ゼロ・ダーク・サーティ

重かったですか
と問われれば　はい、重かったっす
と応えますが
長かったですか
と問われると　いや、それほどでも
と応えます。

ビンラディンを発見し射殺するまでの長い道のりをCIAの女性分析官を事実に基づき追いかけます。
公開が大統領選前だったので政治的な思惑も見え隠れして評価されましたが
テロ組織に対する戦争映画としても充分に楽しめます。

オスカー残念でしたね、 Jessica Chastain 。

私の予想では、彼女が獲ると思ってたんだけど。

まだ、「世界にひとつのプレイブック」を観た後だったら、う〜ん、難しいかなあ。


キャスリン・ビグロー監督はすごいですね、この手の映画の臨場感を出すことにおいては素晴らしい。

サスペンスな要素が多いのかと思いきや、立派な戦争映画のようでした。

完全に戦争ですからね。

９１１から時間がたっていたため、ビンラディン確保のニュースを目にしたときは、正直、「え、今？」という思いがあったのを覚えています。
いったい実際は何があったのか？

本当は、その報道さえも信用できない、と思っていたのだけれども、この映画をみると、これが真実のような気がしてきます。

こんな若いＣＩＡのスペシャリストがいたとは。

Jessica Chastain、ほぼノーメイクのような感じですが、美しい。
とにかく美しいのね。

恐ろしく早口です。
天才的な分析官というイメージにぴったり。
後半は、もう、執念のようにヴィンラディンに迫っていきます。

この人の表情が、ほんとうによくて、うまいなあ、と感心させられました。

途中から、突然核心にせまって、ほんと、いきなりすぎてちょっと拍子抜けもしましたが、そのあとのカナリア軍団（canaries）の襲撃がリアルで長いため、ここで尺が使えなかったのかな？と思ってしまった。

ここから本当に迫力あります。canariesはいわゆるネイビーシールズです。

しかし、いつものように、暗い画面がずっと続くと眠たくなってしまうんですよね〜。
ちょっとウトウトっときました。

長いので、時間と気持ちに余裕があるときにどうぞ。

見ごたえあります。

何気に普通の上映時間　100分前後だろうと勝手に想像して見始めたら　2時間37分の大作　
時間に心に余裕のある時に見ましょう

え？158分？　尺の長さに戸惑ったものの…実際は見始めてほぼ最後まで一気に付き合ってしまった。
しかも、普通はツマンネー映画の、そのまた中のツマンネー場面なんぞ倍速にしちまうのだが、これは最後までじっくり観てしまった。
最初は拷問とまでもいかない暴力に顔を背けていた主人公が、やがては平然と拷問を見つめる。
そこには自分の目的貫徹しか見えてなかったりして。そんな執着までもドキュメント風映像で描いている。

こーゆーの、受け付けない人がいるだろーなー。
主人公マヤの動機がわからない？？　はぁ。そんなもん他人には完全にわかんねーよ。世間ってそんなもんだろ。　ただ、映像から受ける印象を重ねていくしかない。
今作の場合、製作側が「ドキュメント（風）だもん」で通してるのが功を奏したのだろう。
（個人の・敵の・アメリカの）行動の原理・理由の説明よりも、ただ事象を追っていった。
それでオッケーよ〜　って感じ
ラストの音楽が淡々とシメているのも、その表れなんでしょうね。
「マトリックス」のリンク役の人が出てるけど、有名どころを出してないのもかえって良かった。

ただね、説明不足な点もあったりして。
たとえば、「どうしてこの囚人をおとりにして敵をおびき出すことができたか」の場面とか、もうちょい詳しい説明が、映像でも台詞だけでもいいから欲しかった。

蛇足
　「あれ」は状況からして、ぜぇったいにワナだと思って観てた。
努力が報われたと喜ばせ、期待させ、好条件を出させたあげく、じらし、まんまと…
これが素人にも簡単に読める（しかも当事者には見えない）のは、恋愛の駆け引きに似てるからだろーなー

映画としてはアクションもあり正にサスペンスって感じ。日本で起こったテロではないが当時TVで観ていた9.11事件…日本で自分が生きてきた人生の中でこれをこえる事件はなかった。だからなのか凄く衝撃的で忘れられない日になった。
この作品は緊張感が凄い、ラストに近づくにつれ高まる緊張感。主役の迫力。そしてアメリカの傲慢さに驚く。そして目標（標的）を失い今後どうテロに対応していくのか…
そうそう、日本では自分的には地下鉄サリン事件は衝撃的だったが映像、報道が伝わりにくいと言った感じ。まぁ、ぱっと見では地下鉄サリンは判断しにくいから仕方ないけど。地下鉄サリンの日は…と言うか本当はあの電車に父親が乗っていた筈だった、たまたま朝何かで電車を１本遅くしただけで「たまたま」、その「たまたま」だけで人生変わってしまうんだな。