リミットレス

評価７５点(１００点満点)
世の中脱法ハーブが物議をかもしているが、ここで登場するのは脳の働きを１００パーセント活性化することが可能という驚異のドラッグ、なかなかの発想に高得点。
作家志望のしがない青年エディーが元妻の弟からもらった錠剤一粒で世界は一変、たちまち筆の進まなかった作品もあっという間に完成、馬鹿にされていた編集者からも賛辞の電話が入る。でも翌朝目覚めたら元の才能のない男に逆戻り、こうなるともつとクスリが欲しいと考えるのは当たり前、でも危険な匂いのするこのクスリ、義弟は何者かに殺害されエディーは間一髪のところでクスリを手に入れる。
このドラッグ、今まで学んだり見聞きした情報が頭の中で整理され構築された理論として自然に出てくる、例えば外国語にしても一度見たり聞いたりした単語は全て整理されて使えるようになるということ、ピアノを習えばすぐに上達、デイトレーディングの手法や資料を一読するだけで全部頭に入りたちまち大成功、つまり「翔んでる警視　岩崎白日夢」(ちよっと例えが古かったかなぁ)状態になってしまうのだ。
でも元々の学習量や知識が少ないとさほど効果はないのかも。
でも可能性はまさしくリミットレスなのだが、当然副作用はあるわけで飲むのを止めると死に至るというハイリスクは仕方のないところか。
ブラッドリー・クーパーが演じるエディーの覚醒している時と禁断症状時期の落差がなかなかリアルに描かれている。
大物投資家ルーンと組んで世紀の大合併に挑むエディーだがルーンは「君の才能は努力して得たものではない」とその本質を見抜いている。
サスペンス性もありテンポのよい展開、なんといっても発想の面白さが本作の持ち味、決して退屈しない作品だ。
通常ドラッグを扱った作品は「ドラッグは恐ろしいものですよ」という警鐘をコアとしているものだが本作はそうではなく軽く流してエンディング。
勿論なんでという疑問は残るが、偶然に手に入れた驚異のドラッグ、偶然にそれの対処法をも見つけたということなのだろう。

この映画、SFですがなんかSFっぽくなくて
サスペンス風でもありました。

こんな薬があったら間違いなくみんな
欲しがるでしょうね・・・・。

私も欲しい（笑）

カメラアングルも斬新でしたし
ラストもチョット意外で
面白かったです♪

真面目にコツコツ働くよりも、ドーピングで脳を強化。メッチャ賢くなったら株や企業買収でボロ儲けして人生楽勝さ。といういかにも現代アメリカっぽいストーリー。

当然うまい話には代償がつきものなんだけど、それも大したことじゃないみたい。「えっ、その程度の事で抑えられるの？」て感じだった。

何か全体的に淡々と進み、これといって大きく盛り上がるようなシーンもない。クスリの秘密を守りたい悪の組織みたいなのが次々と襲いかかってくるのかな？と思ったら、そうでもないし・・。そもそも元妻の弟に薬を供給している製薬会社は何がしたいのか不明。彼が持っていた分がその薬の全てみたいな描かれ方だったけど何で？バンバン作ればいいじゃん。う〜ん、よく分からん。

まあ細かいことは抜きにして、見ている間はなかなか楽しいんだげど、エンドロールになったとき「・・・終わりかいっ！！」て思った。主演がブラッドリー・クーパーじゃなければアメリカでも大コケしただろうな、この内容じゃ・・。

そもそも頭が良ければ金も儲かるという発想自体がアホっぽい気がする。世の中そんなに単純やないで！！
そういう意味ではこの映画、コメディにすればさぞ面白かっただろうに・・。
シリアスなＳＦサスペンス調だから、あちこちにストーリー上の穴が目立ってしまって結果的に つまらなくはないが面白くもないビミョーな映画 になっちゃってます、残念。

そういえば、ロバート・デ・ニーロの役は別に誰でもいいような感じだった。この人最近「マチェーテ」とか「ニューイヤーズイヴ」とか、しょーもない役で出てることが多いな。金に困ってるのかな・・。

