作品はたいてい面白いのに。どうしてこうなったのか。不思議で仕方ない。