東京家族

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山田洋次監督作品で橋爪功＆吉行和子の映画は好きなので、まず『家族はつらいよ』を観る前に観ようと思って観ました！


うん。他のレビュアーさんも書かれているように、まんまアングルが小津さんです(微笑)

家の中の昔ながらの畳の風景から、下町の街並み風景から昭和の雰囲気がいっぱいの映画ですが、設定には東京スカイツリーや東日本震災など平成の時代をふと「そう言えば昭和じゃなくて平成だったっけ？」と思いだすシーンがちりばめられています。

冒頭、妻夫木演じる次男の昌次が、両親を迎えに出て間違えた待ち合わせ場所から姉(中嶋)へ電話しているシーンでは、（携帯なら直接親にかければいいのに(笑)）って思っちゃったけど、それも親と直接話しにくい昌次の内面を意識した一つの演出だったのかなって途中から思えてきましたね。

昌次や孫息子(長男＜西村さん＞の息子)の親へのいい加減な態度のシーンを見ていると、自分の息子とダブって見えてしまうし(笑)、妻夫木のフリーターの役所が演劇界の裏方と言うこれも息子の将来の夢とも似通っていて色々身近に感じるシーンも多かったですね♪

それにしても、周吉夫妻が泊まったホテルの夕食シーンで流れたレストランのBGMがクラシックでもポピュラーなモーツァルトではなく、バッハのバロック音楽といのがこれまた意外な(マニアックな？)設定だなと個人的に感じちゃいました^^

核家族でそれぞれの生活を送るのに精一杯な時代背景を象徴しながら、それでも心のどこかで大事に思っているそんな静かな穏やかな心の流れが描かれている作品でした。

映画の劇中流れる管弦楽の音楽がどこか聴き馴染んでいる感じがしたと思ったら、最後のクレジットに久石譲ってあったので「道理で！」と納得です♪^^
久石譲の大ファンなので、よく聴いたりピアノ曲弾いたりしてるので曲調に馴染みを感じたんですね。

小津安二郎監督「東京物語」のリメイク版です。
こちらは山田洋二監督です。
家族のきずな、親子の関係、理想の夫婦など学ぶことが多い映画です。
「ほんとにいい映画だなあ〜」
しみじみとそう思える作品です。

映画を観ての号泣は久しぶりでした。
前作は観ておらず、前作があるという情報も知らずの鑑賞がよかったのかもしれません。
吉行和子演じる母親がホントに人の良さを出していて、これから起こるであろう出来事を想像出来てしまうんだけど、それを含めてもよかったです。
自分の母親が。。。と感情移入せずには観れませんでした。

子供が良かれと思ってした事が、親にとってはありがたいけど窮屈で退屈な事だったり。
それはお互い様なのかもしれません。
親が子供を思ってした事が迷惑な事だったり、うっとおしがられたり。

高級ホテルに泊まる事よりも、狭くても暖かく迎えてくれる子供の家の方が居心地がいい。
でも、子供達は内心ちょっと面倒。

次男の家でのシーンはホントにほのぼのとしてて、好きなシーンです。
次の日の朝の母親の行動。
彼女と2人だけの秘密。
いつか次男に伝えられる日が来るんでしょうね。
自分がどんな仕事につこうが、何をしようが、逆に何も出来なかろうが、無条件で愛してくれる。
親って偉大です!

田舎に住む年老いた両親。子供３人はみんな東京にでてきてそれぞれの生活を営んでいる。
親って大事なのに、あまり長く近くにいるとちょっとうっとおしくて・・・　そして、年をとってきて、一人で生活できなければ、どうするのか？
この家族のパターンでなくても、いつかみんなが考えなければいけない問題。
うまく描かれていたと思います。親子の問題だけでなく、兄弟の間の思いも・・・
淡々とした中に、暖かさがあり、キャストも良かったです。こういう事に直面しそうになっている方には、おすすめ映画です。

日本の温かい家族のドラマでした。
どこにでもありそうな普通の家族の数日間を描いた映画。

家族っていいなと心温まりました。
家族に会いたくなりました。