　思いがけず面白いサスペンス・スリラーでした。期待していなかった分、楽しかったです。
　単純なクライムサスペンスではなく、人間の能力を100パーセント引きだすという謎のドラッグというアイディアが秀逸でした。ちょっと間違えるとキワモノになってしまいそうですが、見事なエンタテインメントに仕上がっています。
　謎のドラッグで主人公ブラッドリー・クーパーがどんどん成功をおさめていくところでは、軽快で楽しいサクセスもの風のアップテンポな魅力があります。
　ダメな主人公が成功する様子にこちらもちょっとウキウキしかけますが、しかしぞれは実力ではないので、ちょっとイヤな感じも抱いてしまうわけです。そんなこちらの気持ちに応じるように、謎の尾行者・殺人者がじわじわ忍び寄ってくる面白さとともに、薬の副作用が制御できない恐ろしさも加わります。この映画、主人公がダメな奴―天才―何者かに追われる被害者、と変わっていくのが映画を飽きさせない大きな要素になっていると思います。つまり、脚本がいいんですね。
　簡単に自滅するのかと思われた主人公が、莫大な資金を投じて副作用のない薬を開発するというアイディアにも笑いました。確かにそうするでしょうが、これを実行する映画の主人公には滅多にお目にかかれなかったような気がします。
　オチはそれで良かったのかな？　という含みを残しますが、面白い作品でした。65点。

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子供の頃「アラジンと魔法のランプ」のオハナシを読んで、「三つのお願い」を叶えてくれる神サマが自分の前に現れた時、咄嗟に考えが浮かばずにツマランお願いをしちゃって後で後悔しないように普段から「欲しいもの」を考えておかなくてはイケナイと思って、以来ヒマさえあれば「自分は今何が一番欲しいのか？」を考えるクセがついてしまったのですが、真剣に考え出すとこれがなかなか難しい(笑)。自分の人生や世間、世界の事情について多少は分かるようになって（オトナになって）からは、取り敢えず「カネ」。そして「カネ」では買えない「女」（これは「カネ」で買える、と言う意見もあるんですが、私はNOだと思ってます。あまり自信は無いけど）。で、最後の一つは「『お願い』をあと三つ追加してもらいたい」って「お願い」をする、などというセコいこと考えてましたね。やっと最近になって、もうこれ以上「欲しいもの」なんて全然無いことに気が付いてしまったら、魔法のランプのことも考えなくなりましたけど(笑)。
この映画、魔法のランプじゃないけど一錠飲むと何でも出来ちゃう「リミットレス」な能力が手に入る、ってほとんど「アラジン」と変わり無いお伽話をマジに映画化して、主演は数年間ハリウッド一の「安め軽めのイケメン男」で鳴らしたブラッドリー・クーパーです。いくらなんでも軽過ぎると気が引けて「大御所」ロバート・デニーロ引っ張り出して重石にしたつもりでしょうが、どうも最近デニーロ爺さん、このテの「安め軽め」のおバカ映画出演が多いですがマジメに仕事してませんねぇ(笑)。
で、思った通り主人公は「何でも出来る」ようになったら結局株式投資で「カネ」儲けして上院議員に立候補、なんて「ツマラン」こと始める。しかし最初にも書いた通り、人間「本当に欲しいもの」なんてマジに考えたら意外に無いんですね。「欲しいもの」「やりたいこと」に「リミット（障害）」があるうちは、そのリミットさえ無ければ「本当に欲しいもの」が手に入るような気がする。でもリミットが無くなってみたら、実は「本当に欲しいもの」なんて無かったことに気が付く。「リミット（限界）」は実は自分の「欲望」、または自分の欲しいものが何であるかを考える「想像力」そのものにあった、ということになる。
この映画も最初のうちはなかなか面白くて、主人公の「リミット」が薬の効果でどんどん取り払われて行く過程は結構興奮するんだけど、さて「リミット」が無くなったら何するのかな？って後半は急に退屈になっちゃうのはそういうことなんだと思います。作者の「想像（創造）力」に「リミットレス」を期待したのはやっぱり無理がありましたねぇ(笑)。