遊星からの物体Ｘ　ファーストコンタクト

　このタイトルを見たとき、かなり昔に同名作品『遊星からの物体Ｘ』を視聴した記憶が残っていて、リメイク版はどうなっているのかと興味が出ました。確かストーリーはパッとしなかったものの、結構印象深かったと記憶しています。実際、設定や背景はオリジナル作品と同様でした。ただ、私自身、登場するクリーチャーの記憶が飛んでしまっていて、本作を視聴してこんなに気持ち悪かったのかと少し驚いています。

　背中合わせや顔同士がくっ付いている描写が何とも気持ち悪い。便所コオロギを思い出します。南極基地の調査隊なので、大がかりな銃火器は用意していない中でのクリーチャーとの戦いがゾクゾクしました。人体細胞を同化させて、その人物に成り済ますことから、互いに不信感が募っていくあたりは恐怖感が出ていて良かったです。

ジョン・カーペンターの８２年度版では明かされなかった謎を解消する前日譚。
なるほど、あれはそういうことだったのか？
と、８２年度版を観てる人的楽しみ方が出来るのはもちろんですが。
何も知らないで観ても支障なく楽しめる面白さです。
ラストシーンも、８２年度版のオープニングに繋がっていてとても気持ちがいい。
それ以外にも細部にいたるまで８２年度版の繋がるように再現されていてステキです。
特に人間が変形していくシーンとか、その後の造形とかがイイ。
ＣＧに頼りすぎることなく、レトロ感というか、アナログ感を残してるのが好感触です。
嫌悪感を抱かせないグロテスク芸術ですね。
ストーリーも全く難しくなく。
未知の物体Ｘに襲われる。
逃げる。
疑う。
倒そうとする。
これだけ。
一気に広がる疑心暗鬼。
それはまるでウィルスのように。
見えない鬼と物体Ｘ。
彼らが戦う相手はひとつじゃない。

こっち観てから８２年度版という、時間軸に沿った観かたもアリなんでしょうが。
個人的には制作年度順が一番シックリ来ると思います。
やっぱね。
あ〜そうだったのか！！
って、思う機会があったほうが楽しいと思うので。

それにしてもジョン・Ｗ・キャンベル・Ｊｒの傑作短編ＳＦ『影が行く』の映像化はこれで三度目。
その全てを観てきましたが。
その全てが面白いです。
それぞれにそれぞれの良さがあり。
今作と８２年版にはシリーズとしての良さと強みもある。
この原作は映像と相性がイイんでしょうかね。

個人的にはＸの倒し方とかアイテムとか、Ｘの造形とかが「バイオハザード」シリーズに近いものがあって好きです。

主人公の古生物学者ケイトを演じたメアリー・エリザベス・ウィンステッド（名前長っ！！！）も良かったです。

一応、前作を見てから今作を観たので話は大体分かった。
前作もそうだったけど、やっぱり皆が皆を疑う疑心換気の状態になるんですねぇ。

でも確か前作には大きな爆発を起こして出来たデッカイ大穴が出来ていたハズなのに、今回それを作るシーンが無かったのは何故？
メインキャラで登場していた生物学者の女性は最終的には何処へ行ったの？
と、何やら微妙な？？が残るモヤモヤ感が残りました。

　これは期待を裏切らないできに非常に満足。
前作が面白くできているから、の作品ではあるけれども、これを見て、前作をみれば物語がすんなりとつながって、楽しいこと請け合いです。

物語の途中は、だれがエイリアンに乗り移られているのかわからないので、ハラハラしますし、今の技術なので、前作も非常によくできていた怪物の造形が
これまたすばらしい。惜しげもなく見せてくれます。こっちのほうが派手ですね。

宇宙船の内部まででてきます。
主人公の女性は、きっと生き延びられなかったのでしょうが、あの勇気には拍手。小学生のときに本屋でこの原作を読んでいたので、前作を映画で見たときはなんだか
うれしかったし、なつかしかった。原作の小説も傑作だと思います。小説では、手が何本かある人間のような形だったと思います。

1982年公開の「遊星からの物体X」の前日譚を描いた2011年公開の米国SFホラー映画。
宇宙生物は接触した他の生物に擬態できることが次第にわかり、観測隊員は自分たちの中にすでに潜んでいるかもしれないと、お互い疑心暗鬼になる。
隊員が人間に擬態した宇宙生物に次々と殺されていく中、隊員たちの反撃が始まる。
といった点は1982年版と似たような展開なので、リメイク作品かと思えてしまうが、1982年版につながる描写も随所にあるので、比べてみるといいかもしれない。
ただ、既視感が強いのと、本作でも明らかにされない点がいくつか残ったので、もう一つかな。
映像的も30年の隔たりがあるのでCG技術の差は歴然としているが、グロさは1982年版の勝